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2024/03/22

【クライミングのエシック】道しか歩かないから道しか歩けなくなる

 


Every struggle in your life has shaped you into the person you are today. 

Be thankful for the hard times, they can only make you stronger.

■ 困難が、人を形成する

… まさしくその通りですね。

私はパソコン強いですが、そりゃそうだよなぁ…。

なにせ、14歳のころ、これからはパソコンの時代だ!と思って、一人で本買ってきて独学したくらいなので… ただこの業界って、私の努力の割に、ぜんぜん投資分回収できないので、あんまりこのスキルを使いたいと思っていないですが…(笑)。英語もですね…。

例えば、韓国に自分のクライミングに行ったときに見かけた、UIAAの教科書に、日本語版の翻訳書の出版リクエストを書く、というのは、私にしかできないウルトラCの技だと思います。

すでに誰かに作ってもらったニーズ(この場合、翻訳する仕事)に答えるのは、

 誰でもできる仕事

です。

私の中では、仕事を作り出す仕事のほうが困難度上で、私の才能が最も生かされるものです。

この本が日本のアルパインクライミング界に貢献する量としたら、かなりのレバレッジなので…。

一方、翻訳のほうは、別に正確であれば、だれでもできる仕事です。昨今、機械翻訳で十分なくらいです。

というので、同じことで、誰かが作ったルートを登るのはなんかなぁ…ただのドリルですよね?ショートでのフリーって。結局、山にある残置のないルートが本番なんですよ。

残置がないルートがない、どころか、一般登山道ですら案内板だらけの九州…。

読図によって自分で道を見出す登山が理解されていないのに、自分でラインを見出すクライミングが理解されるはずがないよなぁ…。

読図がないのは、雪がないから…。雪はすべての道を覆いつくして、道が分からなくなるので道を見出す必要が出てきますが、道があれば歩こう、というのが九州における山の前提なのです。

道しか歩かないから、道しか歩けなくなっちゃった…ってことなんですよね。

というので、結局、ルートファインディングが苦手なのは、親が敷いたレールの上だけを歩こうという大方の日本人の発想なんです。

そんな人たちに、「英語さえ話せたら、私にもできた」って言われてもなぁ…

きっとあなたにはできないと思いますよ?




2024/03/14

【チッピング】私怨の隠れた意味… 

■ ナルシストクライマー

男性がクライマーになる最初の動機は、99.9%の人が、

 かっこいいから

なんであるが…。

大体、早期にそんなに簡単にカッコつけれない、ということが分かって、やーめた、となるんだが、ならない人もいる。

俺だって、〇〇年やったら、5.13が登れるかもしれない、と思うのだ、誰だって。なんせ5.12は瞬間風速で、誰でも登れるので…

そして、涙ぐましい努力が始まるが、努力の途中で、大体の人にとってはグレードはどうでもよくなり、努力自体が楽しくなるし、その途中で人間的に成長して、謙虚さを身に着けていく。

ところで、グレードの世界に入ると、クライミング界では、不思議なことが起きている。

5.9しか登れない人が威張っていたり…、5.10cでひいひい言っている人が先鋭クライマー扱いされていたり… 

あれ?何が起きているんだろう?となるんだが、そうしたきっかけでクライミングの歴史を学ぶことになるだろう、普通は。

しかし、自己愛性パーソナリティー障害のある人は、

・エベレスト登山なら誰でも登れるってことをまだほとんどの人が気が付いていないから今なら有名になれる

とか

・エイドでも初登なら、褒められるんだ

とか

・5.9でも開拓者なら名前がトポに載るんだ

とか、

・10cに2時間半かかったことは書かなければ分からないよなぁ

とか、

・スピードクライミングなら、競技人口がいないから、すぐトップになれる

とか…

楽して自分が注目される手段に、クライミングの価値観の中で、
 
 うまい抜け道

を見つけてしまう。まるで、目ざとい脱税犯みたいな感じだ。

そんなこんなで、名前を知られたい!という気持ちが、ものすごく強いのが、

自己愛性パーソナリティ障害=ナルシスト=社会問題化しているクライマー。

チッピングという犯罪行為ですら、名前を売る手段としては魅力であることが、ご神体に登ったクライマーがトップクライマーだったという…那智の滝の事件を見れば分かるだろう。

もちろん、クライマーの中にもちゃんとした人はいるが、そういう人は、ほとんど表立っていろいろしないのです。

なんせ普通の人は、自己PRのために生きているわけじゃないので。

■ 私怨はリソース=内なる強さを教えるためにある

クライミング界では、男性が男性を嫉妬する。

ルサンチマンという専門用語まで作られている。

私怨でチッピング(クライミングにおいて最大の悪徳とされている)とか、

いろいろされているが…、そういうことをしている人たちは、かなりしつこい

もし彼らが、私のセッションのクライエントだとしたら?

あのしつこさ、パーシスタンシーが、本来は、その人の

 リソース

である。

才能の源泉、ともいえるか。そのしつこさを努力と言う方向に向けたら、本当に偉人になっていたかもしれないのだ。

それを良い方向に使うことをミルトン・エリクソンは、勧めています。

仮にそのチッピングに向ける、しつこさや情熱を、もっと肯定的で、社会から受け入れられているものに向けたら?

さぞかし、素晴らしいことになっているだろうと思いませんか?

