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2023/05/11

師匠恋し…エンジョイクライミングには正しいリスク認知が必要

 ■ 青ちゃんの最後の言葉:楽しんで登っていってほしい

山っていうのは、山そのものとの出会いと同時に、人との出会いもあるものだ。

佐藤さんの記録もそういう人との出会いで紡がれて行っているらしい。そうなんだ、と思って嬉しかった。

https://drive.google.com/file/d/1hEx6xLhSBwzooV78ZRJ8yVH6rEs9GYhJ/view?ts=645bed0b

世界レベルのクライマーでも、グレードを追いかけているわけではない、ということです。

普通に楽しんで登っていたら、こんなグレードが登れるようになるのが、現代アルパインクライマーなんですよ?? 



■ 雪から、アイス、そして岩へ

私の山との出会いは、雪の山… 美しい八ヶ岳の山にと、後に一人で、登り始めたのが最初だ。

厳冬期の八ヶ岳は、小屋も充実しているので、個人でも取り組みやすい雪山だ。さらに高めたいと思ったので、山岳会に入ったが、会自体が弱体化していたので、なかなかレベルアップはできなかったが、それなりに楽しい残雪期の鹿島槍鎌尾根やら、黒部川を遡行して、真砂尾根などに行っている。

山行リストはこちら。 

https://stps2snwmt.blogspot.com/p/201504201603-2016-2016-2016-201629.html 

すべて山との出会いが、人との出会いによってもたらされた山だ。

この2つは、御坂山岳会の榑林さんという素晴らしい先輩が企画してくれた山だ。(信大出身者)

苦言になるが、御坂は家庭的で良い会だったが、みなが良い人過ぎて、メタボになったオジさん登山者が一升瓶を担いで初級のバリエーションに行く、という無謀…凍傷者3人…を阻止する力がなかった…。

その時、私の参加を阻止してくれたのが、当時の師匠の鈴木清高さんだった。今でもお元気で登られているようで、時々、山の記録を拝見している。

インスボンや韓国のアイスは、青木さんという佐久の師匠と出かけた。私は雪の山は、単独初見での阿弥陀北稜を終わった。ロープが出るルートは、初級のアイスルートのジョーゴ沢から硫黄に登るとか、入門の峰の松目沢敗退だったが…も、なんとか済ませて、個人で厳冬期にテント泊ができるところで、それ以上の山となると、仲間が必要なので、雪稜はこれ以上レベルをあげるのは、もう無理ね…というところだった。

実際、フリーのルートのほうが、アルパインのルートよりも、リスクが小さい。ある程度フリーが上達するまでは、フリーに専念した方が良いという蒼氷の先輩のアドバイスもあった。

ので、結局、冬季のフリーはアイスだろ、というので、アイスクライミングを習得することに力を注いでいたのが、私の山梨最後の日々だった。

スケジュールは、全部クライミング優先(笑)。

■ アイスから岩、岩からクラック

青木さんは、もともと日本発のレスキューを組織した人で、30代のときに、わざわざ関西から長野にレスキュー隊を作った話をしてくれと呼ばれたそうだ。それが定年退職の年令になって、長野に移住したら、レスキュー隊の人が人手不足というので、もう退職の年齢なのに、手伝ってくれないか、という話が来たのだそうで、この30年レスキューの世界が衰退していったということをしみじみ感じたみたいだった。

私の山岳総合センターでのリーダー講習で、講師をしてくれた高橋さんと村上さんが、八ヶ岳のレスキューの隊長、副隊長だったので、私にとって、青木さんの技術には、非常に魅力があった。

私は当時、山梨アルパインクラブという義理入会のパートナーが、ジムで5.11が登れるからというので、北岳バットレス四尾根にいくというので、振り回されて、てんやわんやしていたのである。四尾根に同意した理由は、私は3年後くらいのつもりだったのに当人は今年のつもりだった…という大きなすれ違いがあった。

この時、花谷康弘さんに相談して、それを師匠に誤解されるという事件があった。ガイドさんだからだ。一般に師匠クラスの人はガイドを嫌うが、それは誤解に基づくことが多い。昨今、ガイド業している人は山岳会の貧困を理解しており、山岳会で登っている人をガイドの顧客扱いすることは無い。むしろ、山岳会が弱体化したことがガイド業の興隆となっているのだ。

山岳会を一つ運営している私でも、無料でギアを貸して連れて行く山にはやってられない感しかない。

一般に高校・大学などの山岳部を経由していないジム上がりの男性クライマーは、リスクの認知がものすごく甘い。

その上、女性の発言は言うことを聞かない。危険なビレイを指摘しても聞かない。

ジムで5.11が登れるというのは、北岳バットレス四尾根が登れるという何の裏付けにもならないが、そのことがよく分からないのだ。それはグレードが付与されている弊害のため。

北岳バットレス四尾根は、ルートグレードは3であるので、入門や初級ルートですらない。

御坂山岳会の先輩が気の毒がってくれ、「前穂北尾根にパートナー君も一緒に」と言ってくれたのだが、5.11の彼は来なかったので、結局、アルパインロックとはどういうことか?せっかく先輩が張り切って見せてくれたのに、共有できず、残念だった。

私はこの後、自分のリードで取れるルートということで明神主稜とか、ご近所の旗立岩中央稜に出かけた。もちろん、テント泊一式とカムを一式持って、自分でプロテクションを取っていくのである。こういうのを今の若い人はしなくてはならないが、みんなやりません… 

それより、派手で有名なルートに行きたがってしまいます。たぶん、ルートの選び方でみな間違ってしまうから死んでしまうのでは…。

ちなみに当時の私は5.8は落ちないでのぼれましたが、5.9が万全か?というと怪しいレベルでした。そもそも、日本のルートってグレーディングがもっとも曖昧なのが5.9です。5.9と言っても、実は10cだったりします。

それでも、私が上げたような冒険的ルートは、リスク認知がきちんとできれば、言い換えればロープが出せれば、行けるのです。

福岡の想山会はここで躓いており、ロープを出さずに北鎌尾根に行って死者を出しています。

■ フリークライミングはアルパインの基礎です

5.9は確実でないとならぬというので、山のルートは一旦お預けでした。だからフラストレーションが貯まるので、ときどき一人で出かけていました。厳冬期の甲斐駒とか。

フリークライミングに専念しようということで、小川山通い、が始まった頃、出会ったのが、青木さんでした。通称、青ちゃんです。個人名を出すのはどうか?ということで、A木さんと書いたら、荒木さんという別人と誤解されたそうで、それで青ちゃんと書くように改めていました。

荒木さんと青木さんが、同じA木さんになるとは、うっかりミスでした(笑)。

青木さんは、関西では名を知られた岳人のようで、最初一緒に行った摩利支天大滝のアプローチで、知らない人たちが次々に挨拶していくので、なに?有名人?って感じでした(笑)。アイスクライミング40年のベテランでした。

ちなみにベテランが私と登ってくれたのは、当時、私が大学生のO君の指導を頑張っていたからです。 63歳、43歳、23歳のトリオでした。若い男子は一緒にいるだけで危険で、何をしでかすか分からない爆弾だからです(笑)。

私は、ベテランから、多くを学びました。

彼が何を言うか?するか?ではなく、何をしないか?から学ぶのです。

ある時、赤岩のアイスに誘いが来たので、青ちゃんに話すと、「俺は行かねぇ」という答えでした。それで私も行きませんでした。すると、行った人は、氷が崩壊して足を骨折していました。それも若い人。 

大体ベテランは、日の高い日中はアイスを登らないし、南面の氷も避けている。と学習。

雪の山と同じですね。 悪い日は登らないのです。

■ 小川山通い

同様なのが、岩です。

岩は蒼氷の先輩が一年くらい月一で小川山に付き合ってくれましたが、小川山は、当時の私には桁違いに難しく、リードが取れるルートは殆どないのでした。

この頃、ホントはピラニアのムーブ講座に通いたかったのですが、金曜の夜は仕事の日で、だめ。その解消に日曜に仕事をスイッチすると、小川山が、ということでした。

その頃、菊地さんの講習にでて、クラックは、まだフェイスより見込みがあるなと感じました。

その後、故・吉田和正さんの講習でクラックを登り始め、青ちゃんと湯川を2日、そんなところです。

一応、TRで確保しながら、スリングで繋いだカムに落ちるというのも、一回はやってくれたのですが、一回でカムへの信頼、積み上がります?いや、それは…無理でしょう。

同時に登攀の力も上がっていっていたので、結局、デイビットと出かけた台湾のクラックでも別に落ちることなく、ほぼオンサイトで登り…ほぼというのは、登るのを辞めて降りてきたルートもあるからです…雨が降って、クラックに手を入れたら、手から脇の下を通って水が流れて来て、こりゃ無理だと思いました…(笑)。 カムエイドで敗退しました。5.4の看板ルートのほうは、最初は恐る恐るだったのに、最後はカム3つでのぼってしまう…回収便だったので…という手の抜きようになりました… あれを見たら、清高さんは激昂するでしょう。

余談ですが、このように心の中に、誰々が見たら…というのが良心の正体なのです。

インスボンは青ちゃんが生涯をかけて登り続けている山なので、誰か付き合ってあげてほしいです。廣瀬さんが有名ですが、青ちゃんにも取材が来て、でも断っていたそうです。私が同行した時点で30回目くらいでした。

一度、青ちゃんの情熱を引き継ぐのが私では、間尺が合わないと思い、若い人を連れていきましたが、私とは登れるのに、その人とは登れないみたいで、息が合わないみたいでした。

40代スタートの私だと毎年行ってもリードが取れるまで5年はかかると言われました。

まぁ、ホントのことを言えば、ルート次第で、インスリッジなどアルパイン入門ぽいリッジルートもあるのですが、そのフォローをするのが、いやだ、というのが、多分、本音(笑)。

しかし、入門者のフォローは、後輩には努められず、先輩、が必要です。その理由は、この白亜スラブの登攀をお読みください。https://allnevery.blogspot.com/2019/03/blog-post.html

