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2024/04/28

【瑞牆】REEL ROCK 18 TEASER 40年前のクライマーのかっこいいと現代のかっこいいは違うよ?


ReelRock18は、瑞牆 大やすり岩ですよ☆

サチさんが出ていますが…

大やすり岩って、エイドのルートがあって、そのエイドルートって、初心者にもお誘いがかかるようなのでした…

今検索すると、初心者の記録が出てきます。

https://yamap.com/activities/14128589

最終ピッチは、リングボルトでエイドラダーでした…みたいな感想。ルート名が書いていないのも初心者らしい…
多分、ハイピークルートでしょう… 40m全部ラダーっていうのに萌え萌えしている様子が伝わってきます。それって、40年前のクライマーの”かっこいい”なんですよ…(汗)

何度も出てくる「すごーい、あんなところに人がいる~」のセリフ…(汗)

いや、リングボルトだったら登らない、って選択肢を取れないといけないんですよ。現代では。そのリングボルト、抜けますからね。


やっぱり初心者だと、40年前の常識のまま、時限爆弾状態になっている古い支点を無条件に信頼して(まるで人工壁の支点のように)全信頼を置いて登り、たまたまうまく登れた記録が、楽しかった、の一言で終わってるようでした。知らぬが仏とは、まさにこのこと。

■ トップクライマー

サチさんと言えば、スポーツクライミングでも実績を出し…IFSC ワールドカップで二度の総合優勝…トップクライマー中のトップクライマーです。

5.14R に注目
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最後の者
The Last One
4P 5.14b R  FA 
大ヤスリプロジェクトのルート名やグレードが決まったので、発表させて頂きます。(遅くなりました🙇‍♂️)
I have pleased to announce the name of the route and grade for the O-Yasuri project. (Sorry for the delay 🙇)
まずはこのチャレンジを、怪我なく、無事に終えられたことを本当に嬉しく思います。そして、このプロジェクトを共にチャレンジし続けてきた @crazy.ryoma にはこの場を借りて感謝の気持ちを伝えさせてください。今回の撮影に協力してくれたクルー、何度も無理を受け入れてくれた五郎舎様、陰で支えてくれた妻やリョーマのパートナーの @arare.rei 本当に感謝しています。そして最初のきっかけをくれた内藤直也さんや、沢山のアドバイスしてくれたアルテリアの方々、本当にありがとうございました。
First of all, I am really happy to have completed this challenge without any injuries. And let me take this opportunity to express my gratitude to Ryoma, who has continued to challenge this project with me. I am truly grateful to the crew who helped us with this shoot, to Goroya for accepting the impossible many times, and to my wife and Ryoma's partner who supported us behind the scenes. I would also like to thank Naoya Naito for giving me the initial impetus and the people at Alteria who gave me a lot of advice.
このプロジェクトは、僕の人生で最も大きく、強い気持ちが必要なものでした。トラッドの世界に飛び込んで、いきなり大物に立ち向かってしまったのです。でも、大いなる自然は、無垢な想いに答え、そして完璧な形で包み込んでくれました。僕はただただ、感動し歓喜し、この奇跡に平伏すばかりです。
This project was the biggest thing in my life. I jumped into the trad world and suddenly I was up against the big boy. But nature responded to my innocent thoughts and wrapped me up in a perfect way. I am simply moved, delighted, and bow down by this miracle.
1P 5.11b PD
2P 5.10a
3P 5.14b R
4P 5.6
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現代のスポーツクライミングで”安全に”、スキルをアップしたクライマーは、5.14でRが取れるってことですからね??

エイドルートのハイピークも、本当はリングボルトを抜けば、フリークライミングルートとして再生できるのかもしれません。

もう、私みたいな、おばちゃんクライマーにでも、エイドであれば「大やすり岩、行きませんか?」とパートナー募集の声がかかりますからね… 

あー行かなくてよかった。マジで。

リングボルトが抜けて落ちたら、レスキューです。まともな皆様はそういうルートは避けて登らないんですよ。

ちなみに、山梨アルパインクラブでは、伝統的に成長させるため、岩講習の次は伝統のエイドルートらしかったです。私が所属した御坂山岳会では、エイド時代はとっくに過ぎたということで、エイドルートをあえて登る暴挙をお勧めされたことはありません。現代で打ち換えられていないエイドルートなんて手を出して、支点が抜けても誰も責任とってくれませんよ?

