ラベル 第三章 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 第三章 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015/08/01

トップロープクライミング

■危険vs正しい

≪危険なビレイ≫

 壁から離れる

≪正しいビレイ≫

 壁から離れない

≪正しいトップロープ掛け替え≫

1)セルフを取る
2)トップロープバーに2重にしたロープを掛ける
3)そのロープにエイトノットオンアバイトを作り自分と連結する
4)テンションを掛けてメインロープでビレイできているか確認する
5)元のアンザイレンしているエイトノットをほどいて、降りれるようにする
6)テンションしてローワーダウン

■ 危険行為

危険その① ぬんちゃくセルフ

ヌンチャクは中間支点用の器具です。正式名称クイックドロー。

室内壁で、終了点(アンカー)が信頼できない、ということはありえないので、多くの人が

・セルフビレイは1か所
・セルフビレイに安全環付ビナを使わない

でやってしまいます。それで良いのは室内壁だけです。大抵、終了点は自然の岩場を模して2点作ってあります。が、自然の岩場では、終了点を自分で作らないといけません。

・アンカーを自分で作る時は2点以上から。
・セルフビレイもメインロープとスリングの2点以上からとり、その際は安全環付ビナで取る

のが常識です。一つが壊れても、一つが生きていれば、助かるからです。

概念、というくくりで言うと

 1)信頼性
 2)冗長性(バックアップがあること)
 3)マスターポイント (流動分散か固定分散か)

の3つです。

■ 上質なトップロープ支点とはなんでしょうか?

では、上質なトップロープ支点とはなんでしょうか?

1)信頼性がおけること

強固で壊れない支点と言うのが、もちろん最重要です。 が、自然の岩場では、絶対はありません。

人が作ったボルトはねじで岩に固定されていますが、せいぜい5cmくらいの深さでねじ締めされているにすぎません。風雨で浸食されたら、岩ごとはがれるそうですよ。

もちろん、これは人工壁ではことなり、トップロープバーに掛ければ、一点に強制的になります。人工壁でなくても、公園の遊具などしっかり動かない支点で支点を作る時は、掛けるだけで十分です。

自然の岩場では、立木が信頼がおける支点になります。

2)冗長性

1つだと壊れたときに困りますから、2点作ります。これを冗長性といいます。

ボルトは壊れないとは言い切れません。だから、2か所以上から取ります。2つが同時に壊れることは、確率論的に考えにくいからです。

スリングも2本がいいし、カラビナも2枚が良いです。

3)マスターポイント

これはもう、壊れてしまってからの話です。

流動分散 → バックアップになっている支点にどーんと衝撃が行く
固定分散 → バックアップになっている支点に衝撃が小さい

です。トップロープはロープの伸びる量が多いので、私は固定分散が適当だと思います。

下に
上質なトップロープの支点とそうでないもの、間違っているものを上げておきます。


■ トップロープクライミングでよくある危険行為

1)ヌンチャクセルフで安全環付でないビナでセルフを取ってしまうこと
2)普通のカラビナ1枚で視点をとってしまうこと。通常は環付ビナを1枚、用心深い人は2枚。
3)ロープ同士が交差してこすれること

■ ビレイでよくある危険行為

1)壁から離れてビレイすること
2)1~3本目までのビレイで、ロープを弛ませすぎること
3)ロープを引っ張りすぎること

■ 関連記事

ブロッケン山の会による、トップロープとビレイの説明

■ 上質なトップロープ支点 



 1)信頼できる支点

びくともしない太い立木で2本にまたがっている

2)冗長性
・スリングは2重使い
・カラビナは2枚
・それも安全環付































■ 危険なトップロープ支点

1)支点の木より、バックアップの木の方が太く丈夫

2)冗長化されていない

初めてのゲレンデ

■ 先輩と初めてのゲレンデへ

今日は、マルチピッチの初心者講習的なことをしてくれるのだろう・・・と思っていました。

7時金川の森集合。

8時スタート。西湖の岩場(十二ヶ岳の岩場)

気持ち良く、トップロープで5.7のルートを一本。そんなに苦しまず登れたので、うれしくなり、5.8のルートへ。

5.8は下部で少し苦戦。

私は2本、相方は3本、トップロープでのぼりました。
マルチのほうの岩場へ移動。

終了点の作り方、クリッピングの注意点の説明。

はい、では、やりましょー!というところで・・・

はい?初心者同士?

・・・。

というわけで・・・、十二ヶ岳の岩場でのアイゼントレ一回、三つ峠マルチ一回、岩経験合計2回、のワタクシが、パートナーに教えるました~(><)。

いや・・・教える羽目になったというのは、正直な気持ちではありますが、

 1)教えてもらえるものだ、と考えていたことが甘い

 2)もう人に教えることができる、と考えてもらっていたことが、意外

のどちらなのでしょう(笑)?