登攀歴10年のクライマーでも、こんなことになるので、初心者であれば、なにをかいわんや、です。

これは山梨アルパインクラブの先輩です。後で教えてくれたところ、

 登攀の仕方について指導は受けていない

そうでした。俺は教わっていない、のだそうです。私も山梨アには、数ヶ月しかいなかったので、様子はわかりませんが、ほとんど会長さんが気に入った女性クライマーを山に連れていくために男子は歩荷要員みたいでした。 

さて、そんなこんなで、師匠に恵まれたため、あれよという間に、海外クライミングデビューを果たしてしまった私ですが、インスボンだけですよ、師匠と登っているのは。

一人で行ったラオスの岩場、台湾の岩場に行ったことで、日本の岩場…普通のゲレンデと言われるショートの岩場…が、世界的に稀に見る遅れ具合…であることに気がついてしまいました。

九州では、そのため、フリークライミングでの問題点を多く感じるようになりました。 

それでUIAAのスティーブ・ロングさんに色々と日本の現状を相談するようになりました。彼とは、メール友達という具合です。海外の人の意見は、複数のソース(友人)を持っています。

日本のフリークライミングは、海外のフリークライミングとは明らかに違い、アルパイン色が強いです。初心者に安全なのは、海外のほうです。もちろん、海外にも危険なフリークライミングというのはちゃんと?あります(笑)。ただそれらが一般の市民向けクライミングとは峻別されているか?いないか?というのが違います。

海外の若い市民男性クライマーで、俺だってトニー・コールドウェル!と思っている人は、ほぼいません(笑)。たとえ、カムではなくナッツで支点を取るような人でもです。 

日本では、なぜか話が飛躍する。いきなり、お前もピオレドール賞、目指せよ、になり、中心的価値観が名誉に偏り過ぎています。

しかも、そもそも、アルパインを教える人、スポーツクライミングを教える人がいても、きちんとフリークライミングを教える人がいないのに。

それで、最近は、現代の若いフリークライマーはAMEGAの資格を取るのが良いと思っています。

■ 米澤さん

九州では、屋久島フリーウェイを開拓された米澤さんとしばらくご一緒していました。

米澤さんのことはお会いする前から尊敬していました。当時、御年74歳と青ちゃんを上回るご年齢の立派なアルパインクライマーでした。ヒマラヤ・タサルツェの記録を拝読し、失望されているご様子で、とても気の毒になりました。

米澤さんの開拓で、必要なボルトを私が提供しようとして、わかったのが、現代でも九州では開拓にカットアンカーを使い続けている、ということでした。米澤さんは、古い中根穂高さんの書いたものを読んでカットアンカーにしたそうです。つまり、グージョンが一般的になっているという情報自体が、九州には届いていないみたいなんですよね。

最近、中根さんの本を確認してみましたが、グージョン推奨というのがわかりにくかったので、ロクスノにきちんとグージョン推奨の記事を乗せるべきですね。JFAのフリーファンは九州では、入手自体が不可能感あります。

後で福岡山の会と比叡に行った時、M8カットアンカーを大量購入しようかと考えている途中の場面に出くわしました。

ボルトや使うべき資材など、JMSCAの経路で流したら、一発で全国に広まりそうなのに、全くそうでないのです。つまり、山岳会離れは、若い人だけでなく、年配の人もそうなのです。

比叡だけでなく、九州の一般的なフリークライミングのゲレンデ(例:野岳や八面)のボルトは、大体40年前のカットアンカーで、これは、まずいということで、JFAが来てくれたりしました。

しかし、JFAは現地の開拓クライマー(山崎さん)に、このボルトはまずいですよ、と言わないのです。なんか私に言ってもらおうとしているようでした。

しかも…なんと、日向神ローカルクライマーの代表開拓者の山崎さんが、私に、登れと薦めてきた”大蛇山”がリボルト対象でした…(汗)。

もちろん、私は、大蛇山、ヨーヨースタイルで登ったので、ボルトはそっとしか使っていませんが…。リボルト対象のルートをそうと知りつつ薦めてきたってこと?と青くなりました。しかも、リボルト前にすら、落ちろ落ちろ、と言われていたのです。

私は、ラオスのオーバーハングの6Aでは積極的に落ちています。別にK君に落とされて頭を6針縫ったトラウマはありません。寝ているルートで必要もないのに落ちると怪我します。 

開拓者は、一般にリボルトはしたがらない体質です。それでボルトが古くて登れないルートが貯まる一方、新たにカットアンカーで開拓している人が後を絶たないので、ルートが増えて、それもまた登っていい強度はないという悪循環にあるのが日向神でした。

確認したわけではありませんが、新規開拓ペースが早すぎる場合、資材を確認したほうがいいです。現代のグージョンは高いので、どんなにお金持ちでも何10本も開拓できるとは思えないです。1本一万円でも、100本作れば、100万円なんですよ?

■ 地方独特の対抗心がボトルネック

地方の人は、地方独特の対抗心?で、どうも中央のやり方に対する反発もあるのかも知れません。

肝心の人たちに…例えば、比叡の人たちに、カットアンカーがだめ強度のボルトであることは伝わらなかったかもしれません。

さらに言えば、当時、九州の師匠さんとしてお慕いしていた松井さんは、外岩の指導経験は少ないようで、どう考えても、これは初心者がリードするには適していないルート選択ではないか?というのが示されるのでした。

一般にフリークライミングは教科書的に言えば、1ピン目で落ちても死なないハズですが、1ピン目から落ちていいフリーのルートは日本にはなく、あるのは海外ですよ。

日本の岩場は基本的に、エイドのフリー化で作られたままのボルトの配置になっているので、リードの取り付きはほぼほぼ、ハイボルダーです(笑)

松井さんはボルト以前に課題の捉え方が、私とは違いました。例えば、愛のエリアの、”愛は勝つ10c”は、下部核心で左上しています。さらに言えば、5.10bが登れたから、すぐ次!とグレードをあげようとするより、同じグレードのものをたくさん登っていれば、グレードって勝手に上がっていくんですよね、なぜか、わかりませんが。ということで方針としても、合わなかったです。日本の岩場には、10代が少ないと言うのは理解できますが。

推測ですが、九州では、ボルトの検証自体が、年配の人は抜け落ちており、松井さんだけでなく、ムーブの高田さんも普通に残置を使って登っており、それを危険だと考えていないようでした。松井さんは、本ちゃんで残置を使って落ちたそうなのですが、そのことでボルトについての勉強は進まなかったのかも知れません。米澤さんですらカットアンカーで停止していたのですから、仕方ないことなのかもしれませんが、だからといって、間違っていることは間違っている。事実を覆して、残置を使う登攀が正しいことにはなりません。

余談ですが、クラックの岩場、大堂海岸もカットアンカーでした(笑)。もう日本国中そうなのです。

また、憶測ですが、九州では、若手のクライマーの育成が希望の星?なので、コーチ職にあると、選手として相手を見てしまい、性急にグレードを稼がせたい、自分の手柄としたいという気持ちが働くのかも知れません。

それは人工壁ではいいかもですが、普通のクラッギングではNGですね。

今までの師匠たち、清高さんや青ちゃんには、まったくなかった視点なので面食らいました。

一般に選手とされるような年齢…10代後半~20代前半…を終わった人は、全員、セーフクライミング世代ですよ。

43歳でフリーを始めた人を18歳と比べられても(笑)。

フリークライミングのグレードは、一つのグレードの中でも濃淡があり、私はギュリッヒのクライミング理論…5.9のベテランは、10Aの初心者であるを採用しているので、まだ4本しか(九州の)10A(オンサイトではあっても)を終わっていないのに、10cに取り付くというスタイル自体がリスクに感じられました。

その上、ですが、人工壁のスタイルが定着しているので、九州の人はすぐ外岩で落ちます。

すぐ落ちるスタイルのほうが上だと考えられているのも疑問で、私がヨーヨースタイルで登っていると、チキン扱いされるのですが、伝統的フリークライミングのエシックでは、ヨーヨースタイルのほうが、スタイルとして上ですよね?

その辺もどうもフリークライミングそのものが理解されていないようで、落ちろ落ちろと言われるのが苦痛でした。そもそもボルトが安心できないと結論がでているのに、落ちろと言われても。

古いボルトが安心できないこと自体が、九州では認知されていなかったみたいで、出会う多くの人は、カットアンカーは、カムより強度が強いと思っているみたいでした。大きな誤解です。

同じことがマルチピッチでも起きており、マルチではより深刻です。ランナウトが楽しいみたいになっている。

私も瑞垣で初めてのマルチではランナウトしていますが‥あれはカムで取った支点で自分のミスですが、それと話がちがうのが、ボルトルートのランナウトです。

歩ける3級スラブなら、いっそインスボンみたいにボルトを抜いたらどうかと思います。あってもランナウトしていたら意味ないですよね。インスボンも3級で取り付きはスタートですが、ボルト自体がないので、その時点で怖い人は来ないです。

九州ではマルチ=アルパインと理解され、取り付きまで徒歩5分の白亜スラブはアルパインとされていますが(これが大きな誤解であることは本州のクライマーは分かると思いますが) 、残置を使った登攀が基本になってしまっています。それは、アルパインではなくスポートルートというのです。残念なことに沢ですら、そうらしいです。(祝子川) 

というので、落ちれないボルト配置を肯定しているフリーのルートっていうのが九州のボルトルートの現状です。

というか、日本全体がそうなのかもです。私は、山梨のゲレンデでは、新しいルートかトラッドしか登っていなかったので、山梨でも気がついていなかっただけかもしれません。

余談ですが、小鹿野の紛争は、花崗岩のランナウトと、どっかぶりオーバーハングのランナウトを混同しているというのがあると思っています。

私もどっかぶりは、ラオスで登っていますが、被っていて地面が近ければランナウトは懸垂の失敗が許されないのと同じ程度の許容度の低さです。オーバーハングで地面が近ければ、なおさらです。逆に、地面から離れれば、別にどんだけロープがでていても安全です。オーバーハングのルートのほうが落ちるには逆に安全です。 

■ エイドクライミング

このような具合に、つぎつぎと、九州でのロッククライミング全体像が、私の前に暴かれて行ったわけですが…

JFAが来てくれたり、奥村さんが講習会を開いてくれたり、と次々と手が差し伸べられたわけですが… ありがとうございました。

でも、その差し伸べられる手を振り払ってしまうのが、九州クライマーみたいなんですよね…

わたしの仲間は、誘ったけど誰も来なかったですね…

それは、なぜなのか分かりませんが…。独自の発展を遂げているのは、その通りです。

その一つがエイドクライミングです。こちらの会では、ムーブの高田さんが指導者となって古典的アルパインクライミングというので、エイドを教えてくれているのですが…

現代のアルパインって、オールフリーですよね? 