さて、私が言いたいのは、この事例が、見事に

 初心者とトップクライマーの事案の差を描き出している

ということです。しろうとさんには、

 大やすり岩登った

しか、伝わりません。したがって、エイドで登った大ボケ者と、ReelRock18でトップ画像に選ばれるサチさんの差が分からない。

大やすり岩なんて、私でも登れるようなところなんですよ(登りたくないので登りませんけど!!)

従って、そんなところで、自己肯定感アップしている、そこのあなたが、いや情けない…ってレベルです。まぁほほえましいっていうのが正しい評価でしょう。

現代のクライマーなら、今のレベル感を分かっていて然り、なので、大やすり岩をエイドで登って、その辺の素人さんに褒められて承認欲求を高めているなんて、しょぼいことをしているのは、よっぽど承認欲求に飢えている人みたいなのかな?って私は感じます。

もちろん、どんなレベルでもその人にとって達成感があればいいわけですが、だからと言ってその人が世界的クライマーと同等の内容があるか?ないです。

なんで、みんな、そこが切り分けられないのかな? そして、しがみつくのかな?

■ どのルートを保存するか?価値観問題

一方でルートの意味あいですが、大やすり岩がどのように初登されたのか?を示す歴史的ルートって意味で、エイドルートを残すのはあり、だと思います。しかし、それは、エイドルートで、いわば、

 レガシー(遺産)

として意味があるということを周知されている必要があります。

なんで、フリーの一桁代もまともに登れていない人が登るルート…なんせエイドなんで。

リングボルトはちゃんとしたグージョンに打ち換えたらどうですかね?抜ける前に。

賞賛を受けるのはいいですが、正しい評価で受けたほうがいい。なんか、命知らずのすごいことしているみたいな誤解が生まれていて、それに便乗している。

もちろん、日本の一般の人が無知だから…です。

が、もっと悪い精神性は、それに便乗している

  ちゃっかり精神

で、本来受けるべき賞賛ではなくても、ちゃっかりもらっちゃお!って方なのでは…人間性の低下というか。モラルの低下というか…。日本人って謙譲の美徳なのではなかったでしたっけ?

結局、何が残すべきルートで、何が駄作なのかの切り分け…価値観が育っていないので、

  ちゃっかりした人が賞賛欲しさにたかる場所

になっているかもしれない旧アルパイン業界。比叡でも同じことを感じました。

アルパインの人には本来の未知への冒険精神を取り戻してほしいです。壊れそうなボルトに命を預けるのがアルパインの精神に成り下がってしまっている。

■ リスクリワードレシオ悪すぎ

5.8で40mランナウトって現代で、3年もやれば誰でも、10代が登れるようになった時代に、リスクリワードレシオが悪すぎます。そんなところで命がけしても得るものがない。

なんせ、5.14でRの時代なんですよ? 命知らず自慢をするなら、5.13以上でやらないと…本質的に命知らず自慢にならない、と私は思います。

私もランナウトを登っていますが、しびれるのは、それが自分の能力ギリギリだからで、別に5.4でランナウトしても、はぁ?ってなりますよね。そんなところで、落ちないし。しかし、落ちなくても、プロテクション取れたら取りますよ?それとこれとは別でしょう。

自分のギリギリでプロテクションも取れないけど、あえて行くから、冒険なのであって、別に落ちないし、ってところでプロテクションを飛ばすのは、タダの怠惰。

怠惰をしびれる~って、それよほど、現代的には意味のない低グレードしか登れないクライマーのセリフなのではないかと…。それは、ほほえましいね、って感じのレベル感ですよ。

その一部の人のしびれる喜びのために、大多数のジム出身初心者が命の危機にさらされているように私には思えます。

だって昔から、ランナウトしたルートは先輩に連れられて行くから安全だったんですよ。

今の時代では連れていく先輩がいない。

今の現代クライマーは、岩場への入門は、その辺の友達と連れ立っていくものです。結局リスク管理ゼロ、いきなりジムで練習もできないスラブで入門ってことになるよなぁ…。

スラブが初心者向けっていう発想自体を変えたほうがいいのかもしれませんが…。

その辺は指導者クラスの人たちがベストな解を知っていそうです。

私は現代初心者はラオスから岩場デビューしたらいいと思います。

クライミングの評価システムの適切化が必要だなぁとサチさんの記録の理解のされなさ、日本をすっ飛ばしてReelRock18で評価されていることを思って、また、ため息が出ました。