彼らは内なるデーモンにとらわれて、その本来の力を悪に向けてしまい、自分でも自分が止められなくなっている…ってことなんですよ。

ある意味、お気の毒。

しかし、現代社会ではお釈迦様はおられないので、精神科医に行くのが良いです。それこそが、自分を本当に大事にする、ということですよ。



2024/03/08

【クライミングエシック】こういう投稿は、ホワイトクライマーの可能性があります

■ 実例

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クライミング仲間の皆さん、こんにちは

オーストリア出身のロッククライマーです。明日から東京に2週間滞在できます。

一人で行く予定ですが、できるだけ多くの時間をロッククライミングに費やしたいと思っています。

私の主な興味はトラッド、アルパイン、スポーツクライミングです。ロープ、クイックドロー、カムのダブルセットを持っています。

素敵なクライミング仲間に出会えることをとても楽しみにしていますし、日本の素晴らしい花崗岩や石灰岩のライン(特に美的なラインに惹かれます)に登ることができたら、とても光栄です。

レンタカーは持っているし、どんなクライミング・ロケーションにも柔軟に対応できる(瑞牆でクライミングするチャンスがあれば、間違いなくとても素敵だ)。

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という投稿を見かけた。

まぁ、ロープも、カムをダブルセットで持っているってのも、かなり好感できる。

前に来たコスタリカ人は、ロープ自体をそもそも持っていなかったのである…。どうやって登る気なんだろう?

色々なトンデモ事例がたまったよなぁ…、この過去5年。

一番トンデモだったのは、

 25m+35m=60m であることも計算できず、50mシングルで登り切ろうとした人が、それ以前に、

 初心者は俺はごめんだよ…

とか言っていたことである。お前が言うことかい!みたいな感じで、ほんとに分かっていない人、自己が客観視できない人は、客観視がないゆえにどんなことでもいうので、それを相手が普通の人だと思って真に受けると、は?ってことになる。

■ そいつを選んだお前が悪い?という逆ギレへのコメント

心理学では、相手に対する期待が高すぎる、というコミュニケーション上の問題が指摘されているが、

 25+35=60が計算できる、という前提を持つのは、日本で教育を受けた人なら、100%計算できて当然だという期待を持つのは、合理的期待、

だと思う。

これくらい分かってくれよ…という理不尽に高い期待値を私が持っていた、とは言えない。

ロープを持ってくるのがクライマーの常識である、ということも、理不尽に高い期待を私が持っているとは、言えない。

沢にボルトが打ってあるルートをスポーツクライミングみたいな沢のルートと称した人がいたが…それって、ロシアンルーレットみたいなルートであって、その沢のボルトを信頼する人って、かなりな平和ボケって意味である。

そんなの、水の中に金属があれば腐食するんで、誰が考えても分かるだろう…

しかし、平和ボケの恐ろしいところは、これが平和ボケだと全く分からなくなり、まるで赤信号を青だと思って堂々と渡ってしまう親に、子供が疑いもせず、ついていくように、人々を指導する側本人が、間違った方向に導いていってしまっていることで、指導している当人もそのことに全く無自覚であることなのである…。

25+35が分からなくなる心理と同じなのではないだろうか?

つまり、そもそも、どうクライミングを組み立てていくべきか?の101から分かっていない…本来のクライミングとは、全く似て非なる活動を皆でやってしまっているってことなのである。

じゃんじゃか流れてたけど、リード。これ楽しかったんですよね~。



2024/03/02

【クライミングによる地域おこし】クライミング界の諸問題について

■ 岩場過密問題=駐車場問題

ロクスノに岩場を公開したら、多くの人が来れます。

しかし、多くの人を迎え入れるのなら、それなりの用意をしてから、というのが順序だと思います。

それがないために起きているのが、アクセス問題。

準備が整う前に公開したい、というのは、エゴの声ですかね?

私は多くの人がクライミングに親しむのは賛成なのですが、親しむ前に

 ・必要な安全に関する知識を授け、

 ・駐車マナーやトイレットマナーの徹底、

 ・自然環境への保護意識、

 ・自分さえよければよいという現在のクライミングカルチャーを改めること

は必要だと思います。

■ 岩場が足りない!問題

問題は岩場が少なく、クライマーが多すぎるってことです。

その問題をどうするか?については、クライマーたち自身が自ら検討しないといけません。

一つの課題に10人も行列を作るような混雑は、混雑ってだけで危険ですし、そんな課題でじくり岩と駆け引きすることはできないですし、ビレイもできようはずがありません。

駐車問題も、混雑問題の結果としての駐車問題ですよね?

ラオスでは、ゲストハウス収容人数=適正人数、になっているのです。ですから、異様に混雑するということはないです。

クライマーはトゥクトゥクで来るので駐車は問題にならず、10ドルの相乗り代に文句をいう奴はいません。

■ 秘密にしておけば済む?

混雑を避けるために、現在行われている慣行は、若者に不利です。

すでにクライミングに対して十分知識がある往年クライマーだけが、許可されていない、公開されていない、秘密の岩場を、俺らは知っているからという理由で、こっそり登って楽しむ…これは、若い世代に対して公平ではないと思います。

大体、お魚釣りと同じです。みんなが競争して秘密の川に行くので、お魚資源が枯渇してしまいました…魚釣りのおじさんのエゴとお魚の量で、魚釣りのおじさんのエゴが勝ってしまった。

クライミング界はこれを他山の石として、公平に皆が遊べ、なおかつ事故を防ぐような仕組みを考案することが必要です。

■ トポに記述すべき内容=ムーブを書いたら、正解がバレるだけでオンサイトの邪魔になりますよね?