そもそも、山に残置があるのがおかしいので。私の山岳総合センターの講習でも、初日に言われたことが、「山の残置は信頼してはいけない」とか、「支点ビレイはダメ」です。

まあ、初心者はエイドを覚えて置くと、ピンチに役立つとは思いますけど。私も初期にちょっぴりやりました。しかし、ピンチに出してOKのエイドの記録…残念な記録を…立派な記録としてロクスノにあげてしまうようになると…これは、前後不覚ってやつです。

山梨クライマーの先輩が、九州の悪習慣に染まり、そんな記録を出したので、本当に悲しかったです。これまでの彼の努力、フリーの登攀の栄光を無にするような記録だと思いました。

そもそも、彼はロープクライミングに向いていないほうだったので、ボルダーに転向するそうでした。性格を鑑みて、それが良いのではないかと思いました。

結局、彼と行動をともにして一般的クライマーの行動原理を知ったことは、すごく私にとって、参考になりました。これまでベテランからのハンドダウンだったので、一般的なジム上がりクライマーというのを余り知らかなったからです。

彼はジム上がりというよりは、山よりでしたが、行っていた雪稜など、雪上訓練や、スタンディングアックスビレーなどの確保技術ゼロで行っていたんだろう…読図技術もないだろう…ということがわかりました。沢もたぶんロープの出し方、いい加減ですね。というのは、一緒に行く岩場で、私にお助けヒモが必要なことが何回かありましたが、まったく気が付かない様子だったからです。チームで登った経験値はないのでしょう。

現代の若い人は、指導者がいない上に、技術習得にお金を払うこと自体をしないため、指導者との接点自体がなく、ロープを出す基準が全く習得されておらず、結果としては、イチかばちかなんですね…

そのままルートが難しくなるだけなので、長年やっている人のほうがリスクが高い。

トレードに例えると、リスクヘッジ無しで、デリバティブやっているような感じです。 追証が発生したら無限大です。つまり、命を取られます。

つまり、落ちなければ確保は要らない、というレベルをだんだん難しくしているだけ、なんですね。それで登れるのは、せいぜい入門ルートです。

初心者の時期に身につけておくべきリスク管理能力を身に着けそこねていると、そのことに負い目ができてしまい、バレるのが嫌で、講習会からは更に足が遠のく、という循環にあるみたいです。

小さな嘘がどんどん雪だるま式に大きな嘘につながっていくみたいなことになっているんですね…

ということで、非常に残念な終わり方をした先輩とのパートナーシップでした。指導者さえきちんとしていれば、まともな山やになったと思います。

■ 鬱

そのプロセスで、右足の肉離れ、右膝の脱臼、左足のアキレス腱断裂、と怪我が続いているのですが、鬱にもなってしまい、驚きました。

この鬱というの始まりが、漠然とした不安、でした。師匠の青ちゃんと別れた頃から始まりました。

青ちゃんと登っていた頃は、青ちゃんが警戒するくらい、イケイケでした(笑)。まぁベテランと登っていたら何も怖くないですよね。

ところが、リスク認知が疎かな上に、登れない人たちといることが不安の種になっていました。漠然ではなく、顕在化している不安です。

不安の裏には怒りがあるそうです。怒りを抑圧すると? 鬱になる。

ですので、このブログでは不安の根源を永遠に書いているような気がします(笑)。

フリークライミングをしたいのに、まったくフリーとは言えないような、落ちれないフリーを続けていて、十分な実力があると本人が感じらず、下部核心のルートは登るべきでないとリスク認知しているのに、グレードだけをあげさせられ、さらにスタイルで、落ちろ落ちろ、と言われば、そりゃ鬱にもなりますね…。

怪我は、私の潜在意識が、クライミングに行かないで済む口実を作り出すために作っていたのではないか?とすら、今では思っています(笑)。

               楽しかったあの頃・・・兜
 

 

2020/08/19

終了点で振り返ると充実感

あるとき、師匠の青ちゃんが叫んだ。

「言っとくけど、彼女のほうがムーブいいんやで!」

それで、私を長年ごまめ扱いしていた、先輩は、きょとん!としていた(笑)。

私がいいのは、ムーブのきれいさ。アイスでは、私のほうがきれいな登りです。

でも、彼はでも、私が登れないところがパワーで登れます。

結果の白黒だけで、クライミングを判断すると、まぁ、どの条件でも、彼が上になってしまいますが、私が自分に価値を見出しているのは、リードしたスクリューの並びが無理なくきれいとか、途中で変な箇所で固まらなかったとか、そんなことです。

振り返ってロープの流れがいいと、充実感♪


2020/03/23

クライミングガイドが要求する安全マージンとオールドクライマーが要求する安全マージン

斜陽
■ 薄い安全マージン=オールドクライマー

先日、私より10歳くらい年配の初心者クライマーとジムをご一緒した。と言っても、私は負傷で見ているだけだ。彼女はジムグレード5級が登れていなかった。

のにもかかわらず、斜陽(5.9)という非常に事故が多い課題をRPできたと喜んでいたので、なるほどなーと思った。彼女はオールドクライマーと登っているのだ。オールドクライマーの価値観は、蛮勇、だ。

■ 厚い安全マージン

私はクライミングをスタートしたころ、クライミングガイドをしている石田登山教室の石田さんに小川山で会ったことがある。

たまたま、金峰山登山の前泊でテントが隣。それでキャンプファイアを見ながら、言葉で言えば、ランナウト、という言葉の意味などを教わった。

石田さんの教室では、インドアリード壁で5.11が登れるレベルというのが、外岩デビューレベル、とあった。

これには議論があり、5.11へ行くのは結構時間がかかるため、ガイドが儲けるためだろう、と悪口を言う人もいた。

しかし、私は、ガイドさんにとっては、お客に怪我をされた場合のことが気になるはずで、決して怪我や死亡事故だけはさせるまいと考えるはずだと推理し、一応、このグレードと意見は、心に止めておいた。

私自身は、会の先輩と行くときは、5.5でいいので、リードということにしていた。最初の師匠の鈴木さんの方針だった。

ただ先輩によっては、後輩にクライミングさせるのは、自分の登攀のついで、という人もおり、そうなると、後輩は自分にとっては難しすぎる課題に取り付くので、TRになってしまう…ので、私は自分の会で、5.5をリードしているころ、別の会で、5.11bなどをTRしていた。師匠は私が登る、落っこちそうな5.7を真剣にビレイしてくれていた(笑)。

それから2年後…

結局、5.9がオンサイトできるまで2年半かかった。

たぶん、このころ、ベースキャンプでは、5.10dくらいまで登れていたので、このレベルがおそらく石田さんが言っている5.11レベルなのだろうと。段級なら5級が登れるレベル。私は辛いと言われているピラニアの5級は少数の苦手課題を残して、比較的登れたので、それくらいで、やはり外岩デビュー期、だと思う。

後は、どんどん易しい課題をリードしてリード経験を貯めればいいのだが、日本ではボルトの関係で、それがしにくいので、やはり、海外が良いと思う。

先日ご一緒した方は、ジムでのムーブを見ていると、まだぎこちなく、クライマーらしさは今から、みたいなムーブだったので、その技量で、重大事故が多い5.9の斜陽をさせられたということで、大変、気の毒な気がした。(本人はそうとは知らないで平和だと思うが)

■ 自分のリードに向いた課題

私自身も、課題を選ぶ、という視点は、初めて5.9がオンサイトできたころは持っておらず、そういう時点で、つっこむことがクライミングだ!というクライミング文化だと、死亡事故が多い、ということだと思う。

特に若い男子は、安全とプライドの天秤では、プライドのために安全を犠牲にしてしまい勝ちだ。

■ 外は十分グレードにゆとりを

ジムで十分グレードや技量をあげたとしても、外岩は別の技量がいるので、やはり、5.5をリードしながら、5.11をTRでもいいので触るというような、二刀流は必要だと思った。

外には外の安全対策がいるのだ。

■ ランナウト

結局のところ、ランナウトした課題は初心者は避けるべきだ。落ちた時、ボルトが信頼できない、怪しいボルトも避けるべきだ。

絶対落ちないところしかリードしない。これでいい。初心者のうちは。

二人目の師匠、青ちゃんがかなり私に登らせる課題は選んでくれた…。私は女性なので、オーバーハングは苦手で、スラブなら何とか…ので、今さらながら、ありがとね~と思った次第。


2019/11/14

インスボンでトラウマが活性化した件

■ 健全な関係が必要に

クライミングで必要な、頼り頼られるという健全なパートナーシップ、を作るのに、前回のインスボンで、パートナーとの間ですれ違いがあり、その解決にあたって、どうしても、共依存的な部分の解決が必要ということで、再度、生い立ちから、おさらいしています。

ちなみに、私は必要とあれば、乗り越えるぜってタイプなのです。クライミングでの問題は、なぜか「なんでわたしばっかり」という経験が多く集まってくること(全員ではありません)

