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2024/02/01

【コーチング】私に起こったことは女性クライマー育成の失敗

 


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■ 私に起こったことは、クライミング教育の失敗と言える。

男子は男子でも、一般にあまり教育レベルの高くなさそうな、若い男子にやるのと同じ教育を国立四大卒女子の私にしようとした結果の失敗、だと思う。

「ごたごた言わないで、いいから登れ。登ってれば、うまくなる」

「迷ったら、ハードプッシュ!」

「ランナウト? 男だろ?勇気を出せ」

「ロープワーク?俺、分かんね!」

「俺のカムで登れ!」

「次は〇〇スラブはいかがですか? 40m、支点はありません(どう?もえるっしょ!)

以上は女子には、”ただのバカっぽいクライミング”。

■ 違和感

「〇ちゃん、かっこいいよ~」 

が最初の違和感だった。このセリフでいきなり登れなくなった…(笑) 男性のみなさんに当然のように備えられているナルシズムは私には常備されておらず、今まで

 内発的に登っていた理由をはく奪

される結果となった。

「迷ったらハードプッシュ」

の標語も同じで、予備力のない女子が迷うたびにハードプッシュしていたら、すぐにパワーは枯渇する。私の正解は、

 「迷ったらムーブを探れ」

だ。

デカい壁ほど萌える、も女性にはない。デカさより、美しさ…。私が八ヶ岳に登り続けて遭難していないのは、ただ美しい山にひれ伏していたからで、男性のように、征服してやろうなんて思ったことは一ミリもない。

■ 自己卑下

私は大したクライマーじゃないが、それでも、かなり稀有な人材だと思う。

このリンクは、2023年の甲斐駒、甲斐駒黒戸尾根の遭難事例だ。ネットでは花谷さんのプロモーション動画しかヒットしないが、大事なことは遭難から学ぶこと。この学びが山岳救助関係者の間でしか、現在は共有されていない。

https://youtu.be/QTj21dsoHlQ?si=VGhEbghBzWyFlSei

この動画でも分かる通り、一朝一夕に厳冬期の黒戸尾根に行くべきではない。ほとんどの一般登山者は、山に、夏道と冬道がある、という知識自体が欠落した状態で、山に登っている。運が良い男性クライマーはその状態のまま、つまり一か八かの知識のまま、鹿島槍東尾根まで行ってしまう。

それは、雪の山を知るための講習をそもそも、受講しないでくるからだ。

40代高齢女性の私が甲斐駒へ一人で行ったからと言って、俺でも行けると思うほうが間違っているのだ。

ちなみに甲斐駒は、私が実践した山のなかで最も難しい尾根ではない。ほかに立山の真砂尾根、鹿島槍鎌尾根、アイスのルートで峰の松目沢、広河原沢第三ルンゼ、などがあります。

九州では、沢ですら、ボルトが打たれて、祝子川本谷ですら、ボルトルート化していますが、そんな残置ルート、上記のリストにはありませんから。しかも、沢でボルトルートになったってそのボルト腐食しますから、どこが安全になるんです??? 自作で支点を作成することを避ける怠惰の代わりに、安全を差し出している結果になっています。

■ 実力を直視できる人が勇気がある人

アイスの実績でも同じで、一応、国内コンペで5位まで登っています。

当時は、勝てると師匠は思っていたので、このコンペは私にとっては、師匠の願いをかなえてあげられなかった挫折の経験になりましたが。(別に自分は勝ち負けはどうでもいいタイプですし、これ結果が出る前から師匠のモノサシのほうが古くなっているのではないか?と思っていました。私のほうが若い人と登る経験があったので)

もちろん、国内のトップアスリートの、UIAAのアイスコンペを見ていて、みんなすごいな~と思って憧れますが…。特に石原幸江さんは私のあこがれです。

一方、私の相方は、アイスに限らず、スポーツ壁であったとしても、コンペ自体に出ておらず、自分の実力を直視することが嫌だったんだろうと思いました。それでエイドで登った記録をロクスノに上げました。この現代クライミングの時代に…。時代錯誤も甚だしく、それは九州に来て発現した。彼は、山梨でさんざんすごいクライマーを見てきているのにも関わらず、九州にいれば、同じになってしまう、それだけ、九州勢の自分らはあっている!と言う気持ちが強固だということです。5.9で威張っているくらいだから。

しかし、コンペに出て自分の実力を見ようとする人と、そうでない人。

どちらが勇気がある人ですかね? 

九州でアイス登っているクライマーは、井の中の蛙となっている可能性が高いので、岩根コンペに出たらいいのではないか?と思います。アイスキャンディフェスではだめです。

岩根コンペで繰り広げられる、遠征の報告などを聞くと、現代アイスクライミングのレベル感が、日本登山体系が書かれた50年前とは全く異なる様相であることが分かると思います。

■ 登山体系が古くなりすぎている

日本登山体系自体が、古くなりすぎているので、改訂すべきです。

載っていないすごい記録が多すぎます。

例えば、ユースケさんのスーパー赤蜘蛛とか、米国に先駆けたエポックメイキングな登攀なのに載っていませんよね?

