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2024/04/10

【開拓】なぜ日本の岩場には5.9の名作がほとんどないのか?

■ 男性5.12、女性5.11

まぁほっとけば、男性は、みな5.11~5.12の間に落ち着くのです。

女性は、5.10~5.11の間が落ち着きどころです。

私は、40代からクライマーをやっているのですが、43でスタートしたときは、大町の人工壁3mくらいで落ち、トップアウトしたら、拍手がもらえる感じでした。

ところが、3年やったら、アイスはすいすい、ラオスの登攀で海外パートナーと登ったことで、日本の岩場の怖い理由が分かって、呪いが解け、5.10Aではまず落ちない、というくらいになりました。5.11を初オンサイトくらいでクライミングからは離れましたが、それで4年目とかでした。

つまり、どんなにパワーがない人でも3年もやれば、イレブン。あとは老後に向かってゆっくり退化して行ったり、仕事の状況によっては成長できたり、いろいろでしょうが、大体そんなところが平均的な運動能力の落ち着き先です。

ボルダーグレードなら、女性で5級。男性で3級。

そうすると、開拓者は、男性が多いので、5.11~5.12の間の課題が増えるでしょう。

女性開拓者は、ほとんどいないので、5.10~5.11は増えない。

さらに誰もが通る道である5.9も少ない。

ナインアンダーになると皆無、ということになります。

これが、

 初級者のうちから海外に出たほうがいい、

と言われる理由です。

海外では、日本よりもクライミングの歴史が長く、最多クライマーは、6A~6Bです

つまり、5.9~5.10です。

なので、ナインもテンも登りつくせないくらい課題数があります。

龍洞の岩場なんて、5.4からありました。

そういうところでバンバン数をこなして登っているから、上達できるんですよ。

クライミングジムでいくら登っても、外岩経験は積めません。岩の歌も聞けるようにはなりません。(ヘンテコリード

なので、海外に2週間行ってバンバン登ってきましょう。

      インスボンで、チラ見した隣のクライマー たぶん韓国の人


ある日本人女性のデジタルノマドの投稿。男子なのに、なんでみんな行かないのかなぁ。
女子でも頑張っているのに?

https://workfromgreece.gr/

2023/10/19

【開拓】開拓には正解があるのか?

■ 東さんのFBからの転記。

ーーーーーーーー

新岩新ルート

私は今、痛いかかとをさすりながらこの文を書いています。

夏くらいから新しいラインの掃除にかかっていましたが、300本以上開拓している私が300数本目を作るよりも、まったく開拓の経験のないクライマーに人生の1本目を設定して頂こうと加藤遥さんに声をかけました。

彼女はクライミングが上手く、やる気満々でしたが、これがあとでひどい目にあう端緒となります。

私のガイドで彼女のボルト打ちも順調に進みました。最上部に差し掛かり、終了点まであと数メートルのところで私は「間隔的にはあと1本くらい入りそうだけど、どう?」と声を掛けました。

彼女は「ここまで来たクライマーなら最後は絶対落ちないのでいらないと思います」ということでした。

そしてその後のクライミングではみごと1回で登り、「初登」を果たしました。グレードは5.11b、ルート名は「生活の知恵」とのことです。

後日、私はそのルートを登ってみました。中間部のホールドは細かく適切なシークエンスを見いだすのに苦労します。また最後のハンガーにクリップした後、ややランナウトした状態できわどいマントリングがあります。

私は肩の手術をした後、肩関節の可動域が狭くなり手が背中の方に回りません。「最上部はイージー」という加藤さんの言葉が頭の中をコダマのように響く中、マントリングの右手プッシュができず、身体は岩から剝がされてしましました。

緩傾斜の下に打たれたハンガーからランナウトしてフォールすることほど怖いものはありません。どこまで落ちるのか、ロープの中に足を入れていない体勢なのか分からないからです。結局6mくらいフォールしました。