共依存の心理学を勉強して、最も驚いたことが、

ーーーーーーーーーーー
抑圧された否定的な感情は、何年、何十年たっても、自然に癒されることはありません。

否定的な感情は誰かに話を聞いてもらうことでしか、癒されることはないのです。
ーーーーーーーーーーーー
ということです。

そうだったのか…。

私は、”後悔と心配は、時間の無駄”を座右の銘にしていたので、嫌な過去は忘れることにしていました。

実際、過去は振り返っても仕方ないなという感想しか、これまで得ることはありませんでした。

しかし、否定的な感情の蓄積というのは、地震で地殻の歪みが溜まるもののような感じのようです。結局、怒りの火種として蓄積するらしいです。

例えば、こうです。

私は家族のお皿洗いを8歳から10年やりました。その間、どうも、

「わたしもあそびたい」

と思っていたらしいです。それは、今回はインスボンで、ほかの二人は楽しく登ってきたところなのに、私は家で人の使った食器を洗っているときに、

同じ心象を持つ

ということです。子供のころと同じ気持ちになると、大人になった後に、コップを2,3個洗っておくなんて大したことでなくても、ストレスに感じられるってことですね。

これについての対策は、同じような経験をした人に、そうした嫌だったことを打ち明け、そうだね、そうだね、と聞いてもらうことらしいです。

■ 認知療法

私は別の方法で認知療法というのがありますが、それは当時の親の事情や自分の在り方を徹底的に論理で解析して、

仕方なかったのだ、あれがベストだったのだ

と納得するという方法ですが、これは、30年くらい前に済ませていました。ですので、親に対する怒りはなかったのです…

ですが、心の印象、というのは、トラウマ、と同じで、くっきりと刻まれて、似たようなシチュエーションに遭遇すると、再現されるのだそうです。こちらは、PSTDの本に書かれています。

まさか、私の心のトラウマが、皿洗いをみんながクライミングに行っている間にやることで活性化するとは…。

2019/10/21

All day, Every day

■ビレイヤーのことも考えられるクライマー

思えば、青ちゃんと出会ったころ、私は、自分のことしか考えられない男性パートナーに、もう、ほとほとくたびれていた。

私の最初のパートナーは、自分の都合は考えられても、下でビレイしているビレイヤーの都合は考えられない人で、自分の実力に見合わない、とんでもないルートに、私に付き合ってもらうために、説得作戦…北岳バットレス四尾根。

彼にはだいぶ疲れました。理論立てて無理だと説明しても、彼の会の会長が、”今の二人の実力では無理だよ”と彼に直接言っても、”私の師匠が、無理だと言っているよ”、と話しても聞く耳、持たず。

一緒に行って、ひどい目にあうのが目に見えていた。私は彼の奥さんに、”夫を頼みます”と言われているのに?

■ 経験しないと分からない男子 経験しなくても分かる女子

ビレイに限らず、ですが、

  地頭力で考えないといけないこと

は男子は考えられず、

  痛い目に遭うという経験からしか学べない人が9割

の世界のようです。もちろん、そうじゃない人もいると思いますが、傾向はそうです。

それは、子どもを守るという性、子どもが痛い目に遭ってからでは遅い…の女性よりも、もともと獲物に勇猛に挑むことを期待されていた男性には、全員が理解が難しいもののようです。女性は、だれでも危険の察知が早いです。私の場合は、加えて、論理立てて理由を上げることができます。

さて、私が同レベルのクライマーと一緒に成長していきたいとなると?

相手が怪我をするのは勝手ですが、私も付き合う羽目に陥ることが多くなります。

それで、基本的には、私自身がリスク管理できる自分がリードで、リーダーで行く山が一番安全になります。相手が足を引っ張る人でない限り。これは山やの女性の先輩も、そう言っていました。足を引っ張る人でない限り、というのは、昨今女性のほうが強いケースがあるからです。

私はソロで阿弥陀北稜は登るスキルがありますが、リーダーとして、GWの仙丈まで夫を連れて行きましたが、それ以上は辞めました。夫はピンチになると、わざと足を引っ張るタイプだからです。共倒れの危険がある。

私はピンチになると強くなるタイプです。甲斐駒黒戸尾根など、夫には考えられません。ロープを出してあげないといけません。

というわけで、私にとって一番安全なのは、自分がリーダーの山です。

ので、アイス初心者とは言え、後輩君には感謝しています。何しろ、夫とは、峰の松目アイスは不可能です。私のオールリードで行きましたが、最後のF8では敗退してきました。

対等レベルのパートナーが欲しいと、いつも思っていますが、師匠の青ちゃんと出会った当時私には、こんなイケイケパートナー君か、完全初心者の後輩君か、私がガイド登山をしてあげる山岳会か、しかなかったので、師匠の青ちゃんと登るのが一番安全でした。

体の大きな男性の大墜落が下のビレイヤーに危険だ(アメリカンクラッカーになる)、などというような、ちょっと考えれば、別に経験しなくても分かるでしょ!みたいなことは、たぶん、どの男性も一度経験をしてみないと分からないみたいです。

…その、”一般男子は考えないと分からないこと”…を、全部、経験済みで分かってくれている青ちゃんが一番信頼できました。たぶん、青ちゃんも若いころは分かっていない男子だったみたいで、今、命があるのは、ただラッキーだったから…みたいでしたが(笑)。

■ 落ちるクライマー、止めてくれないクライマー

合同クライミングで、シロクマくんの落ちるクライミングを見て、「俺、落ちるようなクライミングは嫌い」と最初に言われたので、私も落ちるようなクライミングはしないようにしておきました。

その”落ちない”私が、落ちようと思って落ちたのではない、やむを得ない墜落で、止めてくれず、グランドフォールさせ、頭を7針縫うことになったのは、自分はバンバン落ちているシロクマ君のビレイにおいてでした(笑)。

男子は、自分はしてもらっていることも、相手にはしてあげない… たぶん、男子にとって、私は”お母さん”だったのでは(笑)?

というので、神様に、”どうか、頼れるビレイヤーを下さい”とお願いしたら、青ちゃんが来たんだったということを思い出しました(笑)。

ただ頼れるビレイヤーという以上の、お願い以上のありがたい方でした!

山梨ツアー
愛の山
インスボン2017
槇尾山の岩場

青ちゃん、今までありがとうございました!

2019/10/19

さようならの序章

■ また喧嘩別れ(笑)

青ちゃんとまた喧嘩した。喧嘩の原因は、もう本当にしょうもないことで、

1)私が行きたいと前日に頼んでおいた北漢山、縦走(6H)、朝から、だらだらやる気なし。私のしたいことの足をわざとひっぱったこと、

2)翌日はインスリッジ(易しい岩稜登攀)のハズだったのに、ショイナードBと医大ルート2ルート、と朝に急変。私の足を考えてのことか?と思ったら、アプローチですら4級で、むしろ大変なルートだった。つまり、結局のところ、思いやりという訳じゃ全然なかった。

というもの。なぜこのような相手を振りまわす行動をするのか?というと、小さい子供と同じことで、

 相手の愛を試している

のだと思います。不安が背景にある。不安は加齢によるものかなと思ったりもしたのですが、違うだろうと思います。相手を振り回すのは、愛に不安がある人の特定の行動で、情緒不安定ということです。安全基地がない。愛着の問題です。

前回の喧嘩は、”残置があるのに、なんで懸垂なの!”でした。私は、クライミングに来ているので、クライマーとして合理的な行動ではない場合、当然ですが、意義を唱えます。それがパートナーとして責任ある行為だからです。

しかし、龍洞でパートナーを募集していたら、デートクライマーの存在を知りました。デート(=彼女への接待クライミング)が目的であれば、クライミングで合理的と思える行動が二の次であることは分かります。ラブラブでいる、というのが目的だからです。それなら、青ちゃんの行動も説明がつく。

1)はラブラブで歩くのが目的だから、のんびりしたかっただけで、まさか、私の足を引っ張っているとは思っていなかったのでしょう。

2)は昨日は相手にサービス(=合わせる)したのだから、今日は俺がしてもらう番と思っただけでしょう。

私はレスト日は、エキスパート、と書いてある箇所に、負傷した足で一人で行くのは不安だったので、一緒に行ってもらいたかったのです。翌日のマルチ2ルートは、肉体的に無理、でしたので、そんなに行きたかったのなら、他のメンバーと行ってもらっても怒らなかったのです。クライマー同士なので、気持ちは分かります。

ということで、もしかして過去の言動から推測すると、青ちゃんはクライミングを劇場としたデートを私としたいのであって、別に私をクライマーとして育てたかったわけじゃないのかもしれません。

たぶん…、娘さんの身代わりに私が登ってあげていただけかもしれません。彼にとって最も大切な人は娘さんだからです。でも、娘さんはクライマーではないので。

私にしょっちゅう娘さんの自慢話をしていました。

■ クライマーとして愛されなければうれしくない

ということで、私はなんとなく、自分が誰かほかの人の身代わりで登っているような気持なのです。期待している役割を演じるよう、強いられているような? 

褒められたら謙遜しろ、というのは明らかなコントロールでしたし。

例えば、娘さんは身の回りの世話をしてくれるそうです。そして、飛行機のチケットをとってもらいたがったり、私にもその役割を期待しています。が、そんなこと、クライマー同士はしない。

結局のところ、私は私のクライマーとしてのニーズを満たしてくれる人が好きです。

ビレイをしてくれ、私が登れそうなルートを教えてくれ、あるいは新しい岩場を紹介してくれる人です。

私を可愛いな!と女性として個人的に好きになってくれるのは、それは予想外に光栄なことで、うれしいですが、もう売り切れていますし(笑)。以前、青ちゃんは、お酒を飲んでいるときに

  ”わがままだけど可愛いから許す!”

