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2024/02/16

【新しい目標のお知らせ】指導者向けのマニュアル作り

 さてと… クライミング技術そのものを教えるのは、別になんてことはないことだし、誰でもYoutubeを見てだってできると思うのですが

在り方

を教えるのに、失敗しているというのが、たぶんクライミングで大したこともできなうちから人がバタバタ死んでいく原因ではないかと思います。

■ 人工壁育ちの人は何が分からないか?

だいぶ出そろいました。

・”登る動作(ムーブ)”ができるだけで、ロープに使われているのがジム上がりクライマー。ジム上がりの人だけでなく、山から入ったクライマーでも、ロープ使い慣れがない場合、同じ。

・大体の人が、自分の実力を適切に見極めることができない。過剰評価が多い。安全のためには過小評価のほうがマシです。

・自分自身で現在の力に合わせてルートを選ぶことができない。

・10年登っていても、ロープドラッグの回避方法は分からない=観察学習する能力がない

・支点ビレイなどのバッドビレイを見ても、まず気が付かない (子供が毒親に気が付かないのと同じ状態)観察能力の欠如。

・自分の実力を客観的に見出す力がない(大体グレードで判断するので過大評価)

・昔のルートグレードを読みこなせない

・次に何が起るか?という先読みをできない

・トラブルを想像できない

・トラブルに対処できない

・皆が一律に同じ能力であるという前提を持っていることに気が付かない

・誰がえらくて誰が劣位かというヒエラルキーを内的に持っている

無謀なほうがヒエラルキーの上であるという無意識の前提がある

・ヒエラルキー順に発言権があるという前提がある

・思い込みに気が付いていない

・その思い込みが導く帰結に気が付いていない


こんなところですかね?無意識の前提は、

1)経験値があればロープドラッグは回避できる 

→実際は経験しても、そこから学ばない人の数が一定数あり、座学による知識も合わせて与えないと知識と経験の定着にならない

2)10年の経験があれば、自己評価能力がある。

→ 現実には、自己評価能力は、登攀の年数に依存しない。

3)学習の拒否を行ってきた人=経験値を自慢する人

→これらは両輪であり、片方では抜け道につながる

4)危険回避より冒険主義

→ 冒険は大事ですが、危険回避能力が備わってこそ冒険と言えるのであり、ただ危険に対して丸腰で突っ込むのであれば、冒険とは言えない… 自殺行為である。

例えば、降り方を学ばずに登る。



2020/09/04

こんな小さな子がリードする時代です

ボルト間隔にも、ご注目ください。

戦地に赴く軍人さんが登るようなものではなくなっている…

ということが分かるのではないでしょうか?

このような子供でも、5.11c/dに登っています。

このような時代に、ランナウト(意味するところ落ちればグランドフォールという意味であり、ただピンが遠いという意味ではありません)

で難度をあげる手法がいかに陳腐化して、小さく感じられるか…

みたところ、この子供は、身長130~40ではないでしょうか…

やはり、ピンは、2~3m間隔よりは離れられないということです。この感覚はラオスでの登攀と同じです。

2020/08/14

共依存=co dependent

■共依存=co dependent

共依存は、アルコール中毒患者と世話役の人の間の関係で良く知られていますが、
自分の価値を ”何か他のもの”に依存

することも共依存です。
登れない俺に価値はない!などと感じるようになったら、要注意ですぞ~。

人間の価値は登れる登れないでは決まりませんよ~。

同じように、勉強できない俺には価値はない、もあるし、稼げない俺には価値はない、もあるし、女性だったら美人じゃない私、とか、役に立たない私は価値はない、とか、あると思います。

自分のあるがままで、自分を生かせる道を見つける、

というのが、まぁ一番楽です。

自分の価値を証明するために… 例えば、

良き母であることを証明しようとして子供にプレッシャーをかける

とか
良き指導者であることを証明しようとして、選手にプレッシャーをかける
とか、

みんな悲劇の元なので辞めましょう~
クライマーは、クライミングできる俺にナルナルするのではなく、

クライミングそのもの

を楽しみましょう~。指導者はクライミングに対する努力を褒めず、クライミングを楽しむことを教えましょう。

2020/07/22

私設インタレストグレード

■ 私のインタレストグレード評価軸

この価値軸で、自分のクライマーとしての進化を計れる 5段階評定

1)人との絆で登れたか? 例:メンター
2)地域愛で登れたか? 例:笠置ロック
3)特定の山との因縁を解決できたか? 例:メルー
4)ひたむきな努力を傾けたか?: 例:ドーンウォール
5)生と死の意味に迫ったか? 例:フリーソロ
6)クライミング史の進化に寄与したか? 例:剣点の記
7)チャレンジは十分あったか? 例:アイガー北壁
8)未知への冒険はしたか?  例:7イヤーズインチベット
9)無駄な死を避けたか? 例:八甲田山
10)登るとは?という永遠の問いを問い続けたか? 例:クレイジーフォーマウンテン

