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2021/09/01

膝の治療にマンサンダル

■ 膝が痛い

亜脱臼した膝が痛い。整形も行ったし、鍼も打った。

自分で治すには歩くしか治す方法を知らない…というので、新しい方法論を試そうと、マンサンダルを試してみることにした。

■ マンサンダル

マンサンダルは、ワラーチと似ているが、基づいている理論が違う。ゆるふわりん、ということだった。パラコードとビブラムソールで作るが、紐で締め付けるのではなく、足裏とソールは密着はしない。

今回はそのテスト歩行が目的。あんまりシビアでない道で人目を気にしないで良い場所が良い。

■ 久しぶりの油山

今日は朝から素晴らしい晴れで、背振の稜線が私を誘ってくる…というので、背振山へ続く車谷登山道をルンルン気分で歩こうと思っていたのに、なんと雨で林道が崩れているそうで歩けなかった。林道途中で、先行していたおばちゃん登山者にとても歩けないと教えてもらった。

ならば、というので、花乱の滝コースに転身したら、こっちも駐車スペース、せま!林道悪!というので、滝を見て納得してから、とっとと脱出して、通いなれた油山に転進した。

なにしろ、今は夏。北面で沢沿いなら歩いてもいいけど、稜線とか、南面とか歩く気になれない。その上、歩こうというモチベーションがマンサンダルのテストだから、余計な心配がない場所を選びたかった。

まぁ、油山から荒平山への縦走も、”初心者はお勧めできない”道ではあるが、未知ではない。既知の場所なので、ある程度想定がつく。とりあえず、ずっと日陰というのは大体分かっている。

それで出だしに時間がかかってしまい、せっかく早出したのにスタート10時以降…早良更生園の人が駐車させてくれてありがたかった。入口の土嚢の高さがアップしていたので、無理に入るのがためらわれたため。

油山川の岩場の開拓者、米澤さんと通った岩場は、油山にあるので通いなれた道だが、心配だったのは、壊れた古い林道の染み出し…。いつも小川のようになっているからなぁ。案の定、マンサンダルで歩くにはイマイチだったが、まぁなんとか。

この道を歩く用事はクライミングくらいで、夏はクライミングに向かない時期だ。というので、人通りが絶えたようで、やぶが閉じかけていたので、次回は鉈を持って行かないと誰もホントに来なくなってしまうかもしれない。

油山山頂までは結構険しく、やぶ蚊にやられながら、頑張る。ロープもかなり出ているが、こんなとこにいるわけない、みたいなところ。一般ハイカーの人が困る傾斜と山やが困る傾斜はだいぶ違うからなぁ…。

山頂ではおばちゃん登山者たちが、物珍しそうに私のサンダルを品評会。おばちゃんたちがしたい山は、おしゃべりの親睦だから、マンサンダルは関係なしだ。”あなた、物好きね~”という感じ。

その後、荒平山へ縦走したが、荒平山への道の方がうんと歩きやすいので下りのほうが楽勝だった。途中に新しいベンチが設置されていた。

下りは、読図ができれば、安心な、上級者向けコースをたどるはたどるが、テープもあるし、まぁ誰か一度歩いたことがある人は大丈夫だろうと思う。森に帰りつつあるし、渡渉が3回くらいある。一度盛大に濡らしてしまい、サンダルが中で滑るようになり歩きにくくなった。渡渉点では、このところの雨で、山腹から流されてきたのだろう、打ち捨てられた間伐材が折り重なっていた。

山では、白いキノコが出ていた。長雨の後の晴れなので、もっとキノコたっぷりかと思ったのに、そうでもなかった。あとで調べたら、シロオニタケというキノコで、食べれないらしい…。残念。野生のキノコ食は九州では盛んではない。もっと美味しいシイタケが楽にできるからなぁ…。

今日は、とにかく、歩かれていない下界の里山道で、クモの巣とやぶ蚊との格闘…。久しぶりに、汗で臭くなって山を降りた。

■ 荒廃の原因は無関心 無関心の原因は自分への関心

…この道は、もはや登山道とは言えなくなってきているかもしれない荒廃具合だよなぁ…

駐車までのアプローチの途中にも、耕作放棄された畑や田んぼがそこかしこに見える。

森林限界、ならぬ、集落限界が下がって来ているんだなぁ…。

わざわざ椎葉村くんだりまで行かなくても、余っている土地は、福岡市内の自宅から30分のところにこんなにいっぱいあるのに、都会ではまだ、”奪い合いの資本主義社会”だから、そこに稲作をしたり、畑作をしたりすることは許されない…。誰も使っていないから、使っていいよ、とはなれないのだ…。欲が先行しすぎて。

林業という目で見ても、油山は、近郊だから枝打ちはされているが、適当なサイズに玉切りされた間伐材は、山から持ち出されずに、打ち捨ててある。そのため、今度の長雨でだいぶ流れたみたいだった。

堰堤類もほとんど土砂で埋まっているから、流れを緩和する役目は果たしても、もはや貯水能力はほとんど果たしそうにない。

山をやって、山を見る目が養われるということは、ある意味、見た景色から色々なことが読み取れてしまうということで、辛いものだ…。

クライミングをしていてクライミングにしか興味がないと、ロープドラッグで登れなくなるということに気がつくのにすら10年かかる。

だから、山の荒廃に気がつくようになるには、ほとんど無限に時間がかかるだろうと推測できる。つまり、我こと…エゴに囚われた人間は周囲の環境変化に、ほとんど気がつかないで過ごせてしまうということだ。

朝から沢で癒されたのが収穫だった今日の山。

一見ネガティブに見える膝の亜脱臼だが、このようにして、人としての充実や多面的な視野を与える機会となる、ということなのだろう。膝を悪くしなければ、マンサンダルとの出会いもなかったであろうと思うから。


2021/04/30

久しぶりの油山川♪ 10回目

 先日、久しぶりに油山川の岩場へ。私の10bクラックを触りに…。

相変わらず、岩場は平和そのもので、とってもご機嫌な場所だった。いるだけで満たされる場所。それが油山川の岩場だ。後ろに控える背振の山々と違って、なんと湿り気の多い山だろうか… ロープにぶら下がって見た藤の花が、蔦を伝って花を咲かせており…、ここは子供たちを連れてきたら、ターザンごっこに発展してしまいそうな、そんなリスクを感じさせる岩場だ。

この日は午後からの岩場だったが、それでも緑は、みずみずしく、いつも通りに私を待っていた…。が、残念ながら、怪我からの回復クライミングもままならない、この身で、そして、足ジャムをやはり忘れていた…。怪我の前は登れたのになぁ…。それも当時、連れて行った新人さん曰く、スイスイと…。体重も増えたせいだろうが、とてもスイスイとはいかなくなってしまっていたんだよなぁ…。トホホ。

とはいえ、一緒に行った人が面白い人で、愉快に過ごした。あっという間に楽しい岩場の時間が過ぎ、夕刻からはスタンプ(クライミングジム)へ…。

新しいトレーニング法を教えてもらった。なかなか難しかった…。忘れないための備忘録として書いておく…

1)左足を出す

2)右足を出す

3)左手

4)右手

つまり、手に頼らない体重移動。手先行の登りから、足先行の登りへの意識改革だ。

ポイントは、つま先がまっすぐであること。私はバレエの癖で、どうしてもターンアウトしてしまって、インサイドエッジになってしまっていた。ターンアウトって出てきてほしい時は出てこないのに、出てこないでいい時は何で出てくるんだろうな?