と私に発言して、私をビックリ仰天させました…。あれは驚いたな。

これだけ、合わせさせられておいて、わがまま、と称されたことも驚いたが、それ以上に 可愛いから許す、には、さらに驚いた。いや~、まさか、可愛さが核心だったとは。

私は可愛さで、誰かに登ってもらおうと思ったことは一回もありません(笑)。

私が欲しいクライミングパートナーは、私のビレイをきちんとしてくれ、私が楽しいと感じる易しいグレードでも、嫌々ながらではなく、ちゃんと安心ビレイしてくれる人です。

夏に行った志賀でも、今回のインスボンでも、私のクライマーとしてのニーズは後回しにされ、私は愛されてない、クライマーとして大事にされていない、と強く感じました。

いっくら、可愛いって言われても、私のクライマーとしてのニーズを満たしてくれない人では…。何のためのクライミングパートナーなんだか。

というので、世の中にごまんといるという噂の、”愛人クライマー”、あるいは、”彼女クライマー”の不満や不都合、そして、不自由…を非常によく理解できるようになりました…。

こういうことだったのか…。

以前は、M川さんのこともあって、こうした ”愛人クライマー&彼女クライマー”を軽蔑していました。それなりにトレードオフがあり、大変と言うことが分かった。

愛人クライマーの立場に立ちながら、自分の必要なニーズを満たしてくれるよう、相手をコントロールするのは、それなりに上級者の心理操作テクニックが必要です。私はそんなコントロールはしたいと思っていないので、関係解消、大いに結構です。

■ シングルマザーを助けない親は悪か? 答え:悪です。

青ちゃんとの間のことで、書いておくべき、大事なことは、青ちゃんの娘さんのことです。

クライマーとして知り合っているのに、娘さんの話ばっかりしていることには、最初から大きな違和感がありました。

一般にクライマー同士は、今後登りたいルートなど、クライミングの話題で持ちきりで、あれ?あの人独身?えっと…あ、実はしらない…って感想に陥ることが多いからです。結構、相手が誰と恋人関係にあるか?はどうでもいいっていうか。青ちゃんについては、まぁ、とりあえず、娘さんを愛しているんだろうなぁと理解。

娘さんは夫を亡くした寡婦のシングルマザーです。男の子一人。

私は自分がシングルマザーの3人兄弟長女なので、シングルマザーと言う人たちには、特別、同情的です。他人ごととは思えない。特に女親です。

私の母は、夫を失ったとき(我が家の場合は離婚です)、最初に父親や母親、私の祖父母を頼りました…しかし、母が欲しかった援助は得られなかったのです。

祖父には愛人がおり、祖母は自分自身も離婚したてで再建中でした。家族がバラバラ、です。

もともと、私の母の実家は、その土地で知らない人がいないほどの裕福な家庭だったのです。母はド田舎から、東京女子美に進学したという、かなり優遇されたお嬢様でした。

青ちゃんの娘さんも、同じような出自でした。両親ともに大阪市の公務員。大阪市職員と言えば、全国にとどろく高給取りで知られています。

娘さん、大学に進学するだけに1000万円もかかったそうで、芸術系の大学でした。母とそっくりです。

違いは?親に助けてもらえなかったこと。

青ちゃんの娘さんは、母と同じ、シングルマザーになったわけですが、違いは、お金持ちの祖父母が子育てを助けているという点でした。

特に奥様。その様子を知るにつけ、私自身は、母への憐みの気持ちが強くなりました。娘さんと同じように、母も、おばあちゃんに助けてもらいたかった、ハズです。母が3人の子を抱えて路頭に迷ったのは、28のときで、まだ小娘です。祖母はまだ50代です。

一方で青ちゃんの娘さんは30半ばを過ぎるまで、経済的な独立が遅れたとしても、親が娘の面倒を見続けた、というご家庭でした。

青ちゃんの自慢は、娘さんが芸術家として生計が成り立つまで、「10年かかりました」と言うことでした。その時の誇らしげな口ぶりは、一仕事成し遂げたのは俺、という半ば、疑問なノリも入ってはいましたが、娘さんへの愛を感じさせるもので、母を強く愛していた私としては、とても心安らぐものでした...。

母には愛してくれる両親が、特に父親の経済力が必要だったのです。

母の父=私の祖父は、孫の私が、”おじいちゃん”と呼んだことに腹を立てました(笑)。孫におじいちゃんと呼ばれて、傷ついた、っておかしな話でしょう。当時、私は6歳で、祖父は、妻と別れ、元愛人と新しい家庭を作っているところでした。60代ですでに引退して悠々自適の生活でした。

まぁ、私はクライミングで、男性としての自信を喪失中の年齢層の男性に多く出会って、まぁ、祖父のこの態度も、仕方ないかも…と理解するようになりました。

登れなくなっていく自分、男性性を失っていく自分…と言うのは不安なものでしょう。

そして、自分より若い女性というのは(別に美女でなくても)、そのような自分から現実逃避させてくれる存在だということは、夏の佐久で知りました。

しかし、どんな人間も、老いには逆らえません。年下の女性に頼られる=一時の痛み止め、に過ぎない。

そういうわけで、私にとって、青ちゃんの家庭生活を聞かされること、は、過去の私の生い立ちを再計算するうえで、非常に役立つ、参考情報が得られる場、でした。

■ グレード至上主義

クライミングをするうえで、グレードは大切な目安、目盛り、のようなものではありますが、

グレード至上主義

については、その弊害を、最初の師匠の鈴木さんに、すでに早くも指摘されていたのでしたが、私はその意味する 行為が、どういうことなのか?よく分からなかったのです。

グレード主義的登り方というのは、5.9が一本登れたら、次はもう、5.10Aという登り方をすることです。

日本の外岩クライマーの9割は、罹患中です。これには、2つの理由があります。文化的土台と岩資源の少なさ、です。

文化的土台として、特に、RP信仰が強いのが、フリーの世界ですが、これは別に悪いのではなく、険しい道、楽しくない道、と言うだけのことです。世界中でそんな道を強いられているのは、日本人くらいかもしれないです。

なぜなら、RP主体=グレード信仰で、登ってしまうと、5.9が一本登れただけで、すぐに5.10Aに進まなくてはならなくなり、えんえんと四苦八苦、と言うことになるからです。

オンサイトはクライミングの最上の形態です。まぐれの一本ではなく、安定したオンサイトを繰り出すには、下位グレードでオンサイトを相当数、貯める必要があります。

ところが日本には、(フリーでは)易しい課題はほとんどありません。

しかたなく、RPを重ねることになり、そうこうしている間にオンサイトしても楽しくなくなるのだそうです。どこまでMなんでしょう!

というわけで、岩場資源の乏しい環境のために、9割の人が楽しくない道を歩んでいるのが、日本のフリークライミングです。

日本ではグレードは混乱しており、5.9でも実質は5.10bなどがザラにあります。

こういう事情のため、いつまでたっても、グレードを本来的な意味の目安にして、取り付くことができない。結局、グレードが与えてあってもなくても、ルートを見極める目が必要です。

日本では結局、グレードピラミッドを構築して登る、という理想論は実践できない、ということです。

と言うような事情をトータルに理解したのが、山梨を離れた2年でした。

山梨では、グレード偏重主義が、まぁ当然だと思われている、かなり危ないクライミング思想が中心です。そこが文化の中心地なので、それは、日本中に広がりを見せています。

が、その異様さに気が付くには、

 1)きっかけとして、グレードピラミッド理論を本で読んで知る熱心さ、

 そして、

 2)証拠集めとしては、海外の登攀に行って、適正グレードと適正ボルトにおけるスポーツクライミングを知り、日本の特殊性に気が付く、

その2点をクリアする熱意と時間、お金をかける以外ないだろうなと思います。


2019/10/16

共依存(恋愛依存症的)からの脱出

■ 水澤都加佐氏の著書との出会い

この著者は、アンガーマネジメントの本で、出会ったのですが…というのは、約一名、私を怒らせるのが得意な人がいるからでした…。しかし、ふと

共依存

というキーワードで、この同じ著者の本を読んでみて、

「なんだかな~これ、ワタシとあおちゃんじゃん」と思っています。

結論、やはり共依存で不健全な関係性だと結論。

私は、過剰に頑張る癖は、ありますが、それでも、自他の境界線はしっかりしており、変な奴は、追い返せるスキルをちゃんと持っています。それは、”パートナー遍歴”で明らかですが…。こないだも、ロープ持っていない変なボストン人、追い返したし。

山自体が初心者のころ、私を共依存関係に持ち込もうとしている、登山ガイドさん(ら)の様子が分かり、撃退したことがあった。私当人にとって、危なくないことを、アブナイアブナイと連呼する人たち、だった。その手には乗りませんよ、で解決。

今回も、私がクライミングで国際交流を実現したい!という思いを持っていることを、足元に見て、ロープを持ってこないくせに、登らせてもらおうとする変な奴は追い返した。まぁ、当然ですが、二日目は竜岩で人工壁の予定だったけど、登らせてやらなかったよ。私は得るものないし。

しかし、この水澤都加佐氏の著書に会う前は、共依存的だなぁ、いやだなぁ居心地悪いなぁ、とは思っても、

コミュニケーションのすれ違い、

くらいに思っていた。努力で相手を理解するというのは誰にとっても必要であり、年を取れば誰でも大なり小なり、わがままになるものだ。それは誰しもなので、人間同士の許しあいである。

私のニーズを踏みにじられることがあったとしても、向こうには私のニーズが分からないため、それで合意したルートに行かず、自分の登りたいのに行ってしまうのだろう、と。好意的に解釈していた。

しかし、これは別のリーダー格の人たちの行動を観察して、やはり、おかしな行動だと結論した。Y澤さんもK島さんも、私がリードできる初級ルートを、きちんとフォローについてくれた。

一般に、後輩に今何が必要か?は、山ヤだったら、誰だって分かるものなのだ。だってそれは、私ですら、後輩にすることだから。

私はクライマーとしては、いいように扱われていた。ニーズの侵害。結局のところ。私が怒りを感じるのは、当然で、アンガーマネジメントなんて必要なかった。私のクライマーとしてのニーズを踏みにじっているからだ。それを確信した今回の共依存関係の学習。

私のクライマーとしてのニーズを踏みにじられているにも関わらず、私が関係修復に奔走するというのは、暇人は得難いという1点による。しかし、それは、一人で登れるようになったことで解消だ。トップロープフィックスで登ってりゃいいでしょう。

■ 肉体の負傷については鈍感

Y澤さんの場合、思いやりにかけた人でもなく、リーダーとして女性を率いた経験値が低いわけでもない。しかし、私が肉離れして歩くのも困難なとき、けがの程度がまったく分かってもらえなかった。

一方、けがの程度が深刻なことは、怪我が多い青ちゃんはすぐ分かってくれた。が、どれくらい無理が効くか?もしくは、効かないか?は、全く分かっていなかった。

例えば、この膝でマルチ2ピッチ、つまり10ピッチって無理ってのは分からなかった。

無理って言っているのに、2マルチ登ろうとし、そして、登れないことについてガッカリした様子すら見せた。

つまり、男性は肉体の負傷(痛み)に対しては、感度が著しく低い。

痛みや負傷に対しては、共感力が著しく低いのだろう。

その場合は、具体的な事例がないと、相手の立場を想像ができないのだと思う。女性の体力に対する想像力しかり。

これは思いやりがないという話ではない。なぜなら、私のスーツケースを一緒に来た同行者が代わりに持ってやらなかったと言って、腹を立てていたからだ。確かに怪我している人がいたら、荷物くらい元気モノが持ってやれよ、と思うが、私はキャリーを引っ張る分には問題なかった…歩荷で背中に担ぐとか持ち上げるとかがダメなだけで。それは持ってくれたのだ。下りの階段とかで。