2022/12/14

現代アイスクライミングのステップアップ

たまたまスイスに行くなら、という話が出たので、現代クライマーとして見聞きした感じをまとめようかと思い立ちました。行く価値がある、というルートはこういうのだろうと思うのですが…。ま、登れませんけど。

こちらが現代の最高レベルに近いと思われるドライツーリングのルート。スイス行くなら、こういうのとか…。D14があるなら、D5もあるかもしれないですよねぇ。日本にはドラツールートがどこにあるのか分からないです。昇天は半ドラツーくらい、つまりミックスでした。

 中島正人さんと竹内春子さんが、基本的には今、ドラツーを日本で引っ張っていると思いますが…もちろん、門田ギハードさんも!

で、ドライツーリングというのは、アイスクライミングのフリークライミングバージョンというか…。そんな感じです。桁違いに難しい。高強度になり、フィジカルのニーズが違います。

アイスクライミングって、ぜんぶガバの外岩みたいなクライミングなので、困難度で言えば、そこまで高くないんですね… 全部ガバばっかりの人工壁が面白くないのを想像してもらうと分かるでしょうか…

だから、アイスでフリーソロした人がいても、不思議ではないというか…。アイスではリードしていても、万が一にも落ちるな、と言われるので、よっぽど登りが確実にならないと、リードに進みません。

私が、この程度の易しめ5級のアイスをリードすることになったのは…

 


↓ この下のが楽勝で登れるようになったからです。こっちは6級です。私は保科ガイドでのスタートですが、保科ガイドもこれくらいがスイスイ登れるようにならないと、どんな易しいところもリード許可は出さないようです。


  

つまり、5級をリードするためには、6級がトップロープでスイスイでなくてはいけないのです。

持久力ルート。相沢大滝 4級55m。ロープは二本要りますね。たぶん、5級がスイスイ登れるようになったら、南沢小滝→大滝→相沢 の順に大きくしていくと無理がないと思います。


  

しかし、これらの滝が登れても、まぁ、余り自慢にはならないというか(笑)。なんせ、時代は、D14とかD15の時代なんで…。

そうなると、どっかぶり…これをやらないといけないんです。

別にワールドカップの選手にならなくても…こういうのをやっておくと、次のステップに外のアイスで進める、っていう話みたいなのです。だから、氷柱をリードで取りつけるようになるために、ドラツーをしていました。

たぶん、外のアイスでリスクを取るわけにも行かないし、かといってインドアで垂直だと難易度を上げられないので、被ってくる&人口ホールドで難易度をあげる。

ちなみに、私のようにアイス5級が登れる程度で、人口壁のドラツーでD5です。D5+か、D6マイナスくらいで、D6だとトップアウトするのが難しかった。それでもちょっとづつ強くなっていっていました。

ドラツーは環境が命。別に他のクライミングもですが。

環境がないと成長ができません。ので、ない時はさっさと諦めて、他の楽しい活動をするのがいいのですが、人間そう簡単に割り切れませんよね。

とくに、すごく頑張った後は…。

言いたかったのは、傾斜です。 スラブ → 垂直 → かぶり とアイスの場合は、リードしたい次の傾斜をトップロープでやっておきます。

だだ、歩きだけは、先にマスターしておいた方がいいかもです。たまに外岩のフリークライミングからアイスに来た人は、2級のアイス(つまり、水平)が歩けずに転んで滑落したりしています。


2022/03/24

初級者、中級者、上級者、熟達者

 ■ 一昔前は、5.12で上級者

5.13を登ろうとトライしている現代クライマーの弁

ーーー
僕自身は、ずっと中級クライマーという意識だけど・・・なんかこれには当てはまらんなぁ~(@_@)

ーーーー

つまり、5.12は中級者ですよ。

この表だと私は中級者になりますが、現代のスケール(ものさし)では、5.10ノーマルは、初級者の域です。







過去の基準で自分を計ると、自分のスキルがものすごく上級のように感じてしまい、スキルのレベルに見合わないルートに出かけることになってしまいます。


13a 1977  ⇒  約40年前の話です。
14a 1993  ⇒ 20年以上前の話です。


2022/01/28

時間が止まっているかのような九州アルパインクライミング

■ 2017年の角木場の氷

これは、2017年の私の写真です。八ヶ岳で一番手軽なバーチカルアイス… アプローチ5分なので、楽勝系ですが、本格的なバーチカルアイスが楽しめるので、ゲレンデ練習にお勧め。

