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2019/08/24

日本の5.10代は10台を限界グレードとするクライマーが落ちながらリードするのは危険であること

■ どこでも落ちていいのがフリー

本来、フリークライミングは1ピン目から落ちていい、というのがフリークライミングです。

5.13登る甲府の友人は、9割落ちているよと言っていました。

ところが、このスタイルのクライミングは、10台を登るクライマーには日本では許されていません。

■ アルパインの法則で打たれたフリーのボルト

日本の5.10代の課題は、もともとアルパインのクライマーに開拓されているケースが多く、ボルト配置の良しあしの幅が多きすぎます。

2から3ピン目までの距離が1ピン目までより遠いとかです。3ピン目で落ちたら、きちんとビレイしていてもグランドフォールするという課題もあります。その場合、ビレイヤーは後ろに走る必要があります。

ビレイを習うとき、後ろに走るとか、習いますか?習いませんね?

■ 一つのグランドフォールから学ぶことは多い

九州で初のクライミング日に、グランドフォールをみました。
https://allnevery.blogspot.com/2018/04/blog-post_23.html

四阿屋のインディアンフェイスと言う5.10bです。ビレイヤーはきちんとしていたのに、グランドフォール。腰椎骨折で全治6か月、復帰まで1年です。

おそらく、九州のクライマーはアイスもしないし、クラックもしないから、ピン間隔=ガバで登れるならイラナイ、です。

これはアルパインのリッジクライミングでのプロテクションの法則だからです。私もリッジだったら取らないです。おちないですので。

一方フリーでは、どこでも落ちていい、という配置でボルトを打たないといけないのですが、この切り替えがオールドクライマーの方にはできない。そこまで望むのはオールドクライマーに対して望みすぎです。

また、登れない初歩の段階から、自分でプロテクションを打ちながら登らないと、正確なプロテクションの幅間隔は、身に着けるのが困難です。

アイスやクラックをやると、最初から、プロテクションは自前です。これがない九州では、かなり適正プロテクションを覚えるという意味では、不利な成長環境です。

九州に限らないと思いますが、地方では、グレードもいい加減です。

12登る先輩が見晴らし岩で、5.10bで落ちていました。偶然ではないと思います。インディアンフェイスは登れていたので。

それが日本のローカルの岩場の現状のようです。別に九州だけのことではなく、東京のお隣、佐久も多分、似たり寄ったりです。八千穂レイクの岩場で、理解しました。あれはひどい。あまりにひどいので登らないで帰ってきたほどです。





国際的に、”スポーツクライミングとして”通用するボルト配置(そのグレードを登る人にとってプロテクションになるような配置)になっていないことについては、小川山も同様です。海外のクライマーの間では、小川山は怖い岩場で有名な話のようでした。

シンガポールの人に、そのことを教わりました(笑)。

シンガポールで噂の怖い岩場ってことになっているのかもしれない?ですが、それが、かっこいいこと、クールなことと受け取るのが日本のクライミング文化です。

で、危険な岩場と受け取るのが大衆化したクライマーの国際社会と言う感じです。

日本以外の海外ではクライミングは、浸透していて、女性や子供も楽しむレジャーです。ほぼ確実に安全なトップロープだけではなく、普通にリードもしています。

しかし、それは、命がけ度、神風特攻隊度を競うクライミング…俺がやらねば誰がやる…という日本のアルパインの伝統、アメリカヨセミテのフリーソロを至上価値とする文化、ではなくて、単純な喜び、”やったー!できたー!”を味わうクライミング=スポーツクライミング、です。

つまり、もっと気軽であるということ、墜落が前提である、ということです。

日本で登る場合、大事なことは墜落を前提として打たれているボルト配置と、そうでないボルト配置の2タイプがあるということを、しっかり自覚的に覚えていき、そうでないボルト配置の課題に取り付かない、ということです。

九州では、私がこれまでのところ知っている危険なルートは、四阿屋の”インディアンフェイス”とか、日向神、道端エリアの”太郎”です。

こうして、落ちれるボルト配置のフリーと、落ちれない配置のフリーが混在していること、が明示的にトポには記載されていないことが、多くのクライマーが現場の案内人なしでは、日本では登攀できない理由になっています。

2018/12/15

当てにならないボルト強度

ロクスノ079号から。


2018/12/09

ボルトの目利き ロクスノ079号

ロクスノ079号に、中根穂高さんのクライミング道場で、ボルトの解説記事がありました。

1)アルパイン系のルート

・リングボルト
・RCC型ボルト
・は、岩にリスがなくて、ハーケンが使えないときに用いられた。

ジャンピングで、
 ・直径8㎜
 ・深さ16㎜
ほどの穴をあける。上手な人で15分、通常30分の重労働。

 ・穴が少しでも深いと拡張できない
 ・見ただけでは分からない
 ・どちらも引き抜き方向へは、強度が強くない
 ・スポーツルートのプロテクションや、マルチのビレイ支点とはしては使えない
 ・せん断方向には強度がある
 ・ので、2個以上なら終了点、トップロープ支点、懸垂支点としては使える。
 ・軸を軽くたたいてみる
 ・リングをひねってみる