公開トポに、

 岩場の利用の作法

 駐車の仕方

 ただしいビレー方法

 懸垂下降の方法

 ロワーダウン・終了点の利用の仕方、

 終了点作成

 トップロープ張りっぱなしはダメなどの基礎的マナー

などが載っているというのは大変重要だと思います。海外のトポはそうなっています。

クライマーなら言わなくても分かってるだろ、という前提がもう有効でない時代です。

いつまでも昔と同じを求めていないで、現実的になりましょう。

■ ロクスノはオピニオンリーダーとしての自覚を持て

ロクスノが、トポ掲載時にこれら情報の掲載を義務付けるべきだと思います。

実質ロクスノだけが、クライマーの共通のメディアだからです。メディアとしてのリーダーシップが弱いため、九州などは、誰もロクスノにトポを出さず、普通に、ネットに上げています。

クライミングマナーの向上や岩場問題についての討論掲載は、ロクスノが編集室として、方針にすれば済むことです。

岩場の収容人数や、収容駐車台数、停めれなかったときどうするか?トイレをどうするか?などの、記述がないトポは扱わないと言えばいいだけです。

トポの公開は、基本、シェア精神ではなく、たぶん、開拓者側の名誉欲の発露だと思います。

かといって岩場を秘密にして、ローカルクライマーのもの、とするのは、私はおかしいと思います。

岩場は、地域のもので、地域資源として、地域の経済活動に寄与すべきです。

実際、岩場とクライマー観光客がWinWinの関係を構築している岩場は、海外ではそうなっており、それらの岩場を見習った設計が日本でもできるはずです。

ユージさんは、ウェールズの石灰岩の岩場に行っていました。私もウエールズには目をつけており、トポを取り寄せたところでした。

これまでの花崗岩クライミングと石灰岩クライミングで、クライミングエシックが違うのは当然です。傾斜が全く違うので、リスク管理の内容が違うはずです。

■ 事故の原因を取り違える

トップロープソロで事故が起こったそうです。

たぶん、クライマー界は、クライマー自身に原因が行かないように、論理を捻じ曲げる天才になっていると思います。

トップロープソロでの墜落で死んだ場合、ノーヘル・上裸が悪いのではなく、シングルストランドで一つの器具だけに全生命を預けるシステムが間違っています。

アルパインの基本は冗長です。トップロープソロも私は、ダブルストランドで自分を確保して行います。バックアップが常にあるということです。

むしろ問題は、それができるリスク管理の実力がないのに、ノーヘル・上裸を決行するのがカッコイイという価値観で、それに負けていることが変なんです。

■ 13はもはやチヤホヤを意味しない…チヤホヤされたいあなたへ

13が登れてチヤホヤされたのは、もはや20年前の価値です。

たしかに13が登れたら、立派なフリークライマーと称してよいと思いますが、現代のトップクライミングは14以上なので、もう13は、上級者ではあっても、特別扱いを他者に期待できるグレードではないかもです。

そもそも、特別扱いは、誰にとっても不都合です。特別扱いされる人には、ノブレスオブリッジ=責任が生まれます。

私は、TOEIC925点を21歳の時に取っていますが、それを自慢しようとは、はっきり言って思わないです。通訳でTOEIC自慢しているしている人はいませんので(笑)。

ところが自慢しないといけなくなったのは、TOEIC500点も、まともに取れない人が、同類だと主張して、私の足を引っ張るためです。悪しからず。

同じことで、自分自身のクライミングを一人で完結できない未熟なクライマーのために命を取られそうになったため、私は山岳総合センターで教育を受けています、とか、村上先生の弟子ですとか、いろいろ言わないといけなくなりましたが、もう超めんどくさかったです。

九州の方は、リスクがない山しか九州管内には存在しないので、リスク管理はぞんざいです。それは私のせいではなく、私が九州クライミングの、リスク管理の甘さを指摘したことを逆恨みされても困ります。

視野が狭いのは自分の置かれた環境に無自覚なせいで、指摘している私の問題ではありません。

■ クライマーは死亡事故から学ばない

日本のクライマー界は、死亡事故から学びません。

そもそも、クライマーズウィロストもなく、AACが出しているような事故事例集も文登研から出されていません。つまり、トップクラスがサボって何十年、って状態です。日本の政治と同じです。

だれですか?こんな状態にしてふんぞり返っているのは? どこが偉いんですか?

しかし、文化的に、日本では死んだら全員、聖人です。死者への弔いマナーとして、死者の間違いやミスを指摘するのは難しく、実現可能性としては下だと思います。

一方、生きている人は失敗を語ってくれるのではないかと思います。私は生きている人で、致命的事故になった人は、彼らの経験を語ってくれる可能性があると思います。

大体、死を美化する特攻隊の伝統から、九州は抜け切れていません。基本的に合理精神が低いほど、イメージから、抜けきれないのではないかと思います。

■ 檜谷清…トップクライマーの倫理観、継承の歴史

ユージさんの師匠さんは、檜谷さんのようです。しかし、檜谷さんは何も書いたものを残しておられないような感じで、ユージさんが代弁し、継承するしかないと思います。

中嶋兄弟は、中島岳志さんの子供さんたちです。なので、お父さんから英才教育を受けたクライマーだと思います。

現代でまともなクライマーは全員2世クライマーです。

私は非常に弱いつながりで、つながっていて、山岳総合センターの初代所長だったそうです。村上先生のことも知っているようでした。

ただ山岳総合センターもクライミング教育で成功しているわけではなく、講師が生徒を連れて行った涸沢岳西尾根では死亡事故を起こしています。

クラスメートが早々に死ぬという場を私は目撃しています。こうした目撃事件の経験は良い経験のように思います。

クライミングは死と隣り合わせ。それが魅力でもあるので、身近なクライマーの死を経験しないで、自分のクライミングが進んでいくことで、無謀で自信過剰のナルシストクライマーが形成されます。