あとはかかとを下げること!これ大事。立ちこみの弱さをこれで解消できるかもしれない…

左右往復で100手でアップ完了なのだそうです…100か!けっこうあります。

スクワットも、教えてもらいましたが…どうも前傾しているらしく…バレエは、つま先バランスなので、さんざん、つま先バランスに直したんですよねぇ…トホホ。今でも毎朝歯磨きは、アティチュードでやっていたりするので、やっぱりバランスが前傾しているのだそうです…。でも、アティチュードで歯磨きは努力の結果なんですよね…、悲しい。

とはいえ、プリケツはバレエの時も、先生からさんざん直されて、治っていないので…これはインナーマッスルが根本的に弱いのだと思いますが…私は腸腰筋強いんだけどな…。微妙につじつまが合わず、納得感がない身体技能なんですが…頑張って、足で立つだけで腕の力に頼らずに済むようになりたいです。

どうも、教えてくれた人は体に鉄の棒が入っているように、と教わったそうです。バレエでは細い紐が一本筋を通っていると言います‥ので、紐から鉄の棒への剛性へ、かなりの強度向上が必要なわけですね… いや~鉄の棒か~太いよなーそのライン… バレエでは、軸(アプロン)は細ければ細いほど良いと言われるのですが…どれだけ細い軸にたてるかが勝負。軸の細さは、氷柱を登るときには役立ったような気がしますが‥‥それ以外では役立っている気がしない。スラブで役立ったことあるのかなぁ?微妙だなぁ…

しかし、この日はとても嬉しかったので、記念にスタンプでTシャツを買いました(笑)。

良き思い出を覚えていようと思って…。

というのは、私の個人的なクライミングの夢は…白亜スラブで脆く崩れ去ったから…です。

私がたとえ11を登れたところで、どんな選択肢も広がりはしないのが分かった…。そして、頑張ることが、むなしくなった。

今は九州にいるので、白い頂はお預け。つまり、アルパインルートもない。沢も大したものがない。では、何があるのだろうか…? 私の人生の喜びとしてきたものは?

もちろん福岡の自然は、山梨や長野、群馬の自然と違って猛々しくなく、女性的で美しいのですが…。私は厳しさが好きな人だったみたいなのです…。雪や氷があると、自動的に気分が盛り上がりますが、全然盛り上がらない無雪期の山…。ほとんど癒しです。ぜんぜん、チャレンジではないです。ただのあそび。まぁ、雪の山を登るのだって遊びなのですが、気合が違います。

■ プレゼンシング

帰ったら、日向神バルコニーエリアのリボルト報告が上がっていて、驚いた…。

日向神クライマーズクラブが去年できたことも驚いたが…。

九州で、クライマーの自治の機運が盛り上がって嬉しいです。

率直に言って、期待していなかった。(ので、期待以上です!)

このまま、日向神でリボルト基金が設立されたら良いと思いますが。

バルコニーエリアのリボルトのプレゼンシングにすごく驚いた。カットアンカー事件として、カットアンカー関連の記事をすぐにまとめました。

あまりに運命の不思議に驚いたためです。

カットアンカーがアブナイと言うことは、このブログでも再三、指摘していましたが、日向神に一緒に登りに行っていたクライマーからは、私が落ちるのが怖いから落ちないのだ、と言われ、不服を感じていました…。

でも、あの古いボルトを見たら、そう言っていた人も、気軽な墜落はできない内容だと理解したでしょう…

バルコニーエリアのボルトは、グレーの塗料でペイントされ、錆隠しではないか?という疑いが濃厚でした…。今回、抜かれたボルトを見ると、ハンガーとボルトの組み合わせが、ステンレスとスチールの異種金属の組み合わせで、やはりコロージョンしていたようでした。やっぱり落ちる登りをしなくて良かった…。しかも、カットアンカー…さびさびの。

実は、あったんですよ、私にも無邪気にバンバン落ちていたころが…。人工壁、最初の核心3mで落ちていたころが…。はるか昔ですが。もうそんな愚かで無邪気なクライミングは、私にはないですが。

まだ3mで落ちていたころ、会の会長が、ある女性を自分以外のほかのメンバーと登らせず、不思議に思った男子たちが騒ぐので、会長さんに理由を聞いてみたところ…「彼女に怪我して欲しくないから」が答えで、その答えをそのまま理解すると、私だったら怪我をしてもいい…つまり、会の男子らのビレイはダメビレイって意味でした…ので、私はすぐにその会は辞めたのですが。

当時、私が窮地に立たされたのを見知っていて助けなかった人…その人にも、私はその後、運よく大阪労山登山学校の校長先生だった青ちゃんと知り合ったので、お互いに勉強したいと思っても、山岳会が機能していない現代で、チャンスが与えられない境遇は一緒だし…と思って、私に与えられたチャンスを共有しようと声をかけてあげたことがありました…。

その人とは山梨ではほとんど登っておらず、こちらに来てから、あちこちの岩場をめぐりましたが…。私を落としたクライマーは、私を落としたおかげで神ビレイヤーとなり、彼はその後、その安全に変身したクライマーと存分に楽しくやったのだそうです。無邪気にその話を聞かせてくれました…私がどんな気持ちになるか?想像はできないみたいでした…。

まぁ、こちらでは、私が一緒に登るようになったわけですが、私は、”リードは今から”と言うところで、九州に来て、あまり初心者がリードするにはふさわしくない状況が待っている九州の岩場、という現状でしたので、12まで登る人とであれば、大体どこの岩場でも安全に楽しく登れるので、知らない岩場に行けて良かったです。リード経験も増えたし。

しかし、私は怪我でここ丸2年ボルトルートは登っていないので、それは正しい選択でした…私に適しているグレードのエリア、見せに連れて行ってくれたのですが、バルコニーエリアなんて比較にならないダメオールアンカー支点ですからね~!あれで登るバカいるの?って感じです… 

ですから、私が怪我をしたのは、まぁ良かったのです。怪我でもしていなければ、不必要にリードさせられるわけなので…。

しかも、その理由が、私が求めてもいない仲間からの承認欲求…しかも他人の欲求のために。(彼は、私がアイスではちゃんと登れるのだということを仲間に示すために韓国アイスを私に企画させようとしたくらいなのだ…いらんて。なんで私を見下している人たちのために骨折りしないといけないんだ?)

