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2022/12/28

フリークライミングにおけるクリエイティブ性とは何か?の予習

こんなアドバイスを頂戴しました。

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岩の優良ルートを沢山登らないと、ジムでよいルートはセットできないと思います。

ジムのよいルートとは、ルートのグレードのムーブとフィジカルが釣り合っているということです。

外岩の良いルートとは、10aのルートを10aのムーブと、10aのフィジカルが必要ということです。

力のある人は最適ムーブをしないでも登れるのですが、そういうクセをつけると、たとえば限界グレード13aを登ろうとして、さらに難しいムーブ(最適でない)ことをすることになります。

13を登る上手な人は、初見で10aを10aのムーブで登ります。最適でないムーブ(10cムーブ)でも、登れるはずですが、そんなことはしません。

これが上手なクライマーということです。

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なるほど、と思いますね。ボルダー出身の人は、同じルートを登っても動的で、ひやりとすることが多いです。ジャンボさんが同じところを登っていると静的で、足を組み替えていました。アルパイン出身の登りこんだ人たちは、ホント足を細かく拾います。手では登っていないことが多いです。もちろん、ハングになったら、手も必要ではあるんですが。

薄被りで練習するのが良いと教わっていましたが、手先行の登りなので、反省して足先行を意識しようと思いました。

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草野俊道さんの設定したルートは8級でもムーブがあって面白いそうです。

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九州に草野さんのルートってあるんだろうか…。

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フィジカルで登っている人がガイドをやると、講習生は悲惨です。技術的指導は何もできません。

核心を越えて、よれよれの講習生に、「さっさと登れ、そんなところで休むな」ですから。

ホールドの持ち方やレストのやり方は指導しません。

3年くらい前にクリス・シゃ―マが御前岩で14cに苦労しました。1日では登れなったです。力が落ちて来たんでしょう。現在41歳ですけど。

一方、ユージは現在52歳ですがまだまだ登れます。近頃二子で14d登ってます。

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■ 私の経験

九州で知った開拓者の米澤さんのルートは、典型的パワールートでした。

米澤さんはさすがのクライマーで74歳になってもツヨツヨで、45歳で12まではRPできるクライマーですら、米澤さんの10bで落ちていました。

私は米澤さんのことを知る前に、鬼が鼻岩で、米澤さんの10Aをほんとに10Aだと思って、リードで取りついてまったのですが、途中クリップするゆとりが出せずに、トップアウトしました…。あれは絶対10Aではないですね…。

あとで、九州であそぼうという会をしている方が、「おれ、米澤さんの10cは登れない」と言っていてその方はいつも11までは楽勝で登るので、米澤さんの課題が辛いことに気が付きました。

九州では、ムーブというよりパワーが中心の課題設定になっています。

以前の師匠、青木さんとは、彼が慣れていない初めて見る課題をオブザベして行きたい!となったところ、ちょうど彼が登れるところは、私が登るのに適していました。昇仙峡はトポないので、岩そのものを見て青木さんが登りたくなり、登ってみて、”これ、5.8やで~、登ってみー”という感じだったので、ちょうどよかったのです。

ところが、岩を見てグレードを判断する習慣がない現代のクライマーと岩場に行くと?

トポで見て、5.9をほんとに5.9だと信じています。これは危険です。

以前、八面の下部エリアに行ったのですが… 実は、そこ、地元のクライマーがリボルト候補の筆頭にしており、ボルトが劣化していることが知られて、誰も登らないところでした(汗)。

日向神でもオールアンカーのところに連れていかれ、どう?と聞かれ…(汗)。いや、どう?と聞かれても…と、言葉に窮すことになりました。いくら楽勝で登れそうでも、ボルトが悪いところには取りつけませんよね?

ということで、現代のクライマーというのは、クライミングのメッカ山梨で10年登っても、

  ボルトの良しあしは見分けられるクライマーには育っていない

という意味です。

九州がカットアンカーであることに気が付いたのは、私が最初のクライマーなのでしょうか… なんせ、誰も指摘しないので、新規ボルトもカットアンカーみたいなことに比叡ではなっていました…(汗)

つまるところ、支点の見極め=リーダー性、なのでリーダー性はない、ってことです。

ルート選びは、易しいところ、ではなく、

 支点がしっかりしているところを選ぶ、

というのが基本です。沢とかでもそういうルートファインディングになると思うのですが…。

そういうのができていない人は、易しいから、と言って支点になるものがないところを落ちれば死に至る高さまで登って行って、そして、降りることもできなくなっていますよね?

