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2024/11/05

【トップクライマーによる指導・お手本】小山田大さんによる岩場講習会@佐渡島


たぶん、普段一緒にジムで登っているのが男子だけだと、外岩も男子だけ。

そういう男子が、いざ、他の人にも、ボルダリング教えてよ~と言われても、普段、男子だけで登っていると、会に来た新人さんをどうやって教えたらいいのか、分からないのかもしれませんね?

結果として、”ほかのみんな”を危険に陥れることに…。

悪気はなかったんだよ~ って言っても… クライミングでは、一回の些細な失敗が、生死に直結する重大事件に…

例えば…

・え?俺、手が届くし。→ 手が届かない人は落ちて大けが 例:腰椎骨折 もしくは死亡

・え?これくらい登れるっしょ → 登れない 例:5級以上は、8級も10級も全部5級の展海峰

・マントル?楽勝! → ジムで出てこないですよねぇ? 例:落ちて大けが

・降り方、分かんない?飛び降りて! → むりむり~ 例:2mのところから、150cmの人が飛び降りたら、3mの恐怖。2mのところから、150cmの人がぶら下がって落ちても、50cm。

って感じで、

 俺にとってはフツー

ってのを、俺と同じフィジカルがない自分以外の人たち…、子供、女性、老人…に押し付ける…

= 危険&ムリゲー

その上、

 え~ なんでできねえんだよ!

とか

 こんなんもできねえのかよ!

という、発奮させて相手のヤル気を沸かせるっていう、男性社会では、ふつー の態度を相手に向けた結果、が

 九州のクライミングなんだろうなぁ…

という感想でした。身をもって体験したぞ?

小山田さんの、こういう動画って、トップクライマーが、それとなーく、彼らに続く次世代のリーダー君たちに、

”クライミングのリーダーシップって言うのは、こういう風にして行うものなんだよ~”

と示してくれている、ってことです。

俺こそ次世代リーダーだ!と自認する男子は見て学びましょう。

他にトップクライマーが、指導している姿を公開しているとしている動画としては、ジャンボさんと倉上さんの繋ぐ壁という動画があります。


■ 小山田大さんの動画ポイント解説

1)ランディングを先に教える (リスク管理を先に教える)

2)易しい10級からスタート (登れなけりゃ登れる喜びを教えることはできません)

3)無名の人でも、それぞれその人の良いところを取り上げて個人を認めてあげる

です。

男子にまかせっぱにしたら、まずいです。

1)外岩のリスクって、蜂とか虫の話だけに…。いや、それは森に入れば、誰でもすぐ気が付く程度のことに過ぎない。キャンプで学んでくるような話です。じゃなくて、クライミングに特化したアウトドアクライミング特有のリスクを伝授しないと。

そもそも、インドアクライミングとアウトドアクライミングの違い、をきちんと教えてくださいよ。

2)そりゃ有段者には10級は面白くないでしょうが、最初から登れないのに取り付いて、面白いと思う人いると思います?いないよなぁ。なんせ達成感がだいご味なので。
まずは、石ころの上にでも立って、ヤッホーができなくては。

なになに?そんな奴はこなくていい? だから、それが 特権主義 って奴なんだってば!

3)登れる奴だけ認めるって?そんなこと言ってるから、5.17が登れるまで自分を認めることができなくなっちゃうんだよ…。登れる自分も登れない自分も、大事な自分。

頑張るのはいいことだけど、だったら、登れない奴を下に見ていい、ってやっていたら、次は下に見られるのは、君だよ? って分かるよね。

それ、いつまでたっても自分を好きになれない理由だから… 何なに?登れない人とだけ比べるからいいんだって?それで私を呼ばれても困るなぁ。


■ 故・吉田さんとマンツーマンの外ボルダー体験

朝、ビレイに呼ばれて行ったら、今日はボルダーです…となり…、ええ~やだなぁ。と思ったものの… もう来ちゃったし…。

いわれるがままに、トライ。

マントルを10回くらい練習させられました。1mくらいの岩で。

その後、おそらく5級か、4級くらいのを登りましたが、一緒にいた二人とは、全然違うホールドを使い、結局、他の2人が使ったホールドでは私は全く登れず。身長で全く使うホールドが違うから、ムーブも全然違うってことが分かった。

私が使ったホールドは、私にしか気が付かないみたいでした…というのは、もっと大きい男性は、もっと簡単に取れるホールドが使えちゃうので、そんなとこ使わなくても…ってなるし… 

なので、グレードとしては、私が登ったところのほうが、ガバっぽいホールドが取れる大きな男性が登ったところより、難しいのではないか?と思われました。

マントルにしても同じで、岩の際に登ったら、平面部にあるガバが取れる人はいいけれど、私はとれないので、安心安全のガバ以外を発見せねばならず…

保険で木の根っこを掴めば、楽に登れるのは見て取れましたが、根性で木の根っこは使わず…というのは、使ったら意味ないと思ったので…これはアルパインではなく、ボルダーなんだし…。しかも、吉田さん見ているし…

で、無理くり頑張ってマントル返しました。 これ、1mだからできるけど、3mならできない。

3mから落ちたら、男子は体が頑丈で壊れないかもしれないけど、私は女性であり、関節も柔らかく、つまるところ、筋肉クッションは少なく、そして、骨自体も細いわけなので、物理現象として壊れやすいのですから、3mから落ちたら死ぬかもしれません。死ななくても大けがになるかもしれません。

…という計算が、自動で、計算できるのが、クライマーだという風に私は思っているのですが、どうも、みんなの中では、ツッコんでいくのがクライマーだという話になっているみたいなのですが…

まぁ、どっちがクライマーか?っていう話は、さておいても、

 ただツッコむだけで計算がない

人は、原理的にクライマー人生が短くなること請け合い。リスクはシビアに見極めましょう。

この時の吉田さんの反応は、うん、って感じで、良かったです。

以上、姉からの弟たちへの手紙でした☆ 

2024/11/03

【クライミング教育】自分自身の力でラインを見出し、プロテクションを取ることの重要性と面白さを教えること

■ クライミング教育の要諦とは?

自分自身の力でラインを見出し、プロテクションを取ることの重要性と面白さ

なのではないですかね?

私の最初の師匠は、鈴木さんですが、私は全く一人で登っていく予定にしていたので、師匠がそもそも必要だと考えておらず、心配した鈴木さんがいろいろと、事情が分かるように、と配慮してくれた、というのが実情かなと思います。

普通に一般登山でやってきた通り、山を少しづつ身の丈で大きくして行き、少しずつ困難にしていく予定でした。

上記の方針を、分割すると

1)自分自身の力でラインを見出す
2)自分自身の力でプロテクションを取る

ことは、

 A)重要であり

なおかつ

 B)とても面白い、

ということだと思います。

■ ルートファインディングの垂直バージョンがラインどりですよ

上記のように、私は鈴木さんと一緒のころは、アルパインの初期で、甲斐駒黒戸尾根を厳冬期に単独で登り(一応、念のためロープとハーネスは持って行った)、バリエーションルートと一般ルートの間にあるような困難度の雪山や岩の山をしていました。厳冬期の金峰山や大同心稜などのほか、無雪期は、明神主稜です。ほかはゲレンデです。

当時、私の困難は、岩のルートファインディングでした。

これは初めての沢で、あそこ登れる~と思ってツッコんだら、ぬめぬめ、ぬるぬるで登れず、ハーケンで降りてきた、ということが反省にあったからです。懲りた。

登れる!と思ったら登れない…では、落ちるしかなくなります。アルパインのルートで落ちるは、死を意味します。

ので、私の課題は、ルートファインディングなんだなぁと思っていました。

読図の山は三年ほどかけて、一人で尾根を下っても、特に問題なく、思った通りの地点に降りれるようになっていました。このスキルは一人で身に着けました。最初に一人で山に入る、というところが恐怖でした。なんせ一般登山者は、一人で山に行ってはいけない、っていう呪いの言葉がかけられているからです。女性だから、犯罪者に襲われる、という話もありました。

しかし、犯罪者は読図できないから、大丈夫。遭う可能性があるのは犯罪者より熊です。

余談になりますが、このように個別具体的にリスクを考えるのが大事です。

これは、実生活に置き換えると、アメリカ社会では、日本人はアジア人なので、私が住んでいたヒスパニック系住民が多いミッション地区には、日本人の私はOKで、白人はNGです。白人のデイビッド、棒持って追いかけられていました(汗)。

それに私が住んでいたのは、ガンショップの2Fでしたが、そこはガンショップなので、毎日のように警察官が立ち寄るので、安心安全でした。

しかし、発砲からは守られていても、なぜかマリファナは合法で、その匂いを知らない私はにおいを消そうと必死で掃除する羽目になりました…カビ臭ではなく、シェアメイトが吸っているポットでした…(汗)。

話は戻りますが、ルートファインディングを岩の垂直面で行うと、ラインを見出す、です。

最も易しいラインは、
 
岩の弱点です。一般にアルパインクライミングというのは、岩の弱点をゆくもの、です。

しかし、フリークライミングは、

特にラッペルで作られたルートは、

岩の強点 なのです。なので、ラインを見出すということには苦戦しています。

アイスクライミングでのラインの見出し方は、師匠を見ていたので、分かるというか、あんだけ散々リードクライマーを後ろからビレイして、眺めていれば、誰だって予習してしまいます。

つまり、ベテランをビレイする、ということは、ベテランからラインどりを教わるということ、なのです。

一般にジムクライミングから外の岩場に入門した人は、易しいラインどりがあるのに、ただまっすぐに登って行ってしまって行き詰ることが多いそうです。

私が疑問なのは、フリークライミングのトレーニングで、特に

インドアで、外岩のラインを見出す訓練になるのかどうか?