私がカットアンカーがアブナイ、日向神の終了点がアブナイと、このブログに記載しているせいで、クライマーの間で評判が悪くなったのだそうで(私本人は知らない)、もはや一緒には登っていません。というか登りたいとすら思えない…そう簡単に仲間を捨てる人と。しかも2度も。

私自身は、どんなことを世間に言われようとも、自分の命のほうが大事ですので…。チキンだとか、トップロープクライマーだとか、会の悪口を書いているとか、色々陰で悪口言われているのだそうです、彼曰く。そうなのか、なるほど。

でも、100歩譲っても…。

支点ビレイを今どきしている人は、やっぱり時代遅れ、ですし、なんでATC使っていてグリップビレイで待機なのか分かりませんし、5mも離れた位置では、いくら人工壁でもやっぱり、そのビレイは変ですし…。2名のリードクライマーを1人がビレイするって聞いたこともありませんし…。エイドのルートを怖がったら、チキン呼ばわりされましたけど、私女性の中でも、チビですよ?分かっていないのは、そっちの方では…。

なので、私はこんな無理解なところでクライミングするくらいなら、しないほうがいい、という個人的選択なのです。

クライミングは人生を楽しむためにするもので、その逆じゃないですから。

そして、これまであれこれ書いてきたことが、JFAだった井上さんを動かし、日向神を動かしたわけですからね!

クライミングをすることで、むしろ人生がややこしくなるんだったら、やらなければいいと思っています。

というわけで、バレたくない何かが、バレないかと心配している人、どうぞ、ご安心を。

私が愛しているのは、クライミングではなく、日本の豊かな自然と

自然界の在り方から、人としてのあるべき姿を学ぼうとする心、

です。

今回は、それがいくばくか、プレゼンシングして嬉しかったのでした…。

かかった期間は約2年ほどです。

■参考 前回の油山川

https://allnevery.blogspot.com/2019/01/blog-post_6.html

10本ノックしていたらしい…

https://allnevery.blogspot.com/2019/03/blog-post_18.html

2019/03/18

油山川 9回目

■ ヨレヨレですが、日々練習

また油山川に行ってきました☆ 

もうワイドクラックで、なぜか左の股関節が痛かったり、右足のふくらはぎを釣ったのが、治っておらずなんかヨレヨレ、ぼろぼろの体なのですが…とりあえず、出かけてきました。

いつものように平和そのものの素晴らしい岩日和でした。

昨日は、私はサブフェイスだけで、10本。

体がアチコチ痛かったのに、登っていたら、必死なので、痛みを忘れるという良い効果があることが分かりました(笑)。

今回は10本でも、休み休み行ったので、前回ほどヨレヨレにならずに済みました。

やはり回数を重ねると少しずつでも上手になっているようです。

■ ナッツ

赤のナッツをセットしたら抜けなくなってしまいました…いや~赤のナッツ要注意。ナッツって入ったら必ず抜けるはずなのですが、知恵の輪みたいになってしまって、どうしても抜けない!!焦りました。

■ 干物屋さん

道すがら、干物屋さんがあるのですが…この干物屋さんが、10時開店で、セール品を出しているのですが、いつも夕方に行くので、セール品はもぬけの殻でした。

ためしに、朝行ってみたのですが、黒山の人だかり!びっくり。

すごく人気のようです。

この干物は、色々な人に送ったら、すごく評判が良かった(笑)。

■ サツマイナモリ

偵察で、未開拓のエリアに行ったら、サツマイナモリという湿った林床に咲く山野草を発見しました。初めて知る花でした。


とっても穏やかな楽しい岩登りの日でした。

2019/02/19

油山川 8回目

■くたびれました…

いや~ 久しぶりに岩でクタクタになりました。全身筋肉痛で、今日はもしかして、うごきたくないかもしれません(笑)。昨日はなんと、9時ごろにはベッドに入ってしまったくらいです。

クライミング10本ノック~? 私にとって登攀の先行事例であるアイスクライミングでも、「よし!今日は南沢小滝10本ノックだ~」って時期がありましたが…岩でもそれが来たみたいです。

■ 量が必要

私は運動神経が良くも悪くもない、ごく平均的な人です。というのは、学生時代の体育の時間からそう思います。走るのは、上からクラスで10番以内くらいで、トップに出たことは一回もなく、水泳はビリケツ。球技は球が来ると逃げる。のでドッチボールが一番好きで、バスケットボールになるとドリブルはできるだけ短くしてパスしたい…。バレーボールは突き指常連っていう感じでした。一番好きなのはラジオ体操(笑)。競う系がダメでした。闘争心?ない…。闘争されると萎えてしまうのです。

私はテニス部だったのですが、初めに素振りを教えられたとき、うまく振れない人でした。その後、自分が主将になって、自分と同じように、飲みこみがうまくない人とうまい人がいることが判明。自分は上手くないタイプだったんだなぁと分かりました。

その経験から、登攀…つまりムーブ、のマスターにおいても、人並み以上の ”量” が必要なタイプだろうと推測していました。

量をこなさないと、みんなと同じ水準には行けない…

というのが私の基本的な自己認識でした。ちなみに、クライミングは10歳でスタートするより、19歳が量が多く必要、19歳より29歳が、29歳より39歳が、39歳より、49歳が…というものです。

後でスタートすればするほど、素振りに相当する基礎練習の量的蓄積が必要になります。

当然ですね。私は小瀬の壁で初歩的なクライミングのムーブは身につけました。ずっとトラバースしていました。

■ ラオス=多読

さて、このような自己認識を持った私に悲しかったことが、一つ。それは量を禁じられている状態だったことでした。

外岩にはたくさん行けますが…一般にフリークライミングというのは、精読、です。多読ではない。

で私に必要なのは多読。それでラオスに行っていました。ラオスでは、5cを一日5本~8本登っていました。5cは5.9くらいです。そうしている間に6bが初オンサイト。私がやりたいのはこれでした。

