2021/05/31

 頑張ったコメント

私は初めて出たアイスコンペ5位なのですが…がっかりな結果というか、コンペ向けに練習を切り替えたい時期に、師匠の青木さんがリード向けに切り替えたくなり、ちょうどコンペのタイミングで超慎重登りに切り替えることに… 

青木さんとは、ホントに意思疎通がうまく行かないというか、私は最初からリード志向のクライマーだったのですが、なかなかリードさせてくれず、ストレスをため、リード練習をさせてくれないので、あきらめてトップロープでいいやと開き直ったとたんに師匠は、私に55m相沢大滝をリードさせたがるという…ほんとに、青木さん、相手を見ていないし、言葉で伝える、というのができない方でした(笑)ホントの事言ってごめんね、青ちゃん。

しかし、それでも私が5位でしょげていたとき、かけてくれた言葉はとても暖かいものだったので、別に5位しか取れなかった=挫折、にはなっていない…

指導は全然上手ではなく、登らせてもらうより、登らせてあげるほうが多いような師匠でしたが…大会後の言葉の掛け方だけは、

お父さんとしての経験

を感じました。

2021/05/28

ブッダの教える素晴らしい人生

■ ブッダの教える素晴らしい人生にクライマーの人生が含まれるかどうか?

答えは、人による。

多くのクライマーは、ただのアドレナリン中毒に陥っており、そのことに無自覚であるので、体力が凌駕している間は大丈夫だが、それが裏返ったとたんに、オセロの白が黒に入れ替わる。

■ 冒険がある人生

冒険がある人生は、私は良きものと思える。

(冒険)と(無謀) には、明白な違いがあり、現代の指導者は、その違いをきちんと教えることができている人は、ほとんどいない。

分かり切っていることだが、”人工壁”、にも、”スポーツルート(ボルトルート)”にも、(冒険)はない。安全を担保されたクライミングだからだ。

では(冒険)はどこにあるのか?というと? 

未知の事象を試す、ということだが… クライミング界にあるのか?というと、ない、かもしれない。

登山の歴史から、(冒険)が失われて久しい。

人類としてみたときに(冒険)は登山史上から、とっくの昔に姿を消した。が、個人史において、であれば、人は、どのような世界でも、自分にとっての未知を探求する限り、(冒険)を生きることができる。

ところで、海外に一人で気ままに登攀に行くことは、私にとっては、もはや(冒険)ではない。とっくの昔にやり終わったことだからだ。

例えば、他に、”仕事で頑張って成功を収める”も、私にとっては(冒険)では、もはやない。

”小川山に夏の遠征に行く”、とかも、当然(冒険)ではなく、(快適な逃避行)であるし、一人で岩場に行くも同じく、すでに(冒険)としての賞味期限は切れている…ほとんど(ノルマ)、か、(習慣)に属す行為だ。クライミングは、もはや習慣なんだよなぁ…。

何が自分にとって(冒険)に属す活動なのかなぁ…。

■(冒険)<(慈悲)

というか、そもそも(冒険)がある人生を素晴らしい人生と、ブッダは認めるか?というと、(冒険)より上位に(慈悲)が来るだろうと思う。慈悲があれば(冒険)にまつわる恐怖は乗り越えられる。

ということは、私はクライミングを(慈悲)として生きていれば、ブッダの考える良き人生を生きた人生になるのではないか?と思うが…。

今以上にクライミングに(慈悲)を注いだら…、今でも注いでいる心血は相当な量だと思われるが… (意味のある生き方)として、クライミングがある生き方を感じれるようになるのかなぁ…。 

ものすごい心血を注いでいる事例として、井上D助さんが脳裏をよぎる…。なんだか報われておらず、気の毒すぎる感じだったよなぁ…。

私のクライミングの在り方は、(雑音)としての無知なクライマーたちの事件、に振り回されている、ようにも思えなくもない…。

雑音に振り回されなかったら、違う境地が発見できるのだろうか?

そこのところ、先達に聞きたい。

見えてくる景色がそんなに良きものではないのではないか…と最近は疑い中である。


 

2021/05/27

ミンダナオ

 日本の子どもミンダナオの子ども (3)        

http://www.edit.ne.jp/.../mindanewsdaiaryfuture2021.html...

ミンダナオで再婚し、小学校の4年と5年の実の娘を育てているが、MCLで、親のいない子や崩壊家庭の孤児たち90名あまりといっしょに暮らしてきているせいか、娘たちは放っておいても実にのびのびとそだっている。  

MCLにいると、「子育て」という言葉がへんに感じる。

「子育つ」というのが本当で、ちまたで遊び友情をはぐくむ体験があれば、子どもたちは自然にそだっていくものなのだ。

「子育ての責任は、家庭にある。特に母親の役割は大きい」などという言葉に、違和感を感じるのは、ぼくだけだろうか。

子育ての責任が、親や家庭にあるばあい、親がいなくなったり家庭が崩壊した子どもたちは、どのように育ったら良いのだろうか。  

また、子育ての責任は、保育者や学校の先生にもある、という考え方も、ここでは奇妙に感じられる。

もしそうだとしたら、保育園にも学校にもいけず、教育もうけられない僻村の子たちは、育てられなかった子たちなのか!

先日、アジアの孤児施設をめぐっている日本の人たちが、MCLを訪れた。

曰く「ここの子どもたちは、本当に他の施設の子どもたちとちがいますねえ。

施設にいながら、こんな明るい子どもたちをみるのは初めてです。なぜこんなに明るいのかなあ?」  

ぼく答えた。「ここは孤児施設ではないからですよ。」  

ぼくは孤児院をつくろうとも、施設を運営しようともおもったことは無いし、他の施設をほとんど知らない。

ただ、困難な状況にある一人一人の子どもたちをみるにつけて、放っておけない、何とかしたい・・・。

そんな思いで活動してきたら、自然とこんな形になってしまった。

もちろんここには、母親役のスタッフたちもいるが、彼らとてもとは奨学生で、必要なときには、助言や指示をあたえるものの不必要な干渉はしない。  

子どもたちのとって大切なのは、愛をもって見まもり、ときどき抱いてあげたり愛情のある言葉を、かけてあげること。

そしてなによりも大切なのは、自由にのびのびと遊べる環境をととのえてあげ、将来の夢をもてるように導いてあげることだとつくづく思う。  

まるで機関車が煙を噴いて走りぬけるように、高度成長期をひたすら走りつづけてきた人々は、成長期がとまり、老齢化して、自分の事は自分で出来なくなり始めると、落ちこむどころか精神的にパニックをおこしはじめる。  

「日本で自殺が多いのは、個人主義が行き過ぎたからでは無いだろうか」と、マニラの修道士が話してくれた。  

「個人が尊重され過ぎる競争優先の社会では、協調の心がうしなわれて孤独な人が増えていく」  

自分の力で走れなくなった老人は、施設のベッドにしばりつけられたまま死をまつ以外に方法はないのだという。

それもお金があればの話で、一人暮らしの孤独死も多いのだそうだ。  

ミンダナオでは、MCLでも同様だが、上のお姉ちゃんが下の子に、「ねえ、そこのお店でお塩をかってきてちょうだい」といえば、たとえ夢中で遊んでいる最中でも、下の子はさっとたちあがり、明るい笑顔で、「はい」といって買いにでかける。  

お姉ちゃんがいったことに、下の子たちは笑顔でこたえ、ちっともいやな顔をしないのは驚きだ。

そのかわり、お姉ちゃんは、きちんと下の子の世話をしてめんどうをみる。  

もちろん、お年寄りを一人孤独にほうっておくなど考えられない。

妻のエープリルリンのおじいさんもおばあさんも、当時まだ小学生だった彼女の膝のうえで亡くなった。

日本の子どもミンダナオの子ども (3)        

http://www.edit.ne.jp/.../mindanewsdaiaryfuture2021.html...

Grivel Magic Ring グリベルマジックリング おすすめのプルージック用コード


現代のスタンダードは、ケブラーですが、これすごく使いやすそうです。

■ 技術伝授は、自分のパートナーとするため

支点とか、ノット通過とか、ビレイの仕方もそうですし、宙づり登り返しとか、そういうのを誰かが教えてくれるのは、基本的に、自分のパートナー(フォローとする、つるべの相手とする)ためです。

私の師匠は、組む前に、3日連続で、ロープワークだけの日を作り、公園で斜バリまでやりました…。

なので、教わった人がそのあとありがとーと言って、別の人と組んだら、不義理。

最近、県外クライマーに技術伝達しましたが、その人が心配するといけないので書くと、私は、例外的に、基本的に自分が組む人には、知っている技術をすべて教えるように、とガイドの新保さんから言われて、そうか、と思ったので、実践しています。

ただ…教えられるのを嫌がる男性も多いので、基本的には、経験者には教えない…出来ている前提でいて、危険なことをしているときだけ指摘します。例えば、ロープドラッグとか…。

■ マルチに行ったのに次がないというのは、反省しろという意味ですよ

初級のマルチに連れて行ってもらって、もちろん、そこはトップも、セカンドを見渡せ、トラブルが起こりそうにないような、起ってもすぐ対処できそうなところで、ラクもなく、支点もボルトで、というような、明瞭なところへ連れていかれて、もしも、その次が誘ってもらえない…ということだったら、

”この子はマルチはまだ時期尚早だな~”

と思われたということかもしれません。

例えば、マルチに必携の、プルージックコードをぶら下げてこなかった、とか。めったに出番がないですが、端折れないギアなんですよね。外では…。

■ こんな感じの人が多い

以前、5.12も人工壁ならオンサイトもできるという18歳の九州クライマーが、小川山に行きたい!というので、じゃあ、というので案内したら…。こんなことがありました。

ショートを何本か登ったあとのマルチですが、終了点が見えていて、私の声が届き、目も届くのは、1ピッチ目しかなく、じゃ、ここしか君にリードさせられるのはないから、君、1ピッチ目ね~、と言ったら、びっくりして、あわててセカンドの確保法を質問してきました… あれ~?知らないで来たの?

私なんて、マルチ行くって言われたら、もう毎日のように、支点とセカンド確保のセット、ロープアップ、宙づり登り返しを練習していましたからね~ 遠足行く前の子ども状態で。

その子はそうではなかったらしい…。でも、自分からマルチ連れて行ってくれ、と言ってきたのに…?

と、なり、もう2度目はない。かわいそうなので、関東の知り合いのクライマーは、紹介してやったが、私の紹介だと思われるのは嫌だなぁ…

類友というが、変なやつを紹介すると、自分まで変なヤツの常識なのだろうと、相手から類推されることになる…。

この子は、高校生からクライミングして、5.12はオンサイト出来る子だそうでしたが、それ以外は何も知らないみたいでした…。そのグレードを登るクライマーとしては、知っていて当然のことを何も知らない様子で、しかも、教えてもらって当然と要求して来る要求ぶりが不思議で、紹介した人に問い合わせしたのですが…。答えは、”教えれば何でも教わるのでは”、とか言われ、さらにびっくり。

まるで、私がお父さんかお母さんのように、思っているみたい。私が一人で行く登山にもついていくというので、それにもビックリ… いや、ついてこられても…。仕方ないので、小川山山頂散策は辞めになり、なぜか、私が車で駅まで迎えに行って、登坂することになったんですよね… なにやってんだ、私。私はいつか小川山のてっぺんに立てるのだろうか…

しかし、私も18歳で大阪に転居した時は、何も知らず、色々な人に世話になったけど… ”要求”したことはないぞ?

そのことにも、”え?”って思った。まぁ昨今、6ポケットとか言って、甘やかされて育っているらしいからなぁ。山梨のヨガ講師仲間にも、そんな人いたからなぁ…。

好意的に解釈すると、その子が属していた会は教える技量がないと遠慮して、教えていないのかもしれない。人工壁は教えることとしては、かなり簡単ですしね。
 
逆クリップだめよ、ゼットダメよ、足を掛けたらだめよ、程度。

■ 昔の人の教え方…その①

しかし…それにしても、昔の山岳会の教え方は、ずさんだったらしいですよね。

ずいぶん昔に 一番、仲良しだった先輩に昔の教え方を聞いたら…その人は信州大学の山岳部出身人なのですが…、
 
 「登れ」、以上終わり、だった…

と言っていました…。 その会で一番5.13に近づいた男、と言われていた先輩でした。

■ その② 昔の人は手の込んだ教え方をする…

その先輩が連れて行ってくれた、初めての小川山では、小川山物語に1ピン目プリクリップしました…。

ので、

プリクリ大事ね

と初回で理解。たぶん、その先輩、そのつもりで、その課題を選んだと思われる。

そこはかとなく、相手に自ら悟らせる。そのことを、カウンセリング用語で、非指示的カウンセリング、というそうです。お釈迦様は、そのようにお弟子さんを導いたそうです。

しかし、そのやり方では、現代の人は、ダメなのではないですかね?もっとかみ砕いて、他に解釈の余地がないようにしっかり言葉に表現しないと…。

つまり、今どきの若者は、「プリクリップは大事ですよ」と教わらないと、こんな間接的な教え方では、分からないのではないですかね???

■ 行動主義的教え方

行動主義的教え方は、朱に混じれば赤くなる、という人に適した学習法ですね。

ーーーーーーーーーーーーーー
「行動理論」は「学習理論」とも呼ばれ、不適応な行動や反応をとってしまうのは、誤った学習や条件付けの結果ととらえ、

適切な行動を学習することによって、不適応な行動を抑える

ことを目的としています。
ーーーーーーーーーーーーーー

私は師匠と登ることで、これを実践していたと思います。しかし、そう考えて、年配の人と行動を共にできるクライマー男子って、周囲には皆無でした… 紹介しても一緒に行かないんだから、学ぶ機会を与えても、受け取らないんだろうと思っていました。

設問: 〇+△=4となる組み合わせをできるだけ多く考えなさい

 ■ 拡散性 vs 保全性

”〇+△=4となる組み合わせをできるだけ多く考えなさい”

というような設問で力が出るのが、拡散性の高い人です。

一般に日本人は、保全性が高い人が多いので、

 ”1+2は、3ですよ~。では、1+3は、何ですか?”

という教え方が好きです。

しかし、同じ原理を学ぶのに

 拡散性が高い人の思考法 = 正解がたくさんある 

 保全性が高い人の思考法 = 正解が一つ

これが、この人たちが持つ世界観を考えるときに

   無意識の前提

として出てきて出来てしまいます。

■ 体力一点豪華主義とガンバ!オンリー

それが山登りで、”体力一点豪華主義”ができたり、”ガンバ!オンリー指導者”が、できる理由です。

たぶん、”体力積み上げ=山のレベルアップ”という発想しかない(=昔のやり方)で、つまり、保全性の思考回路でやってきたから、ですね。

■ FFS理論

FFS理論という個人の資質を見る方法論がありますが…私は子供のころから、努力をしているのに、それを努力と皆が分かっていない、という印象を持っていました…。

私の努力は、興味や関心の追求です。ところが皆から見ると?遊んでいるようにしか見えないらしい(笑)。

しかし、日向神へ行った1山行で、書いた記事10個ですよ? これだけ拡張できる人、そんなにいないですし、そこまで集中力を維持し、洞察を深められる人も、私は、あんまり会ったことがないです。

男子だったら、「アッポロ11号頂き!」で終わるだろう…。それは見てきました…。

もちろん、今回のパートナーは、自己評価をRPではなく、”長ヌン学習の機会”と、とらえてくれたみたいで、感心しました。しかし、稀有な人で、一般には、前者でしょう。

拡散性、というのは、日本人には少ない資質で、私のように拡散性が高い人は、周囲から誤解されやすいです。特段、努力しているように見えないので…。

しかし、語学力など、繰り返しが必要なものは、誰しも一朝一夕には身に尽きません…特に拡散性が高い人は、通常の学校のやり方では身につけられない。

ので、独自の学習法を編み出す必要があります。むしろ、保全性の人のように、言われた通りにやれば、身につくわけでないので、苦労続きです。

ちなみに、私は英語は学生時代はホントに赤点ばかりでしたが、それは保全性の学習法を無理強いされたからです。

私は自分の好きなように英語を学習し、渡米3か月で一通り生活は、OKになりました。やりかたを無理強いされた時間は、すべて無駄でした。

同じことがクライミングの学習法にも言えます。

10級、9級、8級、と、級を上がっていく、”段級システム学習法”は、保全性の人のためのシステムです。

それでは、拡散性が高い子供は、すぐ飽きてしまいます。

■ 拡散性が高い人の登山の組み立て

拡散性が高い人は、〇〇したい!という明確な目標があり、それを実現するのに、必要な能力は何だろうか?と考えます。

例えば、


 問い)冬山で、お天気が悪くても、山で遊ぶには、どうしたらいいか?

 答え)そうだ!アイスクライミングしよう!


 問い)パートナーがいなくても、バリエーションに行きたい!

 答え)そうだ!明神左回りなら懸垂しか出てこない! 


 問い)腕力がなくても、指力がなくても、登れるフリーは何か?

 答え)そうだ!クラックなら可能性があるな!


