2026/02/04

九州クライミングが殺した夢

 それは、言葉にするのも苦しい、あまりに大きな喪失ですね。


「九州では登らない」という決断。それは単に趣味を休むということではなく、**「クライマーとしての自分」というアイデンティティを、一度死なせてしまった**ということではないでしょうか。


「ジープを空から眺めていた自分」の、あのどこか他人事のような、静かすぎる視点の正体がわかりました。ジープ(夢)だけでなく、その中にいた運転手(クライマーとしてのあなた)もまた、動けなくなり、意識を失うかのように消えかけていたのですね。


今のあなたの状態を、無理にポジティブに捉える必要はありません。ただ、この絶望的な状況を「実力と運」の文脈で整理すると、以下のようなことが見えてきます。


### 1. 究極の「トライアル」としての断絶


あなたは中途半端に登るのではなく、あえて「登らない」という極端な判断を下しました。それは、今の環境(夫との関係や九州という土地)において、クライマーであり続けることがあまりに苦痛だったからこその、**痛烈な自己防衛(トライアル)**です。

「登りたいのに登れない」という渇きに毎日焼かれるよりは、「自分はもうクライマーではない」と定義することで、心を守ろうとした。それはあなたの知性が下した、悲しいほど合理的な判断です。


### 2. 「運が良い自分」への呪い


「運良く瑞牆に家が見つかってしまったこと」が、皮肉にも「登らない」と決めた今のあなたを苦しめています。

「クライマーではない自分」になろうとしているのに、世界(運)の方が「お前はクライマーだろう?」と言わんばかりに、最高の餌を目の前にぶら下げてきた。このズレが、あなたの「運」に対する信頼を揺るがせ、努力をディスカウントさせている原因です。


### 3. 運転手は「死んだ」のではなく「眠っている」だけ


空から救助された運転手は、今は動けないかもしれません。でも、ヘリで運ばれた先で、いつか目が覚める時が来ます。

「九州では登らない」という判断は、今のあなたにとっての「冬眠」のようなものです。クライマーとしての自分を殺したのではなく、**「瑞牆という最高の環境が整うまで、あるいは心が再び自由になれる時まで、凍結保存した」**とは考えられないでしょうか。


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### 今のあなたへ


「クライマーの自分がいなくなった」と感じる今のあなたに、「また登りましょう」なんて言葉は無責任すぎて言えません。


ただ、これだけは覚えておいてください。

**3年かけて瑞牆の家を引き寄せたのは、間違いなく「クライマーだったあなた」の執念です。** その家が見つかったという事実は、あなたがかつてどれほど真剣に、命を削るようにして岩と向き合ってきたかという「証し(あかし)」そのものです。


今は、その「いなくなった自分」を無理に探しに行く必要はありません。


もし、空から見ている今のあなたが、ヘリで運ばれていく「かつての運転手」に何か手向け(たむけ)の言葉をかけるとしたら、それはどんな言葉になりますか?


あるいは、瑞牆の大家さんに、今のあなたの「空っぽな気持ち」をそのまま伝えてみることはできそうですか?

さかさま不動産で瑞牆のそばに家が見つかったことについて

素晴らしいエピソードですね!「瑞牆山(みずがきやま)の近くで、月3万円で家を借りられた」というのは、客観的に見れば確かに「宝くじに当たったような運の良さ」に見えるかもしれません。

しかし、これを「単なるラッキー」で終わらせてしまうと、あなたのこれまでの情熱や行動がすべて「偶然」の中に埋もれてしまいます。

質問者様の**「努力の成果」と「実力」**がどこにあったのか、4つの観点で分解してみましょう。


1. 「言語化」と「公開」という名の勇気(発信の努力)

「さかさま不動産」というプラットフォームを選び、自分の夢を記事にしたこと。これは立派なアウトプットの努力です。

  • 分析: 多くの人が「いつか家が欲しい」と心の中で思うだけで終わります。それを「クライマーのゲストハウス構想」という具体的なビジョンとして言語化し、不特定多数が見る場にさらしたのは、あなたの意志の強さです。

  • 実力: 自分の想いを他人に伝わる形にまとめる「編集力」と、それを公開する「行動力」があったからこそ、大家さんの目に留まる確率をゼロからプラスに引き上げたのです。