って点です。

ユージさんなどは、これは5.11だから、どこかにいいホールドがあるはず、と思って探したりするそうですが、ちびの女性には、グレードは全く関係ない話なので、この逆算発想は使えません。

それで、追い詰められて、落ちたら? フリーのルートでも、今のルートは、昔のエイドルートのボルトをただ新しくしただけなので、落ちれば、死んでしまう配置になっていることがあります。

余談ですが、そんなことは分かっているのがベテランだと思っていたんだが、分かっていない人もベテランと称する人の中にいるということが分かった。

■ 自分自身でプロテクションを打つこと

岩で自分でプロテクションを打つ感性をはぐくむのは、ボルトルートでは難しいです。

なので、自分でプロテクションを打つことの重要性を覚えたい人や

ロッククライミングの本質的な面白さを味わいたい人で、初心者には

 アイスクライミング

をお勧めしたいです。なんせ失敗しても、また凍ればいいだけですから。

トラッドも、カムで自分でプロテクションを打つわけですが…打てる場所が限られているので、アイスよりも見極めは難しいと思います。入れてみないと分からないというのがあるし。

さらに、ジャミングをまず先に覚えないといけない、というのが、初心者でも登れるWI4と比較して、難しいと思います。

ちなみに、初心者でも登れるというWI4ですが、私は初年度は1回しかアイスクライミングをしていません。一回目はさすがに登れなかったですよ。すべてのクライミングの基準は、

18歳男子大学生

を基準に作られているので、それに当てはまらない成人は、自ら、そこから引き算しないといけません。しかし、これは当然ですが、TRには当てはまらないので、翌年にはすでに自分で勝手に小滝に登りに行っていましたが…。この段階ではただムーブを身に着けるだけですので、特に技術的要素というよりは、回数です。

■ 大ハンデつきでも、頑張れば、私のところまでは誰でも来れます

私は独学でほぼ登ってきていますが、18歳男子大学生の体力がなくても、時間の長さや頻度、熱心さで、挽回して、時間をかければここまでは誰でも来れるということを証明するために登っているんじゃないかと思います。

私より、身体的ハンデがある人、男性にいます?いないよなぁ。体力で言えば、私が最底辺な感じではないでしょうか?

いくらメタボでも、私よりは力持ちでしょう…

それでも、まじめに学べば、そこそこのところまでは来れる訳なのですから…

誰かに下駄をはかせてもらいましたーとかではなく。

もちろん、私は鈴木さんや青木さんという師匠に恵まれてきました。でも、師匠に遭う前に、みんなが知らなくてはいけないようなことは、ちゃんと自腹でお金を払って、山岳総合センターに行き、最初の師匠にあった時には、流動分散作れました。懸垂下降もできました。

師匠に出会った場所も、インドアジムやSNSではなく、そもそも、岩場でした。

そして、自己確保で登ることも最初のパートナーと組む前にできましたし、ロープ自体も、初めから自前のもので、わざわざ東京のカラファテまで行って買ってきたものでした。

ロープも持っていません、懸垂下降も分かりません、ビレイもできません、でもクライミング教えてください、っておかしくないです?ハイキングなら、勝手に行ってきて、って誰でも思いますよね。まぁ、これを山岳会で、連れて歩かれているだけの女性クライマーに言ったので、嫌われましたが、同レベルと思われたくないって思っても、許されると思います。実際、取っているリスクが、同レベルじゃないですから…。

ロープの直径も何が良いのか?インドアジムの人に聞いたら、10ミリとか言うに決まっています。それじゃ重くて山に持っていけないでしょう。

自分が行くのはアルパインのルートだと言って、カラファテに相談すれば、ちゃんとしたロープと簡単に自己確保ができるロープクランプを勧めてくれるでしょう。アルパインクライマーなら、ダブルのロープを双方が一本ずつ持ち寄るのだ、とか教えてくれるでしょう。

一方、道具を自分で買わない人は、こうした時点でも、必要なロープの知識を仕入れ損ねます。

こういう風に、その段階に来た人に、人は知識や技術を与えます。そうでない人が与えられないのは、その資格を自分で稼いでいない、からです。

それを逆恨みされても…。

自分の力でラインを見出し、つまり、自分の力でなすべきことを悟り、
自分の力でプロテクションを取る、つまり、自分の力で保険として必要な道具を買う、

そこから、クライミング教育なんですよ。

でなければどうやって

自分の力で、自分の生きる道を見出し、
自分の力で、自分自身を保険とする、

ことができるでしょう? 人の力で自分の生きる道を見出し、人の力で自分の人生を保証してもらうというのは、通用しないのがVUCA時代なんですよ。

しかも、そうしないと、そもそも、楽しくない、ということなんですよ。

           某所の某ルート

■ 参考:ボルトを打つべきでない場所

1)簡単にナチュラルプロテクションが取れる場所

2)頼りない露岩


2024/07/22

【新しいクライミング教育】10年観察して分かったクライミング3原則

■ もっと問題回避思考をクライミング界に

問題回避型思考というのは、モチベーションの持ち方の方向性のことです。

物事の悪い方を見つけて、ネガティブ面を改善していくことをモチベーションとする、という思考タイプのことです。

クライミングや登山などのリスクがある活動をするには、必要な資質です。悲観的防衛思考と言って、まず、何かにチャレンジする際には、

 1)一番起きてほしくないことは何か?を考える

です。それを避ける作戦をとります。というか、とらないとバカみたいな浅はかな理由で死ぬ羽目になります。

例えば、祝子川での事故など、水流があるゴルジュで1方向でロックする確保器で確保したら、窒息のリスクがあることくらい、誰だって知ってるぞレベルの知識です。

■ クライミングでの最悪ケースは?死亡事故

クライミングをするにあたって、皆さん、何メートルから落ちると人は死ぬと思っています?

私は長く確保理論の論文から、6mで、13kNで人体は壊れる=高衝撃事故と同じと思っていたのですが、2022年に奥村さんの講習に出たとき、奥村さんは、2~3mと言っていたと思います。

https://allnevery.blogspot.com/2022/01/blog-post_9.html

思っていたより、低い高さなので驚きました。

2~3mって、ボルト間隔ですよねぇ?というか、適正ボルト間隔。日本の課題では、4~5mもランナウトしているのが当然です。20m、5本っていうのが、日本的な平均的ボルト間隔と思います。20÷5で4m。

4mって6mよりは低いけど、2~3mよりは高い。となると、総論としては、やっぱり落ちれませんね。

ボルダリングも、ハイボルって何メートルからハイボルなんだろうかなぁ?

こういうディベートをたけちゃんねるやってくれないですかねぇ? 

4~5mの課題って普通で、私も岸良で5mくらいの5級を登っていますが…。あれ、怖かったよなぁ…。めちゃ怖かったのに、ガマンして登ったのに、誰も褒めてくれなくて悲しかったなぁ…。

クライミングは、理解力が上がれば上がるほど、恐怖がもたげてくる、という活動です。師匠が言っていました。つまり、バカと煙は登りたがるというのは、登るには、無知識で、無思慮な人間である必要がある、みたいなことです。

リスクについて知らなければ怖くないからです。でも、それって本当の勇気とは、全く別ですよね?

■ 死亡事故を避ける

さて、死亡事故をクライミングにおいて避けるには?と発想すると…?

大事なことは

2)登る前に降りる方法を確保する 

です。

今朝は、こちらの記事がなぜか人気を集めた記事として、ピックアップされました…いや~。

https://allnevery.blogspot.com/2021/03/314nfa.html

展海峰に行ったときの記事です。いや、びっくりしたなぁ。あの時は。

ボルダリングの初心者講習なのに、

 ランディングも教えない

 登る前にクライムダウンを教えない

 マントリングも教えない

なんて…。

いろいろな、降りるスキル】

・山登りで降りる方法は、尾根を読図で降りることができるスキル。

・リードクライミングにおける、降りる方法は、ローワーダウンと懸垂下降。

・ボルダーで降りる方法は、ランディング練習とクライムダウン。

です。これらを身に着ける前に、なぜかみんな岩場に来ちゃいます。山岳総合センターの講習はよく考えられていて、雪上確保の前には、懸垂下降を必ずします。

■ 初心者ボルダラーだった私

私は、当時、ボルダーは初心者で、故・吉田さんと1回、中根穂高さんと1回の、計2回の外ボルダリング経験があるだけで、小川山バイト中に簡単ボルダー4級をオンサイト出来てよかった~と、ホッと胸をなでおろしている状態でした…。

なんかボルダーのほうがロープに守られているリードより危険ってイメージがあります。

九州では、ボルダリングの本場ということで、さー、ボルダラーデビューするぞ~と内心思わないでもなく、とっても希望に満ち溢れていたのです…。というのは、九州のボルダーはどれも素晴らしいですよ~と前評判を聞かされていたからです。

どれほど希望に満ちていたか?というと?

私には全く用事の無い、2段のボルダーですら、視野が広がってよかった、と評価するくらいなポジティブシンキング具合だったわけです…。

https://allnevery.blogspot.com/2019/12/5.html

これがどれくらいのポジティブシンキングか?というと、30代男性3人を先日、油山川の岩場と尾根に連れて行きましたが、彼らは30代前半で体力もあるのに、懸垂と読図をしただけで懲りた、そうです。

半分は読図山行、半分はこれ以上ないくらいの懇切丁寧な懸垂下降をしたのですが、横で同時にインストラクターが懸垂下降するという、クライマー人種にはありえないVIP待遇で懸垂下降を教えてあげましたが、彼らは懲りた、そうです(笑)。恐怖体験だったそう。

彼らがもっと怖かったのは、上級者コースと題された300mほどの谷間の登山道。そこ、すでに道が消えかけている登山道なのですが、ただ広い谷間を北上するだけのことすら、現代の若者はできない、のです。

つまり、ここを歩くのですよ、と道が明快に指示されないと歩けないのです…。

これでは、何が正解か?不透明な時代、VUCA時代を切り抜けられるはずがありませんね…

この山行のテーマは、登る前に降り方を覚えること、でしたが、それを教えるため、近所の石垣に連れて行ったときも、降りることを確認しないで登っちゃうし、8mくらいの壁を前にスラブの登りを教えるためにホールドの見つけ方を講習したら、登れる!と思って、とりつこうとするし… 

要するに行動する前に、その行動の結果どうなるか?を考えないみたいでした。しかも取り付こうとしたのは、何メートルから落ちると人は死ぬか?を教えた後(笑)。

つまり、予習しても、その結果を行動に生かす習慣がない、ということです。この場合、登る前に降りる方法を確認する、習得しようとする、ということです。

3)行動する前にその行動の結果、どうなるか?をシミュレーションする、そして、それを行動に生かす

さて、話を戻すと、上記の2つの過去のログを見ると、要するに、九州で私に起こったことは、私は九州のクライミング界の上級者と称する人たちの

 クライミング理解の浅さについて、いたく失望した

というのが、適切な表現でしょう…。

自称、”上級者です”と自称するだけの、十分なクライミングに関する危険予知能力がなかった…そのことを発見した、ということです。

■ クライミング界には伝統的にリスク予知(KY)がない?