初登者の意見を尊重してグレードは5.11bとしていますが、近郊の岩場のプロミネンス(5.11b)よりは難しいと思います。

生活の知恵 5.11b ボルト6本

 下部はクラックとフェイスを使用したクライミングとなる。ルーフでのロープの屈曲を避けるため、ルーフ下はややボルト間が遠いので注意。

またその付近の左側の岩は少し脆い。(ボルトは硬い部分に打たれている)

ルーフ上のチョックストーンを取る部分がやや悪い。チョックストーンから上は左のカンテ方向に行き、右には逃げない。その後も終始カンテ付近を登ること。

核心は左へのトラバース及びその上のパートであるが、最終ピンの上も悪いのでランナウトに注意すること。

最後のスラブはランナウトしている上、ホールドが乏しいので泣きながら登る。ルート内容は素晴らしい。

ーーーーーーーーーーーーーーー 赤青当方

■ まとめ

・感覚的にはもう一本入りそう ← ベテランの意見より初心者の意見が優先されている

・ここまで来たクライマーなら絶対に落ちない ← とは言えない。客観的根拠なし

・中間部のホールドは細かく適切なシークエンスを見いだすのに苦労 ← 男子は大体細かいホールド苦手だよなぁ…

・最後のハンガーにクリップした後、ややランナウトした状態できわどいマントリング ← マントル苦手な人には向かない

・緩傾斜の下に打たれたハンガーからランナウトしてフォール ← ロングフォールのリスクあり

・近郊の岩場のプロミネンス(5.11b)よりは難しい ← みんなの意見を入れてグレード確定したらどうなのか?高難度ルートは、みなそうなっている

■ これが開拓者(初登者)の現状だということを踏まえると?

何が表現されているのか? 自己表現って…ってなりますね。

これらが意味する自己表現は何なのか?っていうのは、意味深ですねぇ…。

ランナウト好み×激辛好みは、日本人のもはや伝統、みたいなかんじかもしれませんね。

トポに書かれる情報ですが、スラブでランナウト、マントルでロングフォールの可能性、というのは、訪れるクライマーのために書いておく必要があるリスク情報のような気がしますね。

11bを普段登る人が、11bだ~と思って取りついてよいか?という視点で見ると、そうでもない、と言うニュアンスや警告も必要かもしれません。

■ 観光目的での ”老若男女が登る健全なアウトドア活動としての市民クライミング”

には、遠い感じであることが分かりますね…

安全安心にのぼれるための改善には、

 1)1本入れる

 2)グレード表記を11bから11b+か、11cへ

が必要みたいだということは、東さんというベテランがいれば分かる。ということは、ベテランのベテラン足るゆえんの知恵を生かしてこなかったのが、日本の岩場ってことなのかなぁ…

1本多くて、11cになったところで、このルートの価値が下がるか?というと、下がるとは思えないけどなぁ。

あの大開拓者の東さんが泣きながら登る… 

これって海外のクライマーが日本に楽しみとしてきたときに、楽しんで登れるんだろうか…?


2022/02/05

東秀磯さんの投稿 2017年

 FBは昔のシェアが見れる機能があるので、こんな面白い記事が今日回ってきた。

東さんの投稿。

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東 秀磯

2017年2月5日  · 

クライミング文化論・今日も幸せ

ちょっと幸せ

 どうせハングドッグするのなら、前に登った奴よりも少し高い位置で。^ ^

楽天家と悲観主義者

 2人がクライミングに行き、あるルートを先に登った方が夕飯をおごることにした。

 楽天家は「あいつに先んじるのは悪いな」と思い。

 悲観主義者は「夕飯代が高くつく」と嘆く。(-_-;)