もし、マルチルートで、負傷しても上に行くしかない、という状況だったら、この膝は、本当にライジングしかなかったという、ほうほうの体で、シュイナードBは登った。一番避けていたワイドだった。ワイドは嫌だというのは、先に伝えてあった。

■ 脱臼などは、回復に長い時間がかかる

ので、今考えるとマルチではなくショートに変える、って話なら分かる。

どの程度登ってOKかは、登ってみないことには、本人すら、よく分からない状況だったからだ。

縦走は歩けていたので、それくらい平気だろうと、誤解を与えたのかもしれないが、初日のDulegilは、通常の人の倍の時間をかけて歩いた。私のひどい膝の様子を見て、ある女性が「こんな状態で歩いたんですか?」と驚いていた。つまり、私も女性の範疇の中では、かなりMタイプなのだ。

私自身も、膝は、3週間、と整形の先生に言われ、そうかと思い、インスボンに言った日に台湾、龍洞へのチケットを買ってしまった。1か月も先なら、登れるはずと思っていた。

ところが、先日、日向神で、同じ怪我…膝の亜脱臼…の経験者に岩場で会い、そんな話ではなく、単に日常生活に支障がないという回復が3週間であり、元のパワーが100%回復するには、半年かかるそうだった。6か月先とすれば、3月だ。だから、100%戻るまでは、最高グレード更新などはありえない。

トレーニング期に入ったというのは返上で、完全リハビリ期である。

■ 喧嘩してはくっつく

結論として、

 喧嘩分かれ、再度くっつくを繰り返している

のは、この人とだけなので、やはり問題がある関係性なのだと結論。

喧嘩すること自体は悪い事ではない。雨降って地、固まる、というのは、幸福なパートナーシップに大事なことだ。

しかし、これは違うなと実感している。恋愛依存症の症状にそっくりだからだ。

私の側だけに相手への理解が深まり、相手は私を理解する姿勢も見せず、私に対する理解も深まっていない。深めようとする意志も見られない。

■ 善意での行動

正直、インスボン、私自身は、すごく行きたかったわけじゃなかった。

ただ毎年行き30回以上通うって、それだけ強い想いがあり、すごいことだと思ったのだった。一緒に行く人がいないらしいのは、クライマーとしては気持ちが分かり、同情した。私自身もラオスに毎年行きたいが、行く人がいないのだ。それで、気の毒だなと。私は時間の自由が利くためだ。

しかも、九州から今後韓国に行くというのは、将来性の大きな選択肢だった。一緒に同行して欲しい人もいた。

ので、私が行きたい初級の登攀ルートにも、行ってくれるならば、まぁ問題がない。

が、問題となるのは、当然ながら、変わりばんこで行きたいところを交代しないといけない場合だ。

彼は常に自分の行きたいところしか登らないし、私が登りたくないところを登らせる。しかも、負傷して嫌だと言っているときにすら、だ。それはしかし、境界線の侵害だ。

自分のニーズが私のニーズを上回って当然と言う態度であり、私は当然ながら怒る。私の怒りは正当なもので、なんで、それで交渉が決裂するのか?

それは、このままの俺を愛してほしい、なんていう話じゃない。そんなものは、ただのわがままを美しく飾った言葉でしかないのだ。私はしたくないことをしなくていけないという理由は一つもない。

しかし、あーだこーだと毎回作戦に翻弄されている。典型的なのは、ドタキャン。この行動パターンは読めていたので、今回は、私が行きたいところについては、事前に予防線まで張っての末、と言うことだった。

相手の自立を奪う行為というのは、他にもあった。例えば地下鉄を使ったほうがタクシーより自立度は高い。自立させたくなければ親切を装ってタクシーを使うだろう。海外ではタクシーはほかに選択肢がない時の奥の手である。余談になるが、私は仕事で、一週間タクシーと通訳を雇って、…つまり道案内と通訳…各地を回る仕事をしていたのだ。この2つさえ雇用する経済力があれば、どんな国でも、まずどうとでもなるのだ。その典型がウエストンの穂高登山だろう。

まぁ今回のインスボンはそんな抵抗ばかり、ネガティブな環境下にあってもすら、自分のしたかったことを貫徹できた、ということで、私の人間的成長にとっては、

成果

だった。インスボンは、広大な山地のほんの一角なので、すみっこだけを見て、分かった気になるのも、なんだ視野が狭いなぁと以前から思っていた。未完の仕事が終わり、満足。

ソラクサンは行きたかった上、ファン君から、チャンスも与えられたのに阻止されたので、また誰か別に同行者を見つけていきたい。ソラクサンは、アイスで可能性がある場所なので、アイスでご縁がある方がいたら、一度、可能性を打診してみたい。

そういう方はぜひご連絡を。アイスは、私はすでに中級者です。が、岩と同様、フォローをしてくれる人を求めています。(まぁ海外では全員トップロープが張れる場がいいとは思います)

2019/07/12

大阪

■大阪初日

大阪初日は愉快に過ごした。到着したら、なぜかクライミングの師匠が大阪にいて、待ち構えるように昼飲みに連れ出された。本人が行きたいという理由で、梅田のやまと。いつも大行列の店だ。先に並んでおいて!と頼まれる。大阪の名物はもをいただきながら、積もる話を聞かされた。

なんと双子のお孫さんの誕生だったそうだ。それを知っていたら、子どもに役立つようなものをお土産にしたのに。(今回お土産は、高級コーヒー豆)

■ 志賀の岩場

誰もが興味津々の佐久の岩場の感想を聞く。シークレットエリアにJFAの整備が入った先行事例だ。なんと有料の岩場になってしまっていた。驚いた。しかも、入場料1000円…と高い。
外の岩場は無料、に慣れたクライマーに、どれくらい受け入れられていくのだろうか?

今までの開拓クライマーと言うのは、たぶん、みんなで無料で登るために開拓を頑張ってきたのであり、その結果が有料になれば、悲しむかもしれない。

肝心の整備も、2エリアだけでしかも、悪いボルトを間引いて、要所要所を更新したという感じで、一般に想像するような、きっちりした整備ではなく、現状でできる限り安全に近づけた、ということらしかった。しかし、時代の流れだ、という感想だったらしい。有料化にはボルトの質の問題があり、特に終了点は高額だ。終了点は特に重要なボルトだし‥

しかし、開拓される岩場が、そもそもグランドアップではなく、ラッペルの岩場であることを考えれば、トップロープフィックスにして、トップロープソロで登る限り、実はボルトも終了点も必要なく、岩場を痛めることもなく、立木で済んでしまうという実情もある。

実際、私の知り合いの開拓者は、自分でボルトを打っても、使わない。リードしないで登れる岩場だからだ。

こうなると、リードしたい、というのは、自然保護の対立概念 になってしまう。経済性ともだ(笑)。

■ 佐渡の岩場

佐渡の岩場の話を聞く。「これが国際グレードだよ」と整備してくれた国際ガイドの方から、言われて登ってみると、往年のクライマーである師匠にとっては、

「すべてがワングレード易しい!楽しい~!!」

「もうクリップ?」

だそうだった。さもありなん。

体大きめクライマーの本人にとっては、「(開拓者の長身のクライマーに)ここにボルト要るの?」と聞いてしまうくらいだったそうだ。

ところが、開拓者は、「そこはムーブをつなげると、このグレードの人にとっては核心前だから要る」との返事。要するに

核心前にワンボルト、という発想が今まで欠如していた思想なのかもしれない。

■ 2ピン目までが遠い課題

1ピン目ではなくて、”2ピン目”が遠い課題の話をしたら(2ピン目が遠いとプロテクションとして機能しない)、驚いたようだった… いくらボルト節約しても、そんな配置では、ということだ。

プロテクションとして意味のない配置では、岩を傷つけないことを優先してボルト数を削るという発想なら、最初からないほうがまだ主張が首尾一貫している。

なぜなら命を守るというのがボルトの唯一の存在理由だからだ。その役目を果たさない配置では、ただの自然破壊になってしまう。

■ M8はNG

ボルトは昔通用していたM8ではだめだそうだ。M10が最低必要。しかも長くないと。良く落ちる核心前のボルトは、1本に荷重がかかると穴が経年的に大きくなってしまうそうで、最終的には抜けるのだと。ということで核心前のボルトは2個連結がいいのでは?という話が新鮮だった。つまり良く落ちる核心前の1本目が経年劣化で下穴が巨大化して抜けたとしても、次のピンできちんとグランドフォールから守られる配置ということだ。

■ 東アジア最大の氷

東アジア最大の氷の話を聞く。120mと巨大すぎるため、ピンは10mごと。まぁ、上のほうなら、落ちても…、ということだが…。ロングフォールを前提とするため、スクリューは、最大の26cmだけを使うそうだ。

26cmなんてアバラコフ用でしか持っていない…(笑)。

(入れる負担が大きいが確実なスクリューと分厚く固く閉まった氷で登るアイス)
vs 
(入れる負担が小さいが10cmの頼りないスクリューで、落ちたら決して持つまいというプロテクションで、易しく寝たアイスのスラブを決して落ちない登りで登る)

のと、なんか…アイスでも、フリーvsトラッドな図だ。

私はアイスが脆い場合は、数を打てと習ったんだが。

しかし、トラッドのクライマーですら、ロングフォールするかも…という恐怖を感じつつ登るのは、怖かったそうだ。10mランナウトすれば、落ちれば20m。


2019/01/03

ソウルのマグカップ


これは、初めてインスボンに行ったときに、韓国のスタバで買ったマグカップ。

インスボン…2番目の師匠と頑張ったクライミングだった。

インスボンに行くためのトレーニングは、結局のところ、あの伝説のクラッカー吉田和正さんの3月のクラック講習を蹴る羽目になって、その後、出かけた3月の湯川…お腹が痛くなった…を皮切りに、レスキューの確認、5月の大宴会つきの佐久の岩場、真夏のぬめったスラブ、小川山ジャーマンスープレックス小間使い扱いでやだった小川山合宿、いやいやながらも…の40回近くのジム通い、急成長した11月のラオス遠征…と1年がかり…というか1年以上をかけ、なんとか、セカンドなら登れるように頑張った…という、その成果の山だった。

