2020/03/28

岩場の安全保障

岩場の安全は、当然ですが、誰にも保障されていません。

そうした中で、岩場の安全を見極めていくには、以下のような情報が必要不可欠です。

このリスト以外にも考え付く方、ぜひご連絡ください。

1)岩場が開拓された時期 …新旧

1985~90年の岩場はボルトは交換時期を迎えていますので危険と言えます。
2000年以降の開拓であれば、ボルト自体は古さはそこまでないと想定できますが、それでも20年前のボルトです。

2)岩の質

砂岩、花崗岩、石灰岩などでボルトの施工時の効きも違えば、耐久性も違います。石灰岩の岩場はしみ出しが多く、腐食のリスクが大きい岩場です。

3)しみだし
しみ出す岩場=腐食リスク高い

4)ボルトの品質 ステンレスのグレードとボルトタイプ
 
カットアンカー、グージョン、ケミカル、など全く出ている強度が違います。強度が出ていないカットアンカーで、M8のボルトの場合、落ちるクライミングはしないほうが良いと思われます。ハンガーがついている場合、M10グージョンでのみ落ちながら登るスタイルを許容しましょう。グージョンを見分けられる能力が必要です。

17ミリスパナを持ち歩きましょう。

5)開拓者の人柄

几帳面な開拓者が良いです。いくら品質の良いボルトを使っても、下穴が大きければすぐ抜けます。下穴は上半身の強靭さがないとドリルのブレ程度で大きくなってしまいます。

粉塵の除去などは、性格が出る部分があります。

開拓者が身体能力が高い人だと、ランナウトを許容する傾向が強いです。ランナウトしているということは、そのボルトは意味がない、という意味です。落ちないスキルを磨いてから、その課題には取り付くべきです。そのような配置の課題を作る開拓者は、地元では大体、危険人物として、共有されていることが多いので、詳しい人に聞きましょう。

危険人物とされている人は、それを誉め言葉だと誤解して考えている場合が多いので、当人にその修正をお願いすることは不可能なので、その人の課題は避けるだけにしておきましょう。

またランナウトを見極める目をもってからルートに取り付きましょう。

6)立地

山間の岩場は塩害がないので、ケミカルほどは必要がないですが、オールステンレスが望ましく、異種金属の混合は避けるべきです。酸性雨が問題です。

シークリフの岩場は、塩害が深刻なので、可能であれば、リムーバブルプロテクションである、カムの利用になれて、カムをプロテクションとして登るのが良いです。

低山=暑く、寒い

7)岩のもろさ

もろい岩、というのは、佐久の志賀の岩場のようなところです。私は、2度、ホールドが外れてフォールした人を止めています。

8)ボルトの管理状況

誰かまとめ役の人がいれば聞くことができます。龍洞の岩場では、エクセルファイルに腐食状況がまとめられています

9)岩場利用のされ方

三つ峠、越沢などでは、アイゼントレもできますが、そうでない岩場では御法度です。同じ岩場でも、アルパインのトレーニング向けの岩場とフリークライミングの岩場では利用のされ方が違います。

県立公園などは、キャンパーやほかの人も使います。クライマーしか来ない岩場なのか、別の人も来る岩場なのか?リスク管理は違ってきます。

初心者の間は、自分が落ちないと感じられる場所にしつこく通いましょう。ホームゲレンデを持つことで、岩場の成り立ちがだんだんと分かるようにもなってきます。

10)グレーディングの傾向

辛いのか、適性なのか、ということがクライマーの間で話されていることが多いです。
ちなみに三倉は辛いことで有名です。

11)気温と日照

12)ボルトの強度のついての問い合わせ先


■ その他

もし他にもあれば、ぜひご連絡ください。ぱっと思いつくままにリストアップしました。


アクシデントによって起こりうる事態を自分が受け入れるかどうか?

私が知っている事例です。ちなみに私はまだ登攀は4,5年というところです。

1)山岳総合センターの講師(つまり信頼している相手)と初級バリエーションの西穂~涸沢岳西尾根縦走に行き、涸沢岳西尾根で滑落。死亡、33歳。奥さん身重。

2)花谷ガイドの主宰のヒマラヤキャンプ参加者(つまりきちんと教わった人)。宝剣で400m滑落、開放骨折。ヘリレスキュー

3)中山尾根で滑落。雪1年目、若い男性。もともとリスク認知が浅く、教育をきちんと受ける機会がなかった人。

4)ベテラン。屋根岩2峰懸垂下降ですっぽ抜け

5)ベテラン。奥穂、間違い尾根で遭難。凍死。

6)ベテラン。アイストップロープソロ登攀中に懸垂で失敗。原因はロープ凍結。

7)保科ガイドの講習中に三ツ峠で参加者墜死。詳細不明。

8)四阿屋。ランナウトした3ピン目で墜落し、グランドフォール、腰椎骨折。

9)小川山 ストリームサイドでソロ登攀中に墜落 詳細不明

10)烏帽子 ランナウトもない、初心者課題にて墜落、足首骨折

11)スラブ 墜落にて骨折。

墜落して怪我になり、レスキューになる場合、ベストのビレイをしていたとしても、互いを責め合う結果になり勝ちです。

その結果から見ると、おそらく、クライマーはオウンリスクを受け入れてはいなかったのでしょう。

私自身も、足を肉離れした時に、何度もパートナーに「歩くことも痛い」と訴えたのですが、応急処置も、医療機関にかかるための帰宅も、許されず、連れまわされて、ひどい目に遭いました。その人は反省した時に、「経験から大丈夫だと思った」そうだったので、経験が同行者を無視しろ、と教えるなら、もうこれは同じことを次回もやるということだと理解し、以後は登っていません。