成功するガイド

 ガイドは教え方が上手いより、お買い得のルートをたくさん知っていた方が成功する。(^o^)/

ビレイヤー志願

 新しいビレイ器を持ってニコニコしている奴に注意。使い方はほとんど知らないのに、早く他人をビレイしたくてウズウズしているのだ。(・ω・)ノ

選択肢

 ・新しい岩場はまだホールドが落ち着いていないのでボロボロ欠ける。

 ・数年たった岩場は人が多くて待ち時間が長い。

 ・数10年たった岩場はホールドが磨かれて滑りやすい。>_<

正当なグレーディング

 あるルートが2段か3段か論争になっていた。

 あるクライマーは「僕の登った感じじゃ3段はあると思う」と言うと。

 みんなが言った「あ~、お前が登ったんじゃ2段決定!」(=゚ω゚)ノ

人気ルート

 どんな内容かは関係ない。そのルートにクイックドローが掛かれば、その日の人気ルート。(╹◡╹)

カップルでクライミング

 付き合い始めた当初は人気のないエリアに行きたがる。親密な時間を過ごすために。

 つき合って長いカップルも人気のないエリアに行きたがる。ののしり合いを他人に聞かせまいと。(😭)

オブザベーション

 最後まで完ぺきにこなそう。ボルダーによっては登るより数倍降りにくいやつもある。(´Д` )

最近のクライマーは格好だけ

 見くびるな!オレは格好から入るタイプじゃない!格好で終わるタイプなんだよ・・・・。( ̄Д ̄)ノ

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なかなか核心をついた言葉みたいで、面白いですよねぇ。東さん、もっと投稿してくれないかなぁ…

太字は私です。登るより、降りるほうが難しいボルダーって言うのは当然あります。降りれない…クライマーが危険なジャンプオフをしていたのも、岸良で見た。

初心者向けにボルダーを教えるときは、降りることを先に教えましょう☆

2021/11/23

開拓するなら、誰に教えを乞うべきか?

■開拓するなら、誰に教えを乞うべきか?

日本開拓クライマー協会に載っている名前のリストとGoogle検索結果のリンクです。太字は、九州の人。

昨今、ボルダラーからロープクライミングを経ず、ビックウォールも経ず、いきなり開拓に進みたいというクライマーも当然いると思いますが…ご参考にされてください。

飯山健治、 
稲垣智洋、http://piedra.web.fc2.com/
大岩純一、
大岩あき子、
奥村晃史、
小野巳年男、
加藤道浩、
北山真、
北山厚美、
木村伸介、
木村理恵、
小山田大
斉藤宣夫、
新原孝喜、http://210.252.128.113/files/NewsDetail_4476_file.pdf
杉田守二、http://www.kibi.ne.jp/~morig-/
杉野保、
宗宮誠佑、
徳永信資、
内藤直也、
永井久雄、
中根穂高、
奈良誠之、https://www.asolo.jp.net/menu62/contents54
橋本覚、
東秀磯、
樋口義朗
平山ユージ、
保科雅則、
堀洋紀、
山本和幸 https://www.climbing-net.com/news/180118/

2021/10/07

チェーンソーが使えるようになりました

  20日間林業就業者支援講習

チェーンソーが使えるようになりました。

・安全服 チャップス義務化

・メット、バイザー、ホイッスル、イヤマフ

・防振手袋、安全靴(つま先鉄板入り)

開拓クライマーも防振手袋と目の保護くらいはしても良いような気がしますね。

あと、かかり木の処理は、メカニカルシステムと同じです。いきなり玉伐りしているような気がするなぁ。

やはり、きちんと学ぶと、素人さんレベルがいかに危険なことをしているのか…と思います。

以前、ピオレドール賞を受賞した伊藤さんとお話しする機会があった時、毎回、死の覚悟が必要な山はできないと私が言うと、

「でも、よほど素人さんたちのほうが危険なことをしているよね」

という答えだった。本当に九州に来てその通りだと思う。

2021/05/06

小山田大の開拓~公開モデルのビジョン

 岩場の発見

地権者との交渉

アプローチ整備

岩の清掃

クライミング









公開された岩場

=安全に登る

=ノーマットとか

ランナウトとか、命知らず自慢をしたい人は

自分でルートを発見し、他者に公開すべきではない。

(公道ではシートベルトの法則)