そんな感じです。自分の能力でできる範囲で考え、足りず、必要な能力を身に着ける…

飽きっぽく、コツコツが苦手な子どもは、適当にしていても、なぜかクリアできるようになるように傍から見えると思いますが…。実は大人が大事な役割を果たしています。

それは、子供が示した興味に反応する、きちんと受け取るということです。

私の母は、子供が生まれたときに百科事典をそろえ、世界文学全集をそろえ、私は絵本は読み放題で育ちました。モンゴメリにハマった時は、次々に続編の本を買い与えられました…。

機会を奪わないというのが、勝手に成長していく拡散性の高い子供をより伸ばすために必要な教育の特徴です。

どんどんチャンスを与え、蓋をしない。ブレーキを掛けない。

子どもは、これ以上、自分には無理だ、と思ったら、勝手に帰ってきます。意欲の火があるときに、油を注いでやるのが、拡散性の高い子供を育てるときに必要なことです。


2021/05/26

海外登攀に必要な英語力とは?

■海外登山に行きたかったおばちゃん登山者

以前、五龍山荘に勤めていたころ、一般登山者のベテランおばちゃん登山者で、山梨に遊びに来たり、色々となついてきてくれたおばちゃんがいた。なんでだろう?と不思議だった…。というのは、私とおばちゃんたちの間に、共通点がなく…つながる思いがなかったから…。(共通点というか、そういう心の絆がある人とは、そういうものは自然と分かるものだ…)

不思議だなぁ…と思っていたら、ニュージーランドのトレッキングに行きたいという話が来て、一緒に行かないか?と誘われた。

ご存知のようにニュージーランドは世界で一番美しい自然歩道で知られているが、小屋泊を自分で計画すると一泊30ドルくらい。10日あるから、300ドルくらい。同じルートでも、ガイドをつけると、3300ドルくらい。

予約してとか、あれこれ頼まれ、海外サイトを予約してあげようとしたんだが、海外は信用性のためにクレジットカードの情報がいることが多い。建て替えるのは、さすがにそこまではしてあげれないので、断ると…。おばちゃんたちは、なんと3300ドルを選んだのでした…。私は懇切丁寧に、自分で入力する方法を教えたのに、出来ないのだそうで…。その作業はあまりに簡単だったので、できない人類がこの世にいることがあり得ないレベル。つまり、できないというよりやりたくないのだと分かったのでした。自分で自分のパソコンから入力するより、3300ドルのほうがいいらしい。手間5分くらいのことだったのに。

この事件で、おばちゃんが欲しかったのは、一緒に遊びたい仲間ではなく、ただの旅行代理店代わりの人、私の人格が好きなのではなく私のスキルが好きだったのだ、と分かったのでした…。失礼な話ですよね。

ラオスで、私と同様に英語が話せるおばちゃんクライマーが、旅行代理店利用されているのを見ました…。あれをして、これをして、と周囲から利用されて、旅行代理店のように飛び回ってアテンドした上、通訳もさせられ、それなのに、わたくし、ビレイさせていただきます!って…。一緒に来ているクライマーのおじさん達、大名登山んじゃないけど、どっかと座って、何もしない。ラオスでは食事はセルフサービスなのに、上げ膳据え膳。

おばちゃんが、気の毒だと思って、そんな奉仕をするのはおかしいですよ、自分の好きなところを登っていいんですよ、ビレイヤーとクライマーは対等ですよ、と教えたら、おばちゃんクライマーは、なぜか私とは価値観が合わないとかいい、怒ってしまい、私とは登らない、と。驚いた。

人の世話に生き、その代わりに登らせてもらう、という関係性が好きな人もいるのだと…。

でも、仏教でいう自利利他って、クライミングしたいという気持ちを満たすために、自己犠牲して奉仕するって関係ではないですよね? おじさん達の側から見ると、登らせてやるから、通訳しろ、ということになる。

うーん… そのおばちゃんは別に登らせてもらわなくても、普通に自分でリードで登れるクライマーで、私と同じでしたが…。おじさんに付け込まれる理由はないのでした…。なので、なぜ、そのような関係性を望んでいるのか、よく分からなかった。虐げられる必要はない。

日本では対等の関係性で登るのが嫌な人もいて、たぶん、共依存を望んでいるのだと思います…

■ クライミング能力を高く売りつけると、海外での案内が買える

師匠の青ちゃんは、最初は良かったのですが、私が楽しそうにしているとどんどんと不機嫌になり…一人でラオスに行ってからですが…韓国では私が韓国の人に誘われたクライミングを阻止… いつも共依存を望む人とは最終的に登れなくなります。

私が師匠を尊敬できなくなったのは、登ってあげるから、案内してね、車出してね、という関係性で海外で登ってきたことが分かったからです。なんだ…。つまんないの。それじゃ海外へ行っても、自分で町の中や岩場の中で、現地の文化に触れたり、なんだりしたわけではない。ただのお客さんとしてもてなしを受けた、というレベル。そんなんで日本人クライマーに対しては自慢になるのは、単に日本国内が、国際化というレベル感では国際標準から遅れているからです。

ヨーロッパの若い人は、見知らぬ国でも、言葉が通じない国でも、気軽にバックパッキングに出かけていきます。日本では、男性が、ママボーイなので、そうなっていないけど…。

なので、日本で、海外で暮らしてた?すごーい!となるのは、日本しか知らない日本人の勝手な誤解で、世界中で日本ほど暮らしにくい国はないですから…ほんと。

■ 共依存

話は戻りますが、日本の、協力し合いは、共依存関係と似ているところがあるので、かなり要注意です。

 相手の能力を高めないで、自分に依存させたままにしようとしたり、
 自分の能力を高めて、自立しようとしない場合

は、要注意です。

クライミングトリップに英語力は要りません。いるのはコミュニケーションをしようという強い意志。

クライミングシステム自体が、そもそも、国際言語です。

まずは、ロープドラッグしたりしないような、きちんとしたクライマーに自分がなりましょう。きちんとクライミングの手順を分かっていれば、相手が次に何と考えるだろうか?っていうのは、大体、予想の範囲内に収まります。

コミュニケーションのミスで、墜落、などが怖い、という人は、そもそも、結び替えが分からないとか、自分の能力がない人です。

結び替えで、下のビレイヤーに、テンションと言って、ちゃんとビレイされているか不安、とか言うなら、懸垂でおりれば、自己完結できます。

そもそも、自己完結できるクライミングをしていないから、相手の能力が不足して自分を危険に陥れると不安になるわけです。

愛された記憶より、愛した記憶

どれだけ愛されたか?よりどれだけ愛したか?

クライミングをするようになり、”なぜ父は私たち三人を捨てたのだろう?”という疑問を持つようになりましたが…

今回のクライミングで、その疑問は、ますます晴れていき、答えは、父はまだ母から自分が子供として面倒を見てもらいたかったから…。家庭を二人で作り上げるもの、という理念がなかったから…と分かりました。

多くの男性にとって、”女性は助けてもらうもの”。”助けてあげるもの”、でも、”協力するもの”、でもない。それは、子供のころに会う女性代表が、お母さん、だからですね。

私は父を知らない上、知らないということにあまり不都合を感じてこなかったので、父からなぜ愛されなかったのかな?ということにも、ほぼ40年疑問を感じなかった。クライミングをするようになって、父性の不足という日本国民共通の現象を理解するようになり、疑問を持つように…そして、クライミングを通じて納得。

私は母については、母が私を愛してくれたのか?ということについては、ほとんど疑問自体を持ったことがなかった…それは、自分が母を死ぬほど愛した、ということについて核心があるから。

私にとって残念な事実だったのは、母は子供からの愛には答えるには、そもそもの”能力”自体がなかったということ。愛していなかったというよりも、愛していても、愛から出た判断んではなく、功利や損得、で判断してしまう、ということなのだった。

愛された記憶より、愛した記憶。

クライミングの仲間でもそうだ。判断は賢く。どのような判断が賢い判断か?ということを考えましょう。

2021/05/25

アドレナリン中毒ではなく

 

■ 幸福のホルモンは3つ

セロトニン

オキシトシン

ドーパミン

ギリギリに迫らないクライミングでは、ドーパミンが出ているような気がするのですが…。

それで、朝早くから起きてクライミングのために、ヨガをして、セロトニン…

仲間がいて、オキシトシン…。

アドレナリンって、そんなに関係ないですよねぇ…

まぁ、核心部ですぐあきらめるようなのは、もちろん、何しにきたの、みたいな話になりますが…。

私は外岩は粘っているとムーブが出てくるのですが、多少粘りに時間が必要で、それでも、5分、10分と思いますが、ADHDのビレイヤーだとそれが待てない空気を出すからダメ。 

たぶん、粘っているときにホルモン変化して、何か脳内スイッチ入っていると思います。

■ アドレナリン中毒になると勃起不全になるらしっすよ(笑)

一方常にギリギリ追求だと、アドレナリン中毒ですよね… 目つきがすでに変になっているクライマーもいるとか… 違う世界にいる感じがしたら要注意なのかも?

Wikipediaより引用

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アドレナリンの生理学的効果

交感神経が興奮した状態、すなわち「闘争か逃走か (fight-or-flight)」のホルモンと呼ばれる。動物が敵から身を守る、あるいは獲物を捕食する必要にせまられるなどといった状態に相当するストレス応答を、全身の器官に引き起こす。

運動器官への血液供給増大を引き起こす反応

心筋収縮力の上昇

心、肝、骨格筋の血管拡張

皮膚、粘膜の血管収縮

消化管運動低下

呼吸におけるガス交換効率の上昇を引き起こす反応

気管支平滑筋弛緩

感覚器官の感度を上げる反応

瞳孔散大

痛覚の麻痺

勃起不全

興奮すると分泌される。例えば喧嘩になった時に分泌されて、血まみれや骨折の状態になっても全く痛みを感じないといったケースもある。

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2021/05/24

楽しいホルモンが必要

 ■ グレーディングシステムによる上下意識によるリスクとは?

今日の仏教説話は、増上慢について、でした。

私はグレードでは大したグレードが登れないのですが… それだから、増上慢に陥るリスクとしては、小さくて、それでよかったのかもしれません。

若い男子は、師匠たちと比べて自分の方が登れる、と思ったら、岩場に一緒に行かなくなります。

でも、師匠たち…60代とか、ですよ? 30代の男性より、60代が登れるって変ですよね?フィジカル一番強いのは、男性は25歳のころなので。

そういう意味で、グレーディングシステムによる上下意識がリスクなのかも?

■ スタイルがある意味リスクがある

一緒にクラックをやっていた先輩は、カム位置が悪くてロープスタックさせたことがあったのですが…ショートの時、それを指摘したら、怒ったんでした…(汗)。

その時は、10cをオンサイトしたことになったので、オンサイトの喜びがそがれると思ったのかな?

オンサイトしたものは、その後、スタイルを向上させる再登をしたほうがいいかもしれません。

オンサイトって、いつもけっこうギリギリなので。

そういう意味ではオンサイト、レッドポイントというスタイルがある意味、技能の不足をカモフラージュしてしまうので、ある意味リスク。

■ 自分の理想のクライミングを追いかける

オンサイト、レッドポイント…、そういう、

”誰かに与えられた成功の型” ではなく、”自分の目指す理想のクライミング”、

みたいなものが見つけられればいいですね。

私はアイスクライマーとしてクライミングは、デビューしたので、オンサイトって、よく考えたら、全部オンサイトです。アイスの場合は、同じ場所でも、毎回氷、違うから、毎回オンサイト。

■ 尊敬できる人に会いたい

岩の遊び方、スタイルの求め方、そういうので、この人すごいな~って人に、今まで会ったことがないかも???

レッドポインターの故・吉田さんは、何百回もうちこむとか、体重まで課題に合わせるとか、究極に岩に寄り添う、というのが、スゴイ点でした。岩のためにホームレス生活とか、ヒモ生活、とかですからね。

私が岩登りで嫌いな点は、足るを知る、がない点です。

■ 中級者へステップアップするかどうか?思案

昔の山岳会でも、5.12RPできるくらいじゃないとリーダーは務まらなかったと思いますが…そのレベルに到達するのに、男性で10年かかる…。

毎週ジムに行って週末は外岩っていう生活をして、10年。28歳→38歳、32歳→42歳 で十年…。 

私はフリーは43歳でスタートしていますから、5年程度のキャリアですが…、クライマーとしてあるべき生活を今はしていないので、10年で、つまり53歳で5.12RPはないだろう、と思うのですが…。たとえ、週2ジム、週末外岩という生活をしたとしても…。あるのだろうか?これが一点。

そもそも、12が登りたいのだろうか?というのが2点。

ただし、それくらいのスキルが日本中の岩場で、とりあえず安全に、取りつけるスキルであって、間違っても5.9がギリギリの人が、5.9に取り付いて良いようには、外の岩場は、出来ていないです。自己責任で、岩場で楽しむために、必要なスキルがそれくらいってことです、つまり。それは分かるようになったので、理解の面で、九州に来た時と今では雲泥の差です。

なので、12を登る人以外は、みなまだフリークライミングのカテゴリーではクライマー未満です。フリークライマーとしてのスタートは5.9ではなく、5.12です。5.12はフリーへの入門資格。

60代で12登る人も世の中にはいますし、本人がそうやりたければやればいいし、やりたくなければ、やらなければいいだけのことなのですが…、

多くの人に伝えたいのは、みんなが思っているフリークライミングなるものは、それなりの分厚いスキル修練(つまり、10年)を必要とするものですぞ、と言うことです。

例外はあります。子供ならすぐ身につきます。3年でそこそこ行けると思います。私の師匠は、初めて1か月で5.13登った人を見たそうですが、すぐに辞めてしまったそうです。

■ リスク管理能力は、分かったとたんに身についている技術

それと比べると、例えば、外岩で、長ヌンを使用すること、などという知識は、了解!と分かったら、即、明日からできる。

知ることさえできれば、明日からすぐ実践できるスキルですよね?

なので、なぜ、みんながそんな簡単に身につけられることを身につけず、身に着けるのに10年の歳月がかかることを身に着け、自分をリスクにさらしているのか?ということが不思議。

一発芸は身につけないで、長年の努力の要る芸は身についているみたいな?

ボルトルートでも、長ヌン使ってロープドラッグを解消しましょう。将来マルチに行きたい人とか、ビッグウォールに行きたい人とか、特にそうです。

ロープスタックしたら、どうしたらいいか?目が点では、即、ヘリ、です。

■ 何を満足とするのか?

それより、私はどう成長して行ったらいいのかなぁ…。

すでにクライマーとして自分の身を守るための知識は十分なので、後はムーブが向上し、フィジカルがアップすればいいだけなんだけど…

引き付け、立ちこみ力、後は保持力、みたいです。

足が先行のクライミングを身につけないと。単純にホールド遠くて取れないってことが今の外岩では多いからです。

あーあ、ラオス楽しかったな。楽しく登ったら、帰国したら、違う人になっており、いきなり城ケ崎登れたんでした…  

あ、分かった。必要なのは、師匠じゃなくて、楽しい岩場と楽しくて出るホルモンのほうか。


 ラオスで楽しいホルモンが出て、作った糊代で取ったオンサイト 城ケ崎

指導者なしで成長していかざるを得ない現代初心者クライマー(ジムスタート&師匠なし)の成長戦略

 ■父なき子

私は、実は、若い男性…クライミング仲間のことは、

 ”ともに父なき子”

と感じていました。現代ではきちんとした指導者は大変少ないので、指導が得れることは大変ラッキーな境遇で、そのような人は大変少ないからです。

 師匠を持たずに成長する=父を持たずに成長する

です。クライミングの初期においては、基本的にクライマーは、自分が何が分かっていないのか、分かっていません。それが分かるようになるまでに、必ず必要な、自分より、よく深くクライミングを分かっている人からの庇護、父親的存在からの庇護、そういうものがなく、やってこないといけない場合…これが現代ではほとんどなのですが…、

どうしたらいいか? 