ゲレンデ練習というのは、

 本気ルートや本気トライのための、根拠となる実力を養成する場

です。

アイスも、凝って毎週行って、バーチカル2本連続でも、別にパンプもしなくなり、成長したなぁ、とか言っていたのに…。今となっては、すぐにパンプするようになったのではないかなぁ…(><) ああ、悲しい…。根拠となる実力、喪失中です。

つい昨日おとといで、ユースケさんが行ったらしく、発達も良いそうで、なんだかな~羨ましいな~という感じだ。


石原さんという、上級のアイスクライマーが、すごいバーチカルアイスの投稿(二口渓谷)を今日、同日の記録でFBに乗せており、そっちは、角木場のように歩いてトップロープが張れる氷ではない。そして、第二登の記録…。

同じようなバーチカルでも、まぁ、アイスクライマーなら意味…つまり、実力の差、が分かるわな~ 

いくら55mあっても、相沢大滝の寝ているアイスを登って自慢する人はいない…。アイスですら、時代はテクニカルアイス…アイスピラー(氷柱)で、6級(WI6)から上しか、意味をなさないです。それでも、石原さんのような謙虚な方は、5級(WI5)と言って記録にあげるのが習わしで、それをまともに受け取っているロクスノがアホなのかもしれない…と最近は思うようになりました。

どう考えても、寝ているアイスでは、いくら初登でも、現代では、懐古ロマン以外の意味ないと思いますけど…。だって今どき、〇〇岩5.9初登!ってニュースになります? ならないでしょう…??

まぁ、石原さんの記録の価値とか分からない、こういうのを見ていない九州の人が、九州の氷での初登を喜んでロクスノへ揚げてしまうのは、まぁ、仕方がないというか、現代アイスシーンがどうなっているのか?ワンシーズンでも参加していなければ、まるで想像もつかないだろうから、いつまでも、昔、黄連谷が初登されていたころのような感覚…ストレートシャフトとか、セミチューブの時代の感性…でも、まぁ仕方ないかもしれない。

アイスキャンディフェスとか出れば、私のようなおばちゃんクライマーとか、よぼよぼヨレヨレのおじいさんクライマーが、スイスイ、テクニカルアイスを登っていたりするようなのを目にしたりもするだろう・・・ そうなると、色々と話が見えても来るだろうと思うが…

が…100歩譲っても、ロクスノの側は、把握しているべきだろうと思う。まぁ…、寄稿者がいないという問題でもあるんだろうか… 最初の師匠、清高さんは、岳人に記事が足りないと泣きつかれ、いいように使われていると言っていたしな…

しかし、なんで、最近の雑誌は、カットアンカーはもう古いとか、ボルトなどの重要な技術情報など、そういう役立つことは書かないのだろうか…

なんだか、角木場の昔の写真が来て、しみじみ、時が停止している九州のアルパインのことを思ってしまった…。

九州で進化しているのは、スポーツクライミングとボルダーだけです。アルパインは、一世代どころか、なんか40年前の感覚のようで、それを現代の岩場状況(地震)と現代の技術レベル(…つまりハーケン打ったことない…ボルトありきが前提…の低レベル化)に持ち込むと、かなり危険です。

私は冬季のクライミングが好きなので、私のクライミング時計も九州に来て以来、止まっています…。

2020/12/21

クライマーの自己責任の取り方 ボルトに対する対応力:事例集 

■ボルトの信頼度によって登り方を変える

はじめに。最もあってはならないこと:煽り&煽られ。

「クライマーなら、自己責任で登れ」

”手で押したり、引っ張ったりして、大丈夫だと判断したボルトに通常のフリークライミングの慣例として、落下係数2のフォールをするような登りで挑むこと”

は、結局は、判断の根拠が、

 ”見た目で、大丈夫そうだった”、
 ”手で押してみたら、大丈夫そうだった”

