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2022/08/28

現代的な教え方vs昭和の教え方

■ クライミング技術の教え方もこれくらい分かりやすくしないと現代初心者には、むずかしいのかもしれません。

2022/08/11

アルパイン教育で山の死を防げるか?

 ■ 一般登山→日本のエイド→フリークライミング→ビッグウォール→アルパイン

たぶん・・・なのですが…一般的に アルパインの教育のステップはこういう風になっていたのではないでしょうか?

第一段階 一般登山 (ピークハント→小屋泊縦走→テント泊縦走→一般レベルの雪)

第二段階 読図の導入 

第三段階 入門レベルのオールラウンドな山登り (雪→沢→岩→氷)

第四段階 フリークライミングでの基礎的登攀力作り (いわゆるフリーの基礎力)  

第五段階 ルート経験数を貯める 

第3段階のどこにスポーツクライミングという危険を排除した形でのクライミングを入れるか悩ましいですが、スポーツクライミングに基本的にはリスクはありません。リスクがあるとすれば、技術的ミステイク、です。

ただアルパインクライミングの価値観を学ぶ前に、スポーツクライミングのルール、フリークライミングのルールなどを学ぶことになるので、学ぶ当人が混乱しますよね。

例:

スポーツクライミング=ボルトはあって当然。プロテクションは、元々あって当然。

フリークライミング=いくら落ちても命取りにならない。ロープに守られる。

エイドクライミング=背が高いほうが有利

現代では、新人教育ができない山岳会がほとんどなので、読図が山の必須教育の一部だとか、あるいは、フリーでマルチピッチのルートに出る前に、危急時の講習が必要だ、とか、一般的にクライミングジムでスタートした人には、てんで皆目見当がつかないのかもしれません。

アルパインクライミングが、冬の壁を前提とするのは、夏でもアルプスには雪があるから、であると思われるのですが…雪渓歩きや、氷河歩行みたいなものは、日本の山で必要となるのは、ほんの少しであるので、日本でアルパインの教育を受けた人は、セラックが落ちる、とか全然想定しない可能性もあります。雪庇の崩壊などもです。

■ 夏山の事故

今、問題になっているのは、基本的に夏山の事故です。

ココヘリの配布などで、技術を教えるというよりは、保険を手厚くする方向に日本の山の世界は動いていますが、これは、遭難者のプロフィールが、

 定年退職後に山をスタートした高齢登山者=新しいことを学習するスキルが著しく低い

ということを配慮してのことのような気がします。

年配の人の老後の時間つぶしとしての登山には、特に登山史の一ページに何かを追加する力があるとは思えません。

ので、ココヘリなどのように、保護を手厚くする方角で、お金で解決するという方向性はあながち間違っているとは思いません。

肝心の年配者だって、ザックを肩代わりして背負ってくれるなら、快適に歩けるので、若い人を雇いたい、というニーズがあることも、実際目の当たりにしています。若い人のほうも、そのようなガイドでのニーズであれば、トレーニングしてお金を貰えるのであれば、それでいいのではないでしょうか?

いわば、日本版シェルパ。しかし、このようなタイプのガイドに、ガイド能力を求めない方がいいのではないかと思ったりします。例えば、花の知識とか、危急時の対応能力(一般的な救急救命措置以上の能力)を求める必要はないような気がしますね。

なんたって、年配の人、ただちゃっかりしているだけなので。送り迎えのハイヤーと荷物持ちが欲しい、持病の発作が起きた時一人だとかなわん、という程度のニーズだろうと思うからです。これは、往年のアルパインクライマーだって同じです。さりとて、高齢者の寄せ集めでは、誰もニーズを満たすことができないです。

■ 本質的なアルパイン教育

一方若い人は、高齢者のような、ただ歩ければ成功、みたいな山をしていても、埒があきません。

私みたいな中途半端な人ですら、北アの一般ルートでも、南アの一般ルートでも、一般ルートであれば、もはや歩けないところはないくらい、簡単に若い人は、山は歩けてしまいます。