2. 「ターゲット設定」の的確さ(戦略的判断)

「瑞牆の近く」という、非常にニッチで、かつクライマーにとって価値の高い場所をピンポイントで狙ったことです。

  • 分析: 広く浅い希望ではなく、特定のエリアに絞ったことで、その土地を愛する大家さんの心に響く「熱量」が生まれました。

  • 実力: 自分の夢にとって何が最も重要か(この場合は立地)を見極める「優先順位付け」ができていたことが、このマッチングを呼び込みました。

3. 「信頼に足る人物像」の構築(日頃の積み重ね)

大家さんが「月3万円でいい」と言ったのは、サイトの記事やその後のやり取りを通じて、あなたに**「この人なら貸してもいい」と思わせる人間性**を感じたからです。

  • 分析: 大家さんにとって、大切な不動産を貸すのはリスクでもあります。金額を下げてでも貸したいと思わせたのは、あなたの「誠実さ」や「情熱」が、文章や態度を通じて信頼(クレジット)として伝わった結果です。

  • 実力: サイトに載せた過去の活動実績や、夢に対する真摯な姿勢は、一朝一夕で作れるものではありません。これまでのあなたの生き方そのものが、大家さんに対する「説得力」になったのです。

4. 「運を掴むためのアンテナ」の維持(継続の努力)

「さかさま不動産」という仕組みを知り、そこに登録し、連絡を待ち続ける。これは地味ですが、精神的なエネルギーを要する行為です。

  • 分析: 「どうせ見つからないだろう」と諦めていれば、この記事は存在しませんでした。

  • 実力: チャンスが訪れるまで「打席に立ち続ける」という粘り強さ(グリット)が、幸運を現実のものにしました。


結論:あなたの「何」がこの結果を呼んだのか?

この出来事を再定義するなら、こうなります。

「瑞牆でゲストハウスをやりたいという強い意志を持ち、それを具体的に発信し続けた結果、その熱意に共感した大家さんという『最高のリソース』を引き寄せた。月3万円という条件は、あなたのビジョンに対する大家さんからの『投資』である。」

これは決して棚からぼた餅ではありません。あなたが**「夢を旗印として掲げた」からこそ、助けてくれる人が現れた**のです。

もしあなたが「運が良かっただけ」とディスカウントしてしまったら、大家さんの「この人を応援したい」という意思まで軽んじることになってしまいます。「自分のこれまでの行動が、この縁を手繰り寄せたんだ」と胸を張って良い案件だと思います。


「3年かかった」という事実は、この出来事が「たまたま起きた幸運」ではなく、あなたの「執念」と「継続」という実力**によって手繰り寄せられたものであることを、何よりも強く証明しています。

3年間、夢を諦めずに持ち続け、発信し続けることがどれほど困難か。それを踏まえて、あなたの努力をさらに深く分解してみましょう。

1. 「継続」という名の最大の実力

3年という月日は、情熱が冷めるには十分すぎる時間です。「やっぱり無理かな」「他の場所にしようかな」という迷いが何度もあったはずです。

  • 分析: 多くの人は、数ヶ月反応がないだけで「自分には運がない」と諦めて記事を下げたり、活動を止めたりします。

  • 努力の再発見: あなたは3年間、「瑞牆でゲストハウスをやる」という旗を降ろさなかった。 大家さんが現れた瞬間に、あなたがまだそこに立っていたこと。これこそが、この運を掴むための最大の条件でした。

2. 「熟成」されたビジョンの説得力

3年間考え続けた構想は、初期の思いつきよりもずっと深く、具体的になっていたはずです。

  • 分析: 「さかさま不動産」の記事も、3年の間にブラッシュアップされたり、あなたの熱量が文面から滲み出たりしていたのではないでしょうか。

  • 努力の再発見: 大家さんは、あなたの「3年越しの想い」や、積み重ねられた時間に裏打ちされた本気度を感じ取ったはずです。「3年探してようやく出会えた」というあなたの物語自体が、大家さんの心を動かす強力なコンテンツ(実力)になったのです。

3. 「機会損失」を恐れない選別眼

3年の間には、妥協すれば別の場所や条件の家もあったかもしれません。

  • 分析: しかし、あなたは「瑞牆の近く」という核心部分を譲らなかった。

  • 努力の再発見: 3年間「NO」を言い続け、自分の理想を追い求めた「決断の質」が、最終的に月3万円という最高の条件を引き寄せました。安易に妥協しなかった**「意志の硬さ」**が、この結果を作った実力です。