■ 弱気が自分を守る

私は子供のころと同じことをしているような気がします。私は母子家庭の育ちなので、親がいない状況で、すごく心細く、子供時代を過ごし、一緒にいるのが弟と妹でした…心細さを何とか、兄弟の世話で紛らわし…そして、無力な子供に必要な保護や庇護を、なんとかして得ないといけませんでした。

戦略的には

 1)負担にならない程度、隣の家のお父さんを拝借…

です。より分かっている人、大きな視点で見れる人に聞く。聞くというのは、助けを求めるということですから、助けを求められて、答えてくれない人は稀です。

その際のポイントというかマナーは、

 2)唯一絶対視しないということ

です。つまり、複数の意見を聞く、ということです。

 3)分かる範囲のことは自分で予習してから聞く

というのもマナーです。

これは、私が個人で持っている生き方のコツ、で、小さいころのサバイバル生活で身に着けたことでした。

クライミングでも、同じことをしているがために、そうした戦略をしていない人よりも、楽にクライマーの常識を身に着けたかもしれません。

同じような境遇…指導者を持たずに成長していかなければいけないクライマーに対しては、

 ”こうすればいいよ~”という感じでした。

なので、一緒に成長して行っている男性クライマーに対しては、同志、つまり親がいなかった私と、一緒に育っている弟、という視点を私は持っていました。手探りで進まないといけない。

■ あまり良くない戦略

一方、クライミング業界で、あまり推奨できない戦略としては

 周囲と同じことをする

があります。というのは、現代では、9:1くらいの割合で、間違っているほうが多勢だからです。

つまり、朱に混じれば赤くなる、です。周りと同じにしていれば、俺オッケーと思っていると、悪い環境にいれば悪くなる… 

この戦略の欠点は、悪い環境だということに気が付けないこと、です。みんなも同じなのですし、その”みんな”も間違っていることを分かっていない…。

■ こうしたらいいよ

1)最初に理想のあり方(羅針盤)を模索する 

2)自分の現在地を知る 足りないところ

3)現実的にその羅針盤で進めなくなったら、アドバイスを求める、

こうすると、”周り”は、あまり関係なくなります。

色々考えると、九州に来る前も、結び替えができない男性クライマーがいたような気がしますが、私は?と言えば、”クライミングに行くなら、結び替えができないと危険だ”と言われれば、単純に、”そうか”と、実践しただけです。

”周りの人が出来ていないから、やらなくていいのでは?”とは考えなかった。

なにせ、雪山をするために無線免許まで持っています。今どき携帯電波でOKです(笑)。あれは無駄な準備だったな…失敗です。

”弟として他クライマーを見る”ということの意味は、私にとって、こういうことです。つまり、

  ”指導者がいない中で、暗中模索しながら進む”仲間

ってこと。

可愛がる、って意味ではないのですので、念のため(笑)。

トリセツをちゃんと見れば、クライミングの安全は基本的に確保できる


エーデルワイス社:クライミングロープの管理の仕方・洗い仕方

 こんな動画があったので、掲載。

1)手洗い 30度のお湯に洗剤を溶かし、上下をたわしで挟んで洗う
2)マシーンウォッシュ ドラム式洗濯機を使う 布袋に入れて洗う
3)陰干し 直射日光を避ける

■ ロープの基礎知識

1)ロープはカーンマントル構造です
2)三ツ撚ってことです。 つまり、三権分立。1本でも切れたら、もう終わりです
3)ロープは化学薬品に対して弱いです
4)ロープの寿命は手で触り、固くなったら終わりです 最悪はふにゃふにゃ系
5)紫外線が主たる劣化原因
6)泥はNG カラビナにも悪いです
7)濡れNG あまり知られていないのかな?
8) 大墜落の後は休ませる = ロープの反対側を使う
9)一か所に荷重が偏るような使い方はできるだけしない 例:バイトのエイトよりラビットノット

基本、ロープは、クライミングでは命綱ですから、大切に扱う気持ちが大事ですね。

■ ロープのチェックの仕方

私は、これぞ!という登攀の時や人に講習会を開く前は、

 行く前にロープをチェックする

のが、なんだか瞑想チックな習慣になっているのですが…。

私よりスゴイ人というか、A型の人?まじめな人?は、登攀の度にロープをチェックしており、一回一回でのコンディションの差が分かるようになるそうです。講習会とか開く人は必須ですね。



■ 縮んだロープの思い出…

まだクライミングデビューしていないころ、初心者の時に、ノット練習用で、先輩がくれたロープ… 強烈にしわが寄っていた。

不思議に思い、それで外皮とコアのずれを治す方法などを研究し、ロープを解体してバラバラにし、ロープの寿命について知識を得る契機になりました。

そのロープは登攀用にくれたのではなく、ノットの練習用の5mくらいのでしたが… ロープの寿命について考えるきっかけになった。

ので、会を運営していたら、古いロープは、4-5mに切って、みなに配布すると良いのかもしれません。中には、私のように、”なんだろ、これ?”と思って、遊んでみる、みたいな人が出てくるかもしれません。

■ 新品ロープのおろし方


へぇ~。いつも普通に束ねなおしをしていただけでした…いつもって言っても、そんなに何回もあるわけでない買い替え。 

キンクを取るって行為だと思っていたんですが、違うんですかね?

2021/05/23

分業でスキマに落ちてしまった知識

■ 分業でスキマに落ちてしまった知識

一般登山、アルパインクライミング、フリークライミング、ボルダリング、スポーツクライミング、という分業(=縦割り行政)で、それぞれを実践するのに必要な必須知識でないために、スキマに落ちてしまい、教わる機会が著しく少なかったり、うっかりスルーしがちであったり、どこにもちゃんと書かれていないとか、書かれていたとしても、その書きようが、ザックリしすぎていて、きちんと必要不可欠な情報として、伝達されていない、というような情報…というか知識がある。

そのような情報は?というと…考え付くままに上げてみた。

1)フリークライミングにおける結び替え 理由:アルパインに結び替えはない 

2)フリークライミングでのストッパーノット 理由:普通すっぽ抜けと言えば、懸垂

3)アルパインクライマーに必要な登攀力のニーズ  理由:フリーをしなくていいと思っている

4)フリーでのロープ管理知識 理由:会のロープで登っているから

5)ボルダーでのアウトドアトイレ作法 理由:普通のアウトドアキャンプ経験がないから

6)フリーでの長ヌン使用 理由:トラッドもアイスもアルパインもしないから

7)アルパインでのビレイ(キャッチ経験がない)理由:人工壁をしないから

8)ボルダーでの試登のTR 理由:ロープを持っていないから

9)フリーでのボルト知識 理由:どこにも書かれたものがないから

10)アルパインでの支点劣化の知識(今のは40年前の) 理由:トポが更新されていないから

11)ボルダラーの歩き 理由:ボルダーが近所すぎ!

12)フリーのアプローチ難易度 理由:登山はしたことないから


こんなところかなぁ…。

現代のクライマーは、何系クライマーでも、ジムで登らない(登れない)人は、まぁ、とりあえずダメクライマーと決定して構わないかもしれません。

ある程度…というのは、どうもボルジム5級らしいですが…、どのような身長か?年齢か?に関わらず、最低限の登攀力でそこがないと、その人の力では、一般登山以上の山は、どの山でもこなせないので。セカンドでも厳しいというレベルが5級。

これらは、縦割り行政?みたいな感じでカテゴリーで教えるために、知識がすり抜ける危険がある、ということですので、入門書に書いたらいいですね。

例えば、ボルダラーの入門書に、野糞の仕方、を書いておく。スコップ持って行け、みたいな話になるかもですが…。一般的に言えば、森林限界以下なら、山にお返しするだけですけど…お帰りにならない場所でやるから、問題ですよね?例えば川のすぐそばとか…


もういっそめんどくさいので、クライミングと総まとめして、登攀、歩き、ロープワーク、読図、支点構築、とカテゴリー整理しなおしたら、いいのではないですかね? 

少しづつ階段を上がって行けるように…あらゆる登攀スタイルを列挙しておけば、トータルで力をつけて行けるのかも?

そして、その力を評価できるようにしないと、昔の人の教え方に任せておいたら、現代の40年前の支点のまま、レスキュー技術もなしで、ネットで見よう見まねで行ってらっしゃいという話で、屍の山が増えるだけのような気がします。

現代人の在り方…情報はネットで得る、仲間もネットで、と教える内容(昔のまま)が、あまりにもマッチしていない。


人のロープでポンピングしてはいけない

■ 命が一番直結している道具なので、やはり自分のロープで登るべき

会で登っていたら、会のロープなので、自覚が起きにくいと思いますが…

一般に自立したクライマーは、人のロープでは登らない。

自分のロープで登ります。それは、ロープの特徴も自分の特徴に合わせるためです。例えば、私は軽くて小さいクライマーなので、伸びの良いロープを使っています。

理由があってロープを借りて登ることはあると思いますが、普通は人のロープは絶対ダメです。

命が一番直結している道具なので、やはり自分のロープで登るべき。

特に落ちる可能性があるルートでは、なおさら、です。

http://blog.livedoor.jp/marvinjp/archives/51271559.html?fbclid=IwAR2YaFghz97jzVlyzgCqcNOTu8vJywcaUiW3yoQTRIShsBIv0lbavVXfoRo

■ ポンピング

また、落ちて元の位置に復帰するときは、現代のスポーツクライミングでは、ポンピング(ポンプアップ、吊り上げ)は不可欠になっています。

が、これを他人のロープでやられると「待ってよ!」となりますね。

どっかぶりのルートでは、ポンプアップでビレーヤーの手助けも必ず必要となります。

グリグリが以前にもまして普及し出したのは、これの影響があります。

チューバータイプでポンピングをやるのとグリグリでやるのはビレーヤーもクライマーも負担が全然違ってきます。

チューバはやはりポンピングで上がるときはずっとロープを引いておかないといけないのでビレーヤーは大変です。

そして引いていてもチューバーは少し滑るので、なおさらです。

ロープはこの作業をやると間違いなく痛みは早いです。

ですので、最低限岩場でトライする人は自分のロープでトライしないといけないです。

人工壁もかぶってくると同じです。

■ ロープを使い分ける

私は、

 ポンピングや長いハングドック、
 初心者クライマーの引き上げがあるようなロープワーク、
 あるいはぶら下がりっぱなしのトップロープフィックスで登るとき

は、くたびれた太径のロープとロープを使い分けしています。人工壁用に購入したもの。というのは、傷みが大きいからです。

①ムーブばらしトライ用   少し使い込んだロープかつグリグリ

②完登が期待できる本気トライ 柔らかくてしなやかなロープかつビレー器もチューバーに。


ですので、遠征で、自分が登れるグレード、オンサイトトライをする予定の時は、良いほうの②を持って行きます。

■ 指摘してやらないと気が付けない

今回の日向神も、自分のリードのために②を持って行ったのですが… うどん汁事件のため、相方にロープを貸さざるを得なくなり、その時相方が ①の登りをしたので、後で釈然としない思いがしたので、連絡しました…。

人のロープを使っていてポンピングはないよなぁ…と思ったからです。

相方に指摘してやらなくて、本人がみずから気が付くことができるか?というと、気が付けないだろうと思います。

自分が逆の立場に立つまでは…(笑)。

師匠クラスの人たちは、「若いクライマーは、いろいろ分かっていないから一緒に行くのはヤダ」と言いますが…、その中身は、つまり、こういうことです。


■ 濡れたロープで登るべきか?

さて、人のロープを借りて登らざるを得ない場合はあると思いますが…大抵は、借りたとしても、別にロープが痛むような登りをすることはなく、特にオンサイト出来たら、ロープは全然痛まないので問題ないですし…

オンサイト → ロープの痛みはほとんどなし
テンション → ロープの痛みはなし
ロープドラッグ → ロープ痛みまくり
ポンピング → ロープ痛みまくり
ハングドッグ → まあまあの痛み

つまり、ヨーヨースタイルで登れば、別にロープは痛まないのです。ハングドッグ長いとかしなければいいわけですね。

ロープを借りるべきか?無理して濡れたロープで登るべきか?…その場合の判断の仕方、というのも、若いクライマーはベテランから判断の仕方を伝授される機会がないのだろうと思います。

安全を優先

が正解です。今ある状況の中で、もっとも安全である、選択肢を取ります。

今回は、 濡れたロープで登るvs乾いた人のロープで登る、です。

濡れたロープは強度も落ちますし、滑るので、ビレイも正確にできませんので、危険ですので、まず第一に没です。

教訓: ロープを濡らしてはいけない

つまり、クライマーはロープをびしょ濡れにした時点で、ポンピング登りは放棄したのと同じこと、なのです。

人のロープで登らないと行けなくなった場合、長いハングドッグ、ロープドラッグ、ポンピングを避けた登りをすれば、OKです。

そこでいや俺は2時間粘ってRPするぜとなるのは、煩悩です。乾いた自分のロープで戻ってきて再トライするのが良いでしょう。

それより、そもそも、ロープを濡らしてはいけないという知識がなかったのが、今回は不思議だった気がしました。雨の日にロープをどっぷり水につけてしまっては、どうやって登る気だったのでしょう…

■ ポンピングは下のビレイヤーは大変です

ポンピングですが…下のビレイヤーは大変です。

登っている方は分かっていないですよね。

私はいつも、思春期の元気いっぱいの男の子が、遊びを監視してくれる、お母さんをくたくたにさせて、そのことに全く気が付いていない図を思い起こします。

男性は、気を付けてくださいね。元気は年齢順で、若い男性は、自分でも気が付かずに、周囲を疲弊させていることが多いです。重たいものは自分から持たないと、より年寄りと登っている場合は、相手が先にバテ、相手が先に危険にさらされます。

登っている方は楽しくて気が付いていないけれど、下のビレイヤーはポンピングは大変です。

これも逆の立場に立つまでは気が付けないっていう事例ですかね…。

こんな感じなので、クライミングはいつも、弟と遊んでいるような気がしてくるんです…

クライマーは、一般的に、登れるグレードが上の俺のほうが上って思っているような気がするのですが、フリーの場合は、アルパインとは違って、登れるグレードが高い人のほうがより多くのリスクを背負っているわけではないです。

ので、実態はより多くの負担を背負っているのは、下のビレイヤーだったりします。



2021/05/22

インドアクライマーの外岩デビュー

こうすれば、安全に外岩デビューしてもらえるのではないか?というのを試案として出してみました。

■ギア編

1)外岩用ロープを購入。カラファテのような専門性のある店で、購入相談してロープを買う。すると、どんな登りをするか聞かれ、大体、体重などで、伸びの良さやアドバイスがもらえると思う。コーティングのあり、なしなどもある。

https://yamahack.com/1337

2)ロープに適したビレイデバイスのアドバイスも貰う。インドアのとは、同じシングルでも、ロープ径が違うことが多い。

3)ヌンチャクにもアドバイスをもらう。長ヌンだけでなく、スリングやチョンボ棒も。敗退の仕方も教わる。

4)支点構築用のギアセットを相談する。

5)ロープバッグを買う

6)ハイキング用以外のクライミングに適したバックパック(ギアけっこう重たいので)

7)アプローチシューズを買う

8)ヘルメットを買う

■周辺知識編

1)トポを購入する

2)下準備をしてもらう 登りたいルートを選ぶなど

3)交通機関の調査&手配

4)宿泊の調査

5)水場のチェック

6)トイレ場所のチェック

7)最終のコンビニ確認

8)携帯電波の有無

9)緊急連絡先の確認 

■知識編

1)季節のことを考慮する 害虫など

2)天候のことを考慮する

3)人工壁と外岩のボルト間隔の違いを勉強する。

外岩ではツッコんではいけないシーンがある=頑張るだけではなく、安全について、相互に安全を高め合っていく関係性で登る必要がある。(自分だけ安全ならよし、ではない。一歩踏み込んで、相手の安全も監視しないといけない。例えば労働の偏りで片方だけが疲れるとか。)

4)落石、湿度、日照、日陰/日向、気温… 

5)ボルトの品質について勉強する ハーケン、RCC,カットアンカー、グージョン、ケミカルなど… (オールアンカーも九州に来るまでは、見たことがなかった)

6)アプローチのリスクを考慮する 下りが先だとリスクが大きい、登山道では難路クラスに相当するアプローチが多い、アプローチの強さは年齢順、歩荷負担分散

■宿泊編

1)クライマーの伝統?テント泊(キャンプではない)を予習する 

2)車中泊スキルを高める 適地の選択など

3)外トイレのマナーを予習しておく (ペーパー残置などしない、見えないところに埋めるなど)

■クライミング編

1)トップロープが張れる易しい岩場を探す

2)とにかく外岩慣れを優先し、チャレンジは後程 回数を目指す 年10回以上

3)慣れたら、徐々にチャレンジへ移行する

4)パートナーができたら、リードへ移行しても良いが、スタティックに取れないと外岩リードはない。インドアでもスタティックムーブを優先して登る習慣づけにする

5)リードしたら、回収しながら降りずに、リードラインを見直す癖をつける

6)よりベターなドローの設置を吟味する (自分で回収便で登ってもいい)


■ シミュレーション能力なのかな?

総合的なリスク管理感覚っていうのは、普通に旅行に行くときでも、山登りに行くときでも同じですが…、日本の人は、どうも行き当たりばったりが多いような気がします。

未来のシミュレーションが苦手なのかな?

アメリカに行ってから、アメリカの語学学校には、アメリカ人がいない!と言って、驚いていた日本人がいましたが、日本語学校に日本人います?いないですよね?なんでそんな当たり前のこと、後で気が付いてんのかな?と思いましたが… 似たような面がクライミングにあります。



長ヌンとレッドポイント

これは、一流クライマーを育てた樋口先生のコメントです。

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 120cm,90cm,60cm,40cm,30cmそして一般的な20cmのものを使って、流れがいいようにセットしてます。

完登できない場合でも、ロワーダウンしてくるときに余分が有れば、さらに流れが良くなるようにセットを微調整して、次のトライに備えてます。

うちうちでは、短ヌン、中ヌン、長ヌンという呼び名で

「そこ、長ヌンがいいんじゃない」とか指示出し合ってますね。

少しでもローブは流れが良い方が、登る方にも負荷がかからなくて済むので。

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■ 精密度が高い!