死を語らないことで、死が、想像上のものになってしまうからでしょう…死を美化する風潮は、男性のナルシズムから来ています。

歴史的に、男性のナルシズムは、都合よく、軍隊主義者に利用されてきたことを知るべきでしょう。

つまり、ナルシストで死を美化する人…は、単におめでたい人ということです。

為政者に利用されているってことにすら気が付かずに死んでいった若い人たち…その無念にこそ思いをはせるべきで、かっこがいい、というのとは正反対の犬死だと思います。

一体どんな歴史教育を受ければ、そうなるんですかね??

■ 成功事例

現在、クライマーの教育に成功しているのは、個人的に自分がトップレベルの1世クライマーで、自分の子供に個人的にエリートクライミング教育を施した人だけだと思います。

私はクライミングを始めたとき子供ではありませんが、父娘のように清高さんや青ちゃんと登り、ラッキーだったと思っています。

青ちゃんが組む前に何をしたか?レスキューの復習・ロープ合わせですよ。


2022/04/03

上級クライマーの教え方 × 高みへのステップ

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宇宙全体の中で、あなたがやるようなやり方というのは、他の誰も真似することは出来ません。

あなたが表現しているようなやり方は、今まで誰もやったことがありません。

今もいません。これからもいません。

ですからあなたは、いわば多面体の水晶の一面みたいなものです。

自分で意識していなくても、あなたの生き方から周りの人はすでに学んでいます。

宇宙というのは、全然意味のないことはしないのです。

偶然もありません。

あなたが生きているということ自体もそこに理由があります。

そして、あなたが人と交流する時、相手から学ぶのと同時にその相手にも学ばせているのです。

バシャール

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■ 9時間前の佐藤さんの投稿

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佐藤 裕介

9時間前  · 

こちらも随分と告知が遅くなってしまったROCK & SNOW 095。ここで昨年行った瑞牆開拓、ルート紹介と現人神(5.12b)のオンサイトなどについて書きました。

なんだかクサイ紹介文ですがロクスノの物をコピペしました↓

瑞牆 復活と再生 十一面岩マルチピッチ開拓の日々

初級から最上級まで、無数のマルチピッチルートがそろう瑞牆山。2021年、そこに新たに5本のルートが加わり、さらに2本がフルレストアされた。開拓再整備を主導したのは佐藤裕介。3年前、パタゴニアでの事故で瀕死の重傷を負い、どん底を味わった彼の再生の地となったのが、ここ瑞牆山であった。

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https://www.yamakei.co.jp/products/2821906340.html

■ 弟たち…

元彼のデイビッドがアメリカから持ってきたマッキントッシュSE30をついに処分しました。リネットジャパンから、処分報告が送られてきた…。まるで、”私のサンフランシスコ”が、終わったような、そんな寂しさが…。

日本から出たい出たいと思って大きくなり、15歳で留学先を見つけてきたのに却下され、やっとめぐってきた機会を掴んだのが、カリフォルニアでの就労でした…あの時代が一番楽しかった…最も幸せな日々でした。二日働く以外は、ずっと、教会でホームレスに炊き出しのボランティアをしたり、エイズ基金のための古着屋でボランティアしたり、アンティークショップを訪ね歩いたりし、町の中のカフェで英語を勉強していると、どれどれとおじさんが助けてくれたり、自分のクラスに混ぜてあげるという大学生とか、隣のおねえさんが友達になってくれたりとか…、そうして英語を学びました…。自分で考えて、そうするのが生の英語を学ぶことになると思って、わざとやっていました。

サンフランシスコでは、6回引っ越したんだよなー。懐かしい土地、サンフランシスコ…まさしく、青春の町。ゲイの家はひどかったなー。レズビアンの母子家庭に部屋を得たときは、恋人のデイビッドと二人で行ったので、嫌じゃない?と聞くと、ヘテロの人たちの在り方を娘に見せたいのだ、という話でした…。気に入っているカフェは、ガンショップの隣で、レズビアンがやっているカフェだった。デイビッドが私を心配して、小銃を持たせてくれたこともありました。私がさらわれそうになったからです…。私は体、小さいのでさらうの簡単です。

コロナ時代になり、日本にいても、LGBTの人たちをどう社会に含めるか?というような話がどんどん流れてきます。

だとしても、日本がアメリカに追いつくのは30年では足りないよう… なので、やはり、自分だけの幸福、を考えていたら、あの時点でアメリカに残っていたら良かったな…とか、思わないでもないです。ま、思ったところで、仕方がないんですけどね…

大学が2年残っていて育英奨学金を返済しないといけないという現実があったとしても、私が思想的に全く合わないと分かっている日本という国を選ぶことは、逃避という選択肢だったのか?