特に、九州のような温暖地では、山自体の気候リスク、標高のリスク、岩稜リスクがないので、どう頑張っても、沢登りをさせ、読図を教える程度ができる精いっぱいかなぁ…という気がします。その沢にしても規模が大きいものがないので、宿泊を伴う沢の、例えば、幕営場所選択のイロハ、みたいなことは教えてあげる機会が著しき制限されます。

ほとんど、どこかのネイチャースクールでおぜん立てされ、リスクはあらかじめ取り除かれたような楽勝の沢のようになってしまっているって意味です。

 なので、ぜんぜん何年積み上げても、いわゆる未踏の地に踏み込むに十分なだけの知識とか、経験値とかは積みあがらない訳です。

■ 知識と経験を積み上げるには?

現代では、基本となる、能力が、

 5.12がスイスイと登れる  & 40kgを担いで山登りができる

で、この能力を身に着けるまでは、

 経験値を積み上げるというステップには入れない

ようです。

過去のレベル感では、同じく基本となる能力が

 5.9がスイスイと登れる & 積中泊1泊二日程度の重さのザックを担いで山登りができる

だったようです。女性25kg、男性30kgだということでした。

 5.9がスイスイ → 5.12がスイスイ

 30kg     → 40kg

というわけで、こうしてみると、歩荷能力の増強度よりも、フリークライミング能力の増強度のほうがスゴイ…。

5.9スイスイは比較的可能ですが、5.12スイスイは、大人になってクライミングをスタートした人が達成するのは難しいかもしれません。5.12がRPできる人はたくさんいますが、うんうんうなってやっとこさ登るっていう意味ですから…。うんうんうなってやっとこさでは、ダメって意味なんですよね。

そうなると、フリークライミングの基礎力、というのがものすごく習得に時間がかかると言うことなので、途中でアルパインクライマーであることは忘れてしまって、フリークライミングに行ったら行きっぱなしになるかもしれません(笑)。

■ フリークライミングの階段を駆け上がることができないのがネック

実は、フリーはフリーで結構楽しいというか… 私がラオスや龍洞で登ったような感じでいいのなら、私もアルパインは捨てて、別にずっとフリーでもいっかなーって感じでした。山で死にたいわけじゃないしなぁ…。

ところが、日本でネックになっているのは、フリークライミングで基礎力をつけたいとおもったところで、フリークライミングの階段を安全に駆け上がることができないということなんですよね。

登山のレベルの時は、Ⅱ級=遊歩道、Ⅲ級=登山道、Ⅳ級=鎖場程度、Ⅴ級=ロープなしに登るのは不可能、と登山道の難易度が分けられているので、フリークライミングのレベルになった場合、5.〇〇…と Ⅴ級の5.からスタートします。一番易しいⅤ級は、5.7です。日本では。 

しかし、5.7~5.8のルートというのは、フリークライミングのレベル感からみたら、あまり歯牙にもかけられず、伝統的に、そのスキルは、特にフリークライミングのスキルトレーニングなしに登れる程度、という意味ですので、移行グレード、みたいなグレーな区間です。

したがって、 フリークライミングの階段というのは、5.9をオンサイトする能力がそなわってからスタートするわけですが…。

ここで、クライマーの命を奪う、リスクとスキルの逆説現象が起きています。

 5.9のフリークライミングの課題 のほうが死ぬリスクが大きい

 5.12のフリークライミングの課題 のほうが死ぬリスク小さい

 という具合に、日本では逆転現象が起きてしまっており、原因は

 ・グレードの付与が不適切 (5.9でもほんとには5.9ではないとか)

 ・ボルトの配置が不適切 (5.9でも5.9を限界グレードとする人のためには打たれていない)

という事情があり、フリークライミングの入門期も、死者が多いという事情につながっています。

中級者と言われる5.12が登れるほうが、日本の岩場の課題は安全で、下手したら1mおきにボルトが打ってあります。

余談ですが、昔の基準では、5.12登れることは熟達者扱いをしてもらえるスキルでした。今では、ジムで今日来た!みたいなやつが、5.12をその日に登ってしまうこともあり、グレードを見当に、”ベテラン”とはとても言えなくなりました。