失敗は誰にでもありますが、その失敗から、いかに多くを学ぶか?をいうことが大事です。

事故が起きた場合の対処法については、双方で合意をあらかじめ作っておくことが大事です。

行動の結果予測について

以下は、私が行動の結果の予測がきちんとできていないなと思った事例です

1)岩場でジャンプする → 下地が岩で衝撃吸収性能がない

2)外岩でデッド → インドアクライミングではダイナミックムーブでもよいですが、アウトドアでは、デッドで取る習慣を改めてくれないとリードデビューはさせられません。もちろん、5.13などの高グレードを登る人は除きます。

3)落ちたら死ぬところで、ロープなしでいる

 例:具体的には岩の端っこのほうにセルフなしで立つこと
   トップアウト後など2級で歩けるからとロープなしでいること

4)ギアを落とす ギアを落としたら、登攀は終わりです

5)敗退用のギアを持たないでいること 

6)ザックに余計なものがじゃらじゃら外付け 枝に引っかかる

7)林道で飛ばす → 出会い頭にぶつかる

8)雪道で車間距離を開けない → おかまを掘る→車おじゃん→保険料高くなる

9)ギアに目印をつけてこない → ギアを無くす

10)年配の人を盲目に信頼する → 人のせいにする

11)天気予報を調べない → 転進先がない

13)周りと同じにする習慣 → 自分で調べないためリスクを詳細に知らない 
                人の歩いた道についてくる






2020/03/27

Free Funのオウンリスクの説明の曖昧さ

■ オウンリスクの説明の曖昧さ

たぶん、現代の知性に訴えるには、フリーファンの巻頭に掲載されている表現では、表現が曖昧過ぎるのだろう、とおもいます。

1)行動の結果が予測できない人

→ 事例をあげないと現代の人は、それがどういう意味なのかわからないのでは?

例:登ったら、降りなくてはなりません。ローワーダウンと結び替えは平地で練習してから行きましょう。など…・

2)アクシデントによって起こりうる事態を自分が受け入れるかどうか?の判断

→ この表現も曖昧過ぎて、具体例をあげないとよく分からないのだと思います… アクシデントによって起こりうる事態=死、骨折、など具体的に明示しないとおそらく、イメージできないのでは?具体的事例が必要のような気がします。それも写真付きで。

私の友人は、身重の奥さんを残して、33歳で他界しています。開放骨折で九死に一生。それ以外も、墜落で足首骨折した場合は、回復に1年くらいかかると思います。

3)岩場の安全は誰にも保障されていません

→ いつ開拓されたか?どのような人がどのようなボルトを打ったか?シークリフの場合は腐食が、もろい岩場かどうか?ボルト管理台帳はあるのか?災害履歴はあるのか?事故履歴はあるのか?
など、具体的に示さないと、おそらく何をチェックして、リスクを受け入れたら良いのか?分からないと思います。

龍洞の岩場には、エクセルでまとめた終了点の信頼性評価ファイルがあります。

4)道具に対する正しい使用法を学ぶ義務があります

→ 取扱説明書を熟読し、使用を開始する際は人工壁でテストの後、使用になれてから、外岩で使用しましょう、と具体的に書かないと、学ぶ義務だけでは、スルーでしょう…

5)ナチュラルプロテクションのセット不良などは重大な被害を与える

→ これも、オブラートに包みすぎなのでしょう。カムが三つ飛んで、グランドフォールして死亡事故、など具体的に伝えないと意味が分からないのだと思います。

6)ボルトなどについては誰も保証していません

→ 曖昧表現… なぜなら、それでもボルトはあるからです…。おそらく現代のUIAAが推奨するボルト強度は25kNで、1985~90年代に打たれたM8カットアンカーは、施工が良くて、15kN、悪いと、5kNもないかもしれません、と具体的に数字を挙げて、書かないと分からない。

終了点についても同様。

7)安全マージンを考えてとりつくべき

→ そのマージンが分からないのが新人で当然なので、ボルトが信用できないJFA管轄外の岩場=落ちないグレードを外では登る、ケミカルなどの岩場、墜落は比較的許容できるがランナウトではなく、トラバースでもない、直上の素直なルートで、核心前にクリップができる、などと具体例をあげないと安全マージンの取り方がわからないのが、新人でしょう。

薄い安全マージン自慢大会に陥っているのが、日本のクライミングの現状なので、このやんわりした書き方では、意図が伝わらない。

8)低グレードのルートは、よりレベルの高いものによって、ボルトなどが設置されている場合・・・

→ これも具体的に、各岩場でどれとどれがそうなのか、具体的に指摘を受けてから、それらのルートを登るべきだと書かないと分からないと思います。トポには、開拓者の〇〇さんが、5.9を登る人なのか、5.13を登る人なのかは書いてないので、それは要するに知りようがない、という意味ですので、こんな曖昧表現では安全マージンを設定しようにも、そのための情報がないという意味になります。