でも、どんなにあほな奴でも、弟のほうが可愛いですよねぇ?そんな気持ちです。どんなにしょーもない奴だと思っても、家族だし、みたいな(笑)。

それが私が持っている日本の男性、日本の因習に縛られた社会、日本の登れる方が上とか思ってるアホクライマーに対する気持ちです…

九州の人からは、「え”ー、君がクライミングパートナーにして、怖がってきた人って山梨時代の先輩じゃん、俺らかんけーねー」という声が聞こえてきそうですが…

そして、それは全くその通りなのですが… 

彼は、山梨では、元から持っているイケイケな資質…男の子は、過信しがち…と子育て本でも言われてる過信という資質…を上記の佐藤さんのような人たちの在り方を見ていることで、予防されていたのでした…。”やらかしそうだから、気を付けてやってくださいね”というのが、彼と組む場合に言われることでした。

そう…やらかしそうな人は、みんなで見張っているのが、山梨のクライミングでした…おもいやり、というわけです。命を守るために、見張っている。

実際彼にも、ショートでカムでロープスタックさせたりしていると指摘してやっていましたが、返事は、「えー、なんだよ」ということで、事の大きさが分からない様子でした…だから、インスボンまで連れて行って、私の師匠と無理やり組ませたのです…。彼は何年もヨセミテにトライしており、その様子を語らないところを見ると、全然、登れていないのでは?と思えたからです。何しろ、普通の5ピッチ程度のマルチでも、卒なくは登れていないのに、”登れた”と合格点を出してしまう…過信してしまうような子なのです… でも、どう考えても、そのまま指摘して聞き入れるか?というと?聞き入れないので、

在り方で示す

しかありません。それでインスボンは私が怪我をして、歩くのも、やっとな状態でしたが無理をして連れて行きました… たぶん、それでも師匠のロープさばきから、彼が得るべきものを得たか、は疑問ですが…。

こうした思いやりの連鎖…がない…のが、九州でした…。

なんというか、みんな、自分が登れる奴であることを証明するので一生懸命?

誰も相手の命を守る義務があると思っていない…。それどころか、こんなのすら登れねーのか…とか、落ちろよ!とか…

…なのに、結び替え一つとっても出来る人いないし、ビレイは超懐古調で危険だし、ボルトは40年前だし… 簡単なところではセルフは要らない、とか言っているし…。

ひえ~!そんな”あり方”で登っていたら、事故が起きるのは必然です… まるで事故を起こすためにやっているかのようです…(汗)。

それでも、怖くない、というのが、かっこいいと考えられているようで、その文化的土台が、もともと九州生まれの彼の資質とマッチしてしまったので、せっかく山梨で作ったブレーキが外れてしまった…

さらに言えば、彼の元々持っているクライミングカーストが有効化されてしまい、俺の者は俺の物、君の者は俺の物…で、私の新品のロープで、自分のオンサイト課題を登るし。

俺が登りたいところは俺は登る、君が登りたいところは君が登る、ということで、私の課題のビレイは誰もしてくれなかったのでしたし、君が見つけたクライマーは俺の者、で、パートナーも同じことでした… 

というか、私は、ただのもっといいクライミングパートナーが見つかるまでのつなぎ、として使われていただけだったのです。私はビレイが確実なので、山梨時代から、困った時しか来ない人でした…。

そういう風に利用されたな…という悲しい思いがありますが、私は早くに弟を亡くしており、年下の男は全部、弟にしか見えない… ション便垂れの…泣き虫の…

アメリカから帰ってきたときと同じ気持ちで、それでも、やはり、日本の人のために、何ができるか?と考えてしまうのです。たとえ、利用された、にしても。

■ 高みへのステップ

登山研究所の 高みへのステップ が37年ぶりに改訂されたそうですが、福岡の岳連のサイトを見ても、その旨リンクが張られている様子はありません。そもそも、やる気の減退から、存在しない感じな福岡県の山岳組織。

https://www.smsca.or.jp/2717/

リンクはこちらです。

UIAAの『登山総合技術』はこちらです。

https://www.yamareco.com/modules/diary/1884-detail-221761

九州では、年配の人は、もう、教えられる年齢を通り越して、引退や隠居というレベルです。

高みへのステップは、37年ぶりということですから、そうしたベテランたちがサボってきたというよりは、国そのものも、サボってきた…若者を見捨ててきた…ということで、

集団サボタージュ、

ってことです。日本では、赤信号はみんなで渡れば怖くない、ということになっていることの証明です。

なので、みんなに合わせることは、時に間違いを平然と犯すということになります。

それは、クライミングにおいては、死を、時に意味します。

みんなが出来ていないから、自分もできなくてもいい、というのは、特にクライミングでは、全く、当てはまりませんから、各個人で、自分で勉強しましょう。

私自身は、そうやって、やってきました。


2020/03/29

Rock&Snow 024号 Mars & 『グレーディングを考える』

■ OBG 『Mars 5.13 d』

これは、城ケ崎のMars5.13dについての故・杉野保さんの記事が載っている号です。Old But Goldという、クラシックだが、味わいのあるルートという、大変すばらしい文章の連載です。個人的に杉野さんのOBGだけの単行本化を期待しています。