さらに余談ですが、年齢による見た目もベテランと非ベテランを区別できないです。昨今、引退してからクライミングスタートするクライマーもいます。

■ まとめ:多い遭難タイプ

1)高齢初心者の登山”客”による無知&過信によるもの 

2) アルパインクライミング入門期 技術へのヒューマンエラー

 例:5.7~8レベルの新人時代の岩場でのうっかり。三つ峠で懸垂失敗で死ぬなど。

3)フリークライミングの入門段階期  岩場の質によるもの

 例:5.1〇~5.11アンダー期 

ということになってしまっています。 

■ 対策

さて対策ですが…、私の勝手な考えですが…

1)高齢初心者の登山”客”による無知&過信によるもの → ココヘリ&若年シェルパ

2) アルパインクライミング入門期 

 → しっかりとしたアルパインクライミング教育機関の設立 と

   公的な子弟縁組制度のサポート

  例:師匠になれるベテランの裏付けを公的機関が行い、若い人と1対1、あるいは、ザイルパートナー2名対師匠1名でのペアを公的機関がセットアップ。師匠の行動に疑問がある場合、第三者に相談できるセカンドオピニオン制度も採り入れられる。

3)フリークライミングの入門段階期 

 → しっかりとしたフリークライミングインストラクター協会公認フリークライミングインストラクターの講習へ、国費税金によるサポートをつけ、各都道県で年2回開催。

をしたらいいのではないかと思います。

■ 山岳会 はあきらめましょう…

なんか、突拍子もない話題で恐縮なんですが、最近、フランス革命の勉強をして、

 王政が廃れ行く現実を直視しないで、あくまで王政復古を目指したルイ16世

が、断頭台の露と消える羽目になった主たる原因だと思いました。

時代の流れというのは、抗っても全然、得にならないものみたいなんですよね。

日本では、日山協と労山を2大派閥とし、下部組織に各都道府県の山岳会がぶら下がるというピラミッドシステムで来たわけなんですが…昨今、全然、機能しません。

実は、こちらに来てすぐ、福岡労山の事務局長をしていた吉永さんに誘われて、彼の作った会(と言っても会員は3人だけです)に属してあげたのですが、きちんとした山行は、ひとつも催行されないまま、労山に支払う上納金(山岳会の会費)だけ毎月払うというので意味を感じず、さっさと出ました。

私自身も、”岩とお友達になる会”という会を持っていますが、こちらのほうが基本的には活動がまだ出来ていました。

■ライフスタイルの変更が必要になる

基本的にアルパインを志向する会であったとしても、日ごろはフリークライミングで基礎力UPみたいな日常行事をしているのが、普通のクライマーのライフスタイルです。

ところが、一般登山の山岳会しか知らないと、そのようなライフスタイル自体を身に着けそこなっているので、なんで山の会なのに、人工壁でリード練習なのか?とか分かりません。

それどころか、正月に雪の山で冬山合宿をするためには、GWにどこか雪の高山に行って、雪になれておく必要があることも分からないかもしれません。

参考になるか分かりませんが、関東で一般的と思える会の月の会山行を書いておきます

GW: 雪山での雪渓歩きなど、雪訓、スキルレベルに応じて

5月:易しい岩場で岩登り訓練 もしくは海外など 

6月:雨なので人工壁 ビレイ訓練

7月:高山 ロープが使える素養がある人は岩稜帯へ ない人は歩きの歩荷トレで夏山

8月:沢 レベルに応じて

9月:台風シーズンなのでインドア 縦走組はお好きな高山 

10月:秋の岩トレ スキルに応じて  縦走組はカモシカ山行 フリーの本格シーズン

11月:雪足慣らしで北ア 宿泊はテントで アイスは凍結次第

12月:正月の冬山合宿 城ケ崎などのシーズン到来 

 1月:アイス本格シーズン  海外での登攀シーズン

2月:ラッセルの山本格シーズン

3月:春山合宿 

4月: 岩登り訓練  

こんな感じかなぁと思います。毎月 かわりばんこで行く山決めようね~という発想では、山はステップアップはできず、ずっと同じレベルに居続けるだけです。

なので、登山歴10年といっても、同じレベルに居続けただけの人と、ステップを上げる山の年間計画がある場合では、全く違う成果になります。

まぁ、だとしても、大体の人は、フリーでお茶を濁す山に落ち着きますので、別にハイキングの山しかできなくても、卑下する必要はないでしょうが、アルパインクライマー、フリークライマーのライフスタイルと、一般登山のレベルの山しかしない岳人のライフスタイルは大きく異なります。