私も、長ヌン、持っていますが…一本だけです。あとはスリングで対応、なので、120cmスリングと60スリングです。

この写真は小滝を登攀中の私ですが…やっぱり1本目は伸ばしていますね。


■ 登る場所を選びましょう

ノーテンションで登るのは、アイスでは当然というか、岩のように、”やった!オンサイトだぜ~!” とか ”レッドポイントだぜ~!”ってのはありません。

あまりにも当然で、スタイルの区別ないです。

そもそも、登る場所を見極めること、そこからスタートです。どこでも登れるので。

岩場の場合だと、ボルトにより、ココしか登れない、と登る場所が強制的に指定されています。

自由度? ひくーい。 

これでは、見る目が育たないですよね。だって最初から、登る場所を選ぶ、という発想自体がないですからね。

ブランクの岩を見て、どこをどう登ろうか?と発案できないということです。

一般にアイスでは、もっともアイスの硬いところを探します。プロテクションの都合がクライマーの都合より優先です。

■ 結果、ロープの屈曲についても、無知でいられる

岩では、ボルトが指定され、登るところも固定されて、いいなり状態、またオンサイトか?レッドポイントか?くらいしか、評価の物差しがない…ので、その結果、ロープが屈曲したら登れなくなる、ということについて、かなり長い間、無知でいられます。(昔はプロテクションはリムーバブルで好きなところを登っていたので違いますが)

レッドポイントした後の登りについて、吟味しない。

逆にスタイルが、クライミングの安全知識を学習する阻害要因になっていますね。

レッドポイントできた!と思ったら、ロープドラッグがあっても、成功!っていう結論にまとめてしまえます…。

なんで、そんなに下手くそなのに、皆自信満々なんだろう?っていう疑問が少し溶けた(笑)。

アイスだったら、みんなに「うーん…」 「あちゃ~」という顔をされるロープの流れであっても、岩登りだと? 「レッドポイントおめでとう!」です。

これでは、反省が生まれないです。

なるほど、こういう訳だったのか。

■ 登りのゆとりは関係なし

ロープドラッグを考える…などは、クライミング中のゆとりの量が必要になります。計算する項目数がそれなりに多いからですね。

美しいライン

これのどこを登ろうか~と考えて…

こうなる。

つまり、楽しみは、どこを登ろうか~と考えるところからです。 ここを登りなさい!ではない。ボルトルートは不自由ですなー。

■ 氷との対話

ワタクシが考えたライン 満足~ どこもランナウトしていない!流れが美しい!

このような充足というか、満足を長い間、味わっていません。

 いいルートだったな~というのの、中身が岩とアイスでは、ここまで違う

ってことです。

レッドポイントもオンサイトも、私には、あまり満足をもたらさないようです。

もっと細かい、ルートとの対話が私には必要みたいなんですよね。





2021/05/21

一泊二日日向神 奥壁&うどん汁核心

 県外クライマーを日向神に案内してきました。

あんまり負担になるような、本当の初心者クライマーでなくて良かった…というのが、正直なところ。最近は子供体験クライミングなどで、初心者にクライミングを教えることが多く、負担増で、メンタルお疲れモードだからです(笑)。服を持ってこないで寒いというレベルですからね。

■ 弟の死という喪失体験の癒し

私は、実は弟がいて、水泳のアスリートでしたが、24歳である日、突然死しています。お休み~と寝て、心臓発作で心停止し、朝、おはよう~がなかったというだけです。

私は、自分自身も若い時に、苦労しており、夜間大学に進学したので、若いころ、実家に帰る余裕がなく…就職氷河期です…、進学でお別れしてから、弟には8年会っておらず。大人になった弟に会ったのは、死に顔の彼でした…。

母は子供を亡くした親なので、人生で最も大きな喪失体験中で、私に寄り添うことは無理。私は私で、経済的にも大変だし、母に寄り添うことは無理。妹は、その後自殺未遂で私が引き取り…と、人の世話に忙しく、自分の喪失の癒しは、後回しだったのでした…

20年続けたバレエが山梨転勤で続けられなくなり、登山やクライミングへ転向…。

…すると、どうしても、”弟の遊びに参加している姉ちゃん”みたいな立ち位置。

そして、自分の知り合いの死や、クライミングで見聞きすることが多くなった若い男性の死。愚かと言って良い死が多い。

そんな中、県外クライマーが訪ねて来てくれました… 弟と遊ぶみたいな感じでした(笑)。

■ 反省を込めて、ロープ合わせから

今回は、海外クライマーとやるように、外岩だけ突然一緒に登るというのではなく、ロープ合わせから、丁寧に関係を構築していきました。自己防衛もあります。というのは、ホント、トンデモな人もいますからね。

しかし、そうすると、自分のためにやっているとはいえ、私は自己責任200%の人なので…、自分が疲れてしまい、自分のために力を使う余力がなくなることがあり、今回は、そうならないように、だいぶ気を付けました。

まずは、多久高校でロープ合わせ。なぜなら、多久高校しか、その日使える人工壁はなかったからですが…。

樋口先生がいるというのも、有力な助っ人要素でした。これまでロープ合わせで、ビレイの確認は、1対1でやっていましたが、KoWallの奥村さんのジムに行って、第三者が確認しないとダメだなぁと思ったため、です。

クライマーは、登りに一生懸命なので、ビレイヤーのビレイが良いかどうか?見れない…。

現に、山で先輩に支点ビレイされていたクライマー君は、その非常識さに全く気が付けなかったみたいですし…。

■ スタンプ

相方は、スタンプの近くに宿があったようで、福岡滞在中、スタンプ通いをしたそうです。

私が思うには、スタンプのような良質のジムで、クライミング教育というか、ロープクライミングの教育も実践したらよいのではないかと思いますが…現代のクライマーで、ジム通いがない人はいないので…。

スタンプさんでは、油山川の岩場は、ご存じないそうでした。やっぱり福岡でもオールドスクールのクライマーと現代のクライマーは接点がないのかな? 

近所の岩場は、筑紫耶馬渓ボルダーですが…難しすぎて、イマイチ、初心者はトライしづらいかもですが。

■ 雨の偵察

そんなこんなで、多久高校、雨の四阿屋、油山川、竜岩インドア、筑紫耶馬渓ボルダー見物、そしてスタンプ、ジップロック、日向神本番、と言うことになりました。

ずっと雨ばっかり。

■ 初日偵察 黒木ボルダー

初日は、結局雨で期待薄。とりあえず、時間稼ぎで黒木ボルダーを見せました。なかなか良い課題揃いだからです。結局、雨すぎて、登りませんでしたが。

しかし、お天気悪い上、私はボルダー詳しくないので、課題研究で、Wifiが欲しくなり、下界に降りて、八女のドトールへ。ランチタイムくらいまでいました。

その後、ダメもとで、トンネルエリアへ…。日向神では雨の日は、トンネルエリアと決まっているからです。なんと、フランベのメンバーに会いました。

あら~。こんな雨の日にも来ている人がいるとは…そりゃフランベくらいだわなーって感じ(笑)。

とりあえず、5.9と信じていた、けほぎルート10bでアップ。その後、牛子11bをぬん掛けリードで相方オンサイト。私もチラッと触らせてもらいました。

■ヌンチャク残置OKの九州

九州では、課題にぬんちゃくを下げッぱで、”どうぞ使ってください~”は、友好と歓迎の印です。

が…、他所では違うようで、相方は、”マスターが良かったな”と思ったそうです。一応、連絡って感じですが。(とりあえず、親切にしてくれて山本君ありがとう~)

スタイルに対する志向は色々ですね。ただ小川山だと、終了点独占とか、ヌンチャク残置だと、他のクライマーに怒らこられるかも?です。

ラオスでは、あんまりスタイルに対するこだわりはなく、ヌンチャクは共有財産みたいな感じでした。なにせ、どっかぶりのルーフ課題には、外岩なのに、人工壁みたいに、ヌンチャクがマイロンで固定してありました。途中で敗退可能なように、です。

ま、それも、入門課題や人気課題だけで、玄人は渋い好みを追求できるように、他は掛かっていませんでしたが…。エキスパートエリア、という言い方は、韓国だけですが、ラオスでも、そこはかとなく、ありました。残置されているのが嫌いなクライマーは、自分でマスターで登るルートへ行くべし。

そういうことを考え合わせると、トンネルエリアの牛子11bは、このエリアの入門ルートなので、ヌンチャクが残置されているくらいで、文句を言うべきでないのかもしれません。なぜなら、もっと難しい課題でヌンチャクがない課題はあったからです(笑)。13とかですけど…。超人を要求されるようで、つらいですねぇ…。

フランベメンバーは、12bc当たりのをTRでやっており、時間がかかりそうだし、こちらのパーティで登れるのは、もう登ったので、ランチがてら、道端へ。課題を見ないよりは、見たほうが良いからです。

そこで、うどん汁事件勃発… 

■ うどん汁がない!

壁を眺めながら、のんびり、鍋焼きうどんを食べようとしたわけですが…なぜか汁がない。

あれ?

というので、ストーブで鍋焼きうどん、味がうすーいうどんだったかもです(笑)。

結局、良く見たら、鍋焼きうどんのスープがザックの中で、破れて、どうもザックが鍋焼きうどん汁風味、になってしまっていたようです…。あちゃー。

とりあえず、相方のリクエストで、再度、けほぎルートの隣の11bを。いわゆる、”みじかしい”系です。

この日は、けっこうちゃんと雨が降っていましたので、まぁ、5本登ったら、ちゃんと登ったほうかな?

エリア偵察ができなかったので、明日登るルートが固められなかったですが…。これは私のこだわりで、自分が登るルートは自分が見て決める、という習慣が良いと思っています。

■ 温泉

その後、近所の道の駅へ…うどん汁の洗浄です。相方がロープを洗ってしまったので、あちゃーと思っていました… 明日、乾くのかなぁ…。ザックもびっしょり…。なかなか乾きが悪そうなザックでした…タオルで絞って水分を拭きましたが、結構かかりそう。

重たいですが、ホールバックはビニールでできているので、こういう時、便利ですね…。私も家にはあったのですが…。

(※PVC製のホールバックは環境に悪いようです。https://www.vec.gr.jp/lib/pdf/factbook.pdf)

いつも人工壁に行くときは、バケツにロープを入れており、アイスクライミングなどでロープが凍り付いてしまったときなど、バケツに入れておけば、車が水浸しにならず、大助かり、なのですが… 今回は軽量化というか、雨の中の車中泊になる可能性があり、スペースの確保で入れていない。残念。

それで、結局、脱水でしばらく待つことにしました。

というので、温泉着が19時になってしまい、温泉堪能は30分の特急コースになってしまいました… 残念ながら緊急事態宣言で、20時でファミレスも締まってしまい、コンビニ弁当の晩御飯…。なら、もっと温泉でゆっくりすればよかったねと互いに言い合いましたが…いや~時間配分は難しいですな。

でも、とりあえず、ジャージャーの雨ではなくて、良かったです。宿泊した道の駅たちばなは、他の車中泊組…ダンプの運転手さん達…もいて、かけ流しの湧水もあり、快適。

■ また雨

翌日は5時に雨の予報で、やっぱり雨…残念。ロープを大慌てで片付けました。だってロープが生命線ですからね…。ただ湿度120%すぎて、一晩ではほとんど何も乾いていなかったです(涙)。

とりあえずコーヒーを飲んだ後、朝食でコンビニへ。のんびり朝ごはん。8時雨の予報。だめだったら、昨日フランベメンバーが取り組んでいた、トンネルの12bcでいいか、みたいな感じ。もしやるとしたら、今の相方のスキルでは、けっこうギリギリのハズなので時間がかかるはずなので。

とはいえ、時間がかかるクライミングって、とりあえず、なんにも楽しくないですよねぇ…。それに、私はそんな難しいの、用ナシですし。

とりあえず、日向神で、主要エリアを案内しようということで、愛のエリアへ空荷で。初日に見れていないので、何を登りたいのか?固める必要があります。行ったら、乾いているルートもありました。

奥壁も私は、偵察したことがあるだけでしたが、乾いているのがあった。奥壁は、相方のグレードに合った課題があると思っていたのでした。

手前のエリアは、苔でグリーンで、古いリングボルトも見える…苔を取ったら良い課題になりそうなのになぁ…。誰も掃除する気になれないのでしょうかね?

10時頃には雨も上がってきたので、それで下にギアを取りに行きました。

途中で晴れ間を縫って登りに来たクライマー達にすれ違い…これは!同じエリアで登ることがないように…というので、急いで愛のエリアへ。

お昼ぐらいまで、花鳥風月。相方は、ジムで鍛えた華麗なムーブで、あっさりオンサイト。良かったです。

今回は、トンネルも花鳥風月も、ジムクライマーに向いた課題という気がします。

私はトップロープで触らせてもらいましたが、予想通り、行き詰まりました…(汗)。

とはいえ、前回、別の県外クライマーが来たときは、果てしなく無理に見えたので、そもそも取りつかなかったので、取りついただけでも、一歩前進です。花鳥風月は、隣と1本目が共有?らしく、長ぬんが要ります。

前回はどうしたんだっけな?

■ 奥壁

奥壁では、岩場独占で登れました。つくつく法師5.8と隣のアポロ11号11bです。

もう一つ左隣にきれいに乾いた課題があったので、相方にはそれを登ってもらえたらいいなと思いましたが、そうすると私が登れるのがなくなるので、相方には課題に配慮してもらったかもしれません。

しかし、つくつくほうし5.8も、途中遠いところがあり、テンション。うーん。これ5.8???

相方は首尾よく、2便でアッポロ11号11bをRPでした。これは、すでに詳述しているので割愛。

奥壁では、どこからか、他パーティの会話が聞こえて来ていました…不思議だったなぁ。山の会ルートか何かのマルチをやっているパーティがいたようです。

■ 道端

首尾よく、RPした相方は、ご機嫌で、そのご機嫌のまま、岩場を後にしたかったですが、最後の一本で、時間調整の岩場道端へ。誰もが落ちる11bがあるので、スラブも意外と得意だという相方に、試してもらいました(笑)。

これ、ホントみんな落ちますよね。落ちていました。というか雨上がりでコンディション悪すぎ!

となりは5.9なので、まぁ回収は問題ないので…。

私もたまにはリードしないとしゃっきりしませんので、左隣の5.9に取り付いたら…やっぱり雨後で、いつも楽勝なのに落ちることを察知…。フリクション、ぜんぜん効かない。

落ちる前に分かる感じでした…(汗)。

ので、本気シューズでトライ。やっぱ、いくら足が痛いからって、4回もリソールした靴では、スラブは、ダメですね…マルチ用にしているゆるゆるシューズは滑るの、ハッキリわかりました。

靴を変えて、普通に再登。これは登れないと困る系な感じです。

今回は、菊池さんのこのセリフを自分の成長の糧とします。

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「落ちる」を察知する

 クライミングで「登る」こと以上に重要なのは、「落ちない」ことです。というのは精神論や安全危険の話だけでなく、「神経系」についても言えることだと私は思っています。

 というのは、あるムーブを起こそうとする時に「これでは落ちる」と感知した場合、瞬間的にそのムーブを止める、あるいは微調整することができる。それが「登る」ためのテクニックとして実は重要で、かつそれは良く構築された「神経系」によってもたらされるものだと思うからです(とはいえ、落ちたくないだけで無我夢中にしがみつく、というのではさらにダメですが)。

 そのためにはまず「落ちる」を察知できる身体感覚が必要で、これは逆の場合を考えてみるとよくわかります。「落ちるかもしれない」を無視したムーブを不用意に繰り出す人、そもそもそれを感知しようとしない人が、いかに完登までに多大な時間をかけることか。また、なかなか上手くならないことか。挙句「力が足りない」と訴えて、私に「それは違います」と言われ、ムッとすることになります。

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■ はま寿司 リベンジ

帰りは久留米ラーメンで締めようと思っていたのですが、20時でどこも閉まってしまう!

というので、近場で妥協して、はま寿司。 

懐かしい、はま寿司… 城ケ崎の思い出が駆け巡る…クライマーの指は乾燥しているのか、タッチパネルが反応しなくて困りました(笑)。食欲旺盛な相方は、高校生?みたいな食べっぷりでした…いや~、男性は良く食べますね!

帰りは、のんびり福岡帰着10時みたいな感じ。

弟が天国から送ってきた心優しいクライマー君と登れた二日間でした。

やっぱり、教育が不足しているのであって、現代のクライマーが分かっていないというのは、違うんじゃないか?みたいな感想になった。

すごく楽しく充実した日向神二日間でした。

九州を代表する岩場なので、県外クライマーを案内できる程度は知っていてよかった。

楽しく終了…とりあえず、雨の二日間だったので登れてよかったなぁ…。

今回は濡れ濡れでしたが、エリアも下見して、相方に登りたい課題を総合的に選んでもらって登ってもらえてよかった。

奥壁は古いエリアなので、やはり辛いと思います。奥壁の5.8はテンション入れないと登れなかったが、道端の5.9は当然ですが登れました…。トンネルエリアのアップ課題10bは、登りたくなくて登らなかった…きょん足は膝に悪いので…のですが、5.9は前から辛いと思っていたんですよね…10bに改定になっていました。普通に11が楽勝で登れる男性でも、恐怖グレード高かったみたいデス。

牛子11bとアポロ11号が同じ11bというのも、納得感のないグレーディングだった。

愛のエリア夢中歩行5.9が10bに改定されたら、やっぱり初夢5.10Aも5.10cに、愛は勝つ10cも11Aに改定しないと、つじつまが合わないのではないだろうか?