海外は国立公園も有料。

つまりハイキングも有料。


今までのやり方では、地元には、デメリットしかない。


クライマー

=自覚不足の人たち









2021/04/29

資材調達×リボルト職人育成

 ■資材調達×リボルト職人育成

何があったのか、分かりませんが…。

「資材の手配をCWでできなければ、JFAのリボルトに協力しない」

か…。リボルト職人だけの日当では、生活や会社を維持するのに、十分なマージンがないんだろうと推測。

リボルト職人制度も大幅に変わるのだそうです…。たしかに現行の制度では、職人育成にかかかるコストが、大赤字でしたでしょう…何回受けても2万円という破格値では…。

リボルト職人と対照的なのは、セッターですね。どちらも高度な職人技なのに、リボルト職人は不人気商売、セッターは人気商売です。



■ ご縁と心理的拘束

私の最も強い資質のうち、責任感という資質はこのような資質です。

ーーーーーーーーーーーー

あなたは責任感という資質により、自分がやると言ったことに対しては何でもやり遂げようという強い気持ちを持ちます。それが大きかろうと小さかろうと、あなたは完了するまでそれをやり遂げることに心理的に拘束されます。(中略)人が新しい責任を誰かに任せる時、まずあなたに目を向けるでしょう。あなたがその責任を必ず果たすことを知っているからです。人々があなたに助けを求めてくるとき――すぐにそうなるでしょうが――あなたは選ぶ目を持たなければなりません。進んで事に当たろうとするあまり、できる範囲以上に仕事を引受けてしまう場合もあるからです。

ーーーーーーーーーーーー

クライミングは、私にとって、バレエの代替えとなるもの、で、健康を維持するために行いうる、安価で自然にやさしい活動、ということです。

当然、趣味の範囲。しかし、日本のクライミング業界が、”群盲、象を評す”状態だということに気が付いてしまいました。

さらに、きちんとしたクライミング教育がない、ということにも気が付いたのです…。

きちんと書かれた教科書的なもので、世界的水準を満たすものがない、というのは、UIAAのアルパインサマーの出版契機を作ったことで、運よく達成できました…。これで、やっとクライミング卒業できる…という気持ちでした。

心理的に拘束されていたんですね。

■ 岩場本来の在り方

日本人の一般的傾向として、対処療法、目先のことに走り勝ち、というのがあると思います。

実際、全国で岩場のリボルトが待たれているのは事実ですが…そもそも論として誰がリボルトすべきか?っていうと?もちろん、初登者たちなわけですよね。

本来の在り方的には、岩場は、その岩場を利用するクライマーにとって愛着を持たれ、メンテナンスされるべき、ものでしょう。利用者負担の原則です。

今の現状では、リボルトが進まないですが… 

本来は、一つの岩場と想定すると、

1)日本インストラクター協会のような、きちんとしたクライミング教育で、クライマーが育って、

2)色々登っている間に開拓したくなり…、課題を作り…

3)そして、年老いて自分の作った課題をリボルトする

というのが、あるべき流れです。

そうなっていないで、ある意味、他人の問題を肩代わりしているともいえるのが現体制。

■今ある問題

今ある問題は、ボルトが古くなって登るにはあぶないということです。ある意味、作品性を主張する人から、依頼を受けて、やったら筋が通るのに…。

人の作ったルートをリボルトするから、初登者の権利の尊重、とか訳の分からないことを言っている人におべっか使わなくてはならなくなるわけです…。もし初登者に、”ほかのやつにはリボルトさせない”と言う権利を認めるのであれば、

・きちんと地元の地権者に許可を取ったり、

・使ったボルトの品質を一般公開したり、

・経年劣化したボルトは打ち換える、

・あるいは、明らかにランナウトのルートで死者も出ているなら、賠償責任だって出てくる

かもしれません…。

そうした”義務”もセット販売だったはずです。権利あるところ義務あり、なのです。

そう枕を高くして、えらぶっている資格が初登者にあるか?というと、資格がある開拓者は、ほんの一部の方なのではないでしょうか。現在の岩場の地権者関係の様子からすると。