9)ナチュプロを使用する際には、その知識と技術も必要です

→これも具体性をもって伝えないといけない。疑似リード状態で、カムに乗ってカムをテストする。エイドでカムのプレースメントを覚える。カム落ち練習を行う。具体性が欠如しているので、たぶん、みんなどうして良いのか分からない。

10)自分の能力とリスクを天秤にかけ、より安全なスタイルを選択することが最重要です

→ いやー これは、まったく真逆が横行しています

11)落石、ロングフォールの岩場ではヘルメット

→OK

こんな風に具体的に書くべきです。

12)グレードは数字だけに惑わされてはいけません

→ 〇〇の岩場はヨセミテグレード、など岩場ごとの特徴を知る必要があることを具体的に例示しないと分からない。ランナウトを特に避ける必要があることも具体的に書かれていないと分からない

13)落下物や落石を予測して

→ それができていないクライマーが多い。具体的に図示しないとできるようにならない

14)スポーツルート用&当てはまらないルート

→ では、フリーとスポーツとトラッドなど岩場に細かく分類をつけるべきでしょう…海外のトポはそうなっています

15)ルート下部でのフォールは・・・

→ 1ピン目を掛けたら落ちてもいいのがフリーなので、これはローカルルールになっている…落ちる位置を見定めないといけないのは当然だが、それも具体的に言及がいるでしょう

16)ビレイは信頼できる相手

→ ビレイの信頼関係の作り方を述べないと。つまり、人工壁で、第三者にビレイのチェックをしてもらう

17)着地の失敗による骨折や捻挫

→ 全治何か月なのかまで書かないと、おそらくよく分からないままで、終わる

18)脊椎、腰部損傷

→ 同じ。ボルダーのフェスで男子、ばんばん、飛び降りていましたけど。下地、石ですよね‥ 下地の種類などを細かく教えないとダメです、たぶん。山のボルダー=土、クッション性あり、など。

19)スポッター

→ 体重差の具体的例を言わないと分からない。どっちが重いと危ないのか?何キロ程度の差、高さとの関係

20)別のスタイルの選択をすべきです

→選択の仕方を教えないと分かるようにならない

21)ジム内のグランドフォールは・・・参事に発展する可能性があります

→これも、参事の具体的事例がないと、曖昧なのだと思います

というわけで、おそらく、クライミングの能力とリスクを天秤にかけてクライミングしているクライマーは非常に少ないです。

まぁ、ここまで具体的懇切丁寧に説明しないといけないのなら、クライミングに来てもらわなくてもいい、と言いたくなるとは思いますが…。

■ ラオスの事例

私は今回はラオス行かなかったのですが、色々考えて、膝の脱臼が半年以内に、良くならなかったので、今現在考えられる、一番のリスクは、再度、脱臼すること…脱臼は癖になる、というのが最大のリスクです‥‥でしたが、ラオスでは、再脱臼した場合、医療機関にかかることができないだろう、かかれても質が…というので、辞めたのでした…。

■ プロセスを見せていない

何がリスクなのか?を考える、その思考プロセスを見せていないから、まぁ、当然ながら、リスク評価ができるようにならない、というだけなのではないでしょうか?

能力評価のほうはグレーディングという物差しがありますが、リスクについて考えるには、あまりにも現代の社会生活が安全を前提にしすぎており、道路で前を見なくても歩けちゃう(ケータイ見ながら歩いているでしょう)くらいの平和ボケですので、そのような社会という前提を考えると、自己責任といいう言葉の内容が、伝わっていないのは、まぁ歴史と現実が示しているように思います。

ロクスノ018 平山さんのサラテ

■ 50号以前のロクスノを買いましょう

いやー、今までロクスノ、買っても読むところなかったんですよね。

で、あるブログに50号以前のロクスノは良かった的な指摘があり、そうなのか~と思っていました。ロクスノは図書館にないので、見たことがなかったからです。

少しダブっている号ということで送っていただき、それは本当だったのだー!!と驚いています。

しかし、書いているメンバーが毎回同じで、もう20年くらい新旧交代していないのみたいで、そりゃー古い人たちの意識の中では、壊れたレコードのごとく、同じことを繰り返しているから、唱えるのも嫌になる、系かもしれないですね…

■ 018号 2002年

は、平山さんのサラテのことが書いてあります。普通の人が3日かかるところ、ワンディ、というので、すごく肉体疲労が…という部分が印象に残りました。一か月くらい疲労が取れなかったというくだりがあります。アドレナリンってすごいですね。

この号は、まるで古い『岳人』のように八ヶ岳のバリエーションも載っています。

山野井さんのギャチュンカン、本のほうで読んでしっていましたが…いや~壮絶。

アルパインは不快、フリーは快適、みたいな構図がそこはかとなく見えますが…。これを見る限り、フリーは下界で、楽しそうです(笑)。生と死の分岐点っぽいのは、どうもアルパイン…。

しかし、日本の岩場では、現在に至っても、生と死の分岐点博覧会状態が、改善されないままのようですが、一体どうしてこうなってしまったんでしょうねぇ…

しかし、この号は見ごたえがありますので、Amazonで購入されるなら、買い!の号です。

https://amzn.to/2WN5of5


A Historical Note: Isao Shinkai

■ ロクスノ024号

Japanese climbing magazine ROCK&SNOW 024(2004, Oct) had a list of K2 sumitter in the history. 