この評価軸を心に持ちながらクライミングしていると、多様なクライミングの価値を創造していけるかも?
私設インタレストグレードです。

山岳会で起きた様々な嫌なことの原因を解説

■ 山岳会で起きた様々な嫌なことの原因

は、人々がレッドやオレンジ、アンバーのパラダイムにいて、私がグリーンのパラダイムで長年生きてきているからだと思いました…。

※ それぞれのパラダイムがどのようなものかはこちらに解説があります。
   https://amzn.to/3hnR6Zb

■ 主な事件
俺一高事件 → 学歴自慢 レッドパラダイムの人
セクハラ事件 → アンバーパラダイムの人
いいとこどり事件 → アンバーパラダイムの人
コンパニオン事件 → アンバーパラダイムの人
沢でロープなし事件 → レッドパラダイムの人
仲間意識事件 → アンバーパラダイムの人
言う通りしないならもう君とは登らない!事件 → レッドパラダイムの人
他の人と登ると怒る件 → レッドパラダイムの人
相手が成長すると自分が不安事件 → レッドパラダイムの人
人工壁に行くとねちねち怒る師匠 → オレンジパラダイムの人
登れるクライマーは嫌いなんだよね、という師匠 → アンバーパラダイムの人
すでに払った会費を返却してもらうのに恩着せ → アンバーパラダイムの人
あの子はモノにならない事件 → オレンジパラダイムの人

というので、これからはうまく対処できそうだ。

ーーーーーーーー
レッドパラダイムにいる人
・他者の感情に気が付かない
・自己中心主義に疑いがない
・上下関係に疑いの心がない
・残虐性に疑いの心がない 恐怖と服従のパラダイム
・恐れに動かされている
・力と逞しさをよりどころにしている
・敵か味方か?
アンバーパラダイムにいる人
・成人の半分
・家父長制を当然として受け入れている
・支配と独占
・男女差別を当然として受け入れている
・自民族中心を当然として受け入れている
オレンジパラダイムにいる人 
・グローバル企業にいる人、企業経営者
・未来に生きているので、現在に感謝しない
・エゴを失う恐れから成功へパラダイムシフトができない
・アカウンタビリティが重要
・正しい正解はない世界という理解
・イノベーション、実力主義、アカウンタビリティ

■ 今の私の居所 グリーンパラダイム
・非営利
・人が財産
・公平、平和、協力、コンセンサス  
・流行を追わない
・ビレッジ志向 
ーーーーーーーーーー

グリーンパラダイムをクライミングでは布教中でしたが、私がアルパインの伝統を受け取るには、アンバーやレッドのパラダイムの人にも沿ってみないと受け取れないわけで…受け取っている間にグリーンパラダイムを伝播しそこねたのは、単に自信がなかったためです。

自信復旧に取り組みます。

選手と子供に同情

■選手と子供に同情

達成のみを褒賞とするオレンジパラダイム…というのが、スポーツクライミングの世界にありがちです。

オレンジパラダイムだと、オリンピックで優勝などの達成があるまでキリがない。クライミングだと世界最高難易度を登るまで、全員が敗者です。

(成功)OR(挫折感を抱えてメンタルを病んで退場)か?のどちらかの解しか用意されていない世界に、”頑張れ”の掛け声で、子供を追い込むのは、いかがなものか?と思っていました。 

■ フリークライミングとスポーツクライミングの違い

一応、ご存じない方のために言うと、フリークライミングとスポーツクライミングは異なるものです。

フリークライミングから文化的要素を除外し、達成感の喜びだけを抽出し、極度に安全化したものが、スポーツクライミングです。スポーツとしての要素だけのクライミング、と言う意味です。