そのライフスタイルの習得というところが、大きなステップの一つかもしれません。

週二日ジムに行き、土日は岩場というライフスタイルが標準です。

それだけ、歩きから登攀へのステップは大きい変化ということです。

それだけ山が人に要求する努力は大きいということなのかもしれません。 

 


2022/07/15

嫉妬じゃなく庇護欲だったのかも?

■嫉妬じゃなく庇護?

しばらく前のことになるが、師匠の青木さんが、私のパートナーを全員否定するので、困ったことがあった。
 
かっちゃんと組むと”あいつはやめとけ”。くまちゃんに落とされると、”だから、(アイツのように)すぐ落ちるクライマーは俺は嫌いだと言っただろ”。…と、散々な対応で、そんなこと言ったら、組むやつ居ないじゃーん!となりました。
 
私は青ちゃんと会う前から大学生のO君と登っていたのですが、だいぶ指導をがんばりましたが、つまり可愛がりましたが、「あいつはムーブをひけらかすばかりだ」と、最終的にはやっぱりNG判定。
 
韓国でも、ファン君が山岳博物館に誘ってくれたら「あいつは手が早いからダメ」。
 
もうね…、誰と組めばいいんです?みたいになっていて、私が連れてくる人全部にダメだしでした。
 
九州で組んでいた荒木さんは、山梨時代はほとんど一緒には登っていません。アイスの友で、フリーでは意見が合わないというか…行きたい場所が違い過ぎて、合わないということでしたし、彼は、山梨アルパインクラブで一番死に近い男、と言われており、私なんて先輩からすら、”どうぞお気をつけて”と言われる相手だったので、できれば、優先度で言えば下、だったのですが、九州では、消去法で行くと、安全度をランキングしたら彼しかいなくなりました。米澤先生とは、互いにトップロープフィックスでバンバン登るほうが時間有効活用だよね~みたいな仲でした。RP型のグレード追求型の登りは嫌いだったからです、二人とも。
 
荒木さんは、私を初心者時代から知ってくれている先輩ですが、山梨アルパインクラブは別に山岳総合センターと違って体系的に山の技術を教える場というわけではないので、経験蓄積量はそこまで貯まっていなかったらしく、10年以上山をやっていても、マルチに行ったら、ロープアップされないとか…懸垂すればロープが足りない、とかなのでした。基礎的なことが欠如している。どこの会でも指導力不足なのです。
 
それで、青木さんにみっちり指導してもらおうとインスボンに連れていく羽目になったんですが、青木さんのほうは別に彼と組みたいわけじゃないですよねぇ…。しかも、私は膝を亜脱臼した直後で登れない。にもかかわらずこの機会を逃したら、一生二人が互いの登りを見る機会はないだろうと思い、無理して行ったのです。
 
ただ、せっかく無理したのに、先輩の荒木さんは、青木さんのリードの美しさに理解をすることなく、ただふつーに登れて楽しい!ってだけで、ロープワークの美しさを学習しなかったっぽいです…残念。
 
米澤先生にしても、青木さんにしても、往年のクライマーのすごいところは美しいロープワークとあっと驚く素早いロープ操作です。ロープをまとめるなんて気が付く前に終わっている。だから、一緒にて、ロープがジャムって大変とかないです。そのために時間がかかるとかもないです。
 
初心者クライマーと登ると、しょうもない理由で夜になります…。
 
荒木さんのように初心者はとっくに抜けてクライマーとも、下手したら夜になりそうです…。
 
話がずれてしまいましたが、師匠の青木さんが、あいつはダメこいつはダメというのが、超めんどくさかったですが、色々考えると、男性同士だけに
 
男性の基本的行動原理が、(カッコいい俺優先)で、(安全後回し)
 
ということを男性同士だけに分かっていて、”娘代理”のような私を父親のように守りたかっただけかもしれません。
 
そういう意味では父親に愛されて大変だった記憶になるのかも?