I found a local climber's name, Isao Shingai, on the magazine as the 2nd ascent climber, on Southeast ridge with oxygen. 
   
ロクスノ024には、K2の歴代登攀者のリストが出ていますが、鬼が鼻の岩場で発見したプレートにあるクライマーの新貝勲さんのお名前が、クリス・ボニントンの前に出ていました。

    南東稜から酸素を使って登頂 23年ぶりの第二登

とのこと。 1977年6-8月です。第一登は、1954年のイタリアアルディート・デジオ隊になっています。

これはクリス・ボニントンだけでなく、メスナーとか、ダグ・スコットとか、小西政継とか、飛田和夫とか、クルティカ、山野井泰史とか、そういうメジャーな?名前の前です。

なんか~新貝さん、損している?よく分かりませんが、鬼ヶ鼻岩クライミングの際には、K2に上った日本人のことに思いを馳せてみたいものですね。この岩場で特訓したのかもしれませんし。



1958年
ロクスノ024 p107
Looking down the city of Fukuoka from where his plate is placed 

https://allnevery.blogspot.com/2018/05/blog-post_21.html

危険なボルトを登る以外は何をしてもいい→ボルダラー急増

■ダメ以外は何をしてもよい文化vs日本

20歳でアメリカに行って驚いたことは、ダメって言われたこと以外は、何でもして良いことだ。

日本は逆で、”して良い事”の幅が非常に狭く、それ以外は、みんな”出来損ない”扱いを受ける。そのため、学校を終わったころにはひどく自尊心を損ない、言われたことしかしないMYルールになっている人もいる。言われた事以外をやると、どうせ、ダメだとの烙印を押される世界が日本だからだ。

結果、日本で生まれ育った人の8~9割が、”〇〇を△△にしなさい”と事細かく詳細に言われないと、何もできない人に育っている。

特に今の時代は、知的なレベル低下も激しく、少数の何も言われなくてもできる人と、かみ砕いてやって、やらせてみて、励ましてやって、やっとこさできる人、つまりコーチの付き添いが必要な人…との二極化が激しい。

…という状況の中で、

 やってダメなことだけは伝えて、後は好きにしていいよ

って教育をするとどうなるか? たぶん、今のフリークライミングの世界みたいになるわけなんであろう。

 やってダメなこと=危険なボルトで落ちながら登る

それ以外は好きにしていいよ!

となった結果が、ボルダラーブーム、全国ボルダリングジムブームなのであり、リードクライミングのほうはお留守、という状態なのであろう…

要するに、フリークライミングのかっこよさややルールが伝わっていない。

だから、やるとなった場合も、しっちゃか、めっちゃか、ということだ。事例としては、無節操なボルト配置や岩場に木っ端とか人工ホールドとかいうことだ。

■ 教育機関がない

フリークライミングの価値観を私はきちんと誰からも教わったことがない。

アルパインの価値観なら、色々と肌感覚で教わったよなーと思うが、フリークライミングについては、北山真さんの本で読んだくらい(で、記憶によると、「日本では上手にならないと面白くならない」と書いてあった…笑)

結局、自己責任と言われる割に、じゃあと、その通りすると、あーだこーだ、言われるし、アクセス問題やボルトの問題以前に、岩場に行くと、主みたいなオジサンがいて、なんだかんだ色々と言われて、自分の好きに登れない。

結果、楽しくない、ということなのだと思う(笑)。

岩場どころか、人工壁にいてすら、誰に何も迷惑をかけている訳でもないのに、あーだこーだ言われて、登り方を指示され、楽しく登れない、という現実がある。

自由に登る=粘着性の良いチョークにこだわる

という結果になったりして、それは方向性が違うと言われても、

自由、って言ったじゃーん!

となるだろうなぁ~

自由なクライミングなのに自由じゃないじゃーんって言うわけだが、自由(フリー)の反対がエイド(人工)ということが、アブミとかユマールとか見たことも聞いたこともない現代のクライマーに分かるはずがないよな~と、彼らの立場に立てば思う…。

それはエイドクライミングだし、エイドクライミングはアルパインの世界では最初に出てくるけれど、フリークライミングの世界ではビッグウォールをやるようにならないとでてこないものである。

《アルパインの順番》
縦走→沢→冬山→懸垂下降→エイド→マルチ岩稜登攀→フリー

《フリークライミングの順番》
人工壁→外岩スポーツルートショート→ スポーツルートマルチ →ショート高グレード→ビッグウォール(エイド)

と学ぶ順番が全く違うから、アルパインを教えるところは当然だが、インドアのスポーツクライミングなんて教えない。

ので、やはり大事なことは本当のフリークライマーやフリークライミングをやっている人たちが、杉野保さんのOBGみたいな良質な記事を書き続けて、若い人たちにフリークライミングの何たるか?を見せてあげることなんじゃないですかね…???

それをサボっているから、アルパインの人たちが、普通に俺らのクライミングで何が問題なんだ?と思っているだけのように見えます。

こういうおじさんがたちが、めんどくさいので、若い人はボルダーに逃げていく、ってだけの話のような??