子どもたちには、文化的側面も、知的なゲームとしてのクライミングの楽しさも、両方を味わえる環境…せめてグリーンパラダイムな世界(多元的な世界)を残してやりたいものです。

クライミングを日本に広めているつもりで、挫折感を抱え、その克服に一生を費やすような大人を大量生産しないようにしたいものです。

■ 他スポーツでも多くみられる前例

バレエの世界では、上記のような過ちが多く、3歳などの子どもからバレエを習った人の9割は、三羽の白鳥(つまり主役でない役)で自分の限界を感じ、バレエを辞めた後は、一切バレエとの関係を持たないです。つまり、バレエとの関係を断つ…が、挫折を表現していますね。

■ 運動能力が低いとかつて判定された人の穴場

クライミングは、どちらかというと、他の運動で、まったくダメ烙印押された人が、自尊心を回復、というシナリオが多い活動です。

およそ男性らしくない、ひょろっとした(なよっとした?)体格の人に適しています(笑)。

”俺は男だー!”と野郎臭全開の人が登れない課題を、”何が難しいのですか?”と、吹き抜ける、そよかぜのごとく、サラっと登る、さわやか系男子、というのが定番です(笑)。

文字通り、体型も考え方もスマートな方、ぜひトライしてみてください。

2020/07/21

新月の願い事 日本に健全な市民クライミングをもたらす

■日本に健全な市民クライミングをもたらす

ラオスに行ったら、老若男女問わず、楽しく登るクライミングカルチャーがあって、カルチャーショックを受けた。

初めて6Bがオンサイトできたのだが、イギリス人の女性にビレイしてもらった。

でも前の年、各駅停車で行った6Aの被り課題はやっぱり各駅停車だった… 

ラオスだと一人旅の若者が多く来ていて、4歳の女の子でも登れる。初めてクライミングに触れる人も登れる。法衣のお坊さんすら興味津々でやってきて、誰かに登らせてもらっていた。ごっつい体系の男性も6Bでひいひいの人もいる。

どっかぶりの人気課題にはヌンチャクがかけっぱなしで、当然のように残置してあって、チャレンジしても回収の心配はない。

誰の登りがちゃんとしていない、とかそういう互いのスタイルの否定しあいはない。トップロープでしか登れない初心者も登れるような最低のグレードがあり、5.2からある。

要するに、岩場に来るな!と整備のスタイルで、主張していない。日本の岩場は整備のスタイルが来るな!と語っているのである。来る人が減るもの道理だ。

心の広い、広いクライミングがラオスにはあって、そして、つましく質素で、デジタルはなく、牛が草をはむところと人間が登って遊ぶところは同じであり、人類皆兄弟どころか、動物界も皆兄弟みたいな環境だった。

楽園と言う言葉がぴったりだった。

クライミングのリスク管理項目 試案

1)事前情報 経験値を聞いても、経験ゼロをベースとする
2)慣れのチェック 高いところ怖い人は怖いし、岩慣れというのは確実にあります
3)見るだけで事前に情報提供 反応を見る
4)簡易体験 いきなりでない安全の高い場所でさせてみる 
5)情報提供 例:登るより降りるほうが難しい
6)模倣させる 
7)タイムリーに情報を与える 例:ロープにつかまるのは一人ずつ 例:ロープは全信頼はできないこと
8)振り返る 

ボルジム再編時代に求められるリアルクライマーのアクションとは?

■ボルダリングジム市場再編について

1)なぜリアルクライマーから情報発信が必要なのか?

クライミング界における、ボルダリングジムの存在感の増加で、クライミングの一形態に過ぎなかったボルダリングジムが、今ではクライミングそのものと誤解されるまで、になっています。

商業ボルダリングジムは、クライミングの一形態にすぎませんので、ボルジムを経営したとしても、クライミング自体が分かるようになるわけではありません。

そこで、本来のクライミングの在り方を門外漢にも分かりやすい姿で伝えていく情報発信が、本来のクライミングを分かっている側…リアルクライマーの皆さんから、なされる必要があります。

2)適切なクライミングジム数とは?