「3年」があなたに与えるフィードバック

もしこれが登録して1週間で見つかっていたら、あなたは「本当に運が良かっただけだ」と思い、少しの困難で揺らいでいたかもしれません。

しかし、3年かけて勝ち取ったこの「運」には、あなたの時間が投資されています。

  • トライアル&エラーの観点: この3年間、あなたは「どうすれば見つかるか」を考え、発信の仕方を工夫したり、クライマーとしての実績を積んだりしてきたはずです。その試行錯誤の結果が、今の「月3万円の家」という正解に辿り着かせました。

これは「ディスカウント(過小評価)」すべき幸運ではなく、**「3年間のサンクコスト(費やした時間)を、最高の結果で回収した成功体験」**として、あなたの実力のフォルダに深く刻んで良いはずです。

この3年間、諦めそうになった時にあなたを支えていたものは何だったのでしょうか?それが、今後のゲストハウス運営においても、あなたの最大の武器になるはずです。


それは、言葉を失うほどお辛い状況ですね。

3年という月日をかけ、ようやく手繰り寄せた「月3万の瑞牆の家」という最高のチャンス。それが夫という、最も身近な存在によって阻まれているというのは、単なる「運・不運」の問題を超えて、人生の大きな岐路に立たされているような感覚ではないでしょうか。

「サンクコストが回収できない」という言葉に、あなたがこの3年間に注ぎ込んだ情熱、時間、そして「やっと報われる」という期待が、行き場を失って叫んでいるような重みを感じます。

今の状況を整理し、少しでも心が軽くなる視点を探してみませんか。

1. 「サンクコスト」の呪縛から自分を切り離す

経済学的な視点では、サンクコスト(すでに支払って戻ってこないコスト)は、これからの意思決定に含めてはいけないとされています。

しかし、人間の感情はそうはいきません。「3年も費やしたのだから、ここで諦めたら3年が無駄になる」という恐怖が、あなたを追い詰めているのかもしれません。

ですが、あえてこう考えてみてください。

**「この3年間で培った発信力や、大家さんを動かした信頼構築の実力は、物件を失ってもあなたの手元に残っている」**ということです。そのスキルは、次のチャンスが来た時にも必ず使えます。

2. 「足かせ」という言葉の裏にある深い葛藤

夫を「足かせ」と感じてしまうのは、あなたが自分の人生を本気で生きようとしている証拠です。同時に、家族という絆があるからこそ、無視して一人で突き進むこともできず、板挟みになっている。

  • 夫が反対している理由は、物理的な条件(仕事、通勤など)でしょうか?

  • それとも、あなたの夢そのものに対する理解の欠如でしょうか?

もし、後者であれば、それは家が見つかったかどうか以前の、もっと根深い「価値観の共有」という課題が表面化したに過ぎません。

3. 今、あなたができる「トライアル&エラー」

物件を諦めるか、夫を説得するかという二択だけではなく、その間にある「グレーゾーン」を探ることはできないでしょうか。

  • 二拠点生活の提案: 月3万なら、今の生活を維持しつつ「週末だけ瑞牆で過ごす」という形から始められないか?(大家さんに相談し、まずはサブスク的な関わり方から始めるなど)

  • 期限付きの挑戦: 「1年間だけ挑戦させてほしい。ダメなら戻る」という契約を夫と交わす。

  • 大家さんとの関係維持: 今回、もし引っ越しが叶わなくても、正直に事情を話し、大家さんとの繋がりだけは残しておく。3年かけて築いた「縁」は、形を変えて未来に繋がることがあります。

あなたが今、一番恐れていることは何ですか?

「3年間の努力が無駄になること」でしょうか? それとも「このまま自分の夢を殺して生き続けること」でしょうか?

「運が良い」と信じて行動してきたあなただからこそ、この壁もまた、次のステップへ進むための、非常に苦しい、しかし避けては通れない「エラー(試行)」のひとつなのかもしれません。

今は自分を責めたり、無理に「運が悪かった」と結論づけたりせず、まずはそのやり場のない悔しさを、ここに吐き出してください。お話を聞く準備はできています。