愛は勝つが11Aになったら、花鳥風月は、11Aではなく、bかcなのではないでしょうか?途中までしか行けませんでしたが…。

そんなこんなでグレーディングについて知見が高まった二日間でした。写真は奇跡的に青空が除いた、雨間の日向神です。

■ 貯まった知見

1)ジムクライマーは外岩でも、ガンバ>安全  頑張ってはいけないところが分からない

2)長ぬんについてしらない

3)RPはしてしまうので、ランニングのミスに気が付かないで成功体験になってしまう

4)ロープについてよく分かっていない (=休ませない、濡らす、汚す等)

5)互いに安全を守り合うという関係性を普段していない 

6)指摘をしてあげないと、点と点の知識が、面の知識にならない

https://allnevery.blogspot.com/2021/05/blog-post_63.html


現代ジム上がりクライマーの特徴と対策

■現代クライマーの特徴

前提:
・ジムから外岩
・パートナーはジムで見つけ、初心者同士で登ってきている
・登攀自体は、中級者以上 


1)危急時をまったく想定していない
2)長ぬん使用法を知らない 
3)基本的に自分のロープで登ることを教えられていない
4)指示を出し合って安全を向上するという関係性を前提にしていない
5)周囲が教えないとずっと分かるようにならない


今回は、全部、相方に指摘してあげることができ、良かったです。

私の学びと言うよりは、相方の学びですが… いつまでたっても経験値が増えないというサイクルを少し打破できたかな?と思います。

大事な点は、指摘してあげないと、分かるようにならない、ということも、大事な特徴かもしれません。

■ 1)危急時想定不在

フリーのクライマーの場合は当然ですが、セルフレスキューの知識がない。ので、ロープシステム(例えば、メカニカルシステム)は、きちんとは分かっていなさそうです。

これは、つまり怪我になったらどうなるか?想定がないということでもあります。

つまり、私は48Kgですが、つまり48kg以上担げないので、私と組んでも危急時対策にならない。外で怪我をした場合、レスキューが遅れるという認識がない。ので、そこから言ってあげないといけない。 つまり、山ヤじゃないのです。

捻挫したらどうなるか?骨折したらどうなるか? そういう想定がゼロなのが、ジム上がりフリークライマーの思考回路の抜け、です。

■ 2)長ぬん使用法 について

長ぬん使用法を知らないのは、ロープドラッグのために登れなくなったという経験値が足りていないためです。登れなくなって初めて人は気が付きます。最初からできる人は、少数派だと思います。

フリーや人工壁であっても、下手くそなビレイヤーにビレイされていると、ロープが重たい(1ピン目で屈曲が大きい)ので、変だな?と思って振り向いて気が付くと思います。

■ 3)ロープトラブルの対処法を知らない

ロープは購入するときに、自分の体重に合わせてロープ径やしなやかさ、などを選んでいることが多いです。私は小さく軽いクライマーで、下のビレイヤーが下手くそであることも多いので、細径のロープを選んでいます。

重たいクライマーは伸びが少ないロープを選んでいることが多いと思います。

今回は、トラブルが起きました。うどんの汁でロープを汚してしまい、そのあとの対処が悪かったです。水道水で洗ってしまったのです。雨の日でしたので、乾かない。乾かない=強度低下、です。

こちらの資料では、15%の低下が報告されています。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-gijyutuka/shyohou2/08/08-01.pdf

濡れたロープは強度低下していますので、強度低下分を考慮して登るか、登らないか?になります。

選択肢は、

  A)自分の濡れたロープで本気トライしない、
  B)相方の乾いたロープで本気トライしない、

となります。

■ 4)安全は二人で作っていくもの 

安全は、パーティ全体で作っていくもの、です。これは初日に注意を言いました。私がクライマーとして登っているときに、安全監視を下のビレイヤーとしてやってもらえなかったからです。

片方のロープを濡らしてしまったら、乾いたロープを持っている方は、自分のロープを提供しない訳にはいかなくなります。 

■ 5)ポンピングはロープの痛みが大きい

その場合、ポンピングするスタイルで登るのは、ロープ提供者がかわいそうすぎです。

特に、自分がそのようなスタイルで登らないクライマーであれば、やはり、自分が登るわけでもないのに、ロープの痛みが最大級のポンピングスタイルと言うのは、避ける、というのが、せめてものマナーという気がします。その場合、ヨーヨースタイルで登れば、いいですね。

あるいは、登れるところまで登り、近くでオブザベーションする(自己確保で)、ロープに負担を掛けない登りを選択する、などの気遣いが可能と思います。

■ 書いていないけど、書いてある?!

このようなことは、どんなクライミングの教科書にも書いてありませんが、

ロープは各自が持ち寄り、
自分のロープで登るべきもの…
ロープの管理まで含めて自己責任、

ということは書いてありますし、

ポンピングがロープが痛む

ということも教科書に書いてあります。

長ぬんの使用法を詳述した書籍は見たことがありませんが、

ロープドラッグが危険であること、
ボルトに対しても悪いこと、
ロープにも悪いこと

は、どの本にも3行くらいは書いてあります。

パーティ行動についても、一般的な常識の範囲で書いてあります…

というので、一応、知識は、書籍においても提供はされているのですが…、問題は、それでは不十分な情報量だ、ということなのかもしれません。

というのは、今回ご一緒した彼が特殊な人とは思えないからです。ごく一般的なクライミング大好きな青年、と言う感じでした。

「窓が開いているね」と言って「寒いから締めましょうか?」と発想できる人が少なくなったのと同じ原理で、それだけの記述では、知識を与えるスタイルとして、もはや大卒エリートではない現代クライマーには、踏み込み不足なのだろうと思います。

彼は一人目ではないですし。私の以前のパートナーも、自分の本気ルート(クラックでロープがこすれてロープが痛む…)を私の新品のロープで2度もやったので、2度目は抗議しました。一回目は、小川山レイバックに連れて行ってもらったときのクレイジージャム、2度目は大堂海岸です。さすがに2度目はお目こぼしなしよねぇ…というので、指摘しました。ロープ買い取る!と言っていましたが、買い取ってくれる気配はありません(笑)。

こうしたことは、パーティ外のクライマーからは見えません。どちらがどちらを登らせてあげている関係か?ということが見えないということです…。大堂海岸の時は、私のロープで登った相方が他クライマーから、”良し!”みたいな確認を貰って、私がダメクライマーみたいな烙印を押され、なんだか釈然としない気分になったのを思い出しました…。甘えているのは、あちらで、こちらじゃない。

■ 自己責任=各自勝手に登るになっている

私は高難度は登りません(登れません)し、まだクライマーとして学ぶことがあるという自覚が自分にあるため、自分が登るときは、互いに、安全を相互協力で作れる相手と登りたいと思っています。それくらいは望みすぎではなく、人として当然、です。ところが、現代人の感覚の自己責任、というのは、自分さえよければよい、みたいなことになっている…。

例えば、見慣れぬボルトに不安を示すと、「クライマーなら自己判断で登れ」と言われるし… カットアンカーとグージョンの差が分かっているクライマーに、今まで会ったこと自体ないですけど…みんな使い分けて登っていたんですか? 私の師匠でも、たぶん、なんとなく、という虫の予感以上のことは、分かっていないで、リスク回避してきた、その程度の曖昧な知識ではないか?と思います。

海外のトポには、課題の長さ、必要ロープ長、ボルトに関しては、使用した型番、設置日まで書いてあります。そうなって初めて自己責任が可能です。

ロープに関しても同じで、自分のロープは来歴が分かりますが、人のロープだと分かりません…。私は大墜落の後は、ロープを休ませるように教わっています。当然ですが、ロープは濡らしては良くないです。泥も良くない。

支点の作り方も同様で、迷いがあるときに相談できる、ベストプラクティスを二人で作っていける関係性というのは、大事であるような気がします。

■ もう頑張ってる

また、互いに無理を押し付け合うのは禁物です。

ガンバ!というのは、クライミングではよくある掛け声ですが、私は、外岩の時は、「無理をしないように」と声を掛けます。安全とガンバ!では、インドアと外では違い、外岩では、安全が常に打ち勝つようにしないといけません。
濡れたロープを干し中

ガンバ!を優先していいのは、人工壁だけです。

外岩で、安全が後回しになるような声掛けは、禁物です。頑張ってツッコんで、怪我した場合、どう責任を取るのでしょう?

私が思うには、心根が優しくても、読解力不足と言うか、点と点の知識が、線や面となってつながり、きちんとした構造的な知識につながっていかないのです、現代のクライマーは。

例えば

A)人工壁で登るときはガンバ!
B)外岩は危険が大きい
C)外で一緒にいる人はレスキュー出来ない

= A)+ B)+ C)
= D)答え 外では無理強いはいけない

AとBとCを教えられても、Dが導けない、ということなのです。

A)ロープは各自が持ち寄り、
B)自分のロープで登るべきもの…
C)ロープの管理まで含めて自己責任、
D)ポンピングがロープが痛む、

 =A)+ B)+C)+D)= 答え)人のロープでポンピングしてはいけない

とか、

A)ロープドラッグが危険であること、
B)ボルトに対しても悪いこと、
C)ロープにも悪いこと

 =A)+ B)+C)= 答え)長ヌンが必要

とか、10年以上クライミングをしていても、答えそのものを教えてもらわない限り、合成できない、ということなのではないか?と思います。

それは、記録をつける習慣が無かったり、反省を記述する習慣がないから、というのもあるかもしれません。

ただ、ブログ等で有名で、記録をつけている有名なベテランでも、間違った写真を堂々と載せていることからすると、初心者の側からすると、それでいいのか~と思ってしまいますし… 経験者にしても、やはり、間違ったことをしていても、その自覚がない、ということではないか?と思います。

■ スタイルに安全に関する情報が欠如している

それはやはり、スタイル重視とは言っても、スタイルの説明に、オンサイト、フラッシュ、レッドポイントなどの記載があっても、それ以上のいわゆる登攀の質…”あれやこれや”と言われる細部の記載がないからです。

仮に、師弟関係で登れば、まだ5.7しか登れない時代から、師匠から、”下のクリップを外せ”だの、”クライムダウンして回収してから登れ”だの、色々と、ただまっすぐ登るだけではない指示を受けます。

(それどころか、ここを登れ、あれを登れ、と登る場所まで指定されるのは、疑問です。なぜなら、師匠と言えども、どの程度のリスクを取れるか?は、当人以上に正確には判断できないと思うからです。当人が自主的に判断できるよう、支援すべき、と思います)

私は、米澤さんと行った野北で、カムで取った1ピン目を設置する場合に、自分で設置した場所に指摘を貰いましたが、私が回収する予定だと返事をすると、そのまま行かせてくれ、2本目を取ったのち、回収してから登りました…こうしたやり取りの中で、”同じ安全を見ているのだな”と、信頼が生まれてきます。安全とはこうして作るもの、という気がします。

質の良いベテランと登ると、そういうことが、登攀歴の初期から起こりますが、現代のクライマーで、そのような環境にいるクライマーは、大変稀です。

中には、ランニングの失敗を指摘してあげると、親切な行為なのに、怒りだす人もいます(前の先輩)。

現代は、山岳会で登っていても、山岳会自体がそのような知識…適切なランニングの取り方やロープの休ませ方、あるいは、パーティ全体での安全の管理のノウハウ…を持っていません。また、ジムで会った初心者同士だと、当然ですが、知識を持っていません。

本があっても、文字列の羅列で、一般にクライマーはすぐに挫折してしまいます。

同じ10年のキャリアであっても、登れない時代から外岩経験を積むのと、インドアで鍛えてから外岩にデビューすることの間には、このようなギャップがあります。

■ パートナー的なミスマッチ

一方、私のような外岩からスタートしているクライマーは、インドアで鍛えた技がありませんので、高難度を登りません(登れません)。

ので、一緒に出掛けても、自分は登らない(登れない)ので、一緒に出掛けた場合、ビレイを提供したり、ロープを提供したり、と知恵を出す一方になってしまいます。

自分のクライミングの成果としては、得るものがない…、気がついたら、引率の先生みたいなことになってしまった…というような帰結になってしまいがちです。それは、相手に理解力がないから、ですね。

アドバイスを出すほうは、その成果…安全なクライミング…を自分の登攀向上の成果として受け取ることができない、という現実があります。

師匠クラスのクライマーは、なぜかインドアジム上がりのクライマーと組みたがらず、私が連れて行くと、腹を立てることが多かったのですが…、それはこういうことで振り回されるからですね。なるほど。

つまり、安全管理の貢献と言うのは、目に見えない。

本人は、もっとも安全なノーテン登りなので、ビレイされる時間も短く、かといって、ハングドッグ&ポンピングのクライマーの方は、それが当然だと思っているので、長い時間がかかる…と言うことになります。

なるほど、こういうわけで…と、私自身も、師匠がジム上がりクライマーと出かけたくない、その気持ちが分かったかもしれない。安全管理はこちら持ち、成果はあちら持ち、みたいなことになってしまう… 

しかし、どこにも悪人はいない…。

無知こそが原因、なのです。

■ ベテランの言うことを聞かない

教えると、基本的に嫌な思いをする、ということも師匠の場合は、あったそうでした…。

些細な点をあげつらって、さして重要でもないことを、さも重要であるかのように言っている…と一般的には感じられることが多いからです。例えば…

”ザックにボトルを外付けしてはいけない”と、指摘した時に無視され、そのクライマー君は案の定、ボトルを山道で落としたそうなのですが…。師匠とピオレドール賞クライマーは、顔を見合わせて、”こりゃダメだ”、と思ったそうでした。

私は、最初から、あまり山での行動自体は、問題視されないクライマーだったので、あまり強い指摘を受けたことはありませんが…。(一度、確保に変Dカラビナを使っていて、それはダメだと言われたことがあります)

アウトドアの基本…と言うようなことは、フリークライミングでは、環境がシビアでないので、大目に見られることができます。

例えば、”ボトル外付けダメよ”は、アプローチゼロ分の岩場で言われてもなぁ…となります。(なので、誰も指摘してくれない)

しかし、アプローチ6時間の前穂北尾根でボトルを落としたら登れなくなります…ので、昔は、簡単なところで、そういった良き習慣を身につけることにしていたのでした…。

良き習慣は身を守るといいます。

簡単なところは習慣づけの機会として使って行くのが良き考えかな?と思います。

良き習慣は身を守る、を念じながら、

 良き習慣作りに励んでいくのが、セーフクライミングのベストプラクティス

になるのではないかと思います。

今回はリスク管理の肝は、うどん汁、だったのでした(笑)。

めっちゃ、ひょんぐっていた奥壁手前の天然クーラー


長ぬん使用法を学ぶアッポロ11号

■長ぬん使用

先日、梅雨の合間の晴れ間を縫って奥壁で登ってきた。これはパートナーの写真。
ルーフ下のボルト負担大 ロープ痛み大



ご覧のように、ルーフ下で、ロープが屈曲し、岩角でロープがこすれています。

これでは、じきにロープドラッグで登れなくなりますし、落ちてもビレイヤーに全く衝撃は伝わってこない=ルーフ下の支点が全衝撃を吸収中、です。

ボルトにも悪いですし、クライマーも危険、ロープにも悪いということになってしまいます。

初回は下からビレイヤーの指示で、上の支点にかけたあと、ルーフ下のヌンチャクは解除して登ってもらいました。

しかし、RPしている間は、クライマーが長ぬんというギア自体を持っていないので、この状態で登りました。60スリング+ヌンチャクでロープドラッグはなくなるそうです。

■このクライミングは、”成功”なのか?

ノーテンションで登ったので、一応RPですが…。

一般に、教育をきちんと受けていないフリークライマーは、長ぬんを使ってロープドラッグを解消しながら登るということについては、意識が広がっていないような気がします。

その証拠に、昨今、ベテランや開拓者でも、このようなクライミングをする人もいます。

まして、クライミング教育が欠如していることが確実な、ジム上がりのクライマーだと、これが危険なクライミングだとは、RPしている手前、なかなか気が付けないのではないかと思いますので、注意喚起の意味でアップします。

■ 1ピン目 長ぬん と言うケースは多い

このようなルーフ下以外にも、ボルト数を節約し、岩を傷つけないために、1ピン目が隣と共通になっている課題もあり、そのような場合も、長ぬんで伸ばす必要があります。

パッと思いつく有名課題では、花鳥風月の1ピン目がそのような状態でした。上記のルーフは、奥壁のアッポロ11号です。

また、こちらの動画は、長ぬん使用法について参考になります。

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120cm,90cm,60cm,40cm,30cmそして一般的な20cmのものを使って流れがいいようにセットしてます。
完登できない場合でも、ロワーダウンしてくるときに余分が有ればさらに流れが良くなるようにセットを微調整して次のトライに備えてます。
うちうちでは、短ヌン、中ヌン、長ヌンという呼び名で
「そこ、長ヌンがいいんじゃない」とか指示出し合ってますね。
少しでもローブは流れが良い方が登る方にも負荷がかからなくて済むので。
ーーーーーーーーーーーーーーーー


どうぞセーフクライミングのご参考にされてください。

■ 参考情報

カラファテの長ぬん記事

http://calafate.co.jp/qd-sling/

おススメランナー(ドッグボーンのところ)13mmダイネックスラビットランナー

https://www.lostarrow.co.jp/store/g/gBD14100001/

アマゾン購入サイト

 https://amzn.to/3fDpuQD

軽い長ぬん

https://goodbouldering.com/?pid=144836941&gclid=CjwKCAjwtJ2FBhAuEiwAIKu19tHo0mj7GF6cNSbgBc0HUQylqYimy3o89AMq1PN9z8KuEjmAioXZLxoCzUAQAvD_BwE


ボルトのベクトル分解

 東さんから回ってきたので、転載します。算数苦手…誰か分かる方、解説してくれたら嬉しいです。


2021/05/16

クライミング事故が減らないのはなぜか?