一般的な日本人クライマーの不満も同じで、日本には岩場資源が少ないという不満を聞きます。不満も分からなくないです、ラオスの課題数の豊富さを見てしまったあとでは。毎日10日登っても、違う課題が登れますもんね。

しかし、不満を言っても仕方ありません。あるもので何とかする。

で、出てくるのがトップロープフィックスでした。

これを教えてもらって量を稼げないという不満が解消されました。

■ くたくた

しかし、クタクタです…昨日は、失敗しました。5.10bのクラックを触りたかったので、右端を受け持ってしまったら… 一番右端が5.10cでワタクシの限界グレード(笑)。一日の最初に限界グレードに取り付くことになってしまいました(笑)

ので、最初から悪戦苦闘。 目的の課題へ行く前に3本…(汗)

クラック5.10bはお久しぶり感があり、クラックのハンドジャムが、前より甘く感じられました。甘いなーと思いながらハンドジャム!でもユマールシステムがあるので、まぁいっかと登ってしまえます。リードだと、この甘さだとやだなー。

登っていて、クラック登りより、レイバックのほうが確実感があることが分かった。でも、私はジャミング練習で来ているのですから!!

となりのフィンガークラックでは、初めてナッツをセット!ナッツがバチ効きになり抜けず、ハンマーを取り出しました!ありがとう室井さん!このナッツは素晴らしいです!というナッツのフィット感でした(笑)

さらに左に向けて、どんどん登り、だいぶマントルがこなせるようになりました。

しかし、今回は疲れました… なんだか、10本というのは、私にはかなり多いみたいと判明…

たったの8m~13mの壁なので、登ったのは、多く見積もって100mくらい…。ヨレヨレです。これではオールセカンドでも400mだと、ヘロヘロなのではないでしょうか?!

この日は、とっても気持ちの良い日で、転進で油山川に行ったのですが、まさかこんなにくたびれようとは(笑)。

しかし、油山川サブフェイスは、とても快適な場所です… 小川のせせらぎが、この世の楽園を思わせ、こんな青い実をつけた植物が岩場の基部にありました。

ジャノヒゲというそうです。冬の季語。夏には白い花をつけるそうです。

楽しみだなー

そういえば、以前、ヘビがいたよなー 

冬眠をじゃましてしまったのかなぁ…

ご近所にこんなご機嫌な岩場があるとは!

2019/01/27

油山川 7回目 雪と新5.10b

■ 雪と岩

昨日は、福岡でも雪が舞い、ついでに雷も鳴るという、とっても変わったお天気だった…雪はうれしかったけど、さすがに雷の日に、わーい♪と出かけるわけにも行くまいということで、翌日の快晴の今日、雪を期待して、近所の山に出かけた。九州でも雪を踏めるかもしれない。

同行者は岩場の開拓者の方で、新しくラインを一本追加したそうで、ボルトを打つだけ、だそうだ。岩場に行って、帰りに山頂へお散歩する予定。





私は私で、一人登り用のロープのセットを確認したいと思っていた。トップロープフィックスで登る方法ということなのだが…ロープクランプをつける方法は、マルチでロープアップされないときに使っているが、どうも思い切った動作ができない…ため、やっぱり一人登りは、あまり練習にならないでいた。せっかく岩場が近所にあるのに…。

集合時間を遅めにしたので、お日様の光で、雪も早々に溶けてしまっているのではないかと思われたが、予想以上に残っていた。岩場が沢筋ということで日陰だったためもあるが、だいぶ残っていて、ほんのり雪化粧した山を久しぶりに堪能できた♪

岩場のほうは…樹幹から落ちる雪解けの水が滴り、岩を濡らすため、2段になっている上段の部分しか使えそうになかった。

懸垂で2本ロープを垂らし、それぞれにぶら下がる。同行者は、ボルトを打ち、私は私で、自分のロープクランプのセットを試してみた。

■ トップロープフィックス

私が思うには、山における安全策の原則は、1)強固である こと、そして2)冗長であること、の2点だ。

トップロープフィックスでブラさりながら、一人登りするにしても、この原則に照らし合わせると、1本のロープ、つまりシングルストランドでは冗長性がない…ので、ダブルのストランドであれば、より安全と言えると思い、それを試してみたかった。

とりあえず、試したけど、クライミングに器具が追従してくるというのが重要なのだが…位置関係がイマイチ…という結果になった。

キャッチはするんだが、たもとでたるんだロープでは落ちる気になれないだろうと。

■ 新しい5.10b

ボルトを2個打ち、そのライン(5.10b)を登ってみた。

… 3~4手ほど、フットホールドなしでのムーブが連続する…(汗)これって、キャンパできないとつらいかも?なムーブ?!

まず最初の出だしが、左にある良いフットスタンスから右手の手に足に載るためには、右足が小さいフットスタンスなのだが、そのスタンスに左足を乗せる必要があり、踏みかえ。極小踏みかえ。

まぁ、それができたと仮定して、非常に大きなフットスタンスに乗るのが、まず立ちこみの課題になり、パワーを使う。

次は斜めのカチが左にあるが… その上には、以降フットスタンスがないので、斜め向きのカチでなんとか右上のたてカチをとらえないといけない。その後も係りの良いカチが右にあるが…なんか大変だ~。足がない!

そのあとは、大きなガバがあるのだが… その後はまぁ5.10代だなと思ったけれど、フットスタンスがない約1~1.5mほどの区間が… これは背が高いと届いてしまっていきなりグレードが下がる系なのだろうか?

しかし、ちっちゃい人には損ってだけで、高いグレードを付与するのも、おかしな話かもしれないので、他にも登れる人が何人か来てくれないと何とも言えない…が、私的には、「5.10bか~ 厳しいな~」って感じだった。

■ どこまで登れるかを気にしなくていいのかも?

ふーむ、私は一生5.9で満足なのかもしれない(笑)。

例えば、「5.10bが登れます」と称するのに、自分に適した特徴の5.10bばかりを登って、登れます、と言ってしまっていいのだろうか? 5.10bが登れます、と言うからには、ありとあらゆる5.10bが登れなくてはならないように思う…

…となると、一般に”クライマー”と呼称する場合、どんなケースでも登れる、というのは5.9が与えられている地位であり… 5.9で落ちる人は、”ナインアンダー”と呼ばれ、その意味するところは…”今からの人”、”入門者” くらいな意味である… そこは、まだクライマーとは言えない。

…とすると、私は、もしかして、一生、一通りナインは登れる人という意味で、”ナインクライマー”、ということでも、もしかして構わないような話だったりするのかもしれない。

つまり、5.12まで行かなくていい、というどころか、5.11までをも気にしなくていいのかも?ってことだ(これまで、5.11クライマーになるというのは一通り本チャンで出てくる岩が登れるって意味だと理解していた)。

が、そういう理解が、ガラガラと音を立てて崩れていく昨今… うーむ、グレードというものが、このような、頼りない道しるべであったとは…。

グレードなんか取っ払って、好きなように登れって話?!