現在、ジムは国内に500施設くらい存在しているとされています。すでに飽和しており、ここ福岡でも、再編が始まっています。

フィットネスジムの施設数が4,000以上ですが、これと比較するのは、汎用性と言う意味でお角違いと思われます。いわゆる、コナミのような存在にクライミングジムがなりうるはずがありません。

むしろ、空手道場程度の数で飽和する、と考えるべきでしょう。クライミングは競技ではありませんが、便宜上、競技人口という言葉を使うと、競技人口は60万人とされています。ちなみに登山人口は約600万人とされています。

2)オリンピック実需はあるのか?

これは、期待値だけで、業界では需要アップはほとんど実績がありません。クライミングは、見て楽しむ要素がほとんどないスポーツで、自分がやらないと楽しさが分からないです。

業界の人は、情報に踊らされ、取らぬ狸の皮算用で初期投資をしないように警戒すべきです。

3)選手クラスの人たちには、自己防衛が必要な理由

オリンピックのため、特定の選手への過度なプレッシャーがむしろ心配されるので、選手クラスの人には、メンタルヘルス面での自己防衛が必要です。

理不尽なプレッシャーにはNoと言える強さを持ちましょう。クライミングは遊びです。

またオリンピックはよく言われるように金権主義、いうなれば、お金を求めるエゴです。国威など発揚する時代ではもはやありません。

4)”大人の事情”対策

いわゆる”クライマーがやっていないクライミングジム”が、クライマー業界内で問題視される中、非クライマー経営のフィットネス関連企業による業界再編が加速しているそうです。

・医療関連企業
・ボルダリング合コンを主催したい婚活会社
・売却・買収額は、数百万円程度 (参入障壁小さい

ですが、こうした非クライマー経営者の運営により、今後、クライミング事故は増えると予想されます。

クライミングは危険が伴うスポーツですが、その理解が乏しいまま、このような買収が今後は加速すると思われます。

業界側からは、クライミングにおけるリスクや危険の回避方法と言ったオーソドックスな情報をより熱心に発信していくことが大事かもしれません。

ただこういう流れにある企業集団は、クライマーの既存の情報網から漏れていると思われますので、誰にでもアクセスしやすいだけ、つまりネット空間に置いておくだけ、では目にも触れない可能性が濃厚です。

クライマー業界側からの積極的なアプローチがない限り、知らぬ存ぜぬで終わってしまう流れになると思われます。

それでも、事故が遭った場合はクライマー界全体の共通の問題となってしまいます。

クライミングは危険が伴うので、

 ・事業者を許可制にする、
 ・ダイビングや狩猟などのように認可制にする、

などの対策が必要かもしれません。

事業者自体が事故拡散要因となる可能性があり、安易なM&Aを勧めているM&A企業などにも、業界からのアドバイスが与えられるべきかもしれません。

逆に言えば、こうしたことも、クライマーの業界団体の活動不足の現れともいえるかもしれません。

5)売却 事例

以下は事例です、ご参考に。

東京都下のボルダリングジム売却事例
2,300人の会員。代表者の体調不良が売却の理由。700万円。

大阪市内のボルダリングジム売却
現オーナーが海外移住。売却希望価格は250万円から500万円。

福岡県内のボルダリングジム売却
経営者の病死。売却希望価格は450万円。

兵庫県南部のボルダリングジム売却
人員不足。売却希望価格は300万円。

6)日本フリークライミング協会にM&A部門があればより良いのでは?

上記のようなM&AもJFAが管轄できるようなことになれば、業界はより良い方向に動いていけるのではないか?と思います。

2020/07/20

ガイド資格

■ガイド資格は取らないことにしました

登山ガイドの講習案内が来て、山下勝弘さんの名前を見た時、心が動かれた…。岩根で、大学院生のO島君たちの指導をしているとき、たまたま山下ガイドも岩根で、私が登っているのを見て「上手だ」と言ってくれたので、好感を持っていた。(ちなみにアイス歴40年の師匠と会う前の話です)声がセクシーな売れているガイドです。ガイド協会の理事らしい。

一般的な視点で見て、私がガイドにぴったりなことは、まぁ見て取れるんだが…。なんか取得しても、結局、使わないだろうと思う。山に世俗を持ち込みたくない。登山客は山と言う神聖な寺院に世俗を持ち込む、ほとんどペスト的なものだ。ガイドすること自体に身売り感あり。100歩譲って、そうした活動をしないにしても、登山教室のようなことをするというのなら、まぁ十分、草の根でいいわけなのだ。