父親知らずで育った私には、行動の理由が分からなかったのは、父親の愛が現実の行動に落とし込むとこうなる、ということが感知できなかっただけかもしれません。
 
■ 会の人がみんな危ないビレイヤーだった
 
というのは、山梨アルパインクラブで、自分の女性パートナーを会の男性たちとは人工壁ですら組ませない会長さんがいたからです。
 
理由を聞いたら、”(そのパートナーに)怪我して欲しくないから”と。
 
この返事を聞いたときは、”え?私はその会の男性らと組んで、人工壁バンバン落ちているんですけど!”とビックリして、会長ですら、信用していない、みんなのビレイに身を任せて、落ちている自分の不覚に気が付き、さっさとそこには行かなくなりました…。
 
しかし、この事件はよく覚えていて、ほとんどの初心者男性たちの安全に関する信頼度は、ちゃんとした人たちから見ると、かなり低いということです。
 
私自身の経験から言っても、初心者男性の危険認知力は、かなりヤバく、人を殺してもきょとんとしてしまうレベル感です。実際、そのような段階のクライマーに落とされて頭7針縫っていますし…。(彼は今は反省して良くなっています。私が人身御供になったということです)
 
■ 実力を冷静に見極められない人たち
 
初心者クライマーは、別に人を下に見ているわけではなく、自分の命の扱いも、ぞんざいです。
 
ロープなしで北鎌尾根で落ちるようなレベルで、アチコチ行きたい人(福岡の会)とか、読図もできないのに、アルパインに進みたいとか、フリークライマーに見下されている私ですら登れるようなところにも登れないくらいのスキルでルートに行きたいとか、セカンドの確保法も知らないままにマルチ行きたいとか…ボルダラーですら、3級しか登れないのに2段をノーマットで登りたいとか、
 
 (自分に要求するレベル)と(実力)の乖離
 
がものすごく大きい。
 
 (俺にとって簡単に出来ると思っていること)と、(実際の実力)が、違いすぎる
 
のです。 ある意味、自己肯定感強すぎ。

しかも、教えてやると、逆ギレ、です。そんなことはない! 俺だって!と思ってしまいます。
 
その根拠は私が行けるくらいなことは俺だって、と当然のように思うわけですが…、夫の元君ですら、わたしよりうんと体力ありますが、彼は私が登れるところ登れないですよ…。
 
そして、大体は、誰かに連れて行ってもらえれば目標は達成できる、と考えていそうです。
 
逆に返せば、連れて行ってもらえる女性はいいよね~、とか思っていそうです。私の青ちゃんとの記録や米澤先生との記録を見てもらえば、分かりますが、連れて行ってやっているのは、どっちかと言えば、私ですよ??
 
私もよく、初心者に ”連れて行ってください!”と言われますが…。ちゃっかりしすぎではないでしょうかね?
 
それだと、”おねだり””暗記”で、ルートをこなす、という意味で、暗記にも経験にも頼らないことを良しとする、オンサイト、という価値観、度外視ですから。
 
ほんと初心者君って分かっていないですから…。その上、他力、です。おべっか使えば、連れて行ってもらえるとすら、思っていそうな気配がある。
 
・ジムで5.11が登れても、外岩に出たら、5.9も登れないですよ? 
・ボルダーでエイハブ船長1級が登れても、リードだと5.9はできないですよ?
・根子岳みたいな脆いところに行くための、安全対策ってそもそも存在しないですよ?
・いくら登攀やビレイが上手になっても脆い岩の対策にはならないですよ?
・2段をノーマットで登るには、マットアリなら5段くらいが登れていないといけないですよ? 
・コーチみたいなエリートビレイヤーにビレイされて、いくら記録的な課題が登れても、雪稜では気象知識や生活知識がないと、遭難ですよ?
 