Marsは適正グレードであれば、5.14aであり、もし当時、そう発表されていたら、世界最難だった、ということになります。

■ 『グレーディングを考える』

この号は別途、草野さんのスタートした日本独自の段級システムがスタートした歴史的経緯が分かるようになっています。

特集で「グレーディングについて」という対談が、

小山田大さん、平山ユージさん、室井登喜男さん、杉野保さんの4名

で語られており、グレーディングの事情を知ることができます。

この特集で分かることは、室井さんのグレーディングが甘いので、海外から問い合わせが来てしまい、本当なのか?!と問題になっているという話です。

・自分の課題しか登らない
・開拓しかしない
・海外の岩場で登らない

ということが原因で、客観性の欠如となり、グレードがどんどん上がって行ってしまい、本来v15でないかもしれないにもかかわらず、v15と発表してしまう理由になっています。

これは、多かれ少なかれ、日本の開拓クライマー全員に言えることのようです。

開拓するようになると、大体、自分の課題しか登らなくなります。 前に登った〇〇が、11dだったから、それより少し難しいから、12、と設定したりしてしまいます。

しかし、その前の11dも確実ではない可能性がありますし、その時の体調が良くて、易しく感じただけだったり、得意な課題だったり、あるいは、岩のコンディションの良しあし、など、客観性を阻害する、色々な要因があります。

・自分の得意不得意
・季節
・岩のコンディション
・体調

そう言ったもので、客観性が脅かされるということです。一般に安定したクライマーであれば

・かかった便数
・かかった時間

などで、グレードは適切につけることができるようです。

■ アルパインのクライマーがつけたグレードは怪しい

一般にアルパインのクライマーは、打ち込む経験値がなく、

 かかった便数や時間で、グレードを判断することは無理

だと思います。アルパインは打ち込むタイプのクライミングではないので。大体12くらいまでは、男性クライマーも打ち込む経験値はほとんどないのではないでしょうか。

■ ほかの人の課題を登る & 海外で登っている

グレーディングをする人にも資格制がいるのかもしれません。要件は

・ほかの人の課題も日常的に登っていること
・海外でも登っていること

です。そうでないと、どんどんと主観化して、視野が狭窄し、グレードが甘くなったり辛くなったりします。

■ まとめ

024号は、大変お勧めの号です。

グレーディングについて、疑問が大きい方はぜひ一読されることをお勧めします。

Mars の吉田和正さんは、控えめのグレードを付けたために世界に名を知られることなく、生涯を終えられましたが、本来リン・ヒルより以前に5.14Aを登った方です。

吉田さんのことがさらに好きになりました。

https://amzn.to/33Roimg

それにしても、Mars についての記事が、この号に載っていることについては、とってもシュール、と言わざるを得ませんね。



2020/03/27

ピンクポイントでの登攀と疑似リードの必要について

■ 人のクライミングをよく見る=適正安全マージンが分かるようになる

師匠と喧嘩したのは、湯川で私が疑似リードに進みたいときに、疑似リードではなく、ピンクポイントをさせようとしたことが、最初でした。

私がピンクが嫌だったのは、カムを指す位置が、いつも相方の回収で登っていて、遠い。背が高い人は、一ピン目から私と違います。

私のリーチが、彼の50cm下で、手が届かない位置にカムが刺されたピンクポイントでのリードは、たぐり落ちの危険、が非常に高い。

なぜ、それが彼は理解できなかったのか?

それが理解できないと、自分のパートナーにピンクを強要することになります。

なぜ理解できないのか?というと、おそらく、セカンドをやらないからです。

師匠はおそらくセカンドをやったことがないと思うので、身長でカムの位置が違うと言っても、なかなかその具体的な様子が浮かばなかったに違いありません。

私は、わざわざ紙面でそれをきっちり書いているくらいです…(汗)

https://allnevery.blogspot.com/2019/08/blog-post_68.html

師匠、一度でいいから、私のいうことを聞いて、疑似リードをしてくれたらよかったのに。

そうすれば、私がカム位置が違うと言っている意味が分かったでしょう。

■ 湯川 カムセット難しい

一方、湯川はカムのセットが難しい岩場で知られています。だからこそ、カムのセットを覚える疑似リードにぴったりの岩場です。

■ カム位置=ギリギリ度の指標

セカンドで登らなくても、自分の限界に迫っていれば、カムの位置は、クライマー本人にとって、どれくらいギリギリに迫っているか?の指標である、ということが分かります。

誰でも、危険の量に応じて、カムのセット間隔が短くなります。

それは、端的に言えば、アルパインクライミング…つまり、落ちないクライミングで、プロテクションは、ほとんど出番なし…は、やっていても、フリークライミング=プロテクション必須…、はやっていなかったから、彼はそれが理解できなかった、ということなのです。

おおざっぱに言えば、アルパインクライミングは落ちないクライミング、フリークライミングは落ちながらも、何度もトライして、”岩に合わせて自分を変えて登る”クライミングです。

岩への寄り添い、がアルパインとフリーでは雲泥の差、です。

■ どこからフリークライミングの領域なのか?は人による

岩への寄り添い、というのは、岩のために肉体改造が必要になる、ということです。

どのグレードから、岩に向けて肉体改造が必要か?というのは、人によります。

一般的な体格の人にとって、フリークライミングの始まりは、5.11以上から、現代では5.12は中級者になってしまったので、現代クライマーには5.12から。

もちろん、これは標準体型&標準体力の人向けで、クライマー界の標準=若い男子、です。

若い男子の身長&体力に入っていない人たちにとっては、肉体改造が必要になるフリークライミング、としてのクライミングのスタートは、もっと下のグレードからです。

私などは、高齢&女性ですので、10台でフリークライミングとして、岩に向けて自分の肉体改造を始めないといけませんでした。

すでに始める前と今では別人です。

■ 疑似リードは必須です

人間は、クライマーを見ていると、脳がシンクロしてしまい、私はいつもビレイしている相手(=クライマー)の動きを読めるようになってしまい、彼が何が登れ、何が登れないか、よく分かります。