昔は責任より、開拓者としては、”作品作り”、”俺の名を後世に残すチャンス”と思っていただろうと思います…。

■ 不毛なリボルト

一方で不毛なのがリボルト… 地権者許可は、取り直しだし、資材は公的なお金を使ったものなので、責任重大。技術も生半可なものでは、許されまじ、と考えてしまいますよね…。

井上さんは、非常に厳しい方でしたが、それも全国から集めた皆のお金でやっている、という責任感ゆえ。許してあげなくては、と思える環境の厳しさと不毛さです。やっていることは、人の尻拭いなのです。

■ 情報の公開で無知の解消を

しかし、一方で、なぜか情報公開がお好きでないようで、それは謎でした。

リボルト職人の職人芸を例えばYouTubeで公開しても、誰も真似して、タダでやり始めるってないように思うんですよね… なぜなら、リボルトだからです、新規開拓ではなく…。

先日、タイの開拓者の友人、タオから、動画でリボルト風景が回ってきましたが…、普通に大変そうでした。あれを見て、簡単!俺もできる!と真似する奴はいないだろうと思いました。資材の公表とかも同じで、もっと情報を出していった方が、議論が盛んになって良いのではないかと思ったりします。

私はHiltiのボルトを購入しようとして、選択肢が多すぎて挫折した経験があるので。むしろ、JFAが販売窓口になってくれたら、楽に買えたかもです。JFA推奨の資材で開拓したい開拓クライマーはたくさんいるのではないでしょうかね?

今後のJFAに臨むことは、そうした核心的情報の公開です。

そうしないと、ローカルの開拓者は、トンデモ支点をホームセンター資材で作り続けることになるでしょう… 

(事例:https://allnevery.blogspot.com/2018/11/bad-anchor.html

それくらいだったら、初めから何もない岩だけのほうがマシ、ですから…

参考記事:

ボルトの安全性情報が少ない

https://allnevery.blogspot.com/2020/01/blog-post_37.html 

2021/04/26

グージョンからケミカルへの更新

 グージョンからケミカルへの更新

になったボルトの写真です。これはタイの開拓者である友人から回ってきたものです。ご参考までに。実際の投稿ではリボルト中の動画まで回ってきています。一見正常に見えるボルトでも外してみるとこのような状態です。またタイでは、カットアンカーからグージョンへの打ち替えではなく、グージョンからケミカルへの打ち替えの時代です。ご参考まで。




2021/04/10

リボルト講習会受講資格

 ◯リボルト講習会受講資格

1)    JFA会員である事。

2)    アッセンダーとグリグリを使って自由にロープの登下降(ユマール)が安全に行なえる。

3)    5.11程度のスポーツルートを登れる。

4)    5.10程度のトラッドルートを登れる。

5)    どんな場所でも確実な終了点が作れる。

6)    確実にロープをFIXができる。(ラビットノット)

7)    結び替え・懸垂下降などが安全に行なえる。


2020/12/18

二子山エアウェイ 5.11c →7c 当時日本最難

■二子山の岩場再生のこと

最近、二子山の岩場の再生のことを知り、私と同じ夢を見る人がいるんだ~と勇気づけられているのですが…。

再生された岩場で、看板ルートを再度登ってみたら、あれま!難しいじゃん!って話題です。

昔のルートって、これがありますよね。

昔のクライマーは、今よりうんと、競争相手も少なく、ジムもまだなかったので、最近登った〇〇が5.11bで、今回のはそれより、難しいような気がするから、5.11cというグレードの与え方です。とりあえず、周囲と見計らってグレードをつけていたそうですが…、そもそもクライミングできるルートも少ないですし、母数が少ない中で適正な判断ができなかったそうです。まったくあてずっぽうと変わらず、実はうーんと難しくて、現代の13、14登るクライマーが登っても、うなってしまう場合もあるそうです。控えめにグレーディングされているほうが謙虚さがうかがえますね。

なんとエアウェイは、7cなら12d、当時日本最難でしょう、とのこと。高難度と言っても、まだ12台なので、手ごろ感あり、とりついて頑張る男子いるかもしれません。7cかぁ。