上下関係で登ると上達できない理由

■ クライミングあるある

新人時代とか、自分よりパートナーが登れない時代は上手く関係性が築けるけれど、相手が成長したら、上手くいかなくなる…という年配のクライマーは多いと思います。

これを「捨てる」「捨てられる」と表現する人もいて、私は以前のパートナーで、嫌だったのは、ちょっとでも気に入らないと「君とはもう登らない!」とパートナー解消をちらつかせて脅すことでした。

次の文章は、心理学のメールマガジンで届いた内容です。

これは多かれ少なかれ、クライマーの上下関係があるパートナーシップについて言えることではないでしょうか?

ーーーー
まだ小さい子供の頃は、親が絶対的な存在であり、
全面的に親に頼り、尊敬の念を抱いています。
こういう関係性の時は、小さい子供に頼られ尊敬され
親は自尊心が満たされます。
しかし、子供が大人になるにつれ、
親とは違う世界を経験したり
自分独自の価値観を作りながら成長していきます。
子供はいつまでも親のことを無条件に頼るような
無力な存在ではないのです。
子供が一人の人間として親を見た時に、
それでも子供に尊敬されるかどうか。
その答えは自分自身に聞いてみれば
分かるのではないでしょうか。
このクライアントさんにこのように聞いてみました。
私:
「あなたが娘さんだとしてあなたのことを尊敬できますか?
尊敬してほしい、なぜ尊敬しないの?と、
娘さんの話を聞く前に自分の要求ばかりする母親を。
娘さんの話を聞くためではなく、自分が満たされるために、
連絡をよこせと主張する母親をあなたは尊敬できますか?」
この質問はクライアントさんにとって
耳の痛い質問だったでしょう。
しかし、“母親”だからといって
無条件に尊敬されるはずなどないのです。
やっていることは駄々をこねている子供と一緒なのですから。
ーーーーーーーーーーー

ーーーー
まだ新人の頃は、師匠(山岳会のリーダー等)が絶対的な存在であり、
全面的にリーダーに頼り、尊敬の念を抱いています。
こういう関係性の時は、新人に頼られ尊敬され
リーダーは自尊心が満たされます。

しかし、新人が登れるようになるにつれ、
リーダーである自分とは違うクライミングの世界を経験したり
新人独自の価値観を作りながら成長していきます。
新人はいつまでもリーダーのことを無条件に頼るような
無力な存在ではないのです。

新人が一人のクライマーとしてリーダーを見た時に、
それでも新人に尊敬されるかどうか。

その答えは自分自身に聞いてみれば
分かるのではないでしょうか。
ーーーーーーーーーー

グレーディングとピン間隔について

■グレード談義

今日は朝から、小山田大さん、室井登喜男さん、杉野保さん、ユージさんという超豪華メンバーの、グレード談義の記事を読んだ。

V15とか発表すると、それは日本だけの問題ではなく、世界が反応するらしい。

グレーディングは、ほんと、まぎらわしい。

目安として機能するように、ほとんどなっていない。

そうなると、どんな岩場でも、どんなに自分が登れると思っても、一番下から順繰りに登っていくべきじゃないだろうか。その岩場で難易度が揃っていればいいだけなのだから。

■ 三倉はヨセミテグレード

三倉の5.9は、まったく5.9じゃない。日本の5.10bくらいある。それはヨセミテがそうなのだそうだ。

だとすると、ラオスの5cは、デシマルでいうと、5.9に換算されるはずだが、それだとつじつまが合わない。登攀のスタイルの差を加味しても、つじつまが合わない。

ラオスでは、6Aは、ムーブが必要なようにできていて、日本の岩場で培った、5.9はムーブがなくても登れ、5.10Aになればワンムーブ、という感覚と違う。これでいうと湾グレード違うってことだ。

高グレードの人たちは、世界のクライマーから、

「え~、V15っていうから、来たけど、簡単じゃーん!」

って言われるという問題があり、低グレードの人たちは、5.9って言うから登ったけど、5.10bじゃーんっていう問題がある。

ので、それが逆になったほうがたぶん、安全性は増すでしょう。

辛い、甘いが安全性という観点からは、真逆になっている…。

本来は辛くもなく、甘くもないのがいいのですが、適性グレードというのは、実現不可能な夢と思われるので、

11未満の人
は、めっちゃ分厚い安全マージンでも別にいいと思います。

ギリギリに迫って落ちる=人工壁

で、外岩のことでなくてもいいです。人工壁のリード壁じゃなくても、落ちれるなと考えられる幅で、ピンが打たれているようになってきたら、落ちながら登ればいいのであって、それは、5.12辺りからのスタートらしいですよ。

私の知っている強いクライマーで開拓していたような、強い人で昔の人は、それくらいにならないと、落ちれる間隔で、ピン打っていないです。

どのくらいのグレードから、落ちれる幅でピンを打っているか?で、そこかはとなく、実力をアピールする、というのが開拓者の秘めた愉しみ、みたいです。

結果として、その実力の誇示のために、新人が命の危険を冒しながら登る結果になっている。

非常にかっこ悪い図です。




ピンクポイントでの登攀と疑似リードの必要について

■ 人のクライミングをよく見る=適正安全マージンが分かるようになる

師匠と喧嘩したのは、湯川で私が疑似リードに進みたいときに、疑似リードではなく、ピンクポイントをさせようとしたことが、最初でした。

私がピンクが嫌だったのは、カムを指す位置が、いつも相方の回収で登っていて、遠い。背が高い人は、一ピン目から私と違います。

私のリーチが、彼の50cm下で、手が届かない位置にカムが刺されたピンクポイントでのリードは、たぐり落ちの危険、が非常に高い。

なぜ、それが彼は理解できなかったのか?