■ 岩は打ち解けるのに時間がかかる相手

まぁ、今までの経験で分かっていることは、岩というものは、お人柄的に内向的で、辛抱強く、岩の歌を聞いてやらないと、岩の語り掛けてくるものが聞こえてこないということである…。

その点は、なんか、他と違う。私が知っている雪の歌、氷の歌、沢の歌、どれとも違って、極端に内向的な人で、そして、相手を選ぶ、と思う。気に入った相手には心を開きまくるが、そうでない人には…みたいな感じなのが岩だ。

というわけで、私は、まだ岩に気に入ってもらった人材、というわけではない…が、岩というものの性格から言って、まだ岩の歌が聞こえてこないからと言って、投げ捨ててしまうのは、まぁ時期尚早だろう…
ボルダーもあった。登れそう…

山頂から市内が眺められた。荒平山へ縦走もできるそうだ。




2019/01/06

油山川 6回目

■ 2019年の登り初め

は、今日も油山川☆。楽しかった☆

大晴天なのに、谷間の岩場で標高10m前後を登ったり、降りたり四苦八苦してた(笑)

とっても楽しかった。あまり寒くなかった…。予想以上に快適で、これは反省しなくては…、と思いました。前回と前々回が寒かったのだろう。

私に必要なのは、ジムと岩場の往復。

油山川は最近新しく、ミドルフェイスが整備され、その味見をしに行った。うーん、辛いのかな~。

■まとめ

今回は全部TR。裏から歩いて張れるので、とっても助かる。

ミドルフェイス
3. センターライン(11m、5.10b、ボルト5本)  

一回落ちました。先輩は一撃できた。が、左側から行くことなく、右からストレートに直上した。きわどいトラバース、と感じた部分は使わなかった。登り方は人ぞれぞれ何だなぁと。


ストラップハング(10m、5.10b、ボルト5本) 
こっちのほうがセンターラインより難しいのでは?と先輩。ただハング越えの時、遠くのホールドを取らなかった。ので、すごいハイステップのパワームーブになった。
私はこれは登らなった。苦手系。

エクゾダス(8m、5.10a、ボルト4本) トラバースの出だしの一歩が核心。これは5.9かも~と思ってトポを見たら、10だった。最初の一歩の部分の怖さで、1グレード稼いでいるのかも!リードの可能性がある一本。

メインフェイス
左のフレイク(12m、5.10b、ボルト3本)
これは、ぜひできるようになりたいと思っているのだが、フィンガークラックというかフレークの左上のところ、左足がない。左足のフットスタンスがなく、スメアなのだが、それが信用できず、怖い。ここで右に先に行くと、スローパーが取れるが、そこで行き詰まる。ボルトの直下、クラック沿いにキープすべきなのだが、上のホールドが取れない間にスメアとなるので、怖い。ハングのガバが取れたら、安心。最後もハンドサイズのクラックをレイバック気味に取るのが、難しい。足はジャムのほうがいい。

右のフレイクダイレクト(10m、5.11a、ボルト4本)
これは取り付くしまなし感満載で、何もかも投げ出して、Aゼロ祭りで行っても、大変。もうこれはちょっと…という無理さ加減。
とはいえ、先輩は、左ダイレクト(13m、5.11c、ボルト6本)との差が、ありすぎと思うそうで、5.12までRPしている人が左ダイレクトは1本目の核心を超えられなかった。

■ おまけ

いつもの干物屋さんで、また干物を買って帰ってきました☆ここは超お勧め。


2018/12/26

油山川 5回目 トップロープソロ

■ユマールによる自己確保での登攀

昨日は、油山川で、ユマールによるソロ登攀のセットを確認しました。

うーむ。

これはユマールの位置関係が重要でした。チェストハーネスに固定して、縦にキープ。横に倒れてしまうと、登攀に追随しないので、ちょっと心もとない。何度か落ちてみて、なんか疑念が払しょくできず(笑)。やっぱり、普通のトップロープにしてもらいました。ちょっと信頼度が低かったかも…。

CTのローリンロック買おうかなぁ…。

ただロープクランプは2個もっているから、2重の安全性でオリジナルを作ることは可能なような気がします。

解除は、懸垂しかないので、困った時は、ごぼうして、立てるところ、もしくは、セルフが取れるところまで行って、懸垂に切り替えです。

結局、普通にトップロープにしてもらい、バンバン登ったので、昨日はぐったりでした…指が痛い(汗)



■ソロ登攀

厳密な意味ではリードでないので、ソロ登攀ではありませんが、トップロープで、自己確保で登攀すること…。

岩場に行き始めたころ、私はソロで登りたかったのです…というのは、自分と岩との対話が時間がかかりすぎて、下でビレイしている人に悪いなって。

しかし、師匠はソロ登攀の仕組みは教えてくれませんでした…。たぶん、まだ危ないと思われたのかな?登りたい盛りだったので、だいぶ不満を貯めました。(不満はラオスで解消したような?)

去年アイスクライミングで韓国に行ったとき、男性二人のアイスクライマー君たちが基礎練習で、ロシア製ロープクランプで確保して、フィックスロープで、各自、ソロ登攀していました。

これはいい!と思いました。

アイスのビレイは、基本的に長くてビレイヤーが気の毒系、だからです(笑)

その韓国のアイスは寝ていたので、落ちることは考えにくい感じでした。ただし、寝ているアイス=ロープが濡れる=凍る、ので、確保がロープクランプ一つでは、安全性に問題があるかもですが…。今、思えば。

岩は、アイスよりも難しく、また支点にかかる衝撃からいうと、トップロープが必ずしも一番安全な登り方とは限らないので、時と場合によると思いますが、ソロ登攀は、なかなか魅力的です。

しかし、支点にかかる衝撃を緩和するなんらかの方法は考えたほうがいいかもと思いますが、どうなのでしょうか?