私は、人に教えるほどの技術はない、と思っているのです。

人に教えるなんて100年早いと・・・。ついでに言うならリードするのも100年早いと・・・。

ワタクシなんてまだまだ・・・というのは、しかし、この際通用しません(^^;) 何しろ、パートナーは目の前で、目を白黒させている! 彼には私のビレイをしてもらうことになる(セカンドとは言え・・・)。

とりあえずは私がリード。

■ こういう項目を教えました

というわけで・・

 1)流動分散での支点作成
 2)セルフビレイ (セルフとメインロープのセルフビレイ)
 3)セカンドの確保

を至急教えました。 アタシでいいのかっ?と自問自答しつつ・・・ 今日分かったこと。

≪今日の復習≫
1)何はなくともセルフビレイ
2)支点作成
3)リードのビレイ
4)セカンドのビレイ
5)懸垂下降
6)クライミング

■ セルフビレイ

そこで解説します・・・

私はセルフビレイ用のスリングは、ナイロンのスリングにしています。というのも、ダイニーマは強いですが、結び目があると強度が半分に落ちるので。ナイロンだと結び目がショックアブゾーバーになる。

そして、長さ調節ができると良いのですが、PAS(パーソナルアンカーシステム)というのが売っていますが、長くて邪魔になるのはその通りなので、私は普通に120cmのナイロンスリングに結び目&HMS型の環付ビナにしています。 

ビレイループではなく、タイインループに。 ビレイループはリードのビレイ用にあけておきます。

タイインループのタイインというのは、ドイツ語のアンザイレンと同じ意味です。ロープを結びあうってこと。

普通にスリングでセルフビレイも取りますが、これは冗長用です。メインロープでセルフビレイを取ります。これ重要ポイント。メインロープを終了点のビナに掛け、クローブヒッチします。これでロープが流れなくなります。

ロープが固定されれば、ビレイはイラナイ。

ここで「ビレイ解除」とコールします。

セルフビレイを架け替えたいときは、何でも良いので必ず別にセルフを取ってから、架け替えます。
もちろん、メインロープでセルフを取っていたら、2個目なのでいいですが。つまりセルフは念のため2個ってことです。

■ アンザイレン

ゲレンデの時は、ビレイヤーとクライマーはアンザイレンしていませんが、本来はアンザイレンするのが普通です。 習慣にした方がいいですね。

リードが登り終わってから、セカンドの確保の体制に入ると「登っていいよ」と言われます。が、その時点でエイトノットを結んでいたら遅い。

■ セカンドのビレイ



ATC-XPガイドを使う以外に、カラビナとムンターヒッチでやるやり方もあります。


■ スタカット

スタカットのなかで、リードクライマーとフォローが交互に入れ替わるのがつるべです。

つるべだと、最初リードした人が次はセカンドになり、セカンドだった人が次はリードします。

■ 終了点に来たら

何はなくともセルフビレイ。そして、メインロープでクローブヒッチしてセルフビレイ。

地上に帰るには? 懸垂下降で帰ります。 ローワーダウンはないです。

ので、各自セルフを取ったら、アンザイレンをほどき、懸垂の準備をします。

カンタンに・・・

≪懸垂下降≫
・ロープの末端を支点に通す
・ 末端をすっぽ抜け防止加工する
・ロープを手繰り、中心の寄せる。余りのロープは束ねて投げる。
・下降器セット
・下降器が効いていることを確かめて、セルフ解除
・下降。

セットは、最初に降りる人と残りの人では違います。懸垂のセットはトップで降りる人はバックアップつきで降ります。

今回はバックアップつきの懸垂下降は教えられなかったので、次回教えたいです。

ついでに宙吊りからの脱出や、プルージックを覚えるべきと思います。

ここまでで必要な道具をまとめておきます。

≪マルチピッチ初心者セット≫
・ATCガイド
・セルフビレイ用の120cmナイロンスリング 1
・セルフビレイ用の大きめの環付ビナ 1
・終了点作成用のストレートゲートの変D型カラビナ2枚
・終了点作成用のダイニーマスリング 120cm1本
・終了点作成用の環付ビナ 1
・メインロープでのセルフビレイ用の大きめのHMS型環付のカラビナ1 (クローブヒッチとムンターはHMS型が必要)

というわけで、

スリングは、ナイロンの120cm1、ダイニーマの120cm1、カラビナは環付3(内HMS型2)、変Dストレートゲート2が要りますね。

≪バックアップ月懸垂に必要なギア≫
・懸垂下降でバックアップに使うプルージックコード1本、またはスリング
・バックアップ用のカラビナ1枚 環付
・6mmとかの捨て縄 (オプション)

≪中間支点用≫
支点用のガチャ (支点による。立木ならスリング+カラビナ、ハンガーボルトならぬんちゃく)
支店の数分

≪セカンドの確保&解除に必要なギア≫
・環付ビナ3
・60cmのダイニーマスリング
・バックアップのムンター用のHMS型環付ビナ1

これは岩初心者セットはすでに持っている前提です。

≪岩初心者セット≫
・クライミングシューズ
・ヘルメット
・ハーネス 

■ リード

というわけで、初めて、自然の岩場でリードしたんですが・・・そっちのほうはついででした(汗)

フリーは、5.7でリードデビューです。

最後、フリーをそれぞれリードして終了。 ランニングがないと、登る勇気が出ないことが分かった(^^;)。


岩の上から、こんな眺めが見えた。





■ おまけ

 


今回のヤマレコ。超そっけない。スミマセン。いっぱいいっぱいな感じ(^^;)