それが理解できないと、自分のパートナーにピンクを強要することになります。

なぜ理解できないのか?というと、おそらく、セカンドをやらないからです。

師匠はおそらくセカンドをやったことがないと思うので、身長でカムの位置が違うと言っても、なかなかその具体的な様子が浮かばなかったに違いありません。

私は、わざわざ紙面でそれをきっちり書いているくらいです…(汗)

https://allnevery.blogspot.com/2019/08/blog-post_68.html

師匠、一度でいいから、私のいうことを聞いて、疑似リードをしてくれたらよかったのに。

そうすれば、私がカム位置が違うと言っている意味が分かったでしょう。

■ 湯川 カムセット難しい

一方、湯川はカムのセットが難しい岩場で知られています。だからこそ、カムのセットを覚える疑似リードにぴったりの岩場です。

■ カム位置=ギリギリ度の指標

セカンドで登らなくても、自分の限界に迫っていれば、カムの位置は、クライマー本人にとって、どれくらいギリギリに迫っているか?の指標である、ということが分かります。

誰でも、危険の量に応じて、カムのセット間隔が短くなります。

それは、端的に言えば、アルパインクライミング…つまり、落ちないクライミングで、プロテクションは、ほとんど出番なし…は、やっていても、フリークライミング=プロテクション必須…、はやっていなかったから、彼はそれが理解できなかった、ということなのです。

おおざっぱに言えば、アルパインクライミングは落ちないクライミング、フリークライミングは落ちながらも、何度もトライして、”岩に合わせて自分を変えて登る”クライミングです。

岩への寄り添い、がアルパインとフリーでは雲泥の差、です。

■ どこからフリークライミングの領域なのか?は人による

岩への寄り添い、というのは、岩のために肉体改造が必要になる、ということです。

どのグレードから、岩に向けて肉体改造が必要か?というのは、人によります。

一般的な体格の人にとって、フリークライミングの始まりは、5.11以上から、現代では5.12は中級者になってしまったので、現代クライマーには5.12から。

もちろん、これは標準体型&標準体力の人向けで、クライマー界の標準=若い男子、です。

若い男子の身長&体力に入っていない人たちにとっては、肉体改造が必要になるフリークライミング、としてのクライミングのスタートは、もっと下のグレードからです。

私などは、高齢&女性ですので、10台でフリークライミングとして、岩に向けて自分の肉体改造を始めないといけませんでした。

すでに始める前と今では別人です。

■ 疑似リードは必須です

人間は、クライマーを見ていると、脳がシンクロしてしまい、私はいつもビレイしている相手(=クライマー)の動きを読めるようになってしまい、彼が何が登れ、何が登れないか、よく分かります。

人間には、ミラーニューロンと言って、相手のムードや気分に、シンクロする機能があります。

共感脳のことです。

ですので、ビレイをしてあげる時間は、共感の時間、観察の時間、です。

クライマーをよく見ているビレイヤーが良いビレイヤー、とよく言われます。

ので、それが起こっていなかったということを考えると、要するに、師匠は私がTRで登っている間、そんなに良くは見ていなかったのかもしれません。

おそらく老眼で、あまり見ること自体ができなくなっているのだと思われますが…(本人の非ではない。)

トップロープでの疑似リードは、クライマーが、カムの位置、岩、ムーブと、どういう歌を奏でているか、ビレイしながら、観察する時間であり、そう思えば、安全マージンを理解するためには、かならず必要、です。

疑似リードして大丈夫そうなら、リードに進みましょう。

もちろん、オンサイト狙いは、また別の話です。習熟度は、もっと必要です。

■ 共感脳が勝負のクライミング

こうしてみると、共感脳、が、クライミングにおいては、味噌だということが分かります。

共感脳が強くない人は、

 ・相手に実力とかけ離れたグレードのリードを勧めてしまったり

など、事故や怪我につながることを、相手に良かれと、勘違いして行ってしまいます。

一般的な傾向ですが、男性ホルモンまっさかり、みたいな方は、一般に共感脳が強くない傾向があります。共感というのは、心理学の分野では、女性性や知性に属することだからです。

女性性というのは、花がきれいだ、とかそういうことを想うっていう話ではありません。男の人の場合、花がきれいだと思うのと同じレベルで、女性がきれいだ、可愛いな、と思ってしまいます。

そうではなくて、
 
 相手の心情に立つ、
 相手の立場からモノを見る、

というのがクライミングで必要とされる共感能力です。 

花が可愛いという人は、花を摘みます。花を愛する人は、花に水をやります。

フリークライミングは、ムーブを楽しむクライミングなので、登頂を目的とするアルパインとは目的が違います。アルパインは登頂のためなら手段を択ばないというダークサイドがあります。それを覆したのがフリークライミングです。