一時混乱したので、アドバイスを求めたら、世界中で最も高い地位にある適切な人材と思われるスティーブから、取りなさいという単刀直入なアドバイスが来て、私の理性が、普通は取るだろ、と言うのは、間違っていないことが分かった。あと、青ちゃんが取りなさいと言ったのも、まぁエゴではなく常識の声と分かった。

しかし、ここで必要なのは、常識の声ではなく、心の声、のほうなのだ…

お金と言う資源が無尽蔵にあるなら、取ったらいいかもしれないが、そういう訳でもない上、なんだかなーと思っている団体に毎年、上納金を収めるのも精神衛生に悪いし、やりたいことを今すぐやるほうが、資格を取ってから、なんて言っているよりうんと良い。
次の時代はすでに始まっている。次の時代に進化しよう!

ので、資格取得は辞めることにした。超スッキリ!アドバイスは私が行きたくない方向を見出すのにも役立ったのです…

ありがとうございました。

2020/07/14

共感をベースにしたコミュニケーション2 

■共感をベースにしたコミュニケーション
 
ラオスで、6Aでテンションしたときに「スイマセン」と言ったら、

「おれらも、やってること同じよ」

と言われました。(発言したのは13が登れる人です)

最も良いコミュニケーションはこれです。しかも、真実なのです。

グレードは違っても、クライマーがやっていることは、まぁ、ずっとこの先、おんなじです。

ゲームの本質は、
1)登れないのを登れるようになる活動
そのために、
2)セキュアベースと適度なチャレンジがある課題が必要、
というものです。

共感をベースに相手の行動を変える

共感をベースに相手の行動を変える

今日のお釈迦様のお話です。
話下手な男の子がいたそうです。お話しをできない理由を「君は心が優しいね」というと「?」。「だって、みんながああ思うかな?こう思うかな?と想像しちゃって、お話ができなくなるんでしょう?」とその子に共感をベースにして、寄り添うと、その子は驚いたものの、喜んだそうです。その後、丁寧に、お話をしても、誰も傷ついたりしないことを解説したら、納得し、その後は、普通に人前でお話ができるようになったそうです。

クライミングでは、

  共感をベースにしたコミュニケーション
をしたいものです。誰だって核心に来たら必死です。

「なんだそんなところも登れないのか」というのは、共感の真逆で、発言者は、事実の指摘のつもりですが、客観的には、自分のモノサシで相手を計って、自分と同じことができない人を下とする見方です。(私は心で思っても言わないで済ませます。新人男子とか、”え?!”と驚くところが登れないです…)

クライミングの難易度は、本当に課題ごとに、人それぞれに難度が変わって感じられます。

難易度は、取りつく課題を見出すためのもの、本当に目安に過ぎないというのが率直なところです。(が、今はそのような使い方はされていません)
ので、こうした発言は、クライミングに対する無知、のほうを露呈している、というのが真実なのかもしれません。
もし、この発言者に発言を辞めてもらいたくて、共感する、とすれば、どうしたらいいのでしょうか?
「そうだね、色々な人のことを想像するのは難しいよね」
と言うことなのかもしれないですね。共感力というのは、ほとんど知性と同義語のようなので。
ので、共感をベースにしたコミュニケーションというゴールに対して、対策は知性と言うことになります。
もし根本両方をしないならば、このような発言はダメですよ、と短絡的に、”原因と結果”を教えるしかなくなります。

根本療法なら、言われた方の気持ちになる、というのが、本来必要なことです。

2020/07/07

クライミングの新しい古くて新しい価値 安全とリスクのちょうどいい関係

■共感=価値、感謝の量=価値

EnjoyWorksさんの仕組みでは、共感=価値、と言うことになっています。

今、感謝のワークを実践中ですが、そこでは、感謝の量=価値。

私は、

安全とリスクの心地いい関係=価値

という世界をクライミング界に作り出したいと思っています。

これって、昔は当然だった価値観です。いつのまに違うようになったんだか、知らないけど!