トップロープのほうが支点にかかる負荷は大きいです。立木に懸垂支点を作って、それにぶら下がる、というセットも見せてもらいました。

これだと、ロープを保護するシートがあれば、ロープの傷みという欠陥をカバーできるかなぁ。

位置関係がポイント
ポイントをまとめると

1)ユマールの位置関係
2)トップロープにノットを作っておくこと
3)重し
です。

ノットがポイント

重しは宙に浮くべし

2018/12/20

油山川 4回目

油山川はねじねじしたツタが一杯
3人で油山川に行きました☆ 

油山川は、これで4度目です。

なんでここをもっと早く来ることにしなかったのだろうか…という、私のレベルに最適の岩場です。

結果は?

指痛い & 全身筋肉痛…(汗)

いや~カチっぽいフェイス苦手みたいです(笑)傾斜がきつく、日向神より立っているので、それで難しく感じるらしい。

指は、やはり左手の薬指がきついです…これは、コラーゲンとか飲めば、なんとかなる痛みなのだろうか?

■ センタークラック

今日は、せっかく頼れるビレイヤーが来てくれたので、目的の5.10bクラックにマスターで取りついたものの…あれ?

TRでムーブを固めたと思ったのに、ダメでした。また時間がかかりそうになっている…前回リードで、すっごい時間がかかったのですが、同じモードでした。

このモードは検知できるようになった。

ので、あきらめてTR。3本やってみたけど、うーむ。

だんだん悪くなっていく…どうしたんだろう?焦り?? いい恰好を見せたいとか???

途中で、上手な人にレイバックで登るムーブを見せてもらいましたが、レイバックってパワーが消耗するので、ワンテン…で、私にも無理かも?とおもいました。

このモード、全く野北モードとは違う…このモードの差が、アルパインとフリーの差かもしれません…

■ ミドルフェイス

ミドルフェイスは、着々とハンガー設置が進んでいるようでした☆

ミドルフェイスで登れそうだったライン
ミドルフェイスもTRで登らせてもらいましたが、足が細かく…いや~、大変。11Dを登れる方が、5.10bで2回落ちたので、それを見て、トップロープだな~と。

ここは、メインフェイスよりは少し易しいです。マントルを頑張れそうで、やる気になりました!

もし九州でボルダーをやりたかったらマントリングの苦手を克服しないといけないからです。

■ 質の差

開拓ほやほやミドルフェイスで2本、メインフェイスで2本とお腹いっぱい登ったのですが、中指が痛い…カチのフェイスが多いので、結構パワーを使うみたい…帰ったら、久しぶりにくたくたでした…

昨日は野北で3本しか登っていないのもあるけど、楽しく登ったのに、なんで油山川はくたくたなんだろう…だいぶ質的に差があるような気がします。

野北の時は、なにも不安がなく、けっこう気楽にとりつき、別にムーブを考えたりもしませんでした… 行ってから考える、でなんとかなった。

しかも、かなり楽しく、モード的にはラオスと同じでした。ラオスでは急成長したんですよね。

しかし、油山川では、かなり違うモードに… リードで取り付く=超緊張?

なんと表現するべきか、質的に大いに差があります。野北の5.7と油山川の5.7では、全然違います。

なので、私に必要なのは、油山川。

ここで上手になれば、強くなれそうな気がする。




■ ソロ登攀

ソロ登攀の仕組みを教えてもらいました。なるほど!という仕組み。ユマールを2個ともセットするのです。そして下に重しをつける。

このやり方でやってみようかと思う仕組みでした。


■ まとめ

・5.10bクラックはもう少し通うべき
・ミドルフェイスできていました!
・ソロ登攀システムを完成させよう!
・マントリングを頑張る

2018/12/02

油山川3回目 自分を信じられない大人たち

■大人から始めるクライミング

昨日は、50代からスタートするトレラン経験者のIさんとの外岩だった。Iさんは、トレランをしていたそうで、体が強そう。たぶん、中高年登山に行っても、体力が余ってしまって楽しめないのだろう。

■ ギア不足

Iさんが懸垂下降を教わりたがっていることは分かっていたが、確保器を持っていないため、教えるのは時期尚早、と思われ、どうしようか…というところだった。

これまで、ビギナーと思われる人のギア不足には、甘く、冬の靴すら貸して、初級の雪やアイスに連れて行ったくらいだが、基本的なギアを揃えない人の将来は?

…というと、ほぼダメである。借りて当然という意識が芽生えてしまって、貸してくれないのは、心が狭い、とすら言い出す人もいる。一方、貸す側の負担もかなり大きい。ので、ここ数年の経験から、そうした負担を、あまり負わないことにしたほうが良いと結論した。

が、Iさんの話を聞くと、購入すべきものが分からないようだった。

ATCガイドを購入したら、師匠のS木さんが「それは自分で考えて購入したの?」と尋ねてきて、「はい」と答えたら、非常に評価された。たぶん、それまで会の新人さんが、店員さんに騙されて、この大定番を買わなかったためだろう。

しかし、その後、ATC-XPをゲレンデでの使用だから、と持って行ったら、「リードしない人には教えません!」とのこと。ATCの種類で色々なことが推測できるのだ、ということが分かった。山の世界で生きて行ける人は、探偵になれるかもしれない。

しかし、実際、スポーツクライミング向け、フリークライミング向け、アルパインクライミング向け、と用途が様々で、確保器一つ買うにしても、購入が難しいのは事実だ。

今回は、ヘルメットを買ってくれ、最低限、岩場での安全も確保されたこと、借りて当然となりそうにないこと、確保器は、私はいっぱい持っていて、特に貸し出しに負担がないこと、など考慮し、貸し出しOKということにした。

本当はこんなことに心配しないで登れたらいいのだが、最近の人は、図々しさでも猛々しい人がいて、そういう人に当たる率が、なぜか私は多く、あまり無防備な親切は、相手にも、自分にも良くないことらしいのだ。それが4年、アルパインをして学んだこと。

残念な世相だ。

■ 能力への懐疑心

さて、今回は、印象に残ったことがあった。それは、登れることへの懐疑心、ということだ。

大人からスタートすると、覚えが悪い、と一般に言われる。

たしかに、これまで教えてきた50代以降の人は、見たものをそのままコピーする能力が減っているようで、確保器をセットしたとしても、それが反対だったりして、あれ?ということが多かった。ほかには、何度も同じことを言わないといけない、ということもあった。呑み込みの早さ、ということに問題がある、ということだ。

ただこれは個人差が大きい。個人差のほうが、年齢差を凌駕していると思われる。50代、60代でスタートしても、あっという間に上達してしまう人もいる。

覚えが悪いのではないだろうか?と、周囲の人に先入観を持たれることは、自分自身にも、自分は覚えが悪いのではないだろうか?という先入観を抱かせるのではないだろうか?