 フリーでは、5.9でも、5.13でも、やっていることは同じ

です。つまり、上下の関係はありません。

5.13を登れる能力を山に持ち込むのが、現代のスーパーアルパインです。

■ トップロープで様子を見る

相手をビレイしている途中、クライマーをよく見て、クライマーと同じ気持ちでビレイするということですが、一般に会で登ってきたオールドクライマーは、ビレイが大変いい加減です…。特にトップロープ。ひっぱってりゃいいくらいなノリです。

そうではなくて、登っているクライマーと同じように、岩との対話を感じてほしいものです。もしそのクライマーが、あまりに稚拙で下手であれば、相手が上手になって、戻ってくるまで、ジムで登らせたらいいだけなのです。

それをしたくないのは、ただ単に、自分に都合がよいビレイヤーが欲しい、というご都合主義でしょう。

■ クライミングは移ります

私はクライミング、後輩に、「楽々、登っているように見える」と言われ、びっくりしたことがあります…。本人は、楽々でなく、必死、の時だったからです。

相手が必死か、楽々か、を見分けるのは、やっぱり共感脳の働きのような気がします。

男性は多くの人が、これが発達していません。

ちなみに、バレエでは、先生のお手本通りに動きを作れる必要があり、私は、動きのコピーが得意なほうです。この能力のため、水泳はあっという間に習得しました。この能力は、年齢を遅くスタートすると衰えています。

クライミングの初期のころ、今では有段クライマーのハッシーと言う先輩と人工壁でビレイ習得しました。彼の登りを注視していたせいで、私のムーブは男登り、だったらしいです(笑)。そりゃ、ハッシーのフィジカルでやるムーブを私がやっても、フィジカル違い過ぎて、できるわけないわなー。

というので、後で、ムーブをだいぶ直されました(笑)。

色々、師匠とは喧嘩しましたが、危険を無理強いされようとしたときに喧嘩 = Good

だったと理解しています。雨、降らないと地、固まりません。


  迷ってもハードプッシュしてはいけません。それやってるとムーブは身につかないです。

2020/03/25

瞑想山歩き 一回目

トレーニングをかねて、瞑想山歩きに行ってきました。足をなんとか回復させたいと思っています。

■ ミラーニューロン

人間にはミラーニューロンという脳の電波があって、脳内ホルモンで、気分、が伝播するのだそうです。

不安なクライマーのクライミングを見ていると、自分も不安になって登れなくなりますよね?

あれは、本当に脳が憑依されているんです。

山で心が満たされるのは、山の空気や、山の木々や大地、野生動物から発せられている、

純粋な質

に、人間の脳も同調してしまうからだと思います。

そのためには、登山者は一人で歩かないといけません。しかも、鈴など付けずに静かに。

■ 右ひざ脱臼のこと

脱臼した足は、一向に良くならず、いい加減、バンバン、クライミングしたい!とは思いますが、危険すぎて、やる気になれません…。

脱臼は、癖になるそうです。

今で半年経過していますが、まったく足を突っ張るムーブができません。スメアはできますが、立ちこめません。膝を強く収縮させた状態で突っ張ると、またハズレそうです。

しかし、外から見ていると、そんなことは分からない訳で、頑張っていない、と見えるだけ。今の時期、誰と登ってもリスクです。

■ 相手に憑依しない

師匠の青ちゃんが、ボルトを抜いた直後、ガマスラブに私を誘ってくれたのですが、歩けない、その様子を見て、ビレイをお断りしたことがありましたっけ。「何かあった時、パートナーが私では、あなたは危険です」と先にくぎを刺しました。結局、本人が登るって聞かないので、登りには行ったんですが…。金峰渓谷で足を冷やしたり…と、大変でした。

その時の記録 
https://allnevery.blogspot.com/2016/09/blog-post.html
https://allnevery.blogspot.com/2016/09/blog-post_85.html

彼がなんで私と登りたかったのか、今では分かります…。

私は相手の境界線を犯さないから、です。煽らない。

若い男子は、”え?!こんなのも登れないの?オーラ”、全開ですもんね、男子らだと。

そりゃ~、年齢差、息子以下の男性に、けっ!って顔されるのは嫌でしょうね。レスキュー隊長したり、冬壁だったり、それなりに実績を積んできた山やなのだから。男子は顔に丸ごと出ます。たとえ、相手が怪我している、って言っても外からは分からない。

昔、上司が2名いたのですが、一人の上司が、「女性はホントにやりやすい。頼んだこと以上にやってくれて、こちらの意図を汲んでくれて…」と言っていました。上司によると、男性は、上司がお願いしたようにではなく、自分がやりたいようにやる、そうです(笑)。そして、それがちょっと的外れでも、言いにくいそうです(笑)。男子、自信ありすぎですから。

■ モテたい…

登山口につくと、今日は運悪く、84歳のおじいさんにつかまってしまいました…。なかなか出発されないので、私と登りたかったみたいです。聞いてもいないのに、84歳と自己申告。めんどくさいなぁと思いましたが、「お若いですね」と言っておきました…。

いや、84歳になっても、山に登りに来るのは素晴らしいと思いますが…。だからと言って、同行者を求めるのは、相手も登りたい場合だけにしてもらいたい…。おじいさん、たぶん、いつお迎えが来るのか、不安なのは分かりますが、鈴がうるさくて、今日したいことが、オジサンといたらできないので困りました…。