話題性もあるし、これぞ再生の魅力でしょう。

■ フレンチグレード

ラオスでは、フレンチグレードだった。このことは、意味があることだと思います。

国際性もですし、再生後という意味、現代の岩場という意味が込められているのかも。

日本の岩場は、海外の岩場でもっとも人気があるグレードが少ないという事情があります。6Aとか6台ですが…そこがクライマーの最多価格帯というか、人口数が多いあたりです。このグレードで多種多様な岩に触れるというのが、むらの無い成長に大事。

その辺が日本では確立されていないので、常にリードしながら成長していくことはできないクライミング事情となっています。本来は、限界グレードはリードしながらあげれるはずですが、TRでの暗記が必要になっていますが…。

まぁ、課題設定者も、リードで取りついているわけじゃないし、オンサイトはしていないので…、いいっちゃいいんですけどね。最初からトップロープで試登して作るからです。

最初からトップロープでの試登を前提にしているのがフリー… ヨーロッパのスタイルなので、その意味でも、アメリカングレードシステムのデシマルから、ヨーロッパのグレードシステムへの移行は象徴的でいいかな、と思います。

今後はグランドアップで作られた課題をデシマル、ラッペルのルートをフレンチにしたら、分かりやすくていいんじゃないですかね?ラッペルのルートだったら別にオンサイト狙いじゃなくてもいいような気がしますが、グランドアップのだと、オンサイトできたらうれしいですよね?

岩場再生というか、リボルトですが、人気があるルートのボルトがしょぼいという問題は、早期解決が必要そうですが、放置状態というか、頼りのJFAがあまり頼りにならない状態が長く続いています。

この二子山の再生をきっかけに多くの岩場が、再整備に動き出すといいですよね。



2020/12/10

二子山の地域おこし活用事例:社団法人化がポイントらしい

■社団法人化

先ほど、二子山の地域おこし活用事例について、小鹿野クライミング協会の方とお話ししました。

ポイントは…

1)岩場を整備してロクスノに発表したら、岩場を訪れるクライマーが増え、会員数激増で、超人気。

2)クライマーの組織を社団法人化するのがポイント。なぜなら、社会的認知が高まり、対外的な交渉がしやすくなるのと、世代交代がしやすいから。

3)JFAのリボルトに依存しないでも、開拓クライマーがすでに持っている開拓能力で、きちんと整備できる場合も多い(リボルト職人講習を待たなくてもいい)

4)ハーケン時代の開拓者との橋渡し役になる人材がいるといい

5)組織が軌道に乗れば、どんどんと有名クライマーも参加してくれる

6)地域にアピールするには、クライマーがインスタで地域のグルメリポートを多数投稿するといい

7)クライマーの組織に弁護士さんがいると強みになる

8)ケミカルvsグージョンでは、永久保存ルートはケミカル、そうでない場合はグージョン 打ち替えも15cm離せば大丈夫

九州にも来てくれそうな感じ!九州は岩場開拓余地がまだまだいっぱいあるので、今後、九州に、東南アジア方面からのクライマーもたくさん来てくれるようになるといいな~

2020/12/02

現代レベルの資材を使いましょう

■大前提

電話は、現在スマホが主流。スマホの時代にケータイを買う人は特殊な人だし、その時代に固定電話を設置する人はいないし、さらに言えば、黒電話を設置する人はいない。ベトナムやタイは、固定電話の時代を経ず、いきなり携帯ですが、さらに後進国のラオスはいきなりスマホから電話デビューです。

いくら歴史ある岩場で、今黒電話のようなボルトやアンカーであっても、黒電話→固定電話→携帯→と歴史をたどる必要はなく、普通は、現在手に入る一番良い手段を採用するのが合理的でしょう。 