2020/07/06

若いクライマーへの技術移転 ポイントまとめ

■ 若いクライマーへの技術移転 ポイントまとめ

ロシェル・カップ先生の技術移転の話は、日本人がアメリカ人を相手にする場合の注意点を述べたものだが、日本人は若ければ若いほど西洋化している訳なので、同じことが年配の日本人から、若い日本人への技術移転について使える。

ポイントまとめ
1)体系化して全体像をまず見せる
2)セミナー&ワークショップ
3)マニュアルを渡す(コソ錬用)
4)具体的に、プランニングしてマイルストーンを設置する
5)本人にとってのメリットを明確にする
6)報いる(バッジ、証書)
7)生徒がすでに持っている知識やスキルの追加のオファー歓迎する

私はこれをアルパインでしたかったのですが、私自身がアルパインのクライマーとしては経験値が不足しているので、取り組んだものの完成には至りませんでした…。
なので、今回の登山技術総合テキストの件は本当にうれしい。足掛け5年で、着想が現実にに具現化したら、それなりにいいんじゃないでしょうか?

2020/07/01

山との対話の成功を実感中

山との対話の成功を実感中…

自然農を勉強すればするほど、自然農の師匠らが語っていることは、私がそうだろうと思っていたことばかりです。

とくに、地表を腐植質や天然のカバープランツである草で覆うということが大事だと、普通に沢登りやアルパインの山をしていて気が付いたこと…それが、ちゃんと山と対話していたということの証であるので、振り返って、ちゃんと山と対話する山をやってきて、良かったな~としみじみと思いました。

私への山の成功報酬は…これだったんですね!
 
一般的には、すごいグレードを登れるようになるとか、有名になるとか、そういったものが、努力の成功報酬とされています。

しかし、こういう成功報酬があること…、これがオリジナルの幸福って意味かなぁと思います。

2020/06/27

日本的クライミングの陥穽

■日本独特のクライミング文化=ヒロイズム

日本独特のクライミング文化で、特殊でありすぎ、クライミング文化の広がりにおいて、ボトルネックとおなっているものに、神風特攻隊の縮小版である

リードクライマーのヒロイズム

があります。

「俺がやらねば誰がやる」

です。そのために、連れて行ってやる&連れて行ってもらうという恩売り&恩返しを基調にした人間関係が成立しており、これが日本的クライミングのアキレス腱になっています。

クライミングは、そもそも、遊びであり、趣味であり、したくなければする理由は一つもないものです。

100歩譲って、リードクライマーに特殊な能力が必要になるアルパインクライミングでは許される態度だとしても、ボルトを追いかけるクライミングのフリークライミングにまで、その価値観を持ち込む必要は本来ないですが、日本ではフリーもアルパインのクライマーが教えていた経緯があって、アルパインの価値観が持ち込まれています。

純粋培養のフリークライミング教育が、ほとんどないです。私もアルパインの出身なので、支点がなく、自分で支点を作りながら登るクライミング形態により大きな価値を置いています。

■ 気づいた出来事リスト
このヒロイズムには、クライミングのMYヒストリーの中で、たびたび気づかされました。

・最初の師匠の鈴木さんとアイスルートに行ったとき、帰りにほうとうを奢らさせられたこと、(鈴木さんも行きたいのなら、恩は発生しないはず)

・ラオスに行った国際ガイドの方が私になぜかここを登れと命令すること、

・二番目の師匠の青ちゃんがリード練習に付き合ってくれないこと、私のビレイを自分はしないでほかの奴にさせること、

・庵の三澤さんのお話、

・パートナーの怪我に気が付かない米澤さん… 
リードクライマーがエライ。このヒロイズムがあるために、二つの価値の逆転現象が起きています。

1)命知らずの美化 

〇〇で一番死に近い男というのは誉め言葉ではなく、リスク認知が甘いということですよ

2)怪我の軽視と武勇伝化 

怪我をしたら、それは実力不足のサインで、武勇伝ではないですよ。
私は岸良で肉離れしたのですが、何度も歩くのさえ痛いと訴えているのに、2日間もパートナーは私を返してくれませんでした…後で聞いたら、経験からそうした、そうです。経験がこの行動を起こしたなら、もうそれは正当な行動とこの世界ではなっているということです。

つまり、ここまで、価値観がおかしければ、どんな心が広い人でも気が付きますよね?
命がいちばん大事、というのは、普遍的な動物としてのことわり、です。それに反していれば、もう間違った価値観であることはあきらかです。

■ ヨセミテ文化は万人が習うものじゃないですよ

紛らわしい文化の一つに、フリークライミング発祥の地、アメリカでも、命知らずの文化はあります。

例えば、ウィングスーツジャンプしているクライマー…もうクライミングですら、ないですけど…一杯死んでいますよね?