その辺を誰か心ある男性が言ってやらないと、女性の私がいくら言っても、男性は深層心理で、男尊女卑なので、誰も聞きません。
 
それは俺の事じゃなくて、女性の体力のことでしょ!とでも、思っているのかもしれませんが、そうではなく、必要なスキルや知識が何なのか?ちゃんと理解するおつむが足りていないだけなのです、ほとんどの場合。
 
なんせ、私が初見ソロで行くようなところも、7人でつるんでも遭難していますから。(阿弥陀北稜)
 
誰かちゃんと説明してやってください。現代のツヨツヨエリートクライマーの方。
 


 

2022/04/28

スポーツ、スポート、アルパイン、フリー、トラッド、アイス、それぞれのクライミング様式と安全管理の違い

たぶん、クライミングの一言で、全部を一緒くたにしてしまうのが、事故の元であり、外岩に出るインドアクライマーが分かっていないことなんじゃないですかね?

スポーツルート = 人工壁。プロテクションが1mおきに打たれ、グレードはセッターによって設定されて比較的信頼がおけ、人為的に難易度が管理されたクライミング。プロテクションが頻繁で、どこで落ちても死亡に至らないように管理されている。なので、限界まで迫り落ちるまで登るのが上達の秘訣。屈曲していても、ヌンチャクを伸ばして屈曲を取り除きながら登るということをしない場合が多いので、屈曲が大きい外岩に対応力が付かないことが多い。

スポートルート= 外岩のボルトルート。プロテクションの距離も開拓者次第。グレードの正確さも開拓者次第。難度が管理されておらず大きく外れることもあるため信頼してはいけない。ボルトも外で何年も放置されているため、管理をしっかり知るまでは、テンション程度にして登り、3ピン目を取るまでは決して落ちてはいけない。落ちないように登るルート。人工壁のスポーツルートと同じ登り方をしてはいけない。屈曲がある場合はヌンチャクを伸ばし、被っている場合もロープの流れに配慮する。競技のビレイは、流すように指導されることが多い。

トップロープ=支点が一点である場合が多いので意外に危険。また落下するとロープの伸びが大きいので、下では危険で、上に行くほど、落ちても安全になる。かぶっている壁では使えない。

リード=3ピン目が取れるまでは、人工壁でも外岩でも気楽な墜落は推奨できない。トップロープでクライミングに慣れた人でも、クリップ体制や、レストタイミング、屈曲や、テラスに当たらない、など、考慮する要素が増えるので、負担が大きく、リードへのステップアップは慎重さが必要。下のビレイヤーのビレイ技術に確実さが必要。

そうでない場合、リードはしないほうが良い。しかし、止むを得ずリードせざるを得ない場合は、2グレード下の絶対に落ちない課題を選んで登り、ローワーダウンはせず、懸垂で降りる。

アルパイン=山岳に地帯にある。遠隔地で事故が遭った場合のレスキューが大変なので、決して落ちることがないように登る。ロープは墜落した場合の遺体の喪失を避けるためのものであり、落ちても大丈夫という意味ではない。プロテクションは自分で打ちながら登るものだが、適宜残置が出てくることが多い。残置は、基本信頼してはいけないが、利用価値を見極めて使う。アルパインのルートに進むには、山の天候などの基礎知識や読図などの知識が必要になり、万が一のために山行計画書を提出し、緊急連絡先を記載する。生活技術などが必要になることも多い。山の形状にあったルートであるため、屈曲が多いのでダブルで登ることが多い。

ビッグウォールは、フリークライミングのカテゴリーに入るが、よりフリークライミング寄りだが、アルパインルートに準じた安全管理が必要と思われる。信頼できない相手のロープワークで登るのは心もとない。体重が有利になる。

フリークライミング=道具に頼らないで登るクライミング。本来は、どこで落ちてもビレイに守られるはずだが、現実的にはそうなっていないことが多い。脆い岩を登るアルパインと比べ、脆い岩は志向しない。フリークライミングはクライミングそのもの、ムーブなど…の困難さを楽しむために行う。つまり登頂のために手段を択ばず、エイドも使う、というわけではない。一般に、フリークライミングでは、スタイルにこだわりがあり、オンサイト、が最も良いスタイルとされる。