■参考サイト

http://climber319.blog89.fc2.com/blog-entry-2877.html?fbclid=IwAR1M6ERQ_REXqCr1DSl0YLvazqthma8DYSejD2JMBb5j5ePTq9MA7kyTSnE


http://climber319.blog89.fc2.com/blog-entry-1967.html?fbclid=IwAR38zYO1JkZ-FQe_FD1_9jwK-jtCh_88rlmimGAGXzy9Jb9_kClxXvLpGEQ

■ 一般的感覚とクライマー界の感覚の乖離

一般に、

・カンパで募ったお金で

・強度不足の資材を使い

・岩場を整備したら

その整備した人は、開拓者としての責任を十分満たしているとは言えない、というのが世間的な標準の見方であると思いますが…

悪しきクライマーの伝統で、クライマーのオウンリスク制(自己責任制)により、

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開拓クライマーは資材に何を使用しようが開拓者の勝手なのです。公開後に設置されている資材をクライマーが見て登る登らないの判断を自己責任で行います。大丈夫と判断すれば登り、危ないと判断すれば登らなければ良いのです。余程ええ加減な施工で無い限り開拓者への責任追及は難しいと思います。近年は少し違ってきているかもですが・・・
ーーーーーーーーーーー
です。

つまり、

開拓者以上の、ボルトやチェーンなどの資材に対する知識が、一般クライマーに求められている

ということです。開拓者ですら選択できなかった強度をあなたは選択できますか?

あなたは、新人時代、どのボルトは登って良く、どれはダメか?きちんと教育を受けましたか?

私は受けていません。

さすがに、リングボルトだの、RCCだのオールアンカーだのは分かりますが、一般にボルトを見たら、そうしたレガシークラスの支点と比べて、信頼がおけるという判断で登ってきました。

一般的なクライマーの姿勢と思います。それでは、ダメだということですね。

クライマー界はこのような矛盾を抱えていますので、自覚的に登りましょう。すべての開拓者を信用してはダメです。特に岩場に何名も複数の開拓者が入っており、名前の記載がないような場所は要注意です。人気ルートに限定して登りましょう。

2020/01/21

影のヒーローインタビュー

■ 成功者に偏った雑誌の価値観

私は一つの夢というか、希望というか、こうだったらいいのに...ぜひ書きたい...というインタビューがあります。それは、各岩場の開拓者のインタビュー。

今のロクスノは、特に日本のロクスノ、あるいはフリーファンは、どっちもすでに世界記録を達したクライマーの話しか乗っておらず、市井のクライマーには役立つ情報は、全く載っていないので、誰も買う気になれません。

ボルト情報は載っていますが、一回見たらいいようなので、何年も同じ写真。更新されていないです…。

私が教わった17ミリレンチでグージョンの効きが確かめられる、というような肝心の話は全く載っていませんし!

■ ベータが必要

日本の岩場には必ず、骨を折ってくれた人がいます。そういう骨を折ってくれた人のほうが、地元クライマーにとっては偉大な人たちです。

三倉だったら両粂さん。四阿屋だったら廣瀬さんでしょう。日向神なら山崎さんです。

5.13以上のルートを開拓するのは、ほとんど個人的なもので、それがクライマーの何人が後から登ってくれる課題か?というと?クライマー界の1%の人が登ってくれたら、御の字でしょう。

■ 市井のクライマーには役に立たない

99%のクライマーは、5.7とか5.8から登って、大体の人が5.12までのグレードの中に納まるのです。

ので、そのようなグレードの課題を開拓してくれている人たちが真の功労者です。
高グレードを追いかけている人たちとは別の世界です。

9割の人がこっちなのに、こっちの世界は無視で、トップレベルの人しか雑誌に載せないので、読むところがない=買わない、となるよな。

■ 岩場のこと

どんな事情でできた岩場で、どんな風に楽しく開拓し、今はどういうことになっているのか?そういうことがたぶん、役立つ情報です。

その岩場に最初に来た人は、何を登ればいいかな?と普通は、なりますし、今の日本の岩場の現状だと、開拓者の名前とその人のルート設定の癖を併記してくれないと、海外のクライミング並みに気軽に取り付くことはできないです。開拓者の個性によっては、低グレードの課題は、ランナウトにより、非常に危険な課題になっています。

