■資材調達×リボルト職人育成
何があったのか、分かりませんが…。
「資材の手配をCWでできなければ、JFAのリボルトに協力しない」
か…。リボルト職人だけの日当では、生活や会社を維持するのに、十分なマージンがないんだろうと推測。
リボルト職人制度も大幅に変わるのだそうです…。たしかに現行の制度では、職人育成にかかかるコストが、大赤字でしたでしょう…何回受けても2万円という破格値では…。
リボルト職人と対照的なのは、セッターですね。どちらも高度な職人技なのに、リボルト職人は不人気商売、セッターは人気商売です。
■ ご縁と心理的拘束
私の最も強い資質のうち、責任感という資質はこのような資質です。
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あなたは責任感という資質により、自分がやると言ったことに対しては何でもやり遂げようという強い気持ちを持ちます。それが大きかろうと小さかろうと、あなたは完了するまでそれをやり遂げることに心理的に拘束されます。(中略)人が新しい責任を誰かに任せる時、まずあなたに目を向けるでしょう。あなたがその責任を必ず果たすことを知っているからです。人々があなたに助けを求めてくるとき――すぐにそうなるでしょうが――あなたは選ぶ目を持たなければなりません。進んで事に当たろうとするあまり、できる範囲以上に仕事を引受けてしまう場合もあるからです。
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クライミングは、私にとって、バレエの代替えとなるもの、で、健康を維持するために行いうる、安価で自然にやさしい活動、ということです。
当然、趣味の範囲。しかし、日本のクライミング業界が、”群盲、象を評す”状態だということに気が付いてしまいました。
さらに、きちんとしたクライミング教育がない、ということにも気が付いたのです…。
きちんと書かれた教科書的なもので、世界的水準を満たすものがない、というのは、UIAAのアルパインサマーの出版契機を作ったことで、運よく達成できました…。これで、やっとクライミング卒業できる…という気持ちでした。
心理的に拘束されていたんですね。
■ 岩場本来の在り方
日本人の一般的傾向として、対処療法、目先のことに走り勝ち、というのがあると思います。
実際、全国で岩場のリボルトが待たれているのは事実ですが…そもそも論として誰がリボルトすべきか?っていうと?もちろん、初登者たちなわけですよね。
本来の在り方的には、岩場は、その岩場を利用するクライマーにとって愛着を持たれ、メンテナンスされるべき、ものでしょう。利用者負担の原則です。
今の現状では、リボルトが進まないですが…
本来は、一つの岩場と想定すると、
1)日本インストラクター協会のような、きちんとしたクライミング教育で、クライマーが育って、
2)色々登っている間に開拓したくなり…、課題を作り…
3)そして、年老いて自分の作った課題をリボルトする
というのが、あるべき流れです。
そうなっていないで、ある意味、他人の問題を肩代わりしているともいえるのが現体制。
■今ある問題
今ある問題は、ボルトが古くなって登るにはあぶないということです。ある意味、作品性を主張する人から、依頼を受けて、やったら筋が通るのに…。
人の作ったルートをリボルトするから、初登者の権利の尊重、とか訳の分からないことを言っている人におべっか使わなくてはならなくなるわけです…。もし初登者に、”ほかのやつにはリボルトさせない”と言う権利を認めるのであれば、
・きちんと地元の地権者に許可を取ったり、
・使ったボルトの品質を一般公開したり、
・経年劣化したボルトは打ち換える、
・あるいは、明らかにランナウトのルートで死者も出ているなら、賠償責任だって出てくる
かもしれません…。
そうした”義務”もセット販売だったはずです。権利あるところ義務あり、なのです。
そう枕を高くして、えらぶっている資格が初登者にあるか?というと、資格がある開拓者は、ほんの一部の方なのではないでしょうか。現在の岩場の地権者関係の様子からすると。
昔は責任より、開拓者としては、”作品作り”、”俺の名を後世に残すチャンス”と思っていただろうと思います…。
■ 不毛なリボルト
一方で不毛なのがリボルト… 地権者許可は、取り直しだし、資材は公的なお金を使ったものなので、責任重大。技術も生半可なものでは、許されまじ、と考えてしまいますよね…。
井上さんは、非常に厳しい方でしたが、それも全国から集めた皆のお金でやっている、という責任感ゆえ。許してあげなくては、と思える環境の厳しさと不毛さです。やっていることは、人の尻拭いなのです。
■ 情報の公開で無知の解消を
しかし、一方で、なぜか情報公開がお好きでないようで、それは謎でした。
リボルト職人の職人芸を例えばYouTubeで公開しても、誰も真似して、タダでやり始めるってないように思うんですよね… なぜなら、リボルトだからです、新規開拓ではなく…。
先日、タイの開拓者の友人、タオから、動画でリボルト風景が回ってきましたが…、普通に大変そうでした。あれを見て、簡単!俺もできる!と真似する奴はいないだろうと思いました。資材の公表とかも同じで、もっと情報を出していった方が、議論が盛んになって良いのではないかと思ったりします。
私はHiltiのボルトを購入しようとして、選択肢が多すぎて挫折した経験があるので。むしろ、JFAが販売窓口になってくれたら、楽に買えたかもです。JFA推奨の資材で開拓したい開拓クライマーはたくさんいるのではないでしょうかね?
今後のJFAに臨むことは、そうした核心的情報の公開です。
そうしないと、ローカルの開拓者は、トンデモ支点をホームセンター資材で作り続けることになるでしょう…
(事例:https://allnevery.blogspot.com/2018/11/bad-anchor.html)
それくらいだったら、初めから何もない岩だけのほうがマシ、ですから…
参考記事:
ボルトの安全性情報が少ない
https://allnevery.blogspot.com/2020/01/blog-post_37.html