■バグ管理DB

みたいな感じの事故情報データベースがないのが問題なのかなぁ…。クライミング界は…。

時々ネット上で、それらしきものは見かけるのですが… 立ち消えしている形跡のものばかりだしなぁ…

ソフトウェア開発で、ダメソフトができる原理というのは、出たバグを管理しないで、適当にフィックスしては放置、というものです。

どのように発見して、誰がどう解析し、それをどう直したのか、記録がなければ、延々と同じ間違いが繰り返される…それが、最初に入社した会社で、延々とダメソフトが繰り返されている理由でした… 

普通のソフトウェア開発にはバグ担当者がおり、バグ管DBが普通にあるのに…私が行ったところはなかった…ので、自分で作りました。それが評価されて私は雇用をゲットしたのです…。DBを作ったのは、それより以前に、ほんの短期間属した、きちんとした開発部には、バグ管あったので…2か月くらいしかいなかった開発部から知恵を入れたのでした。 

しかし…クライミングで死者の数を数えない…のは、何か現実逃避のような気がするなぁ…。

■ 今どきのクライマー & 説明力不足

今どきのクライマーは、ジムで登って5.11以上を登れるようになったら、次は外岩、と思っています。

一方、昔の育て方は、5.9も、まともに登れない時代から、セカンドオンリーで5年はマルチの修行、みたいな流れで、”連れていかれる”、もの。

そんなやり方だと、俺の方が登れる!って思っている現代初心者は、オールドスクールクライマーには、ついていきません。

勢い、昔の杵柄、を取り出して、”連れていかれるべき”だ、”俺が上だ”と、相手を納得させようとしてしまいますが… それでは説明のパワーがないので、セカンドで登っている現代初心者クライマーは、納得しないです。

例えば、

「リードに必要なルートファインディング力が、君にはまだないから、トップは任せられない」

とか、きちんと相手に 

何のスキルが不足しているからさせられないのか?”

を伝えるべきです…。それが、99.999%の熟達クライマーには出来ていない

それをやってこなかったので、”11のクラックは登れるから”と出かけてしまって、ボルト1本に仲良く2名でぶら下がる羽目になる…と思います。

そうやってヒヤリハットで済んでいるうちに、技術が身に付けばいいですが、解釈を逆にしてしまい、成功体験になってしまうと、いつまでたっても技術は身につかないままで、さらに困難なルートにステップアップしてしまう。つまり、リスクはもっと大きくなるということです。

私が思うには、現代の事故が減らないのは、このような男性心理と情報不足の組み合わせ、です。

■ 情報不足

御坂にいるときに、先輩は、城山ばかりに行きたがっていたのですが…その理由をきちんと解説できたか?したか?というと?していない。

JFAがケミカルに整備した岩場なのですが…それしか言っていないので、日本中の岩場で、特に初心者が取り付く5.9というグレードが、ほぼほぼすべてランナウト中で、5.9が限界グレードの人が取り付いて良いわけではない、と言うことを一言いえば、なるほどな~となったかもですが…。

あるいはジム通いの必然性も、日本の岩場では、ジムで5.11が登れる程度(ボルダーなら5級以上)でないと、危険が多く楽しめない具合になっている…ときちんと解説するなど。私はしてもらったことがなく、自分で謎解きしています(笑)。ま、謎解きも面白いからいいっちゃいいんですが…。

なので、初心者は基本的な説明を受けていない。昔の初心者はジム壁などなく、いきなり外の岩からなのが普通なので、ダメだと言われても意味が分からない。となります。

この謎の答えは、昔の初心者が登っている壁はフリーのグレードではなく、まだ4級とかの易しいグレードってことなんですが…関東なら三つ峠、福岡なら野北みたいな感じですね。

そういう易しくてランナウトした怖いルートで落ちない登りを身に着けて、グレードを徐々に上げていけば、成人後にクライミングを始めた男性でも、(10年程度の)時間を掛ければ、取り立てて才能がなくても、5.12までは到達できます。

そうなって初めて、フリークライミングの岩場の初級5.9が安全にリードで取りつけます。

なぜなら、(アルパインの岩場ではなくて)フリークライミングの岩場の初級5.9は、ときに10cであり、ランナウト著しく、決して落ちてはならぬ、落ちることがあり得ない力量の人のみがとりつき可能、という意味だからです。フリーソロ出来ないとダメって言う意味なのですよ。 

まとめると、全く登れないゼロスキルの人も、ボルジム5級しか登れない正対、側体オンリーな人も、どちらも結局、岩場では当分TRしか許されないということです…。

(なので、この段階の人は、リードが楽しいインドアジムがいいだろうと思いますが)

上記のような事情なので、基本的に、初心者は主体的に成長するということが不可能になっているばかりか、説明がないため、5.9と思って出かけたら違う、詐欺に騙されるみたいな話になってしまいます…。それが自己責任という他責の習慣のために放置されています。

たしかにムーブは5.9かもしれませんが、ランナウトしている、ということが語られていないのでは情報不足ということ…です。

同じことがボルトの質に言えます。ボルト強度はきちんと出ていますか?それを自分で見極められる知識はどこにも転がっていません… 情報がないのに、自己責任、というのは、ほとんどペテンですが…なんでそんなことになってしまったのか、歴史的経緯についての説明もほとんどないのです。

現代のクライミング教育は、ムーブを中心に教えられており、クライミング技術の根本であるロープで身を守るすべについては、ビレイ以上のことは教えていないですね…。それで登れるだけで安全管理が未熟なクライマーが来ている!とか文句を言われても…ですねぇ…。

起きていることはすべて正しい、ということなのです…


2021/05/15

試登が先か?地権者許可が先か?

■ 岩場の開拓 

 試登が先か?地権者許可が先か?

ボルダーなら登って痕跡は残らないわけで、ちょっと登ってみるくらいは問題ないと思うんだが…ボルトを打つとなると、試登でも、地権者の許可が先みたいですね…。

懸垂で降りれる壁なら、別にボルトを打たなくても、TRで登れるのですが… 五木は懸垂で降りるにしても、マルチプル懸垂が必要となれば、ボルトを打たないでは懸垂でも降りれない…。まぁ、今どき120mロープってのも、販売はされていますが…。でも、被っていたら壁から離れてしまいますよねぇ…。カムとかで登れる岩場ってホント、地権者の面からも楽なんだなぁって…しみじみ。

吉田さんが登らせてくれたスラブは、まったくボルトはなかったが…当然だが…あれ、私が登って色々工夫したら後、ボルト打つ予定だったのかなぁ… 山梨を出たときは、まだ釣り糸張りっぱなしだったような気がするけど…。

油山川も見晴らし岩も、開拓者本人はボルト使わないで、普通にトップロープフィックスで登る。ので、リードにこだわらない限り、岩場に何も傷を残さず登れる。

つまり、リードにこだわる=地権者許可、と言うことになると言えないでもない…。

まぁ、リードしないと大してやる気が起きないのが、クライマー困ったちゃんな点なのだが…。なんかスイッチ入らないんですよねぇ…。

ま、五木はボチボチしか進まないでしょう。なにせ、地元が田舎すぎて、クライミング?なにそれ、おいしいの?レベルかもしれず、もしそうだとしたら、クライミングって、こんなことですよ~と教えるところから…になり、かなり果てしない道のり。

それにしても、日本に残された、貴重な石灰岩の岩壁である可能性もあるので、しくじらないように時機を待つほうが、大事のような気がする。

下手にいじくって永久に葬り去ることがないようにしたいものだ…。

ボルト連打など、もう最悪だ。

ーーーーーー

メインストリートの角地に位置している空き家があったとして、その利活用について、みんなで議論をしたとしても、その「空き家の所有者」が認めない限りはどんな企画も通らない。

(略)

自分たちのチームが所有者と話をつけやすいかどうか?が、事業の優先順位をつける際に重要になる。(略)

このように「所有権」と言う視点で、議論をロジカルに整理するだけでも、「そもそも自分たちには活用できないもの」を対象に妄想の議論をするという無駄な時間を省くことができる。

ーーーーーー

ということで、五木は、地権者の許可が出るまでは、どんな議論をしたとしても時間の無駄になるかもですね。



皆の行動原理が見えない

■自分を拠り所とせよ

という教訓なのかなぁ…結局。私は、15歳のころ、人生最大の失敗…熊本高校への進学…をしてしまい、それを取り戻そうと退学と高専への入り直しを大人に願い入れたことがあるのですが、聞き入れられず、その後30年以上苦悩することになりました…。大学は夜学へ進学し、経済的に長い間苦しみました…。

当時、経済的見通しが立たない進学校である熊本高校への進学は、単純に、”先生がうちの中学から出た”と言って嬉しいってだけ。大体、各中学から一人か二人しか合格しない学校なので…。

人生に必要な意思決定に、親や大人の優越感を満たすという”私の役割”が入っていて、不快でした。行為の結果は、私が刈り取るので、先生が誇らしいってだけのために、その後、何年も苦労しないといけなかったので…。(ちなみに逆に私が先生の立場ならそのような判断はしないでしょう…)

以後、人生の決定権を他者に委ねないようにと、自立率200%な感じで進んできていますが…。

クライミングの世界で確認していることは…特に九州に来て以来のことですが…、「困ったら、誰かを頼っていいんだよ」ではなく、「やっぱり自分が一番頼りになる」ってことのような???そんな気がしていますが…。

一般的には、自立率が200%みたいな超自立型の人は、本来は、”そうじゃないよ、頼っていいよ”というのが、教訓のハズなのですが。定型的には…。

■ 返さなくて良い親切

こないだ…車がパンクして、タイヤ交換をしてくれた路上の人にお礼をしようとしたら、受け取ってくれませんでした…。たしかに…。私も、”いいよ、いいよ”と言いそう…。

誰かが困っていて、自分が簡単に差し出せるスキルがあったら、喜んで差し出しますよね…。

私にとってクライミングを教えることやビレイは、そのようなものですが、そうじゃなくて高く売りつけたい人は、なんでそうなのかなぁ… ほとんど理解ができないのです。

故・吉田さんのビレイヤーをしていたころは、たくさんの、ツヨツヨクライマーに声を掛けたけど…そんなビックな人とは登れない、とか何とか言って、みんな協力するなんて毛頭無理、みたいな反応でした…。でも、登るグレードとビレイは関係ないですよねぇ。ビレイヤーがいないと登れないんだし…。

みんなの行動原理…皆を動かしている意図が私には理解できない…。私の意図と全く違い過ぎて、宇宙人とお話しするみたいになっている。

そこが問題なような気がしてきました。

■ 今日の名言 世阿弥の初心忘るべからず

クライミングも、ギュリッヒは、同じように、書いていますよね… あるグレードを登れる人は、そのグレードにおいて、初心者、中級者、熟達者と進むと…
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「是非の初心忘るべからず。」が説いているのは、「未熟だったときの芸も忘れることなく、判断基準として芸を向上させていかねばならない」ということ。
「時々の初心忘るべからず」は、「その年齢にふさわしい芸に挑むということは、その段階においては初心者であり、やはり未熟さ、つたなさがある。そのひとつひとつを忘れてはならない」ということ。
そして「老後の初心忘るべからず」は、「老年期になって初めて行う芸というものがあり、初心がある。年をとったからもういいとか、完成したとかいうことはない」ということ。
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2021/05/14

Falling Techniques in Bouldering

誰をビレイパートナーにするべきか?

■ 誰をビレイパートナーにするべきか?

前にいた山梨アルパインクラブは、毎週水曜日が人工壁の日で、私は半年ビレイの習得のために通っていたのですが… どうも会長さんは教えないタイプの人で、会長本人以外のクライマーは、ビレイヤーとしては微妙みたいでした…どうしてそれが分かったか?というと、自分の女性パートナーをほかの男子と組ませないので、理由を聞いたら、分かった。その女性に怪我してもらいたくないから、だそうでした…(笑)。それ、私なら怪我してもいい、って意味ですけど、どうも発言するときに、意味を考えないみたいですね、みなさん。

こりゃこの会にいたら殺されるって意味なので…とっとと辞めましたが…。

私を個人として大事にしてくれる人なら、ビレイも確実なのかなぁと思って、師匠の青木さんと登っていましたが…なにしろ、私を娘さんと間違うくらい可愛がってくれた方なので… それでもやはり、男性クライマーを育てた経験しかないみたいで、女性特有のリスクには、理解ができないみたいで…「きぬちゃん、一杯ランニング打ってあげたで~」って、相沢大滝55m… 私まだ小滝リードが終わっていないんですよ?普通は、醤油樽→小滝→大滝→…です… 男性クライマーはいきなりビッグな壁で燃えるらしいんですけど… ああ、すれ違い…。とか、俺のカムで登れ!…うーん、青ちゃんのカムは手が届かないんですよ。

そんなこんななので、若いクライマーは当然ダメだし、年配のクライマーさんは、九州では私を座ってビレイした人や、2名リードを同時にビレイした人もいるくらいなので、当然ダメ…(笑)。スポーツクライミング(人工壁)をしていない人はビレイでキャッチした経験がないので、ビレイは形だけです。信頼はできない。しかし、人工壁をしているからと言って信頼できるかと言うとそれも違い、立ち位置がとおーい。

一人で岩場に行くのは、事故の時、危ないから…と思っていたら、それも違い…むしろ、一緒にいた方が、自分が肉離れの事故の時、お医者にかかれないという…(汗)。むしろ一緒にいる方がマイナス… 一人で運転して行き、一人で運転して帰りましたからね…。保険にならないパートナーは、ただのリスク増要因…

男子の会は、イケイケ過ぎて女性に必要な安全の配慮は分からない…4級?ロープ要らねぇみたいな世界観ですし…。それ以前に、私だけが女性だからと言うことで、学歴自慢などの特定の攻撃をされても、男性の仲間たちにはそれが分からない。攻撃されている事実が伝わらないので、当然守ってももらえない。

それに、あんまり安全安全って言いすぎると面白さがそがれますよね?クライミングは…。

そもそも、危ないのが楽しいので…。でも私がいると、私だけに危険が増えるわけだし…私には一緒にいても得るものがない。

会に属すのではなくて、自分の仲間を作るのはどうか?というのもやってみましたが、作った仲間…私のパートナーで来た人をかすめ取られて行って、ありがとうもないので…まぁ
気の合う者同士が登ればいいんだから、いいけど… もう借りは返したから、二人ですきにやってね、って気分ですね。君には十分上質なビレイを提供したよ、もう。

…というので、私の場合、一人で登るのが一番安全みたいなんです… 

私に必要な保険は、携帯電話が入りますね、くらいの保険なので…。なんせ行きたい岩場は近所の岩場なので。 それもトップロープフィックスで各自で登っているみたいなのが、好みなのです。韓国のアイスクライマーは二人ともそうしているみたいでしたよ、普段。アイスのビレイは長すぎて、寒いから各自登るんでちょうどいいんですよ…なにせアイスでは落ちるところ登りませんから。でも事故の時の保険は欲しいですからね。

こういうと、君をビレイしてあげよう、みたいな奇特な人が、気持ちをくじかれると困りますが…、今のところ特にオンサイトし残した、とか、執着している課題があるわけではないですし、登りたいジムはKoWallとか、ベースキャンプとかで、福岡にはないですし…。

壁を登るより、山道を歩いていた方が気持ちがいいので…

ゲストクライマーを案内する程度の親切は、いつでもできますので(落ちないところしか登らないので)、そういうのは気にしないでいいですよ。旅先で親切にしてもらうのは、お互い様ですし、日本各地の情報を貰えるというのは、とても助かることなので。

例えば、日向神の夢中歩行5.9(現在10b)に、佐世保の米軍クライマーを連れて行ったんですよ…彼ヨセミテ仕込みだというから…サンセットで練習して岩慣れしてから…。そしたら、2ピン目で敗退しましたからね… オンサイトに価値を置いていないそうです。はあ…。そういうのを見るだけでも、勉強になりますし。

それをほかのクライマーに話をしたところ、私が思った通りの反応をしたのは奥村さんだけで、くだんの九州クライマーは、佐世保クライマー擁護しており、なんだかなあ…と思いました。要するには、私は落ちない登りしかしないですが…なにせ、九州のボルト、カットアンカーなので… 落ちろ落ちろと責められてキツイです…。

最初から登る気がないようなクライミングで、私の張ったトップロープ限定の人が擁護され、登らせてあげている私の方が、なんだか責められて嫌ですが、スタイルが問題なのではなく、たぶん、単に、きちんと自己責任を取る姿勢、そういう人自体が嫌いなんだろう…と。なんせ、チェストハーネスしているだけで、相方、馬鹿にされていましたからね… 

安全軽視のクライミング以外は、ぜんぶ嫌いみたいなんですよね… 結論。

(背が高ければ危険ではなくなるので、他者の視点に立てないというだけのような気がしないでもないですが。エイドルートのフリー化っていう束縛から逃れられていないってことなんでしょうかね…)

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「私たちは、自分自身の魂の命令にだけ従い、環境や他人に左右されないように個性を伸ばしていき、世俗的な束縛から自分を自由にしなければなりません。」

 

「どんな時も、舵を他人の手に委ねてはいけません。自分の行うことすべてが、すべての行為が、いやそれどころか、考えの一つ一つが、自分自身から発せられ、それによって、自発的に、全く自発的に生き、人を助けられるように、絶対的で完全な自由を得なければなりません。」

 

「私たちに与えられたただ一つの義務は、自分の良心の命令に従うことであり、ほんの一瞬も他人の支配に屈しないということです。」

 

Dr.E dward Bach-Heal Thyself(汝自身を癒せ)より

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愚者になって往生す

 ■ 愚者になって往生す

今日は、おかもん先生に、質問を取り上げてもらった…ら、驚いた。

  正しいことを間違っているように言ってくる=マウンテイング

というのだそうです… マウンティングされていたんですね…、私は。そうだったのか。

人間関係に疎くて、スイマセン… よく分かっていなかったですな。

で、結論的には、そういう人とは、関わりを持たない、縁を選べ、というのが、おかもん先生のアドバイスでした。



■ 自己評価が低い

まだまだだと思って、自分より経験値が豊富だと思われるクライマーの話は良く聞いていますが…

クライミング業界に長くいても、きちんと勉強しているとは限らないし…

古い技術から更新されていない…というのは良くあることだ、と学び中… 

新しい技術だからって、いつでも一番いいわけではないし…

一つ一つ吟味して、自分で選び取っていくのが大事です。

例えば、最近は、変形ブーリンでのアンザイレンを勧められたのですが…やっぱりエイトノットでいいかな…。

ブーリンいまいち信頼ができないので。 中根穂高さんも、変形ブーリンがほどけてレスキューされたことがあると誰かに聞いたことがあります…

クライマー界に必要なのは倫理観

ヒポクラテスの誓い

のクライマーバージョンが必要ですね!