などのおぼろげな根拠しかないまま、ボルトを信頼して登ること。見た目や手で押しても、ボルト強度は判断できません。かかる荷重はせいぜい数kg…。 

これでは、自己責任ではなく、無謀の後押しに、ほかなりません。

以下、具体的な行動の指針として、ご参考にされてください。

個々人で、採用できる安全マージンは差があります。誰かがバンバン落ちて、そのボルトを信頼していたとしても、あなたが信頼するかどうか?は別の話です。例えば、同じ高さから落ちても、肉体の壊れやすさは、個人差があります。

事例1)シャックル直付けのような、確信犯的に信用してはならない終了点の場合 

→ 係数2で落ちるクライミング(RP型)はしない。TRは必ず3点で取る。
 
このようなボルトで落下係数2の落ちるクライミングをするかしないか?は、当事者の判断によるべきです。パートナーであれば、それが意思疎通できるような人と登るべきです。

事例2)ボルト配置が悪く、落ちたら致命傷になる課題

 → 登りながら、プリクリップで対処


事例3)課題は適切(上で核心なので落ちても安全)だが、プロテクション・終了点が、両方とも信頼できない課題

  → プロテクションに頼らないで登る、もしくは、各駅停車でテンション登り 係数2のフォールはしない

 事例:このプロテクションは、ペイントで腐食もしくは錆が、ごまかされています。信頼する(落ちる)か、どうか?はクライマー次第 

事例4)人気ルートでボルトがケミカルだったり、リボルトされており、信頼できそうな課題

   → 積極的にフォールしてOK 落ちたほうが疲れない

事例5)落ちたらぶつかるルート
 
 凹角スタートで岩の突起にぶつかるなどの予想できる危険がある課題  
  → オンサイトにはこだわらず、リスクを感じたらエイド

事例6)難しくてもリスクが低い課題 

 例:自分のRPより難グレードでも、ボルトがよく、ボルト間隔が近い課題

 → Aゼロで掛けながらリードし、TRで登れば、安全にスキルアップできる

事例7)関西の”斜陽”のような、後ろに走らなければ確保できない事故多発課題
 
 → 登らない

■ その他 予防策

1)ヘルメット着用

すでにフォールで頭を打った経験がある場合、や、余裕がなくロープをまたぐことがある場合

→ ベテランクライマーがノーヘル、ニット帽だったりすることを気にせず、揶揄されても気にせず、ヘルメット着用する。

さらに念を入れるには、チェストハーネスをつける。上手に落ちても、後頭部を打つクライマーはいる。その場合に、責任を取る=長い入院生活を送ることや半身不随になることも含め、結果を被るのは自分。

2)初めて組むパートナー 
 
 →とりあえずビレイをテスト 一発目で軽く落ちるべし

3)ほかの人に紹介するルート
 
 → できれば係数2のフォールも可能なボルトの品質が良いルート


■ プロテクションの質により、登攀のスタイルを変える

登攀のスタイル…TR、プリクリップありリード、Aゼロリード、ぬん掛けリード、マスターでのリード、フラッシュ、オンサイト…等を選択するのに、

 ボルトの良しあし

ということが関係してきます。 

落ちれないボルト配置(ランナウト、トラバース)の課題では、2グレード上を登れるようになってから取り付く、などの知恵が言語化されていないので、いつまでも経験者についていないことには、その岩場で主体的に登ることができない、という事情が日本の岩場にはあります。主体的に登るというのは、自由と言う意味です。

経験者の方も、その経験には当然偏りがあるため、すべてをゆだねられる状況にはなく、とくに年配のクライマーのビレイ立ち位置には大変問題が大きいことが多いです。昔の経験から、ボルトの品質には、妥協があることが多く、人は誰でも年を取れば、最新情報には疎くなるのが当然ですので、現代の知識を期待することも、無理というものです。そこは、ビレイをしましょうと申し出たり、ボルトを負担したり、情報提供したりしましょう。

ボルトの良しあしは、見た目、手で押す、などでは判断できず、熟練の職人の目、もしくは、ボルトタイプ、材質、設置年、設置者という4つの情報が揃わないことには、安全性は判断できません。

情報不足で判断できないことに対して、「クライマーなら自己責任で登れ」と発言することは、要するに、”安全性に根拠なくとも、危険に挑め”、ということですので、そのような発言は、控えましょう。無責任です。あなたはその人が怪我をしたとき、罪悪感を感じずにいられますか?