これはクライミングでも感じたことだ。

能力への懐疑心が先にあるのではないだろうか?と思われた。

若い人は、登れない自分がいる、ということを想像だにしていない。取り付くときの自信がすごい。登れるはずだと思っている。そして、「なんで登れないんだ、ちくしょー」と怒っていたりする。その自分自身への能力への信頼が大きすぎ、少々、自信が過剰である、というところが、事故原因となっていることが多い。

一方、この方は、最初から、難しいのではないか?登れないのではないか?と思って登られていることが明らかで、そこには、懐疑心、というものが根強くあるのであった…。

それは、つまり、初心者当時の、私自身を見るようだった。

というのは、私も、”一体、こんな屹立した壁、登れるわけがないでしょう”、と思っていたからだった。

とくに、インドアジムへ通い始めてから、インドアジム壁と外岩の関連性は、見極めづらかった。インドアは何が難しいの?って感じ。外岩は難しすぎて登れない感じ。

その期間は長く、3年は、かかっているだろう。私は登攀は比較的早めに始め、クライミングジムは、ぽつりぽつりだが、あまりグレードを気にせず、ぶらりと通っていた時期があった。山登りしかしないころだ。年に10回程度か。

そういう期間は、クライミングに入れ込んでいないため、ムーブと言われても、?な状態で、基本的に、8級くらいまでしか登れていなかったし、楽しいとも思っておらず、ただ、”いつか”、が来るのを待っていただけだ。

”いつか”は、来た。 それは、正対と側体が使い分けられるようになった時だったが…。

それまで、本当に、”楽しくなかった”。

正直に言えば、全然、楽しくなかったのだ。登っていても、「これの何が楽しい訳?」と思っていたし、ほかの人も「一緒に登りましょう」と言ってくれる人もおらず、避けられているような気、すらした。セッションで、わいわい登っている人たちの輪には、人種が違って、入りづらかった。

あるとき、突然、側体が身について、驚いた。それで、何度も9級とか8級を、側体と正対の2ムーブで登り始めたら、なんというか、なるほど感があった。

また、ジムにきている女性たちは、ずーっと8級で7級まで行く人は少なかった… そんなこととは、つゆ知らず。

会の先輩で2級が登れる人が、5級課題のムーブを教えてくれると、「教えたらすぐ登れるようになった」と言う…たしかにそうで、ムーブの正解を見てしまうと、それをなぞるのは、普通にできた。ただ、自分でそのムーブに、たどり着けないらしかった。

つまり、欠けていたのはクライミング脳、らしかった。

■ 教わらずに分かる人vs教わって分かる人

あかりちゃんとI永さんは対照的だ。あかりちゃんは、最初から、クライミングが楽しそうで、教えなくても上手になる。むしろ、外岩なのに、デッドで取っていて、あぶないから、まだリードさせられないなと思う。

一方、Iさんは、登れないのではないか?という懐疑心のほうで、たぶん登れるところも登れなくしてしまっているかもしれない。

クライミングにムーブがあれば、楽に登れはするが、ムーブがなくても、易しいグレードのものは登れる。

一般的には、ムーブが必要になるのは、5.10bくらいからだ。5.10A以上がフリークライミングの領域で、5.9以下の課題は、一般に”ナインアンダー”と呼ばれる。通常は、ムーブなしでも、登れるはず、という段階だ。

ナインアンダーであっても、ムーブがあれば、よりパワーを浪費せずに、登れることは確実だ。実際、私は昨日、5.10bのクラックをやったのだが、肉体的には、どこも疲労していない。考えてみると、4年前の初心者当時は、一日の外岩で、惨敗兵みたいにぐったりしていた。

思うに、最初から、クライミングが楽しい!というタイプと、なかなかクライミングの楽しみ方が自分では発見できないタイプ、がいるのではないだろうか?

私は確実に後者だったと思う。でも、しつこく登っている間に、なんとなくクライミング力はついてきた。

自分を振り返ると、何が分からないのか、みんなが言っているムーブって、何なのか?
体が分かるだけに、3年くらいはかかったなぁと思う。なにしろ、初めて5.9がオンサイトできるまで、2年半もかかったのだ。

昨日、私が取り組んだ、センタークラック5.10bは、目視で見て、登れるのではないかと思い、先輩がカムセットしてくれたものを最初はピンクポイントで、リードで取りついたのだが、予想以上に苦戦して、だいぶ、へこたれたのだった…。時間も長くかかった。

結局、カムエイドも出したし、あれこれ、ズルをして何とか上に行ったんだが、難しかったのは、下部のフットスタンスのほうで、上部の、ハンドジャムやフィストジャム、ばち効きのところは、あれ?もしかして易しい?という感じで、悪い気はしなかったのだった。

それで、また行く気になったものの… 自分の恐怖心を抱くポイントは、トップロープでも、あまり変わらず、そして、リードで取りついたときと、トップロープでは、ムーブの出具合は、リードのほうが良いような気がしないでもない。

ムーブというのは、不思議なものだ。いつかどこかでやったようなことが、体のどこかに深部記憶として残っているのだろうか?

色々なムーブというが、その意味することは私自身もイマイチよくわからない。

ムーブが上手な人は、考えてやっているわけではないそうで、無心で登っているだけなのだそうだ。なので、上手な人に聞いても教えてもらえない。

私自身は、言葉で教えられたことをなぞることが上手なタイプで、それはバレエの教え方が言葉によるものと先生のお手本による例示によるものの、2段構えだからだろう。

バレエでは、グランバットマン2回、ジュッテ1回、裏返して同じこと、という言葉と動作が一致するように訓練するのだ。ジュッテを下さいとコリオグラファーが言ったとき、素早く出せるのがダンサー。

クライミングは、そういう訓練は必要とはしないのだが、どうしたら、登れるか?というコミュニケーションに登って見せる、という以外に言葉があると便利ではある。

次は、ヒールフックして体を上げたら、次はランジ、などなど。しかし、そうした技の習得に、一喜一憂しても、結局は、保持力やリーチという問題に落ち着くかもしれないのだが。

まぁ、私自身がまだ未修得の技があるということは言える。その上、保持力もまだトレーニング過渡期であることも言える。

ので、取れる糊代を取り切っていない、ということが、辞めるにやめられない理由ではあるのだが、自分自身への懐疑心… 登れないのではないだろうか?ということが、成長の抑制要因になっている、ということは理解できる。

自分自身を信じるということは、ある種、成功を恐れる気持ちがあるということだろうが、それは、クライミングをスタートした当初からある不安だ。というのは、登れてしまったら、途方もないグレードのところに連れていかれてしまうのではないか?という恐れがあるからだ。

昨今のクライマーは、登攀グレードと危険認知力がバランスして成長した人は稀で、登攀力のほうが勝っている人が多いし、その場合、危険認知力が劣るということは、成長する意欲と危険から身を守ろうとする意欲では、後者の方が少ないということだからだ。

連れていかれてしまう恐れは常に感じている。

しかし、その恐れがブレーキになっているか?というと、それは、成長しないこと、努力しないこと、怠惰のことの言い訳になっているかもしれないが、どうなのだろうか?