2)自孔式ボルト

 ・12㎜ × 30mm
 ・引き抜き強度は高くない
 ・せん断方向にも強くない
 ・M8 13mmレンチで回すネジ頭
 ・プロテクションとしては信頼できない
 ・ビレイポイント、懸垂支点としてはなんとか
 ・前傾壁やハングに打たれたものは使ってはいけない

3)電動ドリル時代のボルト

 ・カットアンカー
 ・グリップアンカー
 ・電動ドリルになっただけで、2)と同じ
 ・ステンレス製のものは幾分まし
 ・M8ボルト 13mmのレンチで回す
 ・スポーツルートのプロテクションとしては不合格
 ・早急に打ち替えが必要

4)コーン中打ち式ボルト

 ・ヒルテイ社
 ・M8ではなく、M10で17mmで回すネジ
 ・スラブや垂直以下のフェイスなら、なんとかプロテクションとしても使える
 ・施工が面倒で普及しなかった

5)オールアンカー
  ・悪名高い
  ・安くて、ホームセンターで手に入る
  ・施工が簡単
  ・強度がないので、全くダメ 地雷クラスの危険ボルト
  ・見分けるのは心棒があるかどうか?
  ・レンチは19㎜ M12ボルトはナットがカラビナに当たる

6)グージョンタイプ 
  ・安心できる
  ・ナットからネジが出ている
  
7)ケミカル
  ・グージョンでも効かない場合

■まとめ

13mm(M8)→ プロテクションとしてはダメ、ビレイ・懸垂=なんとか
17mm(M10)→ スラブや90度以下のフェイスならなんとか
19mm(M12)→ 地雷クラスの危険ボルト

■ 役立つサイト
Mr.ビーンズの豆まめ日記
http://climber319.blog89.fc2.com/blog-entry-2666.html
http://climber319.blog89.fc2.com/blog-entry-2877.html

オールアンカー
https://climbworks.exblog.jp/11066813/

Mr.ビーンズの気になった一言… タイより遅れている日本。知らないのは日本人だけ?!

赤字は特にお願いしたい点です。

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最後にタイ国チェンマイの岩場を開拓しているクライマーのボルトを打つ場合に標準としている決まり事を紹介します。

※marine-grade stainless steelかtitanium glue in boltsを使用すること(JFAでは検討中)。

※HILTIのRE-500を使用すること(JFAも実行)。

※使用期限の過ぎたグルーの使用はしないこと。又グルーは冷蔵庫で保管されたものであること(JFAも実行)。

そのグレードを限界とするクライマーの為にボルトを打つこと。
※スリングは使わないこと。
※終了点には下降用のリングを取り付けること(JFAは基本ラッペルステーションを使用)。
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2018/11/15

アメリカンデストライアングル

https://blogs.yahoo.co.jp/hgtcw843/38902956.html より

山下さんのサイトに詳しく書いてあるので、そちらをご覧いただけば一目瞭然。

BMCボルトガイドと日向神でよくみられる一般的な支点の評価

bad anchor
This is an anchor I see so often in Kyusyu and I was not sure what to make of…

As an conclusion... I want to put these words from someone from UIAA...

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Placing bolts like these is bad practice, for many reasons.

You can already see scratch damage to the snapgate karabiners, both of which have to face the same orientation, so can be unclipped simultaneously. 

Stress fractures will develop eventually in the curved metal bar, which may or may not be QA tested. 

Just because there are some crappy bolts around in Slovenia doesnt make bad bolts in Japan any better. In fact the Slovenian federation is currently engaged in a very expensive and labour intensive effort to replace bad bolts. 

In the end it is cheaper to place good bolts in the first place, now that we have more reliable specifications and research into bolt protection and placement. 
See the BMC papers on bolts or the UIAA recommendations.

You probably won’t die. You would be very unlucky if both hangers sheared at the same time.

However it could happen, specially on a hanging belay with a fall factor 2. Also the karabiners will corrode over time. 

All in all it will require quite a lot of judgement over whether to trust this arrangement. 

I have lowered off of much worse, but wouldn’t recommend it!
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さて、邦訳です。
・このようなアンカーは悪い習慣です
・すでにダメージが見受けられる
・カラビナが2枚とも同じ方向を向いているため、同時に外れる可能性がある
・金属バーにストレスがかかり、時間の経過とともにヒビが入るだろう
・この金属バーは強度テストを受けていないのでは
・最初から、きちんとしたアンカーを設置するほうが結局は最安

・死ぬ確率は低いだろう
・両方のハンガーが同時に外れるとすれば、かなり運が悪いと言えるだろう
・しかし、起こりえない訳ではない。ハンギングビレイで墜落係数2のときだ。
・またカラビナは時間とともに腐食が進むだろう

・結局のところ、このような設定のアンカーを信用するかしないか?については、多くの判断が必要になる。
・私自身はこれよりももっとひどいアンカーでローワーダウンした経験があるが、それはこのようなアンカーを勧める理由とはならない。
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BMC資料は、ココに置いてある