人間には、ミラーニューロンと言って、相手のムードや気分に、シンクロする機能があります。

共感脳のことです。

ですので、ビレイをしてあげる時間は、共感の時間、観察の時間、です。

クライマーをよく見ているビレイヤーが良いビレイヤー、とよく言われます。

ので、それが起こっていなかったということを考えると、要するに、師匠は私がTRで登っている間、そんなに良くは見ていなかったのかもしれません。

おそらく老眼で、あまり見ること自体ができなくなっているのだと思われますが…(本人の非ではない。)

トップロープでの疑似リードは、クライマーが、カムの位置、岩、ムーブと、どういう歌を奏でているか、ビレイしながら、観察する時間であり、そう思えば、安全マージンを理解するためには、かならず必要、です。

疑似リードして大丈夫そうなら、リードに進みましょう。

もちろん、オンサイト狙いは、また別の話です。習熟度は、もっと必要です。

■ 共感脳が勝負のクライミング

こうしてみると、共感脳、が、クライミングにおいては、味噌だということが分かります。

共感脳が強くない人は、

 ・相手に実力とかけ離れたグレードのリードを勧めてしまったり

など、事故や怪我につながることを、相手に良かれと、勘違いして行ってしまいます。

一般的な傾向ですが、男性ホルモンまっさかり、みたいな方は、一般に共感脳が強くない傾向があります。共感というのは、心理学の分野では、女性性や知性に属することだからです。

女性性というのは、花がきれいだ、とかそういうことを想うっていう話ではありません。男の人の場合、花がきれいだと思うのと同じレベルで、女性がきれいだ、可愛いな、と思ってしまいます。

そうではなくて、
 
 相手の心情に立つ、
 相手の立場からモノを見る、

というのがクライミングで必要とされる共感能力です。 

花が可愛いという人は、花を摘みます。花を愛する人は、花に水をやります。

フリークライミングは、ムーブを楽しむクライミングなので、登頂を目的とするアルパインとは目的が違います。アルパインは登頂のためなら手段を択ばないというダークサイドがあります。それを覆したのがフリークライミングです。

 フリーでは、5.9でも、5.13でも、やっていることは同じ

です。つまり、上下の関係はありません。

5.13を登れる能力を山に持ち込むのが、現代のスーパーアルパインです。

■ トップロープで様子を見る

相手をビレイしている途中、クライマーをよく見て、クライマーと同じ気持ちでビレイするということですが、一般に会で登ってきたオールドクライマーは、ビレイが大変いい加減です…。特にトップロープ。ひっぱってりゃいいくらいなノリです。

そうではなくて、登っているクライマーと同じように、岩との対話を感じてほしいものです。もしそのクライマーが、あまりに稚拙で下手であれば、相手が上手になって、戻ってくるまで、ジムで登らせたらいいだけなのです。

それをしたくないのは、ただ単に、自分に都合がよいビレイヤーが欲しい、というご都合主義でしょう。

■ クライミングは移ります

私はクライミング、後輩に、「楽々、登っているように見える」と言われ、びっくりしたことがあります…。本人は、楽々でなく、必死、の時だったからです。

相手が必死か、楽々か、を見分けるのは、やっぱり共感脳の働きのような気がします。

男性は多くの人が、これが発達していません。

ちなみに、バレエでは、先生のお手本通りに動きを作れる必要があり、私は、動きのコピーが得意なほうです。この能力のため、水泳はあっという間に習得しました。この能力は、年齢を遅くスタートすると衰えています。

クライミングの初期のころ、今では有段クライマーのハッシーと言う先輩と人工壁でビレイ習得しました。彼の登りを注視していたせいで、私のムーブは男登り、だったらしいです(笑)。そりゃ、ハッシーのフィジカルでやるムーブを私がやっても、フィジカル違い過ぎて、できるわけないわなー。

というので、後で、ムーブをだいぶ直されました(笑)。

色々、師匠とは喧嘩しましたが、危険を無理強いされようとしたときに喧嘩 = Good

だったと理解しています。雨、降らないと地、固まりません。


  迷ってもハードプッシュしてはいけません。それやってるとムーブは身につかないです。

2020/03/23

クライミングガイドが要求する安全マージンとオールドクライマーが要求する安全マージン

斜陽
■ 薄い安全マージン=オールドクライマー

先日、私より10歳くらい年配の初心者クライマーとジムをご一緒した。と言っても、私は負傷で見ているだけだ。彼女はジムグレード5級が登れていなかった。

のにもかかわらず、斜陽(5.9)という非常に事故が多い課題をRPできたと喜んでいたので、なるほどなーと思った。彼女はオールドクライマーと登っているのだ。オールドクライマーの価値観は、蛮勇、だ。