トラッドクライミング=自分でカムやナッツでプロテクションを取りながら登るクライミング。トラッドは危険であるという誤解が米国では根強い。イギリスでは違うらしい。私の考えでは、背が低いクライマーには、トラッドによるクライミングが最も安全である。なぜなら、自分に必要な場所にプロテクションを入れることができるため。また登り終えたら、プロテクションを回収するので、クリーンクライミングが志向できる。究極に自然界の造形を利用するため、自然に寄り添ったクライミングと言える。

アイスクライミング=危険であると誤解の多いクライミング。アイスはアックスがバチ効きと言われる、ぶら下がっても大丈夫な安定な状態でしか前進しないので、落ちることがほとんどないクライミング。一番大事なのは、登る対象の氷が、登るに適した氷の状態かどうか?を見極める目であり、トップクライマーのトップ足る理由はその見極めが正確であることによる。

ほとんどの人が脆い氷を登るゲームだと誤解しているため、リスクが不当に高く評価されているクライミング。プロテクションも使い道をよく習熟していれば安心できる。ツインで登ることが多いがショートはシングル。氷も大きいことが多い。

マルチピッチ=複数のショートを登るクライミング。ショートしか登れないと思っている人が、異様にマルチへの憧れを深い意味も理解せず、温めていることが多い。単純にショートの繰り返しであるが、懸垂下降ができない人が取り付くと、帰りに困ることが多いし、敗退したくなったときに、敗退できないので、懸垂下降と自己確保での登攀くらいは、ピンチ策として用意してから行くべきである。その準備がなく行き、急場をしのげないとヘリレスキューになる。山頂を目指す、アルパイン要素が強いマルチと目指さないフリークライミングの要素が強いマルチがある。一般に女性に人気。女性以外には、年配のアルパインクライマーがアルパインに行けなくなったときに、アプローチが短い、フリーのマルチで安全にアルパインの雰囲気を味わう手段になっている。

アイスにもマルチがあり、トラッドにもマルチがある。一般に上に行けば行くほど、墜落は安全になる。

ドライツーリング=アイスクライミングのフリークライミング版。アイスのアックスバチ利きという確実性を排除したクライミングで、フリークライミングの要素が強い。人工のホールドを登る。不確実性が高い分、ボルトは壁面に1mおきについていることが多いが、外岩のドライもある。外岩のドライはかなり難易度が高い。体幹の強さが必要とされるクライミング。

■ 脆い支点への対応

バックアップを取る。バックアップとは2点目のことではなく、3点目のこと。カムで支を作る場合も、2点ではなく3点で作る。

■ 懸垂下降のオーダー

重たい人が支点にバックアップがある状態で先に降りて、支点の安全性を確認し、軽い人はバックアップを回収して最後に降りる。

■ ロープシステムの選び方

まっすぐなルート=シングル  屈曲が多い自然なルート=ダブル

■ 帰りが懸垂になる場合

ロープの長さの半分しか降りれないため、一本で行くと敗退ができないことがある。大抵は、2本のロープを持っていく。

まっすぐなルートの場合、ツインで登れば、セカンドがロープを担がなくて良くなる。



2022/03/11

現代クライマーには うんこ処理スキルがない

 ■ うんこ処理スキルがない


現代クライマーは、登山からクライミングをスタートせずに、クライミングジムでスタートします。

そのため、うんこ処理スキル、ゼロで、岩場に来ます。

周知するのに、最も良いのは、全国のクライミングジムに、外岩でのうんこ処理法の詳細を記述したポスターを配布し、トイレに張ってもらうことです。


2021/01/08

斜めの課題が初心者向きでない理由

対角線にロープが出ると、落ちると振られますよね。そうすると、落ちる場所の想定がむずかしくなります。斜めの課題は初心者のリードには向かない理由です。

2020/12/31

クライマーの危険認知 スライド

https://docs.google.com/presentation/d/1Z2vNyci14jLlFs1s_v6fmk-9Ct04rK8yZxo4DZYMhzo/edit?usp=sharing

今日は女性の初心者クライマー2名に偶然FBで知り合い、かなり不安になって、上記のスライドを作成した。

若い男性クライマー(ボルダラー)にも、「比叡に連れて行ってもらっています」と胸を張って言われたことがある… が、「大丈夫かよ~」とは思ったが、「知らせなければ(守ってあげなければ)」とは、感じなかった。