そして、それは指摘した私のせいか?というと、私とは全く関係ありませんね。

まるでリトマス試験紙のようにクライミング界の欠陥をあらわにして悪いな、とは思いますが…。

こちらの山野井泰史さんの動画を見ると、やはりきちんと、登る前に降りることを考えつつ進行していますよね。

山野井さんほどすごくない人たちが、長年にわたり、リスク予知をサボっていた、という事実は、私とは関係ないですよねぇ…。

これって、デジャブー感ありますが…、それは松下でのロボット開発部での経験で、私はロボットに行く前に、別の開発部にいたのですが、その時はバグ管理データベースというのがあったのでした…。ところが、バグ管理DBがロボット開発部のほうにはなく、私は自分の仕事でもないのに、MSアクセスでDB組んだんですよね…。

そうすると、なんと、バグを指摘されたら、そのバグの修正プログラムの中にさらにバグを仕込んで、延々と自分に仕事が回ってくるようにしていた開発者(外部業者)が何人もいたんでした…。

これは、社内で大きな問題になり、これまで仕事してない人に、松下は延々と高額な外部委託費…(正社員より高いんですよ、即戦力なんで)、お金を払い続けていたことになり、私に無料でDB作らせた松下の上司は、栄転したみたいなんですが…。首になった外部業者が5,6人出たんですよねぇ… でも、これ、ワタシのせいです?違うよなぁ。

…というようなエンジニア時代の事例を思い出したのでした…。

クライミングしている間は、過去の出来事のデジャブー感が半端なかったです。これは九州に来る前からそうでした。実は、御坂山岳会でも同じようなことはありました。念のため、言うと、私は御坂山岳会には大変感謝していますが…。特に誘ってくれた先輩。

たぶん、日本的な発想、古い人を無条件に守って、どんなに意義があり、根拠の正しいことを言っても、新しい人は、理不尽な古い人に従うべき、嫌なら、組織を去れ、という体質が問題なんではないですかね??

日本国内の一般世論では、外資への批判や敵視が激しいですが、私はド・日本企業と外資の両方の経験値がありますが…その私が思うには、ド・日本企業の松下さんでは優秀な人から辞めていくという流れにあり、それは、日本的体質、優秀さが報われない…みんなで赤信号を渡っている…そういうものによるような気がしましたし、外資では、効率的で合理的に働いているだけで別に日本下ろしなんてしていないし、どうも、高橋洋一チャンネルを聞いていると、官僚制度、が日本的組織の害悪、その最たるもの、のようで、

 日本社会がホワイト化するのが、単純に世界と比べて、遅れているのではないか?

と思いました。

同じことで、日本クライミング界では、他の組織同様に、改革が遅れに遅れまくっているだけなのでは? 

みんなで赤信号を渡って、クライミングはそういうもんだ、と、実際は、諦観やサボりでしかない、リスク予知を放置して言い訳にしているってことです。

でも、リスク予知がなくても、死なないでいれるのは?逆に言えば、難しいことはしていないからですよねぇ?

その端的事例が、5.14RXが若い人に登られる時代に、5.8で40mランナウトしている課題で、粋がる、というような行為に私には見えるのですが…。

というわけで、

 初心者男子君たち を見ても、×

 自称ベテランを見ても、×

な印象しか持てなかったクライミング業界体験…

 かっこよくて、頼りになる、強いクライマー男子

は、どこにいるんかーい!

■ まとめ クライミング3原則

1)一番起きてほしくないことは何か?を考える

2)登る前に降りる方法を確保する 

3)行動する前にその行動の結果、どうなるか?をシミュレーションする、そしてそれを行動に生かす

少し表現が難しくなったので、ちょっと調整しました。

1)落ちたら、どうなるか?常に考える

2)登る前に、降りる方法を確保する

3)リスクを予知したら、当然、予防的行動をとる

以上で、どうでしょうかね?

まだやっぱり抽象的過ぎて、具体化するのがクライマー諸氏には難しいかもしれません。 

2024/07/05

【クライミング教育】クライミングの3原則って何だろう?

 ■ 才能は、どんな場所にいても芽生えるものだ

ギンちゃんのたけちゃんねるでの対談を聞いていて、

 ギンちゃんは一体どういう経緯で、九州人なのに、アイスのクライマーになったんだろうなぁ

と思いました。

実は、中津で、ギンちゃんにクライミングを教えたという、池田さんに会いましたが、池田さんが登っているのは八面だし、ダイハツアリーナだし、アイスクライミングは全く関係なし…。

知らなかったらもぐり、というような名誉ある老舗山岳会の中津山岳会も、私が山梨で所属した御坂山岳会とあまり変わらないのではないだろうか… 要するに活動実績は、遠い過去のもので、現代版の活動は実績出せなくなっているってことです。

山岳会は、参加するほうがむしろ危険な存在に九州ではなっており、教育ゼロで、イケイケなので、ビーコン持つみたいな意味しかなくなっているようでした。いやビーコンより悪く、参加するほうがむしろ、危険にさらされるでしょう…つまり、危険を予知してやる側に、新人が押し込まれそうだということです。

福岡で有名な高田さんが育てたクライマーがフランベという会の若い男性ですが、まったく現代フリークライミングのレベル感を理解しているとは思えなかった…。

山梨だったら、5.13登る人はゴロゴロしているので、もっと上手にならないと、天狗になることができないレベルで、九州では天狗になることができてしまうので、とっても自信があるのですが、それは、周囲に強いクライマーがいないからなのではないか?と思えました。

なんせ、強いクライマーと言えば、代表者みたいな、小山田大さんすら、なんか80代などの、目上の人にいじめられていそうな気配でした。庵では、大という言葉を出すな、とすら、言われたんですよね…。その辺の経緯も聞きましたが、なにが悪いのかな?と年配の人の側が怒る理由が分からなかったです…。

■ ヒエラルキーではなく、多様性

年配の人は登山者とクライマーは別、登山者とマウンテンバイクの人は別、トレランの人は別人種、と対立の構造ばかりで、多様性、とか、多文化共生、いうのは、分かっていないと思います。

九州では、危険予知はおろそかの一言です。なんせ、さして先鋭的でもない、家庭的な会の会長さんが、「祝子川は、スポーツルートみたいな沢だから、2名でも気にせず行って来たら?」なんて頓珍漢なことを言ってしまう程度の、理解度なんですから…。

ギンちゃんみたいな世界的クライマーが、そのような地で、誕生したということ自体が、奇跡だよなぁ~と思いました。

倉上さんもそうですが、なんで、新潟でボルダリングやっていて、ハイボル?むしろ、沢ヤになるとか、地の利を生かしたらありそうですが…。

■ 縦走→冬季→アイス

私は、もともとは、縦走が好き、歩く沢が好き、な逍遥派です。だから、ある意味、歩きの山しかない、九州にぴったりな登山者ですが…、低い標高の山は歩く気になれない。九州で夏山って不快って意味だよなぁ…。阿蘇まで行っても、暑いです。夏は歩かないで、沢で冷えているのがいいんでは…?

しかし、山梨でクライミングをスタートしたので、山梨では下界でもクライミングが良いので、クライミングをたしなむことになりました。山梨で味わうべきはクライミングだからです。

山岳王国の山梨は、ほかにもブドウや桃などの、有力な産業がいっぱいあるので、クライマーはひっそり、日本で一番良い環境を秘密裏に満喫できるかも(笑)。あんなに狭くて人口少ないのに、クライミングジム、5つもあるし。

おかげでピラニアがホームジムで、日本でトップクラスのクライミングを味わうことになりました。初心者で。

そんな環境では、室井さんは、俺はすごい奴なんだぞーオーラがゼロでした。

九州の人が何の知名度も実績もないのに、すごい奴だと言ってほしそうなのと正反対です。

■ 独学に適した環境

しかし、口の悪い人に言わせれば、現代は、いろいろなクライミングに関する書籍が出ていて、ちゃんと勉強する気になれば、先生が誰もいなくても、ある位程度は分かるはずだ!と言います。

私もそう思います。本で調べるほうが確実。

年配の人に聞いても、無駄な時が多いですね。実は、初めてロープを買うとき、山岳総合センターのセンター長が、

 最大衝撃荷重の値の小さい物がよい

ことを、大きいほうが良いと勘違いしていたことがありました…。要するに古い人は、ロープの性能がうんぬんという世界にはいなかったんでしょう…。落ちる=死ぬ、一択で。

でも、今はネットでも書籍でも、ちゃんと情報収集ができます。

しかし、そうなると、ちゃんとしているかどうか?は個人次第、なのですよね。

■ テキトーな花束と整えた花束の差…原則を教えることの大事さ

こちらの画像は、かってきたばかりの花束と私が活け変えたものです。
  • 葉の裏を見せない
  • 花の高さを変える
  • どこから見るか?を意識して、見える面を確立する
の3つのアドバイスを実践しただけで、この差。

クライミングを学ぶときに、

原則を教えてください!

とだいぶ何度も、年配の人にはお願いしましたが、誰一人原則を教えてくれた人はいませんでした…

私が知りたかった原則って、花を生けるときのこの3つみたいなものです。

花の原則は、Youtubeで花道の家元がしゃべっていました。

西洋フラワーアレンジメントではなく、生け花の人です。

それを取り入れただけで、こんなに良くなるんですから…

クライミング界にも、

3原則

くらいのことは言ってもらいたいなぁ…

新人さんのために…。

一般的なクライマー連中がなんで、ダメダメなのか?は、もうすっかりわかりました。

ナルシシズム × 同調の弊害

でした。

なので、今はトップクライマーから、どうやって正しい道を見出したのか?を抽出することに興味があります。

たけちゃんねるで、次は、誰になるのかなぁ… けんじりくんも出たし…。女性アルパインをやっている朝子さんってクライマーさんいますけど、その方とかどうですかね?

なんかいろいろ、成功事例となっている人たちに話を聞いてみてもらいたい気がします。



2024/05/03

【教育的動画】確実にクラックを登るトップクライマー ユージさんの映像 

■ ユージさんのDAYDREAM (デイドリーム)

■ 危険だと思ったら、下部は固め取りして、クライムダウンし、再度、登ります。

  1:12くらいのところです。

カムをテストするパンパンって音が懐かしいです。テスティング。

カムが外れるクライマーって、この音のチェック、やっていないですよね??

たぶん、一般クライマーって、安全に登る、ということは、どういうことか?っていうサンプル、お手本を見ていないんですよね…

しかも、一流クライマーがやっているクライミングスクールにも、行きたがらない…。

このように見るだけでも、学ぶことがたくさんあるのに…。

たぶん、何かがバレることを嫌がっていて、それで行かないのだ…と思うのですが…。

相方も機会が与えられても、行かなかった…。

このデイドリームの動画は、今、気が付きましたが、もしかしたら、ユージさんが親心で、世の中の無謀な…無知であるために、結果的に無謀に陥ってしまっている一般市民クライマーのために、教育的配慮で撮ってくれたのかもしれません。

ユージさんほど、名声が確立されたクライマーなら、途中でクライムダウンして、登っても、別に、カッコ悪いと勘違いされるとか、名誉が傷がつくことがない…

私も野北の岩場で登った時は、こんな感じに下部を固め取り、その後、上をやりました。途中で屈曲するので、いったん降りて、一つカムを外す、とか…もしました。

リードの岩場では、一番下が、最初のクライミングの出だしが一番危険なんですよ。

以前、城ケ崎で、知り合いのクライマーに下部核心のルートを勧められた時は、守られていない!と感じて、怖くなりました…。守られていないというより、わざと陥れようと画策されているような??

下部核心を勧めるのは、ほんと、なんでなんでしょう?分かっていないから、としか私には考えられませんが…。


事例に上げているアイスクライミングのリードを見たときは、私自身も初心者なので、変なリード、と思っただけで、深く追求しなかったのですが…。

それだけ経験があっても、こんな登りしかできないんだ…、自分ならそうは登らない、という感じでした。

カムの位置ですが、人によって適切だと思う位置が違います。

クライマー別カム設置の考察

うまくハマるところ、バチ効きになるところは共通なので、選んで登れないといけない。その辺が岩との対話で楽しいところです。

このユージさんの動画がみんなのお手本となることを期待☆

2023/04/05

アルテリア 奥村優くんたちのインタビュー

■涼風

小鹿野のイザコザとか、もう男のエゴ丸出しの、気持ち悪い話題が沸騰中の日本クライミング界なんだが、そんな中、一風の春風のような、爽やかなインタビュー記事が舞い込んできた…

https://www.alteria.co.jp/sport/2022-athletes-meeting-1/

アルテリアの社会貢献活動?の一環で良い記事がでていたので、若いクライマーはぜひ一読することをおすすめする。

ーーーーーーーーーーーーーー

兼原:まあ、靴だってどんどん高性能になってるし、カムだって、今までストッパーしか効かなかったのが効くようになっちゃうし。ボルダリングだって初期のルールとしては、本来クライミングのカテゴリーの中で一番厳しいルールなわけ。何も使っちゃいけないんだから。だけど、クラッシュパッドが現れて…。これからも許容される道具っていうのは、たぶん増えていくと思うんだよね。クライミングって審判いないからさ、それを使うか使わないかっていうのは、倫理とか共有してる暗黙のルールとかによる。だから人口が増えると、水と同じで大勢は低い方に流れるんだよ。だけど、民主主義じゃないけど、少ない方が間違ってるわけじゃないわけだよ。登喜男さんなんかはさ、クラッシュパッド使ってないから変な人じゃん。
兼岩:うんうん。
兼原:うん、じゃないんだよ。
(笑)
兼岩:変な人って言ったら語弊があるけど、普通ではない。
兼原:だから、やっぱりなんだろうな、正しいとか正しくないとかじゃないんだけど、やっぱり少数派が変だっていうことにはならないような、クライミングコミュニティであってほしいとは思う。
兼岩:どっちもある程度リスペクトされるのがいいとは思うんですけど、結局ボルトルートだと、残っちゃうわけじゃないですか。そこが難しいのかな、と。クラッシュパットだったら、その時々で避けたり、置いたりできるからいいけど。
兼原:クラッシュパットだってさ、厚みがある分、取付きが高くなっちゃうわけだよね。本来出さないといけない一手が無くなったり、そこからスタートできちゃったりするわけじゃない。そうすると、まあ初登者とは違う動きにな・・・・

ーーーーーーーーーー以上引用ーーーー

なんか、ロクスノがあまりにレベル低下して、もはや

オピニオン誌としての信頼感はゼロレベル

 なので、アルテリアが独自記事を構成してくれているようですね(笑)。

若いクライマーは、こういうのを読んで参考にしましょう。

誰かの後ろをついていって登らせてもらうなんてのは、

 金魚の糞

登山って言われて、登山界でも評価されていません。

自分でクライミングに行けるようになるまでは自分で独学して、自分のスタイルをどう作っていくか?はこれらのトップクライマーの様子を参考にしましょう☆

2022/12/27

リードへの移行は啐啄同時

■ 早い段階でリードをとらせる害=アルパイン教育をフリークライミング教育に持ち込む害=俺様思考

かもしれないと、ふと気づきました。


アルパインクライミングでは、ザイルのトップは責任が重い(トップは落ちることは許されない)

セカンドにもトップの立場(や苦労)を分からせるために、易しいⅢ級やⅣ級でリードさせる


簡単なので、ザイルトップの責任感が分からない & 簡単なので大ランナウトが普通


意図は先輩の立場を分かってもらうことなのに、意図に反して、えー?こんなのも登れねぇの?と言うようになる


 ランナウトの危険は認知できないクライマーに育つ

もしくは 認知したとしても、やせ我慢して登る

ランナウトに耐えることがリードなのだと誤解する

その価値観を、フリークライミングに持ち込む

↓ 

自分もそういう教育を受けたのだからと、他の人にリードを強いるようになる

怖いもの知らず&ロープの配置が悪いクライマーが出来上がる

 

例:ダブルのロープは使い方をマスターしていない、あるいは、すぐロープスタックするようなスリングもしくはカム配置なのに、登りながら気が付けない、など…

…と、こういう機序になっているような気がします。

というのは、

 RPグレードの高さと実際の岩場での行動がミスマッチ感

がある男性の先輩がいて、その方の記録にふとめぐり逢い、え?というドえらい早い段階で千波の滝をリードしていたからです。

その方のアイスクライミングのムーブは、私よりも洗練はされていなかった…師匠の判定です…ので、ふと思いました。

私は師匠からリードのススメを貰ったのは、6級の氷柱がスイスイ登れるようになってから、です。

4級は最初から楽勝(ザック担いで登りました)でしたが、広河原沢左俣ですら、リード許可下りず。リードはしていますが、と言っても、本当に初級のところでした。5級の氷を登っていた程度の時は、私は醤油樽の滝は、段々で立てる(レスト出来る)ので、リードできるのではないか?と思っていましたが、師匠は嫌がっていました。許可はおりませんでした。

■ 男女差?

男性と女性でリードしていいよ、という許可が与えらえるスキルレベルは違うのかもしれませんが…。

つまり、男性は薄いマージンで、女性は厚いのかもしれませんが…。

それでも、初期から、リードしろ、の圧力があるのは、良くない教育方針のように思いますね…

もちろん、依存心があるのは良くないですが、かといってリスクを小さく見積もるクライマー…つまり、慢心があるクライマーってことです…は、クライマーとしての基本能力開発に失敗している。リスクは適切に見極められるように育てないといけません。

男女差より、個人差が、高所への恐怖心には大きいです。私の夫は、私より当然、体力も上で、筋力も強いですが、高所は怖がって全くダメです。

■ 啐啄同時

そったくどうじ、は、卵が孵るときは、内側から殻が割られる、という意味です。

卵が孵化する瞬間を待たず、外から卵の殻を割ると、中身の雛は死んでしまいます。

リードもそのようなものではないかと思います。

つまり、本人が自信をもって、リードに進みたいと思い始めてから、進ませるということです。

なんせ最近の人は、インドアジムでスタートしているので、

 支点の強度を疑うことがなく

 すぐ落ちることを是としており

 すぐにダイナミックムーブを使う

のです。これでは、日本の支点が40年ものの外岩で安全に登れるはずがありません。外岩リードでは、

 支点の強度がヤバい、

 ランナウトしているので、落ちていい箇所と悪い箇所がある

 ダイナミックムーブは使ってはならない

というのは、教えないと彼らは自発的に気がつくには、何年もかかるか、もしくは事故ったり怪我してから、ということになります。 

外岩では、墜落NG、テンションOK、です。

■ 自分の育てられ方は間違っていたな…

私の教育は、アルパイン流の教育で、最初の確保は雪上ですし、三つ峠なんて2度目からリードしていましたし、西湖の岩場のアイゼントレのところは2度目からリードでしたが、考えてみるとⅣ級のところなので、まあ、いいか、と今では思いますが、現代のアルパインクライミングは、フリークライミングを基礎力とすることを考えると、やはりフリークライミング流の教えられ方のほうが良かったなと思います。

あのタイミングでは、支点のことを学ぶべきだったなぁと思いますが、教えられたことはなかったように思います。なにせ、落ちないので、支点の存在価値希薄だからです。

落ちないところでは、支点の強度の大事さ、というのは身につまされないので、身につかないです。

だから、フリークライミングの時代に変遷しても、スポートルートなのに支点がボロイことを受け入れるような、そんなクライミング文化になってしまっているのではないでしょうかね?

■ リッジの古いリングボルトやハーケン

日向神でも、残置のハーケンやリングボルトが残っているリッジのルートがありますが、

「これ、ボルトにするべきと思う?」

と聞かれ、返事に窮しました。

いや、あれで落ちる人、いないですよね…みたいなルートだからです。どう考えても25kNの強度のボルトは、オーバースペック。

一般登山者でも、普通の人は、まず落ちないレベルです。もちろん、左右は切れ落ちているんですけど…。怖い人は来ないですよね。なので、リッジが好きな人というのは、ある程度、

 高度感(見せかけのこわさ)は平気で、本当に落ちるリスクだけを怖がる人

です。

アルパインクライミングでは、見せかけのこわさと、本当のリスクを切り分ける能力が必要です。

例えば、甲斐駒の黒戸尾根って、私にとっては転滑落するようなところあったっけ?くらいな登山道で、難易度的にあれで怖い人には、アルパインのルート無理では?と私には感じられましたが、それでも、一般山岳会の会員レベルの人たちでは、落ちている人いますよね…。男性でもです。

さらに言えば、スリップというのは、本人の意識で防げるか?というと防げない。

Ⅱ級のアイス…つまり、凍った平坦なところ、って意味ですが、それで転ぶ、”6級アイスはすいすいフリークライミングのムーブでこなすクライマー”なんて、なんぼでもいます。

スリップ時の保険という意味のロープと、フリークライミングのロープの意味は全く違う。

それにも関わらず一緒に理解されているのが、事故多発の思想、なのではないかと思いました。

■ ロープの意味の違い

フリークライミングの場合は、ロープは頼れる心のよりどころ、って感じです(笑)。ロープが信頼できるから、つまり、ビレイヤーが信頼できるから、ツッコむ勇気が出る、って話です。ロープが信頼できない=登れない、です。

アルパインクライミングの場合は、ホントにただの保険、万が一の保険なので、使わないで済むのが成功の証です。

その意味の差を教えそこなうのが、

アルパインの論理で、フリークライミングを教える教授法スタイル、

という気がします。

結果として、

イケイケクライマー & 無謀を自慢してしまうクライマー

が出現してしまうのでは? 

それを40年ものの支点でやると、ロシアンルーレット状態です。

こう考えると、イケイケの方、無謀の方、天国に一番近い男と言われて誉め言葉だと考えてしまう方は、

失敗した教育の被害者

なのかもしれません。

つまり、本来は、しばらくセカンドで登って、ランナウトの危険や、自分の登攀力と課題が要求する登攀力がミスマッチしないように分かるようになってから、リードに進むのが良い(そったく同時)が大事なのに、そういう風に育てられず、急かされて育てられ、

他の人にも恐怖心を乗り越えることがクライミングゲームだ

と無理強いするようなクライマーに育つ、ということです。

■ 怖くないラオス

なんせ、私ラオスでは全く怖くなく、たった2週間で一年分くらい成長したんですよね…

それだけ日本での環境がストレスフルで、私の成長を妨げていたということです。

九州のクライミングカルチャーでは、甲府時代より、さらにストレスフルになったので、ここではクライミングで成長することは冷静に考えても、無理ですね。

  野岳よ、お前もか…のボルト。カットアンカー… 早くリボルトされませんかね? つまり、九州ではきちんとした開拓者でもカットアンカーだったってことです… 安物買いの銭失いどころか、安物買いの命知らず、ってことになっています…

2022/12/16

縄張りと誰が一番か競争に終始している=クライミング教育お留守 なんだろうなぁ…

■ オンラインコース

トニーとアレックス・・・もう数年になると思いますが、オンラインコースの集客やっていますよね(笑)

なんで日本のトップクライマーはやらないんだろうな。

■ 教えてもどうせすぐはできないので自分の地位が脅かされることはないですよ?

技術的な内容や、オンラインで分かるような内容って、教えてもしょせん、机上のことで、身につくには、分かった後で、うんざりするほど、繰り返しのトレーニングというのが必要だ。

だから、教えても何も減ることにはならない。

むしろ、現場(岩場)で、無知で来られるより、ムンター結べないから練習してきた、くらいな人の方がいいし、ムンターって半マストですよね?とか、言っている人のほうがいい。

現場で知識を与えよう=いきなり本番(つまり、リスクあり)というのが、そもそも、間違っているのに、教え方を改めようとしない、山岳教育界…。

■ 師弟制度

いつまでたっても師弟制度です。

師弟制度っていうのは、上下関係、って意味なので、結局のところ、若い人は、自分が下って意味ですから、あんまり好まないです。

それも分からないでもないですが、知らないことを教わるのに、頭が高い人って、私も好きではないです。

だから、私は師匠は師匠で良いと思っています。

■ 師匠より必要なのは、ちゃんとしたフォローなんですよ…

しかし、師匠がいても、クライミングは教わったことを実践するのにフォロー、つまり、ビレイヤーが必要です。

ところが、教わったばっかりの、あやふやな強度の支点に、昨今のジム上がりで、ポロポロ落ちる後輩を連れて行けます?行けないですよね?

ジム上がりならまだましで、ジムにすら行かない人はこのレベルでロープです。

こんなレベル↓でロープを出さないといけなくなります。ホントに落ちるかもしれないところで出して、ホントに落ちられ、それが初めての本番、だと? 支点崩壊で死んじゃいますよねぇ?

私の所属していた会に来た33歳の新人君はこの斜面でロープがいるレベルってことです。

この傾斜55%の雪の斜面は、北アですが、私は全くロープイラナイと思ったところですが、

   この4人のパーティで一番弱い人=33歳のっぽ君

でした…。ので、先輩はロープを出していました。つまり…昨今、入会して来る新人さんの男性って、ものすごく登攀力低いです。

昨日こちらの記事にも書きましたが、例えば、広沢寺で、私がアイゼントレではない普通のフリーのルートで登っていたら、アイゼントレで来ていたほかの皆さまが、ウルウルした目で見てきて、参った、ということがありました。

当時私は、まだ岩デビューして間もなく、小川山はまだ春の戻り雪でピッチ数稼いでいるころで、西湖の7mランナウトしたスラブがチャレンジという時代でした…。そんな私のような低スキルの人が、その人たちからは、まぶしく見えるって話で… あまりにも低いレベルで比較されてしまい、え?!となりました。

つまり、デシマル以前、UIAAの四級でもロープ要るって人たちが、昨今、会に来ます。

これは山岳総合センターだって同じで、私の班で一番歩けたのは私でした。それでまるで罰ゲームのように一人ラッセルさせられました。 ほかの人は男性でした。

■ 机上講習が欠如している

現代の若者は、みんなが思っているよりアホです。たぶん、ゆとり教育のせいなのかもしれません。

ビレイは落ちる人を受け止めた経験がないと上手になりません。そんな当然のことも分からない人が大多数のようです。

クライミング歴5年と言って入会してきた同期の新人に、「ビレイできますか?」と聞くと、「できます」と言いますが、「落ちた人を止めたことがありますか?」と聞くと「ありません」と答えます。これでどれくらいアホか?分かるでしょう…(汗)。

私はこの人を人工壁に誘って、引っ張り落とされそうになりました。その後、彼は二度と人工壁来なかったので、ビレイをマスターしたのか不明です。

そんな感じで、大体の山岳会に新規入会する人は、

とんでもなく予習不足

で来ます。まったく白紙なので、入会するときに知識のレベルを聞く問診票みたいなものをした方がいいかもしれません。

ルートに行ったことがある、と言って著名なルート名を上げても…

 落ちない先輩が付けているロープの端っこを持っていた経験があるだけ

で、人の後ろを歩くだけの金魚の糞登山の男性が多いです。それで行ったことがあるといっても、プルージック登攀も、トップが落ちたときに固定して援助を呼びに行く練習なども、全く教わっておらず、何も知らないで、セカンドをやっているだけの人がほとんどのようです。

そんなことは、山梨の山岳会ではありえないと思うのですが、九州に来て、預けられた新人が、クライミング技術は何も知らないのに5.12は登れます、って人だったので、九州では会で何も教えていないということが分かりました。会の方が教えないで、先輩に連れられてマルチのセカンドに連れて行っているということです。

これは、師弟制度で、20~30のマルチピッチの経験が必要と言われているのとは、全く内容が異なります!! 菊池さんは、何も教えないで、セカンドで連れて回れ、と言っていないですよ?

それ以前に、そもそも、ハイキングレベルの終了試験である、読図、というのもマスターしないで来ている人が多いです。沢に行くときに地図を持ってこないで、GPSの軌跡を他より位に歩こうとしている人がメインです。

■ フリークライミング能力があっても、それだけの場合もある

私が、フリークライミングで組んだ元の会の男性の先輩は、読図力はゼロだったと思います。ある時、宝剣の方の初級アイスに行ったら、全然違う沢に入って壁が見つけられなかったのですが、後で地図を見たら一つ入る沢を間違っていました。

それでも、鹿島槍東尾根は済ませていたので、えらいなと思いましたが、地元の地の利の勝利で行ったのかもしれません。

というのは、マルチの上部って2級で歩けるようになっていますが、ロープを岩角に引っ掛けながら、コンテで(簡易的なショートロープ)で歩く技術を知らなかったからです。当然解除だと思っていたようです。その時に詳しく解説したらよかったと後で思いましたが、自分がロープ要らねーなら、相手にも出さないっていう自分本位なクライミングから脱し切れていないということでした。

つまり、リーダー教育を受けていない、という意味です。

ロープ要りません、と言って、”よっしゃ!”と言ってもらえるのは、セカンドだけだから、です。

大体、登攀で落ちるより、何でもない3級、4級の歩きのところで事故が起きることが多いというのは、きちんと教育を受けたクライマーなら、3,4級を甘く見るなよ、と先輩や師匠に、きつくくぎを刺されていることが多いです。それがなかった。

ので、この方と沢などの自然要素の多いルートに行くのは、危険だと思いました。自然界そのままのところの方が、整備されたフリーの岩場よりも、ちょっとした危険でロープを出さないといけない、というケースは多いためです。

そういうリスクは、フリークライミング能力ではカバーできないです。なにせ、足元の地面とか、持っているホールドとかが壊れやすいって話なので。

私は沢は、ひと夏毎週のように出かけて、出す出さないの条件判断をすっかり自分で納得するまでやりました。

一般に、技術習得指向でない人は、そういう風に習得テーマがあるわけではなく、ただ楽しいから行く、だけなので、経験値として貯まらないみたいなんですよね…。経験年数が長くても、エイト環のセットが分からない人を見たことがあります。

一度、歩きが遅れがちの20代男性のために、沢の下山でゆっくりと時間を使ったら、なんと最後の読図ポイントの前に暗くなってしまい、尾根が見分けられず、コンパスウォークでルーファイする羽目になりました…。優しさが仇になった。下山12時頃でした…。

■ フリークライミングの謎

そんなこんなは別にして、登山の技術とは別に、

 フリークライミングとはこのようなものです

という思想的なものを若い人に教えてやる人が必要です。

現在はトップクライマーは、何年も、開拓記録を上げ続けているだけで、一般クライマーにとっては、どうやってそこまで行くのか?雲の上の人ということになってしまっています。

ユースケさんのように、近所のジム等で、これぞ!という登れるクライマー(5.13レベル?)がいる場合は、一度ルートに連れ出してくれるアニキみたいなクライマーもいるそうです。

しかし、一本釣りだと、その釣られた人には技術が伝授されても、他の人には恩恵がないです。もちろん、アルパインの教育はオーダーメードというか、個人に合わせてなされるべき、というのは、分かりますが、それでも、共通項、ってありますよね。

例えば、マルチ行きたい、んだったら、基礎になっている、セカンドの確保だの、懸垂下降だの、宙づりになった時自己確保で登り返す技術だの、リードクライマーが行動不能になった時、ビレイから逃れてレスキューする技術だのは、誰でも知っていて当然です。

雪稜なら、ピッケル持っているだけで、滑落停止できなかったら意味がないです。

テント泊ですら、テントを火に近づけない、とか、色々基本技術あります。なんせ、知らない人は、冬山のテント泊、雪洞泊に、パジャマを持ってくる時代なんですよ??

富士山五合目のアイゼントレで、「今日、初めてアイゼン履くんですぅ」なんて言って、切っていないアイゼンバンドがぶらぶらしているなんて、もう普通のご時世です。

ものすごーく、レベル低下していて、そういう人でも、フツーにクライミングジムに行くので、登攀だけはバッチリ!だったりもします。

つまり、登攀力はクライミングジムがカバーしてくれる良き時代なのに、その両輪となるべきクライミングに関する知識や思想という片方の車輪が整備されていないのです。

その点は、私のような山の世界に38歳で来ました、みたいな人は、歴史的経緯が分からないので、いくら新しく来た人に同情し、教えてあげたいと思っても、知らないものは知らないものなので、教えてあげることはできません。

■ 著作権の不思議

フリークライミングでは、他人の所有物である岩に描いたラインは著作権であるそうなのですが、この辺も、一般社会の常識とかけ離れた、とても奇異な思想ですので、それなりに見識がある方から、ちゃんとした解説がなされるべきだと思います。

普通の社会人の常識では、人のものに自分の権利を主張するなど、とんでもない厚顔です。

例えば、エベレストに初登頂しても、別にエベレストがその人の所有物になったり、その人が登ったルートが著作権で守られる、なんてことはないでしょう…

フリークライミングになったら、突然、開拓者はラッペルでぶら下がっているだけで、オンサイトもしてないのに、著作権って話になっています。

その辺りは歴史的経緯が分かる人しか分からないでしょう。

ちなみに、私は、故・吉田さんと開拓中のルートがありました。あれは、私が主張したら、私のルートになるのか?謎です。もちろん、そのようなことをする予定はありませんが。

こうしたこともすべて、慢(エゴ)が引き起こしている事態のようにお見受けしています。

俺の、俺の、というやつです。

でも、もうトップクライマーは名声は確立していますよね?

いつまでも、名声が確立する前の活動を続けていないで、後進を育成するという、もっとやりがいのある仕事に移って行かないのは、なぜなのだろうか?と思います。

私は、名誉ではなく、つながり、を大事にしているクライマーです。 そんなの当然でしょう。38歳から登っている人に名誉なんていりません。

 


2022/12/02

Why Become a Mountain Guide? / British Mountain Guides

外国でガイドスキルを得る方が日本で教育を得るより有効な解だと思います。

日本のアルパイン教育は、世界各国と比べても、非常に遅れているかもしれません。

なんでこんなことになったのか?私にはわかりませんが…

2022/11/11

クライマーの皆さん そろそろ日本のクライミング教育に向き合いませんか⁇

■ バレエ歴20年

である。大人からスタートして、一般のバレエ女子が辞める年齢…18歳でバレエをスタートした。だから大人でスタートしたおばちゃんたちには羨望のまなざし(笑)。 38歳で山梨ではどうしてもバレエ教室がなく、断念して、代わりにクライミングをすることになったんだが…。

このような動画が回ってきた。

「教師の皆さん‼️」そろそろ日本のバレエ教育に向き合いませんか⁇

 まさしくクライミング界も 向き合ってほしい。

 間違っていることは、いくら、 みんながやっていても間違っている

のである。

■ 「暗黙知」になっているボルトが危険、という情報

九州には、カットアンカーの 岩場しかない。

カットアンカーは、

 ”40年経っていなくても” 5-15kNしか強度がない

わけだし、一体どうやって、一般社会人であるボルトルート専門クライマーが、

 カットアンカーは、コンクリートのプロですら使わない安物だ、

と知っているはずがあるのだろう?知っているはずがないですよね。

■ 陰湿ないじめ文化

白亜スラブに行った時、別にボルト知識はなく、普通に小川山のボルトのように信頼して登った。

パートナーの荒木さんは、八面に誘ってくれた時、夏だから下部エリアで、という選択の仕方で、八面では最もボルトが危険だと言われている、浜田ラインだの周辺のルートを選択。

つまり、山梨で10年登っていても、ボルトに対する警戒心というのは、育っていないということだと思う。つまり、彼も知らなかった。

その後、白亜スラブに行ったわけだが、明らかにリボルトに急を要する岩場で、現地の人たちの話では、”敗退なし”とかっこつけて言うが、それはかっこつけ、で、ボルトが危険すぎて敗退を前提にした常識的な計画を立てることができない、という意味だ。ボルトにお世話にならず登るしかない、それしか登れないルート、つまり、

 ロープがあっても、オールフリーソロ

で登れ、という意味。”残置無視”できる実力がないと日本の岩場では、安全を確保した登りはできない。なにしろ、残置が一番あぶないのだから。

■ 漠然としているボルト知識

御坂山岳会の先輩は、私が兜岩に行きたがると嫌がり、城山一択。城山はケミカルだからだ。小川山にもなかなか付き合ってくれない慎重さだったが、理由は説明されなかった。

2000年代以前に開拓された岩場へ行ってはいけない 

というのなら、その以後の岩場はどこにあるのか?公開されていないので、登りに行こうにも、どうやって行けというのか?

私はどちらかというと、ラッキーで、その後は、指導者クラスと登ってきたが、そうでない荒木さんは、彼が白亜スラブに行かされた、というのは、

 半ばハメられたんではないか?

と今では思う。なにせ、

 挑発に弱そう

だった。別の友人で、九州で、

 懸垂支点を1点しかとらずに懸垂するのを嫌がったら、チキン呼ばわりされた

と語ってくれた人がいるが、支点1個で降りるなんて非常識なので、チキン呼ばわりするほうがおかしい。

しかし、

 常識を言っているだけなのに、チキン呼ばわりというイジメ

は、私のように41歳でクライミング始めました、とか、身長152cmしかないです、とか、握力17kgです、みたいな人…つまり、クライミング弱者…にまで、および、

 九州の集団イジメ体質の陰湿さ

は、非常に強い。恥ずかしいことになっている。これを理解したのは、先日、チェーンソーを使う場でだ。

私の胸高になる位置にログが積み上がり、端っこを玉切りしないといけなかったが、そんなのを私にやれと言うのである。

は?!である。普通はチェーンソーは腰高で使うように安全教育を受ける。九州は別の山でも、チャップスなしで安全軽視の木こりを見たが、そういうのが俺イケてる、って文化らしい。そのおじさんは、私に向かって、出来損ないの奴みたいな態度をとった。馬鹿らしい。

その場には、152cmの私より小さいおじさんがいて、「俺にも危険だ」ということで、かばってくれたが… その、挑発してきたオジサンは、びっこひいていた…ので、たぶん、元々自分が挑発に乗りやすい性格で、粋がって無理をしたんだろう…同じ目に遭う同じ穴のムジナを募集中だったのかもしれないが…

仲良くしていた淵田さんが、「やってー」と声をかけたら、「いいっすよー」と気軽に対応してくれ、普通の強い男なら、それが当然の対応だと思った。

女の私に図体デカい男が勝って、何の自慢になるのだろう?

バカみたいな男のプライドに付き合わされるために、私が命がけになり、それで死んだら責任取ってくれるのだろうか?

男同士はすぐ挑発に乗る。半ば、それは遊びで、当然だからだ。

 「お前、階段、何段飛べる?」

  「俺、5段」

 「ぼく、6段」

 「俺、10段飛べるぜ!」 それで大怪我しても尊敬を貰える、というのが男の子の世界なのだ。 

一方、それは10歳で卒業した紳士の世界は、「あ、それは背の低い人には危険だから、私がやりましょう」である。

九州のボルトは、すべからく40年経過しており、危険なうえ、その情報は一か所にまとめられておらず、そのことを知ることができないため、危険この上ない。

その上、挑発文化だ。

ちなみに、支点1点でボルトにぶら下がってダメ男呼ばわりされた人は、今では、世界のアルパインクライマーと一緒に登って、とっくに上級クライマー仲間入りしているのである。

九州で、同様に頭角を現したいと思っている若いクライマー君がいるなら、さっさと危険な火遊びによるバカバカしい命がけクライミングは足を洗って、さっさと山梨でクライミングすることを薦める。ジムもいいのがたくさんあるし。トップクライマーへの道は、北杜市からスタートするのである。

デビューが心配なら、最初に入間のベースキャンプに行けば大丈夫。初心者講習もそろっている。世界のユージが設定したグレード感も身に着けられる。

■ 野岳よ、お前もか…

九州ではグレードが適切と言われている野岳の”現在”のボルト。カットアンカー。コンクリートのプロが一目で却下したボルト。これではいくら適切なグレードでも登れない。長崎では大村の北村議員に事情を話してあるので、開拓者がやる気さえあれば、出資してくれると思います。周辺で無料で宿泊できるだろう場所もあり、理解者も豊富です。

■ 怖いほうがいい

余談だが、挑発おじさんは、後で私がチェーンソーを使っているのを見て、納得したようだった。私は怖がりなので、チェーンソーも使うの下手ではないらしいです。

クライミングも同じでしょう。山梨では、「怖いんです」と困り感を訴えると、たいていの人からは、「怖いほうがいいですよ」と返事が返ります。 

それにそもそも、クライミングは、自分のスキルがリスクに勝って快感、という遊びでアリ、どれだけ怖いもの知らずか?を自慢するための遊びではない。

百歩譲って、怖いもの知らず自慢の遊びだとして、それで女に勝って、何の自慢になるのだ?

2022/10/24

クライマーの4タイプ

■ 面白い人間観察

このような動画を発見しました。

【4タイプまとめ】人間関係を見極めるツール..「人生を楽にする」「性格とは何か」「他人を操る手法」3コンテンツまとめ 【岡田斗司夫/切り抜き】

阪大でも、講演されたそうなので、それなりの基準は満たしているかと思いつつ…

思考の遊びを行います。以下が使用する概念です。


 ■ 横軸を、感情⇔理性、縦軸を登攀力に取ります

するとこんな図になります。

■ クライマーの分類
 

       登攀うまい
  現代初心者 | 自立者
感情ーーーーーーーーーーーーー>理性
   ペテラン | ベテラン
       登攀下手
 

現代初心者に理性が追加されると →自立者
ペテランに登攀力が追加されると →現代初心者と同じ
ベテランに登攀力が追加されると →自立者
自立者が登攀力を失うと → ベテラン

1)反目の回転 右回りは反目し合う
 

ベテランはペテランを見下す
ペテランは現代初心者を見下す
現代初心者は自立者を見下す
自立者は、ベテランを見下す
と、こういう関係になっているようです。
 

2)尊敬の回転 左回り

ベテランは自立者を尊敬ましい
自立者は初心者を好ましく思う
初心者はペテランをそうと気づかず尊敬する
ベテランはベテランが羨ましい

■ ダークサイド墜落

1)初心者が、理性的技術力を身につけないままだと?

 → ダークサイドに落ちて、”ペテラン化”する。

つまり、現代に50代~60代のペテラン登山者が大勢いるのは

 教育の不在の結果、

ですね。もう、結果が出ている時代なのです。登山教育が存在しなくなって何年たつのでしょう?

必要なのは理性であって登攀力は別にいいです。ほっとけば、そこは勝手に上がるので。

2)経年も説明できる 人が年を取ると?

初心者 → 自立者 → ベテラン と遷移する。

3)ベテランに高いフリークライミング能力があれば?

自立者。 現代は、標高5000~6000mに5.12ノーマルの登攀力を持っていく時代。

4)ペテランが、理性的判断力を備えると?

ベテランと言っても良い状況になる。

5)対角線は、愛憎

一般に、ベテランは、「最近のクライマーはポロポロ落ちるから嫌い」と言う。ペテランは、ボルトがカットアンカーの時に落ちると危険だということがそもそも分からないから、何が問題なのか分からないので、現代初心者とは仲良しである。

一般に自立したクライマーは、ペテランがあまり好きでないようである。大体、苦言を行っていることが多い。 

■ 教育の不在

教育の不在の問題を放置して、

 登攀力だけあげてきた九州のクライミング

肝心の理性的判断力が身につくプロセス…を教育というが…が、まったく用意されていない。

つまるところ、勝手に上がってこい!の、小乗仏教みたいなことになっているので、現代の初心者のみならず、40年前からの初心者(今はペテラン化)は、多数が上がってこれない…

ということが、登山界に起きていることなのではないかと思います。

九州に限らず、初級のクライミング技術講習(都岳連の岩講習みたいなの)は、全然足りていないようです。

教育がない限り、10年以上登って、ヨセミテにも連れて行ってもらい、国内の一流クライマーと登っても、やはり、ロープはスタックするわ、懸垂でジャムるわ、参考計画書もなしで敗退ロープなしで、1つのボルトにみんなでぶら下がるクライミング、しかできないみたいデス…この身で体験して分かりました。

俺らはそんなこと教わらなかった、と言って、盗むのがクライマー、なんて弱者にきついことを言い続け、

このまま教育不在が続けば、ジムで鍛えたクライマーも、10年後には

 りっぱにペテラン

になりますね。 歴史がすでに証明しているようです。

2022/10/17

モラルハザード中の世界

今日の仏教説話は、地獄の三寸箸と天国の三寸箸の話でした。で、天国の箸を使っている人に、俺の当然の権利だと言ってお返しをしない人が出てきたら、それが、モラルハザード。

それが、九州に来て、私に起きたことです。

それまで、自分の周りでは、良い環境で登っていました…

事例。これは、6年前の記録です。 https://allnevery.blogspot.com/2016/10/blog-post_17.html

土日は小川山&瑞牆でした。

瑞牆では、初めてのクラックオンサイト!カムの設置も初めてなのでドキドキでした。頂上への階段5.8オンサイト。となりのプリンプリン5.9はTRノーテン。

気をよくして2Pのマルチの片葉足1P目5.7をリードしたら、カムが足りなくなり、大ランナウトして初心者であることを痛感しましたが…とりあえずオンサイトできたのが、うれしい!

土曜の小川山もオンサイト1本。クライミングは楽しいな~!という結果になりました。

あとは10Aのカメ岩クラックはフェイス部分出だし核心で落ちました。上は快適。

きちんとした反省だな~と自分でも思う。

登攀力だけがついても突破力ができるだけで、後は全然、なら、アルパインでは、行けるところの幅は全然広がらないし、フリーなら安全は高まらない。

したがって、ボルダーをやるしか選択肢がなくなる。

アルパインルートへ行く技量 (いわゆる総合力)

= 基礎となる登攀力 + 体力 + 時間通りに登るためのロープ裁き +  アルパインのリスク感性 + セルフレスキューに必要な基礎知識 + 遭難時の予備力

フリークライミングへ行く技量

= 基礎となる登攀力 + 基本的なロープワーク知識 

外ボルダーへ行く技量

= 突破力

 



2022/04/07

クライミングガイドから学ぶ…九州にその環境はあるのか

■ ベテランさんからこのような助言を貰いました

ーーーーーーーーーーーーー

ガメラの指導って丁寧適切だと思いました。

日本のクラシックルートなら、ボルトは人工ルート以外にはほとんどないです。

ボルトが多数あるのは、穂高屏風岩、谷川岳衝立岩、丸山東壁くらいです。

日本の本チャンルートは、登られているルート以外は行かないほうがいいです。

登れらていても岩がルーズで、危険なルートはチンネ左稜線と八ッ峰6峰Dフェース。

錫杖の注文の多い料理店より、瑞牆山の調和の幻想のほうが遙に良いルートです。

ーーーーーーーーーーーーー 太字当方

■ 大御所ガイド

”ガメラ”とあるのは、菊池敏之さんのことです。菊池さんのガイドサイト。

菊池敏之 https://www.ne.jp/asahi/gamera/climb/

関東では、杉野保さんのガイド講習は、丁寧な教育で、行列ができるガイド講習として有名でした。私は長いリストに並ぶより近くに岩場があったので、行っていませんが、行ったことにある人に聞いたら、ものすごく丁寧なクライミングガイドだったようです。

故・杉野保  https://cliff.climbing-instructor.jp/

故・吉田和正 http://blog.livedoor.jp/hardlucktome/

國分誠 http://trpclimbing.blog.fc2.com/blog-category-2.html

私は吉田スクールに行っていました。その前は、菊池さんにお世話になりました。

こうした人たちのクライミングガイドで外岩にデビューできるのは、幸せなことのように思います。

■ クライミングインストラクター協会のガイドさんのリンク

ここにまとめておられます。

https://climbing-instructor.jp/member/#Free

この協会が書籍を出してくれたらいいなぁ…とひそかに夢想しています。

■ 九州でないか探してみました

枝村さん https://lightfootwork.wixsite.com/edamura

藤井正広 https://botchkankou.wixsite.com/field-channel

枝村さんは、九州では有名だが、行っているという人を聞いたことがない…。なかなか自立できるようにならないとは聞いているんだが、それはその本人のせいなのか、それともガイドが自立させないようにしているためかは不明。

九州のアニキ、田嶋さんは、ガイドはしていない模様。

https://kurume.joywallclimbing.com/

こうなると、クライミングガイドから、学ぶのが近道ですよ!といくら言ったところで、ほとんどの人が実践しようがない。

■ クライミングガイドを軽視する傾向

ほんとに初心者の人は、どこに向かっていいか…となる実状ですね…。

山岳会は、クライミングガイドであれ、登山ガイドであれ、”ガイド”という言葉を軽蔑する傾向があります…

それは、”ガイド”という仕事が、”教育者”ではなく、”おもてなし”の”接待者”と位置付けられているからなのですが…。

ただ現状というか、実態は、山岳会のほうが、”新人来た=接待”みたいになっていたり、教育しようにも、高齢化しすぎて、教えたくても、どうしようもない場合や、教育法が分からない、という場合もあります。

クライミングで一番簡単なのは、トップロープを張って登らせてあげる、というだけの作業で、そこは入門レベルのことなので、ガイドではなくても誰でも出来ること…。

それ以上の指導…、支点の作り方とか、クイックドローの伸ばし方、ロープの選び方、あるいは何ができたらリードに進んでいいか? 初心者向けのリード課題はどれか?、どう成長していくか…など…具体的な指導ができない、ということも、あり得ます。

■ 独学

結局、独学がおススメになります。

その場合、技術的習得だと、読書と実践が大事になりますが…。

お勧めは以下です。

 北山真 フリークライミング https://amzn.to/3DLwypU

 中根穂高 簡単!フリークライミング https://amzn.to/3x9jtpb

 井上大助 アウトドアクライミング https://amzn.to/3jhORti

 イラストクライミング https://amzn.to/3ugt4c4

 フリークライミングの歴史 https://amzn.to/3ugttv6

 フリーファン https://amzn.to/35S9REc キンドル無料です

 岩と雪  https://amzn.to/3uet8J5

 ロープレスキュー技術 https://amzn.to/3ucDtW6

 生と死の分岐点 https://amzn.to/3ugk4nh

■ 岩場の機微…欠けている情報があります 

ただこれらの岩場情報のどこにも、次のような情報が載っていないのです…

ーーーーーーーーーーー

70年代、80年代に開かれた岩場は、グレードが辛い。2000年以降に開拓された所は、大体まとも。

誰が開いたか?も重要なファクターになります。日本だったら、城山と小川山の一部が國分さんによるもので、グレードが辛い関東にあって国際グレードがついています。

四国の日〇佐の岩場ですが2000年にこぶしの会が開拓しました。このときはちゃんと国際グレードがついていたのですが、後からやってきたツヨツヨクライマーが高難度を開拓してグレードがバラバラになりました。

トポを手に入れたら開拓年度、最初に拓かれたルート、そして開拓者の順番でチェック。

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ですので、全くの初めてだと、それぞれの岩場の機微や性格が、そもそもよく分からない、という問題が起きます。

どの岩場をホームベースの岩場とするか?は、そのクライマーがどのようなクライマーになっていくか?ということに重要な影響があります。

例えば、本匠のような岩場だと、パワー系になるでしょうし、瑞牆で育つとクラックの岩場ですので、クラック育ちになるでしょう…

何で育ったか?というのは、そのクライマーがどういう指向や、クライミング戦略を持っているか?ということに直結していきます。

ボルトルートだとボルトルートの登りになりますし、同じボルトルートでもカチ系の岩場とパワー系の岩場では変わってきます。

一般にクラックの岩場は、危険だと思われていますが、ボルトが古いルートのボルト強度とカムの強度は、どっこいどっこいですので、プロテクションプアの度合いがどちらが強烈か?といえば、まぁどっこいどっこいのような感じで、ボルトのあるスポートを登っているからと言って、安全性が高いということは言えない現状があります。

というので、結局のところ、現場現場で、色々な人に聞き取りをしていくというのが大事なことになります。

ボルトの見分け方を分かっていると安心が増えます。




【提言】過去の延長線上にないクライミング教育

■ 過去の延長線にない解が必要なのか??

日本のクライミング…特にフリークライミングの教育は、過去のクライミング教育が、うまく行っていないのは確実なので、別の方策が必要になり、U理論はどうなのかな?とよく思いますが…

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■日常生活でU理論を使いこなせるようになるための『U理論プラクティス』

 -職場のチームワーク編-
 U理論プラクティスは、U理論を日常生活で使いこなせるようになるための実践練習の場です。稽古場やレッスンスタジオのように気軽に通いながら、U理論を実践し、体得していく場として企画しました。

 U理論プラクティスでは、毎回テーマを設定します。そのテーマについて

自分自身が実際に解決したい課題を題材として、Uプロセスをもとにしながら、対話をしていきます。今回のテーマは「職場のチームワーク」です。

「上司とうまくいっていない。お互いにもっと信頼し合いながら働きたい」

「苦手な人がいてうまく関わることができない」

「メンバーが主体的に動いてくれない」

「それぞれが情熱を持って働いている職場にしたい」などなど…。

 職場のチームワークに関する課題を参加者で持ち寄り、対話を通じてU理論を実践していきましょう。U理論のことをよく知らなくても大歓迎です!

思いがけない(過去の延長線に無い)解決策が見つかるかも?ぜひお気軽にご参加ください!

【開催概要】

 日時   :5月18日(水)19:00-21:30(18:50接続開始)

 詳細・申込:http://ptix.at/DjRQkM

 定員   :30名

参加費  :3,300円(税込)

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■ 過去の延長の事例

山岳会で教える 
→ うまく行っていない。時代が変わり、山岳会ではなく、クライミングガイドが教えたほうがいいかもしれない。

クライミングをいきなり外岩から教える 
→ アウトドア慣れしていない9割型の人は、リスク回避できない。ので、当人が選ぶべき。インドアである程度登れないと、外の岩場が楽しめないつくりになっている、ということも事実。

懸垂下降を教えない
→ 今の教育に欠けており、最初に教えないと、登れても降りれないクライマーが出来てしまう。

ビレイを教えない 
→ これも今の教育に、決定的に不足しており、ビレイのきちんとした習得は社会課題にすらなっている

グリグリは上級者用 
→ これは、文脈による。
 リードのビレイにおいては、上級者用。
 トップロープビレイにおいては初心者用。
 下降器としては、初心者用。
 アッセンダーとしては、初心者用。
つまり、自分向けの用途としては、初心者用で、対・ビレイ用としては上級者用。

クラックを教えない
→ このほうが初心者向きなのかもしれない。なぜなら、プロテクションを自分で打てる、あるいは、ルートファインディングがクラックをたどれば良く、易しいため。

伝統的には、スラブが入門者用だが、スラブはランナウトと決まっているので、別の意味で入門者用にはなっていない日本の岩場という現状がある。

色々と総合すると、現行の教え方で行けば

 初心者締め出し

ということになっているんだよなぁ… 結果論的に出来てしまった現実だとは思うが…。

43歳から初心者で岩場に入門した人としては、自分自身が成功事例として数えられると思う…






2021/05/24

指導者なしで成長していかざるを得ない現代初心者クライマー(ジムスタート&師匠なし)の成長戦略

 ■父なき子

私は、実は、若い男性…クライミング仲間のことは、

 ”ともに父なき子”

と感じていました。現代ではきちんとした指導者は大変少ないので、指導が得れることは大変ラッキーな境遇で、そのような人は大変少ないからです。

 師匠を持たずに成長する=父を持たずに成長する

です。クライミングの初期においては、基本的にクライマーは、自分が何が分かっていないのか、分かっていません。それが分かるようになるまでに、必ず必要な、自分より、よく深くクライミングを分かっている人からの庇護、父親的存在からの庇護、そういうものがなく、やってこないといけない場合…これが現代ではほとんどなのですが…、

どうしたらいいか? 

■ 弱気が自分を守る

私は子供のころと同じことをしているような気がします。私は母子家庭の育ちなので、親がいない状況で、すごく心細く、子供時代を過ごし、一緒にいるのが弟と妹でした…心細さを何とか、兄弟の世話で紛らわし…そして、無力な子供に必要な保護や庇護を、なんとかして得ないといけませんでした。

戦略的には

 1)負担にならない程度、隣の家のお父さんを拝借…

です。より分かっている人、大きな視点で見れる人に聞く。聞くというのは、助けを求めるということですから、助けを求められて、答えてくれない人は稀です。

その際のポイントというかマナーは、

 2)唯一絶対視しないということ

です。つまり、複数の意見を聞く、ということです。

 3)分かる範囲のことは自分で予習してから聞く

というのもマナーです。

これは、私が個人で持っている生き方のコツ、で、小さいころのサバイバル生活で身に着けたことでした。

クライミングでも、同じことをしているがために、そうした戦略をしていない人よりも、楽にクライマーの常識を身に着けたかもしれません。

同じような境遇…指導者を持たずに成長していかなければいけないクライマーに対しては、

 ”こうすればいいよ~”という感じでした。

なので、一緒に成長して行っている男性クライマーに対しては、同志、つまり親がいなかった私と、一緒に育っている弟、という視点を私は持っていました。手探りで進まないといけない。

■ あまり良くない戦略

一方、クライミング業界で、あまり推奨できない戦略としては

 周囲と同じことをする

があります。というのは、現代では、9:1くらいの割合で、間違っているほうが多勢だからです。

つまり、朱に混じれば赤くなる、です。周りと同じにしていれば、俺オッケーと思っていると、悪い環境にいれば悪くなる… 

この戦略の欠点は、悪い環境だということに気が付けないこと、です。みんなも同じなのですし、その”みんな”も間違っていることを分かっていない…。

■ こうしたらいいよ

1)最初に理想のあり方(羅針盤)を模索する 

2)自分の現在地を知る 足りないところ

3)現実的にその羅針盤で進めなくなったら、アドバイスを求める、

こうすると、”周り”は、あまり関係なくなります。

色々考えると、九州に来る前も、結び替えができない男性クライマーがいたような気がしますが、私は?と言えば、”クライミングに行くなら、結び替えができないと危険だ”と言われれば、単純に、”そうか”と、実践しただけです。

”周りの人が出来ていないから、やらなくていいのでは?”とは考えなかった。

なにせ、雪山をするために無線免許まで持っています。今どき携帯電波でOKです(笑)。あれは無駄な準備だったな…失敗です。

”弟として他クライマーを見る”ということの意味は、私にとって、こういうことです。つまり、

  ”指導者がいない中で、暗中模索しながら進む”仲間

ってこと。

可愛がる、って意味ではないのですので、念のため(笑)。

トリセツをちゃんと見れば、クライミングの安全は基本的に確保できる


2020/03/11

フリークライミングを教える機関がどこにもないってハナシの続き

■フリークライミングの教育機関? 

さて…今日は、穏やかな晴れで、なんだか気分が良いです。

というので、色々と、考察の続きを書きます。

フリークライミング、を教える機関がどこにもないってハナシ

ですが…