■ 厚い安全マージン

私はクライミングをスタートしたころ、クライミングガイドをしている石田登山教室の石田さんに小川山で会ったことがある。

たまたま、金峰山登山の前泊でテントが隣。それでキャンプファイアを見ながら、言葉で言えば、ランナウト、という言葉の意味などを教わった。

石田さんの教室では、インドアリード壁で5.11が登れるレベルというのが、外岩デビューレベル、とあった。

これには議論があり、5.11へ行くのは結構時間がかかるため、ガイドが儲けるためだろう、と悪口を言う人もいた。

しかし、私は、ガイドさんにとっては、お客に怪我をされた場合のことが気になるはずで、決して怪我や死亡事故だけはさせるまいと考えるはずだと推理し、一応、このグレードと意見は、心に止めておいた。

私自身は、会の先輩と行くときは、5.5でいいので、リードということにしていた。最初の師匠の鈴木さんの方針だった。

ただ先輩によっては、後輩にクライミングさせるのは、自分の登攀のついで、という人もおり、そうなると、後輩は自分にとっては難しすぎる課題に取り付くので、TRになってしまう…ので、私は自分の会で、5.5をリードしているころ、別の会で、5.11bなどをTRしていた。師匠は私が登る、落っこちそうな5.7を真剣にビレイしてくれていた(笑)。

それから2年後…

結局、5.9がオンサイトできるまで2年半かかった。

たぶん、このころ、ベースキャンプでは、5.10dくらいまで登れていたので、このレベルがおそらく石田さんが言っている5.11レベルなのだろうと。段級なら5級が登れるレベル。私は辛いと言われているピラニアの5級は少数の苦手課題を残して、比較的登れたので、それくらいで、やはり外岩デビュー期、だと思う。

後は、どんどん易しい課題をリードしてリード経験を貯めればいいのだが、日本ではボルトの関係で、それがしにくいので、やはり、海外が良いと思う。

先日ご一緒した方は、ジムでのムーブを見ていると、まだぎこちなく、クライマーらしさは今から、みたいなムーブだったので、その技量で、重大事故が多い5.9の斜陽をさせられたということで、大変、気の毒な気がした。(本人はそうとは知らないで平和だと思うが)

■ 自分のリードに向いた課題

私自身も、課題を選ぶ、という視点は、初めて5.9がオンサイトできたころは持っておらず、そういう時点で、つっこむことがクライミングだ!というクライミング文化だと、死亡事故が多い、ということだと思う。

特に若い男子は、安全とプライドの天秤では、プライドのために安全を犠牲にしてしまい勝ちだ。

■ 外は十分グレードにゆとりを

ジムで十分グレードや技量をあげたとしても、外岩は別の技量がいるので、やはり、5.5をリードしながら、5.11をTRでもいいので触るというような、二刀流は必要だと思った。

外には外の安全対策がいるのだ。

■ ランナウト

結局のところ、ランナウトした課題は初心者は避けるべきだ。落ちた時、ボルトが信頼できない、怪しいボルトも避けるべきだ。

絶対落ちないところしかリードしない。これでいい。初心者のうちは。

二人目の師匠、青ちゃんがかなり私に登らせる課題は選んでくれた…。私は女性なので、オーバーハングは苦手で、スラブなら何とか…ので、今さらながら、ありがとね~と思った次第。


2020/03/17

ワンフォールというスタイル

ワンフォールというスタイル

オンサイトとフラッシュ以外に、クライミングでは、完登のスタイルが色々あったみたいです。

グランドイリュージョンをワンフォールで登ったということは、


1)カムセットしながらマスタースタイルで登る
2)1回フォール
3)ギア残置してローワーダウンして再度トライする

ということだそうです。
現代のスタイルとは全く違いますね!!!おどろき。

今では、
2)一回フォール
3)そのまま続きを登る。

で、下までローワーダウンってないです。一回落ちて、完登しても、再度、下からつなげて登る、ということをやっているクライマーもみたことないですし…

これは、有名課題の再登の場合、第8登、9登のどちらがすごいか?という判定に、少ないフォール数で完登したほうが実力上、上と判定する、と言うようなケースに有効なクライミングスタイルのようです。

できるだけオンサイトに近い形で登るのがより実力が上、ということに忠実になるとこうなるのかな?

今、クライミングというゲームが、登れたか登れなかったか?オンオフだけになっていることが、ゲームのつまらなさ、奥行きの無さにつながっているのかもしれませんね。

OBGでは寺島由彦さんのグランドイリュージョンがワンフォールということで、驚嘆されています。

そんな言葉今知りました(笑)。

2019/09/21

住み込み内弟子×クライミング×国際交流

■クライマーのゲストハウス

住み込み内弟子×クライミング×国際交流

=日本の岩場整備

という目論見が私のクライマーのゲストハウスという話です。


囲碁の世界では、日本は他国に負け始めたそうで、巻き返しで、住み込み内弟子制度を取り入れたそうです。そうしたら、強くなったそうです。

これをクライミングでやれば、失われつつある技術というか、ものの考え方が、伝承できると思います。

「山に一か八かはない」

と私は教わりました。そういう技術以外の面、ものの考え方、精神を伝えなければ、男性はすぐドラミングを始めるもののようです。

国際交流で、海外からのクライマーをおもてなしすれば、日本の常識が世界の非常識となってしまっている乖離現象を縮めることができます。

日本人はほかの分野でもガラパゴス化しやすいのです。

いかに愚かしいか、はっと気がつけば、それだけで、後ろに走らないと、ちゃんとビレイもできないような、変なルートを引っ込めるでしょう。