女性
=男性の権威者に従順
=疑うことなく言いなり
=不勉強により、危険な目に合っていても、それと気が付いていない

という可能性があり、自分自身が足元を見られ、2年ほど前に九州で、きちんとしたビレイではないビレイで、いきなりリードさせられた苦い思い出がよみがえる。私は初めての岩場で、いきなりリードだったうえ、通常1名が1名をビレイするのが当然なのに、後で渡された写真には、私以外のクライマーが写真に載っていた…(汗) ということは…。

そう、命がけの恐ろしい目にあわされていたところだったのだった。2名を1人がビレイするような非常識な行為をしても、どうせ、こいつは気が付かないと見くびられていたのだ。(としか思えない)

という、ひとごとならぬ感?のため?このスライドと相成った。

他にも、危険な行為はいろいろあるが…たいていの危険な行為の99%は、その場では何も起きないで過ぎていく。

そして、間違ったことがデフォルト化していく… まるでコロナ禍の自粛のように…

どこか言われていることと、行われていることに一貫性を欠くので、奇妙に落ち着かない。

そのような、もやもや感をそのままにしておくと… 大体は事故になる。




2020/12/20

一般向け外岩整備と現代初心者向け外岩講習の両輪

■ ボルトとガバ

前に一緒に登っていた開拓者のボルト感覚っていうのは、

ガバ=ボルトを飛ばしていい

という論理だったような気が登っているとして来たのです…。が、私はクライミングに才能があるタイプではないので、私が困難に感じるだけかなと思い、色々な人に相談したら、それは多くの人が感じることだそうです。

フリークライミングは、理論上は1ピン目を掛けれたら、後はどこで落ちてもいいハズです。甲府で一緒に登っていたクライマーには、そういう風に教わりました。
 
しかし、現実は、小川山でもやっぱり3ピン目までは、なんとか登れないと落ちてよいとは言いづらいですし、5.7のスラブなどは大ランナウトなので、2グレード上の5.9のスラブが登れるようになっていないとリードは、ちと、厳しいです…。ランナウトというのは、落ちると大怪我という意味です。

  そのグレードを限界とする人のために、ボルトを打つ

のは、現代日本では今から、の技術で、

 これが突破できないと、フリークライミングがみんなのもの、には、なかなかなりづらい

です。

■ 現状に対する対策
 
現状では、インドアクライマーが、アウトドアデビューするには

・通し八の字
・ビレイ位置
・ヌンチャク一個持っていくこと
・捨てビナなどの敗退
・落ちていいところと悪いところの講習
・落ちる時の体制の事前学習

などがデビュー前に必要かなとおもいます。

特に人工壁では、墜落は気楽ですが、同じ気楽さで落ちていいようには、今の外岩のボルト事情は、できていないです。

そこでやはり、上記のような現代的事情に即した初心者講習が必要かなと思います。

■ 岩場整備

一方で、シャックル直付けとか、ハンガーなしチェーン直付けなどの、

 古典的終了点

は、歴史上、”とりあえず”という位置づけで、”ベストプラクティス”というわけではないので、上級エリアに限り、一般クライマーが登るグレードや一般クライマー向けの岩場からは、一掃が望ましいのではないかと思います。

 きちんとプロテクションとして成立するボルトと配置

で登るという意味です。

この場合、プロテクション という意味合いは、自分を墜落利いすくから守る機能、という意味です。最低でも、人間が壊れる12-13kN以上の強度がないと、落下できませんから、強度不足のボルトは、”プロテクション”の定義の外にある、ということになります。

リングボルトやハーケンなどは、どれくらいの強度か?ということと、掛けられるリスクの量は関係があります。

その時、その時に合わせて、正確にリスクを計量でき、その計量にあった自分なりの取り方でリスクを取れる、というのがクライマーの完成形かなと思います。

つまり、リングボルトでは落ちないで登り、シャックルでも落ちないで登り、グージョンの時は果敢に攻める、というようなリスクの掛け具合の差を実践行使できるということですね。