そういう情報は、ベータと海外では言われています。つまり、日本に足りないのはベータ。

ボルトの種類も書いていないし、ランナウトで事故った課題とか、事故の履歴も残っていない。

というわけでセーフクライミングからはもう遠くなっています。もう、ほんとに危険ですね… 

それはどうしてこうなってしまったか?というと日陰のヒーローに功労してこなかったからです。

世界レベルになった人は別にわざわざ取り上げなくても、誰かが取り上げるでしょう。

それよりも地元で地味にリボルトを頑張っているのが誰か?ということのほうが地元ではより価値ある情報でしょう。

結局のところ、グレード崇拝はそうした文化が作り上げているものです。

2020/01/07

ボルト=負の遺産となっていないか?

■ ボルトを打つことに対する歴史的思想の変化

昔(20年前)

・積極的には打たない
・プロテクションは必要な人が打てばいい(必要とするほどダサい、弱いというノリ)
・グラグラで怖いと思った人が打てばいい
・会員数も少なかった 数百人レベル 



 ・クライミングブーム 
 ・クライミングジム 500件 
 ・私費で打つ人が増えた あいまいなボルトの選択曖昧な技術
 ・高いグレードを登れる人が、良い開拓者であるとは言えない
 ・破断事故、すっぽ抜け事故が増え、危機感
 ・会員数 3000人レベル

■ ボルト見極めの4原則

1)材質   → ステンレスが標準
2)ボルトタイプ → グージョンが標準
3)サイズ   → M10 以上
4)施工者  → 人的ミス

■ リボルトvs新規開拓

新規開拓のほうが、すでに打たれているボルトの撤去がない分、作業は簡単です。また、新規開拓の場合、開拓者の栄誉がありますが、リボルトの場合、それはありません。ボルト自体も、選択肢が幅広く取れますが、リボルトだとケミカルという選択肢しかありません。

つまり、新規開拓より、リボルトのほうが、より技術的に難しく、得るものがない、ということです。

さらに進めると、現時点でM8などの

強度不足とされているボルトを打つことは、貢献ではなく、むしろ負の遺産

ということになります。

■ 考察

どのような資材を使うべきか?ということについて、考えない開拓者の人はいないです。

十分強度がある、というのは最低限考えていることだと思いますが、M8では、すでに強度的に十分とは言えないのだろう、ということは、ペツルのボルトが、M10以上であることからもうかがえます。 

日本の多くの岩場では、気軽な墜落をするよりも、

 テンションで静荷重のほうがいまのところ、安心である状況だ、

というのは言えそうです。特に体重が重い方は。

怖いと思う人が打ち換えれば良い、という論は、打ったボルトが負の遺産となってしまっている現在では、開拓者の無責任、ということになってしまっています。というのは、

リボルトのほうが手間が多く、なおかつ、外から見て、強度を確認する方法がない

からです。

間違ったものがあるよりは、初めから何もないほうがマシ

かもしれません。特に作業量的には。

それでは、現在打たれているボルトで登るリスクを受け取りたくないと考える人は…、見極められないと、安全を自己責任で取れ、と言われても、見極めようがないため、登らないという選択肢しかなくなり、それは、岩場に来るなという非言語メッセージを送っているのと、同じことになってしまいます。

実際、岩場に来る若い人は大変減っている、というのが実情です。きちんと若い世代はメッセージを受け取っている、ということです。

次に登る人がボルトを評価できるよう、開拓者は開拓したルート、もしくは岩場で、使用したボルトについて、

 「この岩場では、M10ステンレス製グージョンを使用しています」
 「リボルトでケミカルアンカー 〇〇ミリを採用しています」

などの記載が、トポに掲載されてしかるべきですね。そうでないと、どうやってメーカーの取説を見たりして、自己責任、を全うできるのでしょうか?

外から見て分からない腐食したペツル

現代的に強度不足のボルト

現代的に強度不足のボルト