このカップを見るたびに、1年トレーニングして行ったんだよな~、まさしく汗と涙の結晶だよな~、と思う。

ただ韓国スタバには入っていない(笑)。ただ通りがかりに、このマグを買っただけ。

可愛がってもらったな。

師匠は、私の前に組んでいた人とのクライミングで墜落して、かかとを骨折していたのに、リードしてくれました。相当、痛かったと思うのです…。 

楽しかったな。インスボン。

再度9月にも行った。もうソウルは、慣れっこ感あり。

白雲山荘の李さんは、2018年9月に亡くなってしまった。吉田さんも、私が頑張っている2017年9月にガンで帰らぬ人になってしまった。登場人物がいなくなってしまった物語のようで、とてもさみしい。

このカップにまつわる思い出は、いい思い出だから、このカップは大事にしている。

■ 関連リンク

レスキューの部屋 別サイト
レスキューの共有化

2017/07/06

久しぶりのカサメリ沢

たぬき
■ 瑞牆

去年、瑞牆だけの専門的なトポが出たことで、一気にクライマー人口を増やした瑞牆山。

瑞牆山は、不思議な山で、一般登山者にも人気があり、大型バスで、わんさと登山者が押し寄せてもいる。日本百名山に指定されていることもあるが、山容に特徴があるということもある。

そう言う人たちは瑞牆がクライミングで有名な山とは、全く知らない。

クライマーはクライマーで一般登山で瑞牆に行くことはない。

両者が超ニアミスしていて、接点がないと言う、不思議な場所が瑞牆。

私は瑞牆は、この辺の森の様子がとても好きで、気に入っている。

■ お魚釣りにも

先日(6/26)カサメリ沢に久しぶりに行き、2年ぶりに狸5.10aにトライ。

が、やっぱり最後の一手が遠く、登れず、残念だった。上手になったね、と言われるフリー。でもやっぱり、リーチが遠いものは、遠いものらしい。スキル関係なし、な課題もあるということか。

その後、ワイドをしたくて、入口岩に行った。

以前5.9だと思ってトップロープで登った、ワイドの課題…”あげこまる”へ行った。

が、新しい百岩場では、5.10aになっていた。前は5.9だと思って取り組んだのだった…

なるほど、5.10Aだったら、初めての時に、途中までしか登れなくても、仕方があるまい、という感じ。あの時は、足のスタック技が勝手に出てきたが…

今回は、雨上がりの為、クラック内がぬめっていたらしく、相方が青くなり、怖がったので、カムエイドで、敗退してきてもらった。
あげこまる

裏からトップロープ掛けれないか、偵察したが、途中までは4級程度でのぼれそう。しかし、その後が、支点がなく、危険でカムも残置になって、一度登ってしまうと降りれない典型的な場所だったので、結局、あげこまるは登れず。

結局、下りて、魚釣りに終始した。

…という一日になったカサメリ沢だった。

 久しぶりのカサメリ沢は、とても気持ちが良かった。

しかも、岩魚は大物がいそうで、一度は尺ものもかかった。

サンショウウオ




レーザーズエッジ 見るだけ

植樹祭広場からのほうが景色が良い




色がついているのは、保護色に同化しているため

これが

こうなった…




岩魚酒はベースは辛口で

この情報を広げてしまうと、もしかするとクライマーは、みな魚釣り師に化けてしまうかもしれないが… このブログの読者は今のところ、20数名程度なので大丈夫だろう…(笑)。

植樹祭広場のほうの岩場のアプローチは、釣り師の踏み跡と紛らわしく、釣り師を見るが…、カサメリ沢では通常クライマーしか見ない。

カサメリ沢で釣ったのは、我々だけではないか?と思う。

私は餌の虫取りで貢献した(笑)。

カサメリ沢は、先輩が連れて行ってくれた思い出の場所。良い思い出が一つ増えてうれしい♪





2017/05/22

仁寿峰2017

■5月のクライミング

2014年5月にクライミングを初めてしたのが小川山の屋根岩2峰セレクション…。

あの日から、私のクライミングは始まったんだなぁ…。

KW村先輩が代休を取って平日に連れて行ってくれた…

あれから3年。

翌年は、IW田さんと2年目の小川山。

それから菊地敏之さんのクラック講習に出て、吉田和正さんのクラック講習に出て…、去年2016年は、クラック元年。

そして、2017年、3年目の今年は、なんと韓国インスボンに来てしまうとは…

人の運命とは不思議ですね…

なんというご縁でしょう!!!

小川山に連れて行ってくれた川村さんを始め…、岩田さん、クライマーKさん、青木さん、本当にありがとうございました☆

■ フリクションクライミング

インスボンは、一言で言うと

 フリクション万歳

な岩場でした☆ スラブ、クラック、ワイド…

そして、大ランナウト

メンタルが強くないと登れない岩場だと聞いていましたが、本当にその通り…スラブはボルト間隔が遠く、怖いです(><)。

小川山の”春のもどり雪 5.7 3P”も、ランナウトしていますが、そんなのは可愛く見える、”大”ランナウト大会…(^^;)

あやふやな技術ではヤバい。



← こんなスラブですよ?

まじ…?って感じに見えますが、粒子が荒く、結構、乗れる。

でも、

5.9からは傾斜がきつく、

5.10Aからはムーブが必要、

5.10bからはスタンスが遠い。

…ので、リードはメンタル力がかなり必要です。

スラブがどんどんフェイス化して行く感じです。

傾斜が立って来たら、むしろクラックの方が、私は心の安心が増えます。

フリクションだけに頼るのは、心が折れそう…

■クラック

↓は、ワンムーブの5.8のクラック。これくらいは楽に登りますけど、リードできるか?と言われると、ボルト一個しかないし… ちゃんとボルトは、乗越の前にありますが… これを乗り越える心の強さが欲しい(涙)

”こわいよ~”です…



登山基地、ウイドンから見たインスボン。近所にエーデルワイスという登山用品店がありました。その後、温泉。エーデルワイスで新しい確保器を購入。


■白雲山荘

ヘグンサンジャンは、白雲山荘と漢字で書きます。ハングルではなく、漢字があると、日本人にとっては楽。

小屋の親父さんの李さんは、日本語堪能。80代とかなりご高齢ですが、山男らしいさわやかさが漂ってます。でも、お酒好き、も山男。大吟醸気に入ってくれたみたいでした。抱えて行っちゃった。昼間っから…(笑)。お土産は大吟醸で♪

白雲山荘は、登山口のトソンサから、1時間のところにあり、山小屋の存在意義が問われています。

韓国では国立公園法で、どんどんと下界に近い山小屋については廃止の方向で動いているそうです。たぶん、環境保護の面では、正しいかもしれない。

私も稜線の小屋で働いて、水場がないところに人間がホテル並みの環境を構築するのは、山の掟に反するような気がしたものでした… 稜線の小屋は、誰でも来れる営業小屋ではなく、山をきちんとこなせる人しか来れない避難小屋でいいんではないか?と思ったり…。 

ただ、一般ルートには行かなくなり、その辺は一般ルートなら、どっちも一緒か、と思うようになりましたけど…。ホンモノの山ヤは一般ルートには来ないんで。

韓国の山雑誌は、日本の山雑誌の倍の分厚さ。李さんが載っていました。小屋廃止問題で。

小屋は残るとは思うけれど、今のような営業ができる小屋として残れるかどうか?は分からないそうです。白雲山荘は、韓国内初の山小屋。小屋としての歴史が古く、地域文化の保護の観点から、残されるのではないか?ということですが…。

たしかに、土日に登っているハイカーは、みな日帰り。韓国は一大登山ブームで、国民の三分の1は山登りしているそうです。

白雲山荘は、とってもサトビック(純粋性)が高い小屋でした。

白い犬が3~4匹いて、みんないい子。幸せそうなわんこを見ていると、こちらも幸せに…。

小屋の施設は、
・雑魚寝部屋
・トイレはぼっとん、
・水場は近所
・用水は井戸水のくみ上げ

のようです。そして、アイスも食べれる。

コーラや韓国版オロナミンC、えびせんなど置いてありました。
小屋の裏手は、お寺?毎朝お経が読み上げられ、水場の前にはお供えのろうそくが。
小屋の食事は、韓国の家庭料理のようでした。

韓国ドラマのチャングムを観ていた頃、韓国料理のジョンを良く作りました。卵液をつけて焼いた野菜のこと。

小屋の食事の基本は、ナムル、ジョン、キムチ、てんぷら、明太子にごま油がかかったもの、韓国のり。お味噌汁は、必ずあさりのお出汁のようです。メインは日替わりでした。なんと、参鶏湯が出た日もあった。
このクラックで、私はぬんちゃくを落とし、相方が回収に。

すいません。

一回目、ソロ登攀で上がってきてくれたけど、ロープを引き上げたら、ひっかかかってしまい、再度降りる羽目に…。

やっぱり、クラックでは、ロープの回収があるので、上で確保した方が、ロープが上がるので、不安が少ないし、時短にもなる。

このワイドは、ダブルクラックを右のクラックに乗り移るところが怖かった。

上の薄被りは意外に、ハンドジャムで平気でした。

やはり、慣れていない動きを要求されるところは緊張。
李さん、おススメの マッコリ。


朝食も夕食も、ちょっと具材が違うだけで、大体、同じ感じ。
豚肉… ハサミで切って食べます。
フルーツも出してくれました♪

おいしかった~
スノーピークではなく、スノーラインだ~
なんと、参鶏湯が出た!

すごくおいしかった。こんなすごいのが出てくるとは!!!
メガジェルをもらった♪

地元のクライマーさんで、ブルーマウンテンというルートを初登した方から…


こんなクライミングです・・・



後半は晴れて、日焼けがすごい。

腕は、三段階の濃淡がある日焼けをしてしまいました。

帰りに、ウイドンで温泉に入ったら、染みて痛い!