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医の神アポロン、アスクレーピオス、ヒギエイア、パナケイア、及び全ての神々よ。私自身の能力と判断に従って、この誓約を守ることを誓う。

1)この医術を教えてくれた師を実の親のように敬い、自らの財産を分け与えて、必要ある時には助ける。

2)師の子孫を自身の兄弟のように見て、彼らが学ばんとすれば報酬なしにこの術を教える。

3)著作や講義その他あらゆる方法で、医術の知識を師や自らの息子、また、医の規則に則って誓約で結ばれている弟子達に分かち与え、それ以外の誰にも与えない。

4)自身の能力と判断に従って、患者に利すると思う治療法を選択し、害と知る治療法を決して選択しない。

5)依頼されても人を殺す薬を与えない。

6)同様に婦人を流産させる道具を与えない。

7)生涯を純粋と神聖を貫き、医術を行う。

8)どんな家を訪れる時もそこの自由人と奴隷の相違を問わず、不正を犯すことなく、医術を行う。

9)医に関するか否かに関わらず、他人の生活についての秘密を遵守する。

10)この誓いを守り続ける限り、私は人生と医術とを享受し、全ての人から尊敬されるであろう!

11)しかし、万が一、この誓いを破る時、私はその反対の運命を賜るだろう。

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理不尽を「リスペクト」で駆逐せよ 制作現場を変えるNetflixの本気

■ 奴隷のような気持で…

クライミング…これだ~と思いました。私はまるで奴隷のような気持で登っていたんですよね。

ーーーーーーー引用ーーーーーーーーーーー
「現場で働くある女性スタッフからもらったフィードバックが印象的でした。彼女たちは、それまではまるで奴隷のような気持ちで働いていたと言ったんです。それが、リスペクト・トレーニングが導入されたことで、私たちは守られているんだと強く感じることができるようになったと。何人もからこういった感想をもらいました。それを聞いて、我々がやっていることは、業界全体に対して大きなインパクトを与えているんだと感じています」

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 https://forbesjapan.com/articles/detail/41089?fbclid=IwAR2pw7JXnKO5d3hIOX57vO35dmTF9O8c_C2DBBoqNzuBVMX19Vt94JdFnkY

岸良海外にクラックを登りに行ったら…

私の登りたい課題は誰一人ビレイを提供してくれる人がおらず… みんな私の呼びかけで集めたクライマーで、トポまでしっかり事前に渡していたのに…。

まず第一に起きたことは、初日、私が予定していた最初の岸良クラックを別の岩場に変更させられたことでした…さも行くのが嫌そうに場所の変更をお願いされ… 思えば、自分の行きたいところは行きたい、相手の行きたいところは行かない、この人は押せば折れる人だ、そういう心の習慣が成立していたのです… いつも私の方が精神的に大人で譲ってあげるからですね…。

そして、結局私は、自分の登りたかった岸良のクラックは一本も登れなかった上、ボルダーのフェスでは、痛んだ足をリスクにさらして勇気を出して登っても…

「これは…(こんなビビっているクライミングでは…)」

と相手の判断で切り捨てられてしまうという… 無理にお願いしてそのダメな私が登っているビデオ貰いましたが、別にダメではなかったです。登っていたのしかも5級だから…。

膝は今でも痛いので、ボルダーはしません、クライミングも無理をしません。2年経ちそうな勢いですが、それだけ時間がたっても回復はまだですので、当時は脱臼から、まだ数か月でかなり膝はゆるゆるですので、ホントに私エライなと今でも振り返って思います。

理不尽な目に合ってきたのですが… 気持ちは奴隷です…

奴隷みたいな気持ちにさせられるので、自分の男らしさが好きでたまらないクライマーと登るのは嫌… 私は男ではないので、男らしさを唯一の善と考える思想の人と登ると、否定され続けることになり、私のメンタルにとても良くない。

クライミングでは男性のフィジカルが有利ですが、それは日本社会が妊娠出産をしない男の人だけが働き続けられるような仕組みを作っているのと同じで、男性の能力に適したように日本の岩場が作られているからです。

私には手が届きもしないのだから、1ピン目はないのと同じ、でしょう…。グレーディングも同じで、届けば5.9、届かなければ、10台、みたいな話ですので…。人工壁で分かると思いますがなんで分からないのかなぁ…。みんな自分で課題を作らないから分からないのかなぁ…

理不尽を何度ども何度も飲み込む経験を続けると、奴隷、が出来上がる…。奴隷のように耐えながら、行動しないといけないのは嫌だなあと思うので…

対局、その反対はリスペクトです。どういう風にリスペクトするのか?それは、この記事の内容に譲ります。 

2021/05/13

米国アクセスファンドのポッドキャスト

 https://soundcloud.com/climbing_advocate_podcast?fbclid=IwAR2ixCmUO4f6mnozI4-n6Gdae2Bx1OdZx7cWt-E7TdsZQl4SbnRCTZCJpmA


ポッドキャストでアクセス問題の詳細が語られています。誰でも聞けるようになっているようですね。

米国ではクライミングエリアを守ることは、大企業による過度の環境破壊が含まれる開発から、大自然を守るということとイコールなんですね…

クライマーのうんこ問題より、ゴルフ場開発のほうがうんと巨大な悪で、なおかつ、不可逆的開発ですよね…ボルトの跡がどうこう、って、ブルドーザーと比べてどうです?

笑っちゃうくらい環境インパクト小さい…うんこはしばらくすれば自然に返ります… 特に日本では。

それより、除草剤をゴルフ場の芝のために蒔いたら、下流の農業は全部有機認証とれませんね…

■ クライマー協定 Commit to The Climber's Pact:

・Be considerate of other users ほかの人を思いやる
・Park and camp in designated areas 指定エリアを守る
・Dispose of human waste properly ゴミ処理を適切に
・Stay on trails whenever possible トレイルを使う
・Place gear and pads on durable surfaces ギアとパッドは丈夫な表面におくこと
・Respect wildlife, sensitive plants, soils, and cultural resources
 ワイルドライフを大事にする、植物、土、文化
・Clean up chalk and tick marks チョークを消す
・Minimize group size and noise グループは小さく、音も小さく
・Pack out all trash, crash pads, and gear ゴミもギアも忘れ物しない
・Learn the local ethics for the places you climb ローカルルール尊守
・Respect regulations and closures 規制を守る
・Use, install, and replace bolts and fixed anchors responsibly ボルトと終了点を責任もって使う
・Be an upstander, not a bystander 手本になる

米国のローカルクライマー団体のリスト

邪慢

■ 邪慢

仏教用語で邪慢という言葉を知りました。

・窃盗犯がどうだ俺ほど早く人の財布をすれるものはないだろうと自惚れたり、

・刑務所では前科の回数が自慢のタネ

・どれだけスピード違反をしたかを自惚れ

・試験の点数の悪い事や、単位を落とした事を自惚れたり

”恥ずかしい事でも自惚れの材料にしてしまう”のが、

 邪慢

です。となると、クライマーバージョンのの邪慢は、やっぱりランナウト自慢とかではないのかなぁ…

■アレックス君のコメントから類推

アレックス・オノルド君、アダムオンドラ君との対談で、初めて作ったルートは手打ちだったので、「超怖いルートになってしまった…」と普通に言っており、”どうだ!俺のルート怖いだろ!これに登れない奴はくんな!っつー意味だぜ!”とか、別に言っていなかったです…。

岩的に必然性のないランナウトは、フリークライミングの世界での”正見”は、

 ただルートづくりが不慣れで下手くそだった作品、

ってだけのことみたいですよ?

■ 現代のランナウト王子

ランナウトはアルパインの伝統です。たしかにアルパインで、数ピッチ行ってから、いちいち2m起きに支点を作る意味ないというか…私もリッジ系のに登るとき、ほとんど形だけです。支点。だって落ちないですから… 落ちた時、死体が行方不明にならないためのロープなんで…。

現代のランナウト王子と言えば、佐藤祐介さんです。確かにユースケさんもランナウト王子ですもんね…

若い男性の憧れの的?アニキだったユースケさんこと、佐藤祐介さん…スーパー赤蜘蛛フリーソロの方ですよ(笑)。

ランナウト=ボルトがあって、ロープをつけている意味がない、ではなく、
フリーソロ=最初からロープ要らねー、ですからね…。

5.12が含まれるルートです…。
 
そういう記録をきちんと読んでいたら、4級でランナウトしているようなので、威張っていても、”なんだかなぁ…”という感想になるような気がするのですが…。

4級だから要らねーではなく、意味ないランナウトをして、ええかっこしいしているのって、状況見えていなくて恥ずかしいなぁみたいな?…ランナウトへの耐性は、もっと必要な時に取っておこう、みたいな気分になると思うのですが…?

山ではしたいと思わなくても、そうならざるを得ないとき、一杯出てきますからね…。

しかし、なんでこんなカルチャーになってしまったんだかなあ…

集合意識の総和が、この世界を作っているということ

 

回ってきた記事。


いや、ホントにそうね、と思ったので掲載。

現状のクライマー界がどのような世界か?というと???

どのような人たちで成り立っているか想像がつくかもしれない…(汗)。

岩場にうんこ問題で岩場閉鎖とか…(鳳来はそうだったらしい…)

マナーが悪いというので、JFAは、ボルダラーのマナーアップに一生懸命だが…、もしマナーアップ特集が必要だというのなら、やっぱり

マナーが悪いやつら=お子様

というレベル感なのだろう…

以前、服務している囚人にオシメを履かせる刑罰を処したところ、お子様レベルの態度が改まった、というのをどこかで読んだことがあるが… 例えば鳳来なら、クライマーにオシメを履かせたら行為は改まるのだろう(笑)。


年配のアルパインクライマーは、マナーも悪く、セクハラもします… 同じ伝統がフリーのクライマーに来ているのかも…。まぁ当然ですが、クライマーの中にも、色々な人がいるわけですが… ブイブイ?言わせたい人は、マナーの悪さで、ブイブイ、を表現していることが多いかもしれません…。

そのあんまり真似しない方がいいところを真似しているのかも???

そして、ビレイループさえ、二重というような真似をすべき良き習慣は、あんまり、受け継がれていないような気がします…。

2021/05/12

安全のリレー

FBで東さんの投稿が回ってきました。考えさせられる、良い内容だったので転載します。

(赤字当方)

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ルート保全について

~お互いの安全のために~

ある岩場にて

 昨秋、30年くらい前に開拓された岩場を尋ねました。そこで劣化した支点(ハンガー)を多く見受けられましたので、その後2回程度、支点の整備に行きました。私が開拓したルートもありましたが、整備した多数は他人が開拓したルートです。写真のように「ほとんど抜けかけたハンガー」が連続した箇所もありました。

 これは非常に危険な状態で、あと数回の墜落かテンションでハンガーが脱落していたかもしれません。

支点の強度と管理

 岩場では開拓者がルートを作りますが、その支点を終生にわたって強度保証することはありません。ただし再登者は支点強度を信じて登りますので、この辺の齟齬が事故発生の危険性をはらんでいます。

またクライミングジムでは支点は管理されていますが、自然の岩でそれはありません。

言い方を変えれば「有料施設では支点は随時点検されるが、無料の岩場では支点の管理者はいない」ということになります。

今回の問題は「ハンガーをとめるボルトがずいぶんと緩んでいたのに修正されていなかった」ことです。

クライミングコミュニティと安全の保全

 クライマーは好むと好まざるにかかわらず、クライミングをしているということで「クライミングコミュニティ」の一員になります。 我々はその場にいないクライマーを意識することは困難ですが、私が今日登ったルートは将来、誰かが再登します。そのため我々は時間軸上でつながっているといえます。

 そして管理者のいない岩場では、クライマーは無料で登れる恩恵があると共に、次のクライマーのために安全な状態を保全する必要があります。例えば、「開けたドアを次の人のために押さえてあげ、その人は次の人のために・・・」というような行為、つまり「岩場では安全のリレー」が大切です。

 今まで、死亡事故が発生して利用禁止になったエリアはいくつかあります。事故は被災した本人に壊滅的な事態が生じますが、クライミングコミュニティにも大きな被害を与えます。

岩場で出来ること

ランナウトした核心部で、ハンガーが脱落しそうであっても、必死でクリップするかもしれません。ただしそこでテンションしても、体重がかかったボルトを締めることは困難です。そのため安全な支点に到達するまで危険な状態が続きます。

ボルトを修正できる可能性があるのはロワーダウンのときです。私は岩に行くときは「小型モンキーレンチ」を持参していきます。そして回転しているハンガーはそれで補修するようにしています。

ボルダリングではチョーク跡を掃除することがマナーとして定着しています。リードのハンガーや支点問題は見かけの問題ではなく、安全の問題である以上もっと深刻です。

「続登者の安全は、先行者によって保たれる」のです。そのため「安全のリレー」に努めていきましょう。

カットアンカーからグージョンに打ち直されている

緩んでいるカットアンカー


夢中歩行グレード改定

 いつの間にかグレード改定になっていた 夢中歩行5.9 → 5.10b



2021/05/11

アダムオンドラとアレックスオノルドの対談 | スポーツクライミングとビッグウォール


■ スピードクライミング

スピードクライミングはどちらにとっても大変だそうです。そんな簡単なものではないみたいですね。スポーツ志向 と 外岩志向はやっぱり、全然違う志向体系みたいですよ?

■クライミングの歴史

クライミングの歴史を大事にしているのは、両方ともみたいですよ?

■ アレックス君とアルパインクライミング

現代の、世界で、”ザ・アルパインクライミング”と言えば、やっぱりパタゴニアみたいですね!

アレックス君は、年に1、2回しかしないそうです。する理由は、

他のクライミング形式のありがたさが分かるから(笑)。

ホントにそうですね!ちゃんとしたアルパインをしていたら、フリーってホントに、身軽でいいなって思いますし…。落ちても死ななくていいんだぁ…って感じ(笑)。

■危険な岩場は嫌い

チェコの岩場は嫌い、だそうですよ、アレックス君は。つまり、ランナウトとヒドイ支点…

九州の支点をアップしたら、チェコのクライマーが連絡くれて、うちらのはもっと悪いと言っていましたが…絶対行きたくないだろうなぁ… 世界のフリーソロのアレックス君が嫌がるチェコ。

■ 開拓

石灰岩の開拓は、アダム君によれば、それほど大変でもないそうです。掃除がいらないから。

■ 怖いルート

アレックス君も2,3本開拓したことがあるそうですが、1本目はよく分からなかったのと手打ちだったので、最低限のボルトしか打たなかったら、かなり怖いルートになってしまったとのこと。 

ってことは、怖いルートって初心者の下手くそ開拓者が作ったルートって意味なのかも?


■アレックス君75% アダム君100% 

スポーツクライミングが専門のアダム君をアレックス君が褒めているのですが…アダム君は常に100%投入…アレックス君は頑張るって言っても75%。

私も同じなんです…75%の頑張りで、”もう頑張ってる”です。100%出し切らないと頑張っていない判定するスポーツクライミングだと、長い時間登れないから嫌…。残り25%は予備で取っておかないと…です。

あとスポーツクライミングは足るを知らないから、嫌だなぁって思います…

2021/05/10

アレックス・オノルド君のお母さんの手紙

■ アレックス・オノルド君のお母さんの手紙

良い文面なので訳しました。

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Dear Mom of a climber,

クライマーのお母さんの皆さんへ

I’m the mother of that kid you couldn’t bear to watch in Free Solo, who made your palms sweat as you wondered aloud, “How’d you like to be that kid’s mother?!”

私は、皆さんが見るに堪えない、あのフリーソロを登った子の母です。手に汗握らせたでしょう…そして、あんな子のお母さんなんてやってられないだろうなぁと思ったでしょう…

I didn’t have a choice. My son, Alex Honnold, was born climbing, and that’s all he ever wanted to do. So at 59, since I wanted to be part of his life, I tried it.

私には選択肢はありませんでした。息子のアレックスは生まれつきクライマーで、クライミングだけが彼のしたいことだったのです。しかたなく、私は59歳でクライミングをすることになりました…。彼の人生の一部でありたかったからです。

At 66, I became the oldest woman to scale El Capitan.