もし勤勉の美徳を身に着けて、毎日指トレしたら、登攀グレードが伸びるのだろうか?

なんだか違う気がする。

私自身のこれまでの成功体験は、いわゆる勤勉の美徳、ということが功を奏したということは、めったになく、努力というものは、努力している本人にとっては、努力と感じられないもの、ということのほうが多かったからだ。

英語力は気がついたら、ペラペラの域に達していた。実際は、努力もしたのだが、本人は努力というよりも、何時間も無駄に過ごした気がする… いわゆるガリ勉というのは、していない…。ただ、辞書を引いて、語源を理解するのが趣味だったころもあったし、シャドーイングは、10年以上続けた。とくに成果というか、ご褒美がない活動だった。英語を解することで、何かが得だった、ということはない生活環境にいたからだ。

同じことで、クライミングもクライミングが楽しいということになるまで、誘われるままに出かけて行ったということで、出かけた際もあまり欲がないので、皆にいいの?と驚かれるくらいな感じで来た。

同じような人を見ると、まるで、過去の自分を見るようだ。

それは、機会喪失、チャンスロスに見える。とはいえ、意欲を無理して掻き立てるというのも変な話である。

というわけで、結局のところ、クライミング道もまた、人それぞれで、モチベーションを上げるということも、その人本人にしか、できない。結果、のんびりとした旅路である。

とはいえ、私の成長スピードは、まぁ、平均らしい。

クライミングは、楽しいと思えるまでが長くかかる旅路、なのかもしれない。

また最初から楽しめる人と、最初は言葉で、手取り足取り教わる必要がある人の両方がいるのかもしれない。


2018/11/23

油山川 2度目

今日は2度目の油山川の岩場だった。

クラックをやりたいなと思って、行ったんだが、ふーむ。朝、一番で取りつく気になれなかった…。なんか、後輩のあかりちゃん、開口一言で、「ランナウトしていますよね」。

するどい!そうなんです!が、実はここは、ボルトは念のためで、カムでプロテクションを取ることになっているから、っていうことなんですね。ここのクラックは。初心者のカムは抜けることがあるので。

しかし、5.10bでハンドなのですが、やっぱり、もっとむずかしいだろうなぁと。

サブフェイスは、ほかのルートには取りついていなかったので、今日は、ほかのから取り掛かることに。

各自ロープをもって、裏から岩場の上部へ回る。とフィックスが張ってありました。ありがたや!ないとロープセットしていて落ちることがありますからね~ その場合はスタカットの確保技術が必要です。

私はアイスでクライミングを始めたので、トップロープを張るのは、歩いて裏から回ることが多く、その時の経験が生きました。

まずは、立木に支点構築し、私を折り返しビレイで確保してもらい、ローワーダウンで、終了点へ1本目のロープをかける。

そのあとクライムアップして、支点へ戻り、今度は同じ立木から、ギアを回収して、懸垂下降。あかりちゃんは2番目の下降者。トップの私が立木+スリング+環付きビナで終了点を作り、懸垂下降。その次にあかりちゃんが懸垂下降。懸垂では、途中停止は足に巻いて止まる方法と、下から引っ張って止まる方法。

で、2ライン取れたので、あとは万々登りました。次々登れて楽しかった~

バンバンと言っても、ただのトップロープで得るものがないと困るので、疑似リードしてもらいました。

最初に黄色ロープを張ったラインは、5.9と書いてあったのですが、出だしが核心…そもそも、1ピン目にヌンチャクを掛けるのが核心でした。ガバに手が届けば、掛けれるんだけど、私とアカリちゃんの身長では、そのガバ届かないから、1ピン目以前が核心。2ピン目は、テラスに立てれば取れるのですが、3ピン目が遠く、2ピン目で落ちるとテラスに激突で、トップロープなので、出るロープも多いので、落ちれない。

ここは難しかったので、カムエイドをしてみようと思って、出してきたのですが、0.75が効くところまでの一歩が遠く、スタンスが見当たらず、ヌンチャクにスリングの簡易アブミにして立ってみましたが、それも空中にぶら下がっているスリングに立ちこみなので、かなり大変でした… カムが取れたら、まぁなんとか上まで行けました。届けば、ガバだから、腕だけで登れて、5.9だけど、届かない人にはまったく5.9とは言えない系の課題だった(汗) しかも、カムエイドも無力でした。

あかりちゃんはあかりちゃんで、自分が気に入ったラインを言ってもらいましたが、易しいスタートから1ピン目遠い。まぁ、でも足で立てるから仕方ないかなぁ。初心者のリード向きじゃないと理解。凹角はなんとなかったけど、そこから抜け出るマントリングがカチ。マントリングワンムーブが難しく、マントルが課題でした。これも5.9には思えないなー。私も行ってみましたが。

なんとなく、兜岩とかの短い課題を思い出した。短いけど怖いみたいな課題です。

その後、もっと易しくないと楽しめないと思い、5.8に行くと快適みたいでした。

短い課題は、2-3本をまとめて登ってもらいました。時間短縮にもなるし。

最後は回収は私が行き、終了点は隣のを使って立木から残置ビナへ…これはこれで、トラバースのクライミング技術がいるかね?な感じでした。

二人ともお腹いっぱい登って、楽しく帰宅。あっという間に暗くなるので、暗くならないうちに…

というのは、この岩場沢沿いで、ブッシュが濃いので、薄暗くなると、帰れなくなりそうです。

16時終了で17時には解散みたいな感じでした☆

次回はもう一回あの5.10bのクラックをして、どう感じるかやってみたいです。

まとめ
凧揚げコーナー(8m、5.9、ボルト3本)TR
三角柱(8m、5.9、ボルト3本)
モンキーフェイス(8m、5.10a、ボルト3本)
左のコーナー(5m、5.8、ボルト2本)
ベビーフェイス(5m、5.9、ボルト2本)



2018/11/18

Aburayama Kawa Crag

 This crag is only 30 min away from home!

We've met the developper today and it was nice. He showed us some bolts... he said it is 120 yen for one boult.

Center crack 5.10b PP  a lot of tension

5.9 face --> X too scary and too much finger power needed. I got a pump even in TR

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