怪我は武勇伝にはなりません。むしろ、リスク認知のおろそかさを示すものです。

■ RPするにも内容に細かな差が

RPにも内容の良しあしに色々な細かい違いがあります。

古いクライマーからは、落ちるクライミングをする若い人たちが危険だ、という指摘が根強いです。

しかし、フリークライミングはルール上、1本目を掛けたらどこでも落ちてよいというルールであるのですから、落ちる方が悪いというのは責任転嫁であって、正確には、落ちれないフリークライミングが、そもそも、フリークライミングの定義に反しているかもしれません。

そのような課題は、例外的ともいえるルールと違う現象ですので、トポ等に記載があるべきで、ちょっと説明が不足しているのではないか?というほうが事情の描写としては、適切かもしれません。

私が知っている若いクライマーたちは、13クライマーなどで、昔のクライマーと比較してはるかに高難度を登っています。危険をスキルで超越できる人たちですが、”9割落ちている”そうでした。登れない課題に挑むのがフリークライミングなのだから、当然です。

11程度を登る一般のスキルレベルのクライマーにも、自分の身を守る方法論が必要ですが、こうした事情説明は、昔の登攀しか経験がないベテランからは出てこないのが現状です。ベテランの中でもラッペルのスタイルに進んだ人は理解がある場合もあります。

今回は、粗削りながら、ひな形ができました。ベテランの方のご意見、ご指南をよろしくお願いいたします。

大事なこと。 落ちながら登るには、確実なプロテクション(ボルト)が必要です。

悪いボルトのルートでは、確実にオンサイト出来るつもりでないとバクチになるので、フリークライミングの見た目をしたアルパインクライミング、とでも表現したらいいような課題については、オンサイトにこだわる必要はない、というのが実情です。2000年代以前に開拓された岩場は、ほぼそのような岩場です。(小川山も結構そうです)

また、ラッペルで開拓されたルートに関しては、開拓者すらOSはしていません。リードしない開拓者もいるくらいです。

■ 世代間の知識の差について

年配のクライマーは、ボルダーをしないので、SDスタートのほうが難しいことがよくあるということを理解していません。シッドダウンがより難しいということは、リードでは背が低いクライマーが取り付くほうがより困難、ということと同じです。

これは、私は小川山のジョコンダで理解しました。一手目、届けばガバ、届かなかったら、サビて手で抜けるピトンに命を預けて(?)小さいスタンスを拾わないといけなくなります。とはいえ、下部核心の課題は、下地次第です。下がふかふかであれば、下部核心であっても、ボルダーと同じ程度のリスクです。しかし、下が海岸のように岩だとか、不安定な斜面という場合で、下部核心であれば、容易に捻挫します。捻挫は数か月最低かかる故障につながります。それを大きいと見るか、小さいと見るかは個人次第です。

オンサイト重視のクライマー=難しいルートは登れないクライマーという可能性もあります。

■ ルート途中のプリクリ 技術を身に着ける

エイドをやっていない現代クライマーは、クライミング中のチョンボ棒によるプリクリップクライミング、については、よく分かりません。1ピン目が遠い時にかけるプリクリップ以外のことは無自覚かもしれません。落ちれないボルト配置(ランナウト)のような課題の場合、ルートの途中でプリクリしないと、いくらビレイヤーが良くても、墜落すれば、怪我を免れません。それで登る勇気が出なくなった場合、敗退するにも、その前のボルトに落ちてぶら下がれない、という意味です。その場合は、なんとかプリクリするしか、安全に敗退する方法がないです。

■捨てビナ (捨てマイロン)

難しいグレードに取り組みたい人は、捨てビナか捨てマイロンを持つと自己責任で敗退できます。

■ グレードに上下なし

12でひいひい言っている人と、10でひいひい言っている人と、14でひいひい言っている人の心の中は同じ動きです。

どこで、悲鳴を上げていても、その人の限界に挑んでいるという点で同じです。そのギリギリ感が、”こわ楽しい”とか、”無になれる”とか、表現は色々であっても、同じことを楽しんでいるので、上下をつける必要はありません。

比べる心が不要なのがフリークライミングだと思います。

低グレードで、ひいひい言える人は、その分長くクライミングを楽しむことができます。正直なところ、14がすぐ登れてしまうと、そのあとが困ってしまいます…。そのような人を何人か知っています。