ピジョンを登っていたら、上からロープが降ってくる…。

韓国クライマー達でしたが、びっくりするような稚拙な懸垂下降でした。

1本で懸垂してた。支点に通したロープをさらに固定しているそうです。そりゃ、そうだろうけど…
一本で懸垂すると滑りが良い…ので、私が、あんなびくびくしている初心者に懸垂させるなら、フリクションを増加させたくなるかもです。それかプルージックでバックアップを取るか…多少、空中懸垂なので。

←山頂付近から… 

ソウルは大都会でした…(汗)感じとしては大阪。下町がある大都会って感じ。

マンションがすごく多くて、しかも形が揃っていて圧巻。



インスボンには色々なルートがあり、廣瀬ガイドがトポを出しています。

今回は、マルチピッチばっかり、毎日登りました。ファイブスターのルートばっかりで、超ごちそうメニュー♪

シュイナードb
クローニー
ピジョン
ハヌル
ウジョン
アミドン
ワイドクラックバリエーション。

相方がワイド得意とは知らなかった…

ワイドの練習は、去年から昇仙峡でしていたので、チキンウィングは、決めれたけど、中に入らず、外で登るときの登り方とか、バック&ニーとか、経験が足りていない。初めてのワイドに近い。

■ クライミングのタイプ

クライミングは、

1)スラブ
2)フェイス
3)前傾壁
4)クラック
5)ワイド

とそれぞれ練習しないとできるようにならないそう。

■ 楽しめる力をつけてから

ドがつく初心者は、まずはスラブからです。私もスラブでデビューしました。去年はガマスラブオンサイト。
それくらいは最低でもできないと、インスボンでは楽しめないみたい。

クラックは、去年から取り組んでいます。

私は、カチ持ちのフェイスが一番苦手系。小川山のイレギュラーみたいなやつ…苦手。クラックは取り組んでいる甲斐があって比較的、まだマシ。ハンドジャムサイズなら、って前提ですが。フィンガーは今からです。

クラックも、ワイドとハンドサイズのクラックは別物だそうです。

クライミングも色々だから、それぞれをテーマにしてやらないといけない。

■ 生活

そういえば、山荘では、写真展をしていました。

水曜日は寒かったのに、週末にかけて夏みたいになりました。

今回は、着る物を持って行きすぎた。

夏山のテント泊縦走と同じでいいです。

小屋周辺ではくクロックスがあるといい。

火曜日は、国際的なレスキューチームが泊まっており、金曜日は、学生の山岳連盟の訓練で、100名くらいとまっていました。日本人の女性に会いました。教官の奥さまだそうでした。

相方はうるさくて寝れなかったそう。



実は、初日、4番のカムを回収で落としてしまい、痛い出費でした。

エーデルワイスで購入。

腹いせに(笑?)、ケーキセットを食べた。









二日目は長いクラック快適だったのになー。

何で落としちゃったんだろう…はぁ。自分のせいですから、仕方ありません。

カムを探している途中、切れたビレイループを発見し、おんぼろハーネスを皆に指摘されながら、ハーネスを買い替えていない相方を震え上がらせていました(笑)。

ビレイループって切れるんだ~ 

あれが切れたら、一貫の終わり…

相方は、インスボン25回も登っているそうです。登っていたら、韓国クライマーが下からフルネームで叫んでくるほどの有名人。

そいでもって、町でも有名人。あちこち人に会う。

■ まとめ

今回は、

1)白雲山荘が、稀に見る純粋で素敵な場所だってこと

2)ソウルが大阪みたいな町だってこと

3)インスボンがフリクション大会だってこと

4) スラブは練習の成果あり

5)ハンドサイズのクラックも快適度アップ

6)ワイドはまだ初心者

7)メンタルが課題だってこと
 
8)レストも課題だってこと

が分かった。

インスボンは去年リボルトされて、だいぶ、ペツルが増えているそうです。

それでも、だいぶランナウトに見えます…ラオスのGCHと比べると。

まぁ、ラオスは石灰岩の岩場で、かぶっている、というのも、ランニングが近い理由ではありますが。スポーツクライミング的な岩場です。

インスボンはスポーツクラミングの岩場ではなく、アルパインに近い岩場です。

クラックなら、クリーンクライミングが可能。

クリーンクライミングという理想を追いかけるためには、プロテクションの設置技術が必要。

今回、3人に2人は離陸できないという5.8の左上するクラック…ちゃんと離陸できてよかった。

ひいひい言いましたけど…

しかし、ホントに、クライミングを初めて、3年後に海外クライミングしているとは思ってもいませんでしたとも!!

有能な相方に感謝です☆

本当にパートナーに恵まれました♪

ルートに詳しくないと、どこを登るか?ってところから、核心ですから。

■ 同行者募集中!

長く通っている人からすると、韓国クライミングは、韓国が経済成長してしまって、昔より高くつくことになっているみたいですが、私にとっては、国内岩場に移動するより、韓国にフライトしたほうが安く着く…(笑)なんせ、ソウルまで、往復2万円程度です。

ので、9月も行くことにしました♪

講師謝礼程度は、かかりますが、同行者募集中!

こんな段階のクライマーに良い岩場です。

・スラブ登りで、小川山のショートではなく、ロングなルートを登って、慣れを作りたい人

・クラックも同様

・ショートルートではなく、易しいグレードでも長いピッチを登りたい人

・持久力系を強化したい人

・脱初心者くらいな人

・マルチが好きな人

完全初心者だと泣きをみますね~ まぁ、セカンドだったら、どこでも行けるわけですが、セカンドでも、余り必死だと楽しめなくなるので、楽しめるくらいと考えると、5.10Aくらいは登れるくらいから…かなぁ。

アプローチは、1時間と登山口から近いので、歩荷体力は要りません。

小屋から取り付きまでも10分くらいなので、
荷物を軽くして登ります。

宿泊地が山の中なので、スーツケースなんかは持ってこれないのが、車でクライミング基地に到着できるラオスとの違いですかね。

ラオスは完全にショートのゲレンデな感じです。…ショートとは言っても、1ルート40mとかですけど…。ショートの長い版。マルチではなく。一応マルチもあります。

インスボンは、山のイメージとしては、三つ峠。で、屏風岩が花崗岩で、瑞牆が三つ峠山頂に現れた感じ。

今回の反省点は、着替えを多く持ちすぎたことでした。

防風性フリースくらいの保温着が必要。

ワイドを登るときは肘当ても必要です。






■ アクセス

これはトソンサ。登山口です。

近所のお寺(トソンサ)とウイドンをつなぐ無料バスが出ています。赤いバスです。料金は、後ろにおいてある賽銭箱に任意の額を出す。お布施です。

大きなバックパックを背負っていたら、乗車を断られるので、タクシーで。

タクシーは頻繁に来ます。

行きは、地下鉄のスユ駅からタクシーに乗ると良いです。

市内にホテルを取る場合は、120番か、109番のバス停に近いと楽です。

私たちは安国の近くにして正解でした。空港行きバス停も近く、歩いて3分くらい。

アマスホテル、というホテルでしたが、上階のバーは、あまり使い勝手良くない。ただロケーションが良く、地下鉄の駅にも、バス停にも近いです。

近所に色々別のホテルや、ゲストハウス系の安そうなホテルがある割りに、治安も良かったです。

韓国ウォンが強くなり、円が弱くなっても、国内線よりゃすいLCCの航空運賃…

行ける間に行っておかないと、

いつまでもあると思うな、親とカネ…
               詠み人知らず

となってしまう。

しかし、今回は韓国に関する知見が高まりました。

LCCだからかもですが、日本人1割もいない、5%くらいしかいない。

韓国は近くて遠い国ですが、仲良くしておきたいものです

お隣同士なんだから…

今年は、こんな感じで、まとめてクライミングするしかなさそう…

近所はボルジムしかないのだし…。

≪これまでの歩み≫

2014年 
初めて小川山に連れて行ってもらったのが2014年5月の屋根岩2峰セレクション
https://stps2snwmt.blogspot.jp/2014/05/blog-post_22.html

3日後に相方と二人でつるべをするために別の先輩が春のもどり雪に連れて行ってくれました。https://stps2snwmt.blogspot.jp/2014/05/blog-post_25.html
https://stps2snwmt.blogspot.jp/2014/05/blog-post_27.html

その後7月に初めての小川山レイバックへ。
https://stps2snwmt.blogspot.jp/2014/06/blog-post_30.html

以上が全く岩初心者の頃、1年目。小瀬人工壁に通ってビレイをマスターしていました。

翌年、2015年 山岳会を辞めて、固定パートナーと月1くらいで登っていました。
https://stps2snwmt.blogspot.jp/2015/05/blog-post_31.html

去年 2016年 クラック元年 講習会に出たり♪
http://allnevery.blogspot.jp/2016/05/blog-post_23.html

今年はインスボンで、心配したほどは、あくせくしなかったので、成長を実感しました☆

でも、正直言って、身体能力的には登れるはずなのにメンタルが…。 ボルトの遠さ、実感しました…。それでも、ボルトが増えているそうなのですが…。ホント、どんだけとおかったんだ!?

私は自分の身体能力がイマイチ信頼できていないのです… それは昔から、私が能力を期待されるときは、”身体の能力”ではなく、”頭脳の能力”のほうだったから、かも?

どちらにしても、自分の体の能力を信頼していない…

そこが問題だ、と思いました。

言い換えれば、登れる自信、ですね。

私は、岩場でも、あまりテンパったりしないので、初めての岩場の三つ峠では、最初の師匠から、いいね!という顔をされました。

実際、私も、マルチを初心者さんに教えたりしてみると、ホントにアタフタしてしまって、焦って手順が分からなくなる人などいて、そういうタイプの人は、精神的に岩登りに向いていないだろうと思います。

私はそんなことはないのですが…、冷静に見れば見るほど怖くなるランナウト…

ランナウトの危険が理解できる理解力があるほうが、リードすることが怖くてたまらなくなるインスボン…そんなことを思ったインスボンでした。


■ 2度目のインスボン
https://allnevery.blogspot.com/2017/09/blog-post.html