今日は、私は同行者は欲しくない。…ので、なんとか別行動してもらうのに、大変、苦労しました。男性は、本当に、察する力が低いですね。男性の登山者もいたので、振り返ってみてみましたが、一緒には登っていないようでした(笑)。要するに、女性と登りたいのか。

84歳になっても、男性の価値観は、モテ、なんだなぁ…と、しみじみ思いました。あの手、この手、なんだなぁ。高齢自慢、という新しいナンパ手法らしいです(笑)。

■ 植林

三瀬村は、日本で最初に無税を実現した村、です。

以前、三瀬研究した時に、知りましたが、昔頑張ったため、今は、手入れをされなくなって40年、みたいな植林が周辺の山々に広がっています…。

当時は、夜逃げ人が出るほどの苦役を村民に課して達成した無税の村、だったそうですが、そんな無理をしてまで、そんなことをしたのは、将来、植林がお金になって楽になる、という目算があったためです。つまり、強欲、があったということです。

ところが、国の施策により国産材の需要はなくなり、資産だったはずのものが、負債に。

  
資産 → 負債

の流れが、ここでも見受けられます。

時代の流れを読むことは難しいので、その時その時に、良かれと、短絡的にがめつい発想で何かをやることには、疑念がある、ということですね。

こうしたことは、ただ、おしゃべりしながら、山を歩いていたら、全く気が付くことができないでしょう… 

というのも、植林の手入れが十分されているのか?いないのか?そんなことに気が付くだけでも、それなりに、たくさんの植林地を見る、というデータ収集期間が必要だからです。

ちなみに、こちらのような、細ーいバーコード状の森は、まぁ、お手入れ、かなりサボったねーって感じです。

■ サトビックな場

今日は、84歳の例のおじいさんが鈴をつけていたので、私は嫌だったのです…

わたしは、そおっと、山を歩きます。すると、野鳥とか、色々な動物が、人間ってどんなものだろ、って寄ってきます。

今日は、おそらく、ヤマガラと思うのですが、私をずーっと観察している野鳥が…。

お釈迦様を描いた絵に、野生動物がみんな寄ってきている絵柄がありますが…もし、人間が変なおしゃべりなどせず、じっと自然の中にたたずんで、他の野生動物と協調的な生活をしてくれるのなら…きっと野鳥たちのほうも、人間と仲良くなってもいいかな?と思うのかもです。

今日は、20分くらい、こっちを見ていました…

山頂付近で昼寝モードで本を読んでいたら、私をぽかぽか陽気に温められた岩だと勘違いして登ってくるトカゲ君などがいたので、こりゃ岩と同化してしまう前に帰ろ、と思い、山を下りました。

途中、佐賀の高校山岳部のメンバーに会いました。よく言えば、元気いっぱい、悪く言えば、ドスドスとデリカシーの無い歩き方で、山の中がやたら騒々しくなるよう…。

彼らの山は、山との対話、とかではなく、山を舞台とした、軍隊式意思決定を学ぶ場、みたいでした。

そういうスタイルの山があっても良いと思いますし、それがアルパインの基礎につながっていくと思いますが、損な山だと思いました。というのは、それは下界でもできることだからです。

聞いたら、縦走路の一般ルートを歩いているだけなのに、読図山行らしくて、驚きました。読図の山だったら、どこか一尾根歩いておいで、みたいな感じだからです。

尾根を歩く、という初歩の初歩、無くして、読図山行って…。まぁ、すごい遠回りな道を選んだね、みたいな感じ。

一般ルートを歩いていても、読図力、全然つきません。

まぁ、彼らもまた、それが分かるプロセスの上にいるのだろうと思ったので、元気なこんにちはー!に、こんにちはー!で返すことにしておきましたが…。

山でコーヒーがおいしかった…。冷えてもおいしいスペシャルティコーヒーを飲むに限りますね~ 山コーヒーは!

と思った山でした☆ 足は、ぼちぼちです。
竹が進出しているところは人間の進出した痕跡です 春は色で分かって面白い

自己責任の具体的内容

■ 自己責任の具体的内容

現代日本フリークライミングで言われる、自己責任、の具体的内容は

1)落ちていいボルト(M10グージョンやケミカル)とそうでないボルトの見極めができる

具体的には、M8とM10の差が見極められる。

2)FIXE社製でない、手作り終了点が、とりあえずの終了点だという認識がきちんと持てる&おかしいと気が付くことができる

3)2点、横に平行に打たれた終了点を見て、おかしいと気が付くことができる

3)ランナウトを認識できる

4)クリップ体制が可能なところにボルトがあるべきだということが分かる

5)敗退用ギアを持っている (例:捨てビナ)

6)グレードは目安に過ぎないので、グレードに惑わされず、自分が登れるかどうかをルートを見て判断できる

7)カムを確実に設置できる

8)ビレイヤーのビレイスキルを評価できる

9)1ピン目が掛けらればどこでも登って良い プリクリ棒を持っている

10)後進に自分の知っている安全対策とその理由をきちんと論理的に伝えることができる

以上です。

10)ができている人にあったことはほとんどないです。