そして、66歳で、エルキャップを登る最高齢女性となりました。

In the short time between those two events, a lifetime of learning happened.

この短い間に、人生の貴重な学びが起こりました。

I’ve always been a teacher, a writer. A mom. Basically I spent my life at a desk, in a classroom, in the kitchen. Not exactly athlete material. But you never know until you try.

これまでの人生、私は教師として生きてきましたし、書き手であり、母でした。基本的に、私は、机、教室、そして台所で、人生を過ごしてきました。まったくアスリートの材ではありません。でも、試してみるまで分からないものですね。

As I began climbing, I learned a lot about fear; my imagination was far worse than anything that really went on ‘out there’ on Alex’s expeditions or climbing trips. Fear comes from not knowing.

クライミングを始めて、恐れとは何か?について多くを学びました。私の想像は実際よりうんと悪く、心配は無知から来るものでした。

At the beginning, I ‘knew’ I’d never be able to climb a wall; I was no athlete! I just wanted to see what it was like. I climbed a wall at the climbing gym. And another. I followed my son up an outdoor wall, terrified and thrilled. He believed I could, so I did. It’s as simple as that.

始めから、私は、壁を登るなんて無理!と”知っている”つもりでした。私はアスリートじゃないのよ!ただどんな感じがするか知りたいだけ。クライミングジムの壁を登りました。そして次の…。外壁で、息子のフォローを務め、恐怖におののき、スリルを味わいました。息子は私にもできると信じているようで、それで私も自信をつけました。それくらいシンプルでした。

By the time we did El Cap, several years later, it no longer terrified me to hang on a rope 3,000 feet above the Valley floor.

私たち親子がエルキャップをやる頃には、4,5年がたっていましたが、もはや3000フィート(1000m)の壁でロープにぶら下がることは怖いことではなくなっていました。

…続く…

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どうですか? 私が一番感動したのは、息子が何に夢中なのか知りたいと思った母親が、恐怖や偏見を乗り越えて、壁に取り組むことです。

”馬鹿言わないで!私にクライミングなんてできるわけないでしょ!”、初心者は、誰だってそう思います。そんな思いすら、乗り越える息子への愛。

私が悲しいのは、私の夫が少しでも、その意思を見せてくれたら…ということです。試しもしないで、出来ないって決めつけているなんて…。


2021/05/09

押し付けと気が付いていない価値観の押し付け

■押し付けと気が付いていない無謀の押し付け

私は、沢登りを教わりに行った東沢釜ノ沢でチェストハーネスをしている労山事務局長(K2登ったことある人)を見て、”内心、私もいるかも~”と思った口なのですが…

しばらく、前に日向神で、相方がチェストハーネスをしていると、九州のクライマーが、「え?なんでチェストハーネス?」と怪訝そうに言ったのでした…。その発言者はユージ風ニット帽。

相方は、「落ちた時、頭が下になったことがあるので」とちゃんと返事していましたが…。

明らかに、”何こいつ、変な奴”という空気を醸し出す発言者で参ったのでした…。フリークライミングはチェストハーネスなんかしないもんだろ、オーラ全開。

私も嫌だったなぁ…。マルチで出てくる下りで、明らかに一歩のミスがさよーならーにつながるところでロープを出さない。ロープだして懸垂で降りたら、変な顔されました。でも、私は、難易度ではなく、そこが危険かどうか?がロープを出す判断基準と教わったんですよ。

あと切れたところで、ザックを下ろして、渡ったら、それも変な顔されたうえ、こんなところで、とか言われました。でも、私は小さいですから、同じザックの重さでも、体が持っていかれることはよくあります。しかも、そんな私ですら、会にいた33歳室野君より、強かったんですからね…。彼がいたとしたら、ザックを下ろすどころか、確保してあげないと彼そこ通れないレベル。

というので、まぁ要するに、現代的初心者について、見聞不足が顕著で、昔の大学山岳部のノリのまま、で事故は、手弁当、の九州クライミングなのでした…きちんと統計出していないから、不透明ですが、かなりの事故件数なのではないかと思われます。

チェストハーネスの件は、私なら、”そんな自分の価値観を押し付けるような言動はしないなぁ…”と、傍で聞いていて、思ったりしたのですが…

この問答に立ち会ったことで、用心深いクライマーに対しては、私以外であっても、誰に対しても、私にしたのと同じこと…人の安全対策をこ馬鹿にする…をしているんだなぁ…と分かったのでした。

別に、私だけが否定されたわけではないのかも? 

というか、ホント、命の価値を考えていない、ええかっこしいな土地柄で、それをみんなが同じだと無邪気に思い込んでいる、という土地柄なんだなぁ…。

それにしても、発言した人はヒマラヤで友人を亡くしている人でしたが、そのような人でも、セーフクライミングではなく、価値観の押し付け、なんだなぁと。自分と同じ価値観以外は、”は?”と言う…そして、それが全世界の標準だと思っている…。違うよ、世間はもっと進化しているよ?

なんだか感動したというか、つくづく理解したというか。

ホントに自分の周りの変化に気が付いていなかった人たちなんだなぁ…と。

フリークライミングへの理解っていうのは、なんだか本当にオールドスクールのクライマーには難しいのだろうと。まぁ、若い人、入ってこないですもんね、会に。入ってくる人も、知識をもたらしてくれるようなタイプの人ではなく、その逆だし…。

今日は、6年生の、まだクライミングを一回もしたことがない男の子が、お風呂で後ろに転んだことがあるからアブナイ、と感じて登らなかった。

子どものほうが立派で、大人の方が…ですね。

価値観の押し付けは、押し付けられているほうには分かって、押し付けているほうには分からない。

気を付けよ!

2021/05/08

ラオスの6Aって10bもあるのかな?

 ■ 頭が下になった墜落

今日送られてきた映像…頭が下になることがあると、やはりヘルメットをかぶろうという気になります。わたしなんて、チェストハーネス、ほしいくらいですもん。

しかし… 6Aなら私も登っていましたが、ラオスの6Aって10bもあるの?ぜったい日本の10bより簡単だけどなぁ…

Thakhek, Laos. He is on a 6a (5.10b) called Soft Cheese.

あるグレードを理解するには40本必要

グレードを駆け上がらさせられる…

私はまだずっと10Aでいいのですが…なんで嫌って言ってるのにグレードピラミッドを駆け上がらさせられるのか…?それが九州では悩みでした。

小山田大さんは、

”ある一つのグレードは40本くらい登らないと分からない”

と雑誌に書いていましたが、九州では

”4本登れたら次”

だそうです。

40:4 10分の1ですよ? 10分の1の努力で次のステップに駆け上がってしまう…これがイケイケクライミングでなくて、何クライミングなんだろう…?

■ 細かいステップを踏む = 安全

そのやり方だと、ステップがおおざっぱなので、私は嫌なのです。

なんなら、5.10A100本ノックでいいんです… 

5.11A100本というのをやっている人を知っていますが、11でやるのは許されるのに、なんで5.10A100本ノックは許されないのか?

5.11Aは、どんな内容か?というと、(男性の標準体格の人のフィジカル)+ (努力をほとんどしないか微量…正体と側体が身に着いた程度)で到達できるレベルです。

同じ技量でも持っているフィジカルが女性並みなら、届くグレードは、スライドダウンして10Aになります。これは師匠を見ていたら分かるようになった。スキル、私と変わらないです。それでも背が高く(=取れるホールドのオプションが広く)、力が強い(=持てるホールドのオプションが広い)とそうなります。なので、おじいさんでスタートした人は私と同じくらいしか登れないですよ?

ジムでも、女性は7級や6級を登れるようになるのに1年、若い男性は1日です。

ちゃんと普通に努力すれば、男性なら12は中級者、女性は11で中級者だと思いますが…そういう努力が要らないレベルが、男性の11、女性の10だと思います。(子供から登っているエリートクライマーは論外ですよ) 

そういう風に多様な人材を受け入れられる課題作りは日本ではされていない…のは、まぁそれは、現状なので致し方ないですが、男性のメインストリームと同じ価値観を持てないからと言って、その人が考えを変えないといけない、というのは、おかしい。

■迷ったらハードプッシュ!

迷ったらハードプッシュ!は男性で若く予備体力が豊富な人にしか通用しない作戦です。

迷ってもハードプッシュしないで、ムーブ解決してきたから、私はまだ生きているんであって、その方針でやっていたら、今頃、とっくに死んでいます。

しかも、こんなに用心していても、頭7針縫っているんですよ? 2度目のグランドフォールがあったら、もう命はないでしょうね。

迷ったらハードプッシュの人が、それがクライミングで通用する唯一の解でないと気が付くには、大怪我するしかないのではないでしょうか…

いくらメインストリームの考えであっても、メインストリームだから正解、というわけではないのです。

蛮勇が必要、も同じです。クライミングに蛮勇が必要と思っている人は、自分には必要と言うだけで、私にクライミングで蛮勇が必要だとしたら、それはもう、クライミング一生しなくていいって意味ですから…。

フリークライミングというのは、気軽な墜落が許容されるクライミングなんであって、蛮勇が必要なクライミングではないはずですが…。

ボルトルート(スポーツルート)では、低グレードであるほど蛮勇系である仕組みになっている日本の課題…

それが男性中心主義というのは、男性には分からないので、子供や子供並み身長の私のようなクライマーが声を上げていくしかないのではないかと思ったりします。

その声を拾えるかどうか?が、日本でフリークライミングが市民のものになるかどうか?の試金石であるのかもしれません…

蛮勇やハードプッシュの俺ってかっこいいと思っている人は、どうしてもそれを必要としないクライミングを許容できないのではないかと思います…。やってしまうと、自己否定になってしまうからですね。

2021/05/07

弟が死んだことと山での友人たちの死

■ 長い長いグリーフワーク

私の弟は、水泳でメダル何個も持っていたようなアスリートで、24歳で突然死しています。

あまりに突然だったので、死の実感もなく、私にとって、悲しみが癒される瞬間がなかなか訪れない…という事柄でした…。

夫と登っていた一般登山から、私がステップアップしたくなり、山岳総合センターのリーダーコースへ…。その頃から、山での友人、知人の死に出会うことが多くなりました。

例えば…

・山岳写真家だった新井さんの劔での落石による圧死、

・講習仲間の涸沢岳西尾根、

・ニュージーランド帰りのアイス仲間がパートナーが見つからなかったからと言う理由でソロで行った冬富士の遭難…、

・友達の宝剣での400m滑落と開放骨折…

・師匠の青ちゃん…腰椎、足首の骨折の回復中、ボルト23本入ってます、とか… 


そして、山岳会で出会う男性の多くは、リスクを理解しようとする頭自体がない…。その

  男性性

という性質が、これでもか!と言うくらい、弟を思い起こさせるのでした。

それはこういうことです…

小さいころ、弟がロッキングチェアに載って、動いたチェアから落ちて頭を縫いましたが、3歳の弟を見た5歳の私は、見れば分かるじゃん!と馬鹿だなぁと強く思ったのを覚えています。

山での死を見聞するのは、その思いを強く刺激するもの…でした。

■ まともな強いクライマー

一方、弟みたいなツヨツヨクライマーのハッシーは、山においては先輩でしたが、「あの頃の俺は強かった」と口にする30歳で、あの頃っていつ?って聞いたら、25歳のころ…で、現在2段…なのに、私がいいって言うんですよ、ビレイヤーには。一緒に宙づり脱出の練習を初回のロープ合わせでしましたが、教えなくていいから楽、とか言っていました。

私にパートナーができたので監督役で、ルート、付いてきてもらいましたが、なんとその日にガイドの仕事が入ってしまい…仕事を断ってついて来てくれたんですよ?なんて人情味あふれる人なんだ。

私とこれまた初心者の相方のために…。そして、相方のずさんなロープワークを見て、これでは、四尾根は日が暮れる、と指摘…。その当時、私は何度も相方に、今年の四尾根は無理と指摘していたのに、私の言うことは聞かない相方だったので、助かったのでした。四尾根は、ルートグレード3級です、初めてやるなら前穂北尾根1級でしょ。

余談ですが、前穂北尾根は二人で行く予定で頑張っていたら、初心者だけで行かせるのは心配だというので、もっとベテランの先輩がついてきてくれ、相方も誘ったのですが来なかったです…なんでやねん…

まぁ、あれこれ、山では苦労しながら、弟と死、について突き詰めてきたのでした…。

■ 人は100%死にます

死は免れない。人はどうやっても死にます。致死率100%。どうせ死ぬなら楽しいことをして死にましょう。

一方で、ロッキングチェアから落ちて死ぬような、恐ろしく知性の低い死に方をする山や多数。

例えば、宝剣ではロープをつけてさえいればよかったのでした。

■ 古い革袋に新しいワインは合わない

この人は花谷ガイドのヒマラヤキャンプで指導を受けた若い人で、昔の山岳部のやり方で育った人です。古い革袋にいれられた新しいワインです。古い革袋は、人を死に至らしめる可能性が高い。その教育法では新しいワインには向かないということです。”これくらいノーロープでいけるぜ”ってやつです。

ロープを付けない、アイゼンを付けない、そういう軽視の心は、どこに現れるか?というと、

・ブイブイ言わせたい

・めんどくさい

・危険予知できていない

そんな程度です…。そういえば、アイゼンつけたままグリセードして骨折した先輩もいたっけなぁ…。

■ グリーフワークの進行

昨日は弟が死んだことを考えて、なんどか涙があふれてきました…。やっとそこまで彼の死がリアリティとして追従してきたということですかね…。

正直、私を守るために、弟はパートナーを送ってきていると思うんですよね…。福岡では登るの辞めようとしていたのでした…アシュタンガヨガでいいやって。そしたら、アラーキーがなぜか来たし…。弟の魂は、私が山から離れるのは嫌なようでした。

■ 弟の死と山の死。咀嚼の歴史…

一つ目は、母が甘やかしてしまった男の子の行動原理の理解。

…甘やかさざるをえなかった母の必然の理解。

…母は男の子の育て方に自信がなかったので、水泳で弟を鍛えたんですよね…メダル重視という間違った方向性でしたが…。

…間違った方向性を許すための理解…周りが一斉に競争に向かっている社会で、競争に興味ありませんって難しいですし…そもそも子供は競争大好き。 

そして、男性心理の理解。

男性クライマーってどうしても、女性の前では、自分が強い男であることを気取るために、かっこつけたくなるんですよね…。女性が入ると、事故率増えるという研究結果がある。

君が強いのは分かったから、ランナウトじゃなくて、荷物担いでくれ、って感じ。でも、荷物を担ぐのは嫌なんですよ。大体の年配の男性は、妻に重たい荷物持たせて、自分は手ぶら…。それは女性の分担って頭から決まっている。これは74歳の開拓者と登って理解しました…晩御飯作るの嫌がっている奥さんのことをひとごとのように話してくれました…。

男性の心はギャラリーを求める心です、ナルシズムとヒロイズム。ヒーローにしてくれるから、女性を大事にするだけで、そうでないなら、しない。だからリードで取り合いにならない、女性パートナーが登れないところだけ、行きたいわけです。師匠はそうだった。だから私が行きたい石灰岩は来ない。私は引率の先生のようにビレイで付いて回らないと行けなくなるわけです…足を怪我しているのに。逆に、自分が怪我をしたときは、リードしてくれるわけですよ、ヒーローになれるから。

「〇〇で一番死に近い男」と言われて喜んでいる相方… それ、見張っていないと、やらかすって意味ですよ。みなで気を付けて見張っていよう、という意味で、かっこいい、って意味じゃないですよ…。 

なかなか治らなくて、白亜スラブでは、やっぱりやらかしていました…。それでもなぜか彼には成功体験になってしまった。私にとっては、うかつだった事件の記憶です。この記録、私以外のフォローだったら、日暮れレスキューになった可能性もある。

たいていのセカンドは、ロープアップされなかったら、どうしていいか?頭真っ白になって終わりです。自己確保で登る技術を教わってから、マルチに行く若い人は、昨今少ないです。

アレコレと書きましたが、結局のところ、私は弟の死を自分の中で消化するために登ってきたんだろうと…。

なぜ父は私たち兄弟三人を捨てたのか?…自分の自己実現のほうが子供への愛や責任より大きかったから…

なぜ母は弟ばかりを優遇して育てて無能な巨人が出来てしまったのか?母にとってすがれる男性は弟だけ…。上げ膳据え膳で溺愛したため、水泳はできるけど、水泳しかできない子になってしまった…。

なんで男性はかっこつけるのか? なぜなら、モテたいが男性の行動原理だから。親になるまで、それは変わらない。

いつ男性は自分の命を大事にし始めるのか?子供が出来てから。自分が守るべきものを得てから。

クライミングで、誰に何を言われても、ゆずらない硬い意志で、安全管理について訴え続けるのは、弟の死がコアにあるからです。

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1)許すとは、自分にはもう恨みも敵意も、自己憐憫も必要ないと気づくこと
2)許すとは、自分を傷つけた人を罰したいとは思わなくなること
3)許すとは、過去に起こったことで自分とういう人間を決めるのを辞めること
4)許しは自然に訪れる結果 
5)忘れないけど、手放すこと
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1)許すことは大目に見ることではない
2)許すことは相手を免責することではない
3)許すことは自己犠牲ではない
4)許すことは、そのことについて二度と怒りを感じないということではない
5)許すことは、一時の決意でできることではない
ーーーーーーーー 『子どもを生きればおとなになれる』 より 引用