しかし、言われていることは、「18歳から35歳の男性に人気」です。同じことを分別がある大人がすることは少ないですし、ましてや、こうするのが習わしだ!と初心者であることが多い、他の人に強要する、と言うこともないです。

これは一部の人の価値観が許容されるというアメリカでは、分離した価値の共存が認められています。つまり、突飛で極端な価値と普通の人の普遍的な価値が混線することがないです。

が、均質性を求める日本ではメルティングポット方式で、同質化を求めらえるので、一般の人が特殊エリートの価値に染まることになり、それが死亡事故が絶えない原因となっています。アメリカはメルティングポットは間違いで、サラダボールという価値観です。

フリークライミングはアメリカヨセミテ発祥ですので、ハードコアなクライミングは、一つの文化として残すべきものです。

しかし、それを模倣している他国のクライミングが、一般クライマーまでも命知らずを強要されるというのは、日本だけで、同じ儒教のお隣韓国ですら、強要はされないです。インスボンをリードできるクライマーは、”変人”だそうです。

日本は、クライミングの価値観において、国際的雰囲気を習得し損ねて、ガラパゴス化しています。

クライマーも幸せの脱物質化

■ 幸せの脱物質化

私は経験を売るのは興味があるのですが、モノを売るのは興味がないのです。

例えば、いくらヴィーガンクライマーが良いと思っても、トウフミート売ってくれと言われても断ります。トウフミートを食べるより、豆腐そのものを食べる方が同じ金額で10倍の量食べれるし、むりに肉に似せている必要がないからです。「モノ」を売って儲ける、というビジネスモデルは魅力を感じない。

「人や自然とのつながりを創り出し、維持し、そこから幸せを得るお手伝い」

なら、やりたいです。その一つが外岩クライミング。なので、プラスチックホールドのクライミングジムのお姉さんをしなくて良くて、むしろ良かったのかもです。

だから、私がやっている会は、岩とお友達になる会、です。

■ 事例

事例としては

・農具やアドバイザーなどを備えた「都市型農園」や、共同農園付きシェアハウス、
・単なる観光ではなく、自分で汗をかき現地の人とのふれあいを目玉にしたボランティアツアー、
・自然や環境との共生を実感するエコツアー、
・入居予定者が時間をかけていっしょに暮らし方のルールを作っていくエコビレッジ
など。

クライミングバージョンが、

ギアとクライミングインストラクターが常駐する外岩クライミングパーク

でしょう。

「人や自然とのつながりやふれあい」
「モノによらずに感動を創りだす体験」

モノはもういらない。色々な方が私を手助けしようとしてくださり、差し出してくださった手を払うようで申し訳ない気はしましたが、山道具屋でバイトも没にしましたし、モンチュラも没、高級食材店も没、です。

自分でボランティアで海外の人を、エコツアー、ボランティアツアーを主宰して、充実感が非常にあります。

あとはマネタイズですが、徐々にですね。収入が伴わないだけで、すでに主宰する能力は十分以上に備わっていることが、おと年から怪我するまでの去年の活動で確認できました。

考えようによっては、思索の時、企画の時を与えるために、肉離れや膝の脱臼という怪我がおきたのかもしれませんね。

■ ビンボーハッピー=脱物質化

1)「無料コンテンツ」
2)「ファストファッション」
3)「リアルのバーチャル化」
4)「シェア(共有)」
5)「価格比較・共同購入」
6)「ソーシャルメディア」
7)「スマートフォン」
→ クライマーバージョン
1)ジムではなく、外岩(無料だから)
2)アークテリクスではなく、ワークマン
3)クライミング動画
4)クライミング共同開催
5)クライミングギア、売ります・買います 海外通販共同購入
6)国際的にはFB アメリカではWhat’sup 日本はここが弱い
7)スマホ??? 