いや、ほんと死ななくて良かったです。

彼のために言うと、相手にだけ、悪いボルトを薦めるのではなく、東さん開拓の野岳ですら、カットアンカーなんですが、本人も、バンバン落ちながら5.12を登っていました。

ボルトの見分けがつかないのは、九州の人に限らず、たぶん関西の人も同じで、

 グージョンとカットアンカーは見分けられていない

と思います。カットアンカーは、カムより強度が低いですよ。

■ クライミングは、ビレイヤーとクライマーの協力の結果作り上げるもの

は6Aの課題で、ラオスで、各駅停車で行ったのがあるのですが…。

短い6Aだったので、傾斜が強く、ずっとハングしているので、恥ずかしながら、一ピンごとにレストで、ビレイヤーにはホントに感謝しました。

ビレイヤーの方も、よかったね~という感じで、喜んでもらえました。その時は夕暮れ時なのに、ギャラリーがいて、登り終わると、拍手が出たので、ちょっと嬉しかったです。

6Aでも、別のもっと素直な課題があるとは思ったんですが…その課題は、思い入れが生まれました。私の超苦手系課題ってことです。

その時は

 ビレイヤーと一緒に作るクライミング

というのを感じました。オスカーというスイスの若者と登ったんですが…。オスカーは、7Aまで登れ、体の大きいクライマーでしたが、他の6Bで下部核心ので、必死になっていたんですよね‥ それで、お互いに、パワーが課題だね~みたいな雰囲気に自然となり、彼の四苦八苦の後、私の番、みたいな感じの6Aでした。

オスカーとはビレイヤーとクライマーの間の絆が築けた、と感じられました。

■ 絆不全症?の日本人男性

前回、ある国際ガイドの方とラオスに行った時、私が彼と組むのは嫌になり、周囲に根回しして、オスカーじゃないですが、長身のスイス人の若者を見繕って組ませたことがありました。

そのスイスの人、11くらいでそこまで上手じゃないので、ちょうどレベルもあっていたと思うし、国際ガイドの方はリスク管理にたけていたと思うので、ぴったりだったと思うのですが…身長もおなじくらいだし…。それに国際ガイドの方は、とっても喜んでいました。

それでホッとして、これで私の役目はすんだ!とおもったら…、二人は翌日は登っていませんでした…。せっかく根回ししたのに…。

私の勝手な空想では、日本人男性の

  日本男児的な態度が、世界標準ではないのではないか?

と…

だっていくら国際ガイドでも、フリークライミングの世界では、誰しも

平民

ですよね? アルパインクライミングは身分制度でカーストがありますが、フリークライミングは、民主主義国家ですよね(笑)? 

アルパイン出身の人はなんか、関係ない実績で、尊敬されたがっていませんかね?

例えば、指がないとか…で、自慢するとか…。国際ガイドの資格あるから、俺が作る支点の方がエライ、とか…。支点は、頑丈であれば、ノットのタイプは何でもいいですよ。

それは、一般登山で、俺は○○株式会社の社長だ!と言って偉そうにするのと同じだと思うんですが…。

フリークライミングでは、世界最高難度を登るまで、延々と、

 どのグレードの人も質的に同じことをしているだけ

です。

12登る人が、9登る人よりエライ!って思っているのは、アルパインの身分制度なのではないかと思います。

■ アルパインの人が言う実績も大体においてええ加減なもの

アルパインの人は、エイドに逃げても、それを言わないことが多いです。

アルパインの人は、Aゼロしてしまっても、登れた、と自分を丸め込む癖は、フリーでは改めたほうがいいです。

現代のフリークライミングの強化ギプスみたいなクライミングジムがいっぱいある時代で、

 エイドで初登

って発表するのは、時代錯誤のような気がします… それは立派なことというより、むしろ恥ずかしいことに分類されるのではないでしょうか…。これは私の私見ですが。

きちんと登れるような人たちは、いくら初登でも、フリーでない限り、発表して自慢しようとは思わないのではないでしょうかね?

その辺は現代のトップクライマーがどのような記録を上げているか?研究して、スタイルに対するそのクライマーのこだわりを研究しないと見えてこないと思いますが。

そう言うのを見せるために、佐藤ユースケさんなどのトップクライマーは記録を発表しているんだと思うのですが、違うんですかね??

逆に言えば、スタイルを書かない記録というのは、大体、しれっとエイドで抜けている、のかもしれませんね…(笑)

神津牧場 シャイアンV+級。私のリード課題。うまくプロテクション打てたなと思って嬉しかった事例。この時はVないような気がしますが。

なんで醤油樽がダメで、シャイアンをリードしなさい!になってしまったのか?当時の初心者の見識しかないワタシには、当時、謎でしたが、現在の解釈ではこうです。

シャイアン=下部が優しく、上部が垂直という課題は、初心者に向いている。クライミングでは上では落ちても大丈夫というのが常識なので。

醤油樽=ずっと段々がある=ビレイが難しい、落ちれば段に当たるというので、醤油樽は回避され、十分Ⅵ級が登れるようになってから、Ⅴ級をリードするほうが安全、ということなのでしょう。

アイスだけでなく、フリーも、この作戦の方がいいのではないかと思います。