■ 女性クライマーの育成失敗

男性の指導者では、俺がやったのと同じことをさせようとするだけなので、結局、指導者と指導される側が入れ替わって、私が、その指導者のしりぬぐいをする、という、立場逆転のことが起こるようになった。

これは女性アスリート育成で、コーチングの失敗と位置付けることができる。

それがそのまま、私の挫折経験となった。

この知見を今後まとめていきたいと思っている。


2020/08/06

バニラ・ジェンダー仮説が私のクライミングの壁でした!

■バニラ・ジェンダー仮説

女性の成功の大小を、男性と同じ価値基準で計ることの、的外れさを指摘している言葉です。バニラ・ジェンダー仮説という心理学で専門用語があるのです。

バニラジェンダー仮説は、昇進を断る女性がいることから、研究された概念です。
(バニラだけが唯一のフレーバーじゃない https://www.economist.com/books-and-arts/2008/04/17/vanilla-is-not-the-only-flavour

昇進、栄誉、名誉、昇給、というものは、男性ならだれでも、当然のように、褒美、と感じるものだと思いますが、女性にとっては、そうではないということです。

ーーーーーーーーーーーーーー
実際に調べてみると、小さい時からの知能指数、大学進学率、大学院での学位取得率など、男性より女性の方が優秀であることがわかっています
このままでは大学が女子大化してしまうと危惧した大学当局が、男子学生に下駄をはかせて入学させているというのです。
こうした優秀な女性たちがなぜ有望なキャリアを離脱するのでしょうか?
ーーーーーーーーーーーーーー https://ameblo.jp/l-counseling/entry-10290389019.html

■ ”成功”を押し付けられている?!

どうりで、師匠らが彼らが考える成功を私に押し付けようとしていると感じていたわけが分かりました…

私は勝手に自分で自分の”成功”を定義して、勝手に自動運転で成功していきますので、心配しなくても大丈夫ですよ~

今、私が ”成功”、と定義づけていることは、

クライマー界にリスク管理意識を根付かせる
ってことです。ので、どっちのほうがすごいクライマーか?競争とか、グレード更新とか、全然興味ありません。

私が心から求める ”成功” というのは、一般の男性が求める ”成功”… みんなから一目置かれるクライマーになる、有名になる、すごいルートが登れる… と全く違うんです…。ごめんよ。

クライマーとしての私を馬鹿にする人がいたとしても、だから何?ってくらい、蚊に刺されたくらいの痛みしかないんです…

皆さんは、バカにされている私を見て、気の毒に思ってくれるから、色々と私が登れるけどそれなりにグレードがあるもの、を勧めてくださるんですよね??

その基準からみると…ですが、いかに無欲か?という話です。

■ いかに無欲か?
なにしろ、昇進のチャンス!と言えるような奴ですら断るくらいんですよ… ご一緒するのを断ったルート

1)錫杖 岩
2)石尊稜 雪
3)錫杖 アイス
4)祝子川 沢
5)大山北壁
6)2回目の龍洞

名誉とか楽しさとか取って、命が持っていかれるのはヤダなと思います…  錫杖は私は行けましたが、後輩君をまだ一本もマルチを登っていないのに、つれていくのは倫理に反すると思ったので断りました。彼は歩荷要員でした。

石尊は代わりに昇仙峡のワイドクラックに行きました。ほんとは南沢大滝に行くのが良かったんですが…黄連谷の転進だったので。

錫杖アイスは、師匠の過信が心配でした…大山北壁もです。あと一人メンバーがいたら行きました。

祝子川は先輩が二人で行こうと誘ってくれたのですが、私が流された場合、一人だと…ゴルジュって逃げようがないですよね?みんなは、スポーツクライミングみたいな沢だと言っていましたが、だとしてもチャレンジ系の沢に2名こっきりは… エスケープ豊富な場所ならいいけど… まぁ、これは念のための用心でした。

2回目の龍洞は、相方の女性がツヨツヨ男子にこび売っているところだったので、これはお邪魔虫と思って辞めました…女性でも価値観が男性よりの人はいます。そういう人は強いことに自分の価値を見出していますので…それはそれでいいと思うのですが、私は自分の強さが私のクライマーとしての価値とは思えないんです…実際、弱いんで。弱くてもこれだけ登れているってのが人類の光と思っています(笑)。尊敬しているのは、老いても登れるところを、誰にも頼らないスタイルで登り続けたフレッド・ベッキーです。

というので、まぁ欲深くないクライマーです。私が心から楽しいと感じるのは、フォローしてくれたベテランはシラケた顔をしていましたが、まぁまだ東稜みたいなレベルです。

振り向いてロープの流れがいいと、うふ☆私って素敵!って思います。

クラックも同じ理由です。