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2021/05/09

押し付けと気が付いていない価値観の押し付け

■押し付けと気が付いていない無謀の押し付け

私は、沢登りを教わりに行った東沢釜ノ沢でチェストハーネスをしている労山事務局長(K2登ったことある人)を見て、”内心、私もいるかも~”と思った口なのですが…

しばらく、前に日向神で、相方がチェストハーネスをしていると、九州のクライマーが、「え?なんでチェストハーネス?」と怪訝そうに言ったのでした…。その発言者はユージ風ニット帽。

相方は、「落ちた時、頭が下になったことがあるので」とちゃんと返事していましたが…。

明らかに、”何こいつ、変な奴”という空気を醸し出す発言者で参ったのでした…。フリークライミングはチェストハーネスなんかしないもんだろ、オーラ全開。

私も嫌だったなぁ…。マルチで出てくる下りで、明らかに一歩のミスがさよーならーにつながるところでロープを出さない。ロープだして懸垂で降りたら、変な顔されました。でも、私は、難易度ではなく、そこが危険かどうか?がロープを出す判断基準と教わったんですよ。

あと切れたところで、ザックを下ろして、渡ったら、それも変な顔されたうえ、こんなところで、とか言われました。でも、私は小さいですから、同じザックの重さでも、体が持っていかれることはよくあります。しかも、そんな私ですら、会にいた33歳室野君より、強かったんですからね…。彼がいたとしたら、ザックを下ろすどころか、確保してあげないと彼そこ通れないレベル。

というので、まぁ要するに、現代的初心者について、見聞不足が顕著で、昔の大学山岳部のノリのまま、で事故は、手弁当、の九州クライミングなのでした…きちんと統計出していないから、不透明ですが、かなりの事故件数なのではないかと思われます。

チェストハーネスの件は、私なら、”そんな自分の価値観を押し付けるような言動はしないなぁ…”と、傍で聞いていて、思ったりしたのですが…

この問答に立ち会ったことで、用心深いクライマーに対しては、私以外であっても、誰に対しても、私にしたのと同じこと…人の安全対策をこ馬鹿にする…をしているんだなぁ…と分かったのでした。

別に、私だけが否定されたわけではないのかも? 

というか、ホント、命の価値を考えていない、ええかっこしいな土地柄で、それをみんなが同じだと無邪気に思い込んでいる、という土地柄なんだなぁ…。

それにしても、発言した人はヒマラヤで友人を亡くしている人でしたが、そのような人でも、セーフクライミングではなく、価値観の押し付け、なんだなぁと。自分と同じ価値観以外は、”は?”と言う…そして、それが全世界の標準だと思っている…。違うよ、世間はもっと進化しているよ?

なんだか感動したというか、つくづく理解したというか。

ホントに自分の周りの変化に気が付いていなかった人たちなんだなぁ…と。

フリークライミングへの理解っていうのは、なんだか本当にオールドスクールのクライマーには難しいのだろうと。まぁ、若い人、入ってこないですもんね、会に。入ってくる人も、知識をもたらしてくれるようなタイプの人ではなく、その逆だし…。

今日は、6年生の、まだクライミングを一回もしたことがない男の子が、お風呂で後ろに転んだことがあるからアブナイ、と感じて登らなかった。

子どものほうが立派で、大人の方が…ですね。

価値観の押し付けは、押し付けられているほうには分かって、押し付けているほうには分からない。

気を付けよ!

2021/04/21

健全な市民クライミング

 ■今日の引用

「成長」だけを見ていては、成長が止まった時に新しい発想が出てこない。そこで衰退の中で、もがきながら新しい何かを生み出そうとする動きに着目するわけです。」

成長を終わった成人クライマーの”成功”の答えが判で押したように、

 次世代育成
 人生100年ずっと現役

では…。結局、成長期の価値観を引きづっているな~と思います。

■生き生きバレエライフしていました

ずっと以前、仲の良かったバレエ友と、なぜか行動パターンが似ていて、行く先々でばったり会うので、お互いに不思議に思い、スケジュール帳を見せあったら…なんとジムのバレエのクラスだけを縮小コピーして、張ってあって…あー、同じことしている!でした。

同じことがクライミングでも起きて、大体、世界中で、クライマーのスケジュール管理は似ているのではないでしょうか(笑)。今、名張に登っているクライマー友達がいますが…大体、岩場って適期が決まっているので…

そのバレエ友とは、こんなことを言い合いました…

「私達って週5回レッスンしてるってことよね…それってプロと同じじゃない?」
「あはは~、舞台のプレッシャーないけどね!」
「あはは~、出る側じゃなくて見る側だけどね!」

長くバレエを続けていると、親しい先生や友人が出る、お付き合いのバレエ公演を見るだけでも忙しくって、一年があっという間です…。かといって、シルビィ・ギエムが来日したら、100年に一度のダンサーなのですから、行かない訳にはいかないし…ああ!忙しい!そんな日々でした…

「これってけっこう成功パターンじゃないのかしら…???」そんなことを言い合った友人と私…。

それでは、失敗のパターンと言うのは?? 

バレエの先生たちの固定観念…上手になったら舞台に出るもの、舞台に出ないとバレエの神髄は分からない、という説得に負けて、舞台に立った大人の初心者組…です。なぜなら、軒並み、肉離れやら骨折やら、負傷で、普段のレッスンも出れなくなるんです…。 

いや~、クライミングで同じ穴に陥ろうとしていたような気がするなー。

大人のクライマーは、別に、岩場にいるだけで幸せなんですから。現に、アイスの湯川など、氷柱にグレードはありません。登った後で、これ10bやな~とか、勝手に自分の中で納得するものです。

■ 成長期の男の子に最適化された仕組み

グレードを追いかけるクライミングは、成長期の男の子が楽しく登るための工夫でしかないんですよ。

というのは、男性は子供のうち、競争することで伸びるもの、だからです。

競争が嫌いな男の子はめったにいません。あるいは、かっこいい、と言われるのが嫌いな子はめったにいません。

かっこいいと言われるために観客としての女子を必要としている男子がいるほどです。

クライミングでは、9割が男性なので、男性の論理で、男性の成長に都合が良いように、評価システムが組まれています。一般社会も同じで、給料の額が人間の価値、みたいになっているのは、そうすることで、男性が奮発して頑張るという習性を利用したものです。

女性は最初から、そんな価値観で生きていませんから、気にせず、

 自分の楽しい山登り、自分の楽しいクライミング

を続けていきましょう★