若い人はSNSはLine利用者が多いですが、ラインだと情報を共有できない。新しい人ともつながれない。

5)の感性に、岩場の共同使用、が入ればいいのだと思う。

今は、なぜか、特権階級、暗黙の許可制になっている。

■ ドネーション制

岩場の共同使用、ということですが、今行っている自然農の畑で採用されている仕組みが使えないか?と思います。ドネーション制です。

ドネーション制にすると実際は、料金固定制にしたときよりも多くの収入をもたらします。

大事なのは岩場の整備をジブンゴト化する、いくら岩場を整備するのにお金がかかるのか、見える化する、と言うことだと思います。

そうすれば、おのずと、いくらくらい差し出すのが妥当な金額なのか?が見えてきて、出そうという人が増えてくると思います。

そうなっていないのは、いくらかかっているのか、そういう情報を出さないできた経緯で、ボルトなどがあって当然のもの、になってしまっているからと思います。

まずは知識を広めるところからですね。

2020/06/26

ファンドレイジング

■ファンドレイジング

ファンドレイジングの勉強も先週スタートしているのですが、これは、現在、山岳会が機能していないとしても、その上位団体である、JMSCAだのJWAFだの、はお金を持っており(補助金と紐づいている)、既存の組織のお金に頼らず、クライマーの独立組織として、アクセスファンドを立ち上げる可能性があるのかどうか?を見極めるため、です。

本来は、私の仕事ではないですが、暇そうな人が私しかいない。(注:私がファンドレイザーになりたいわけではありません。お金関係はもっとも私に才能がない分野)

アクセスファンドというのは、岩場の交渉窓口、ということです。窓口がないために、誰に何を言っていいのやら、と言うことになっているのが日本。

日本に限らず、世界の国々でも、クライマーとローカルは基本的に利害対立、が歴史的構造です。

だから、アクセス問題が関係ないラオスに、理想郷と言えるような岩場ができた、とも言えます。アクセス問題=しがらみ。

現在の問題点
・クライマーが起こした事故が経験値として集積して行っていない
・各岩場の管理団体がない
・つまり、地主との交渉窓口がない
・地主さんは事故が起こったら当然岩場を閉鎖する
・ので、クライマーは事故報告をしない
・事故になるような悪質な技術が減らない
・行政はしなくていい仕事に振り回される
・クライマーは、日本フリークライミング協会などの自治組織に慣れておらず、お上や怖いお母さんくらいに思っており、”ジブンゴト化”していない
・クライマーはちゃっかりした人が多くフリーライドが伝統
・なので自治組織にもお金を出さない
・ため、安全性を高める原資がない
・岩場危険なまま
・誰も登らない
・さらに荒れる
・ボルダーがメインになる
・日本はボルダーですでに世界トップレベル
・地元はそのことを知らない
・日本のクライマーは国際感覚、疎い
・リードはほとんどオールドクライマー
・オールドクライマーは海外に行っても最新技術を盗んで帰ってこれない(語学の壁)
・日本のクライミングガイド資格は世界資格でない

まぁ、お金の問題は別にしてこんなところかなぁ…。
 
ちなみに、私がいた山岳会は創立60周年をやったところだったのですが、貯金300万円!なのに、会のロープはそのお金で買ってはならず、いまどき6人の山行が成立することは、ほとんどないのに買ったのは6テン! 時代錯誤もいいところです…。

で、会のロープがないんだから、登れるようになるわけないのに、レベルが下がった、とぼやいていました…。沢すらちゃんとした装備で行っていないので、マジヤバい教育体制でした。

遭難事故ゼロが自慢でしたが、おばちゃんが登る山にしか会で行かないなら事故るはずがないから、という…ゴールド免許ですって言う人が10年運転していない、っていうのと似ている話でした。

2019/09/21

住み込み内弟子×クライミング×国際交流

■クライマーのゲストハウス

住み込み内弟子×クライミング×国際交流

=日本の岩場整備

という目論見が私のクライマーのゲストハウスという話です。


囲碁の世界では、日本は他国に負け始めたそうで、巻き返しで、住み込み内弟子制度を取り入れたそうです。そうしたら、強くなったそうです。

これをクライミングでやれば、失われつつある技術というか、ものの考え方が、伝承できると思います。

「山に一か八かはない」

と私は教わりました。そういう技術以外の面、ものの考え方、精神を伝えなければ、男性はすぐドラミングを始めるもののようです。

国際交流で、海外からのクライマーをおもてなしすれば、日本の常識が世界の非常識となってしまっている乖離現象を縮めることができます。

日本人はほかの分野でもガラパゴス化しやすいのです。

いかに愚かしいか、はっと気がつけば、それだけで、後ろに走らないと、ちゃんとビレイもできないような、変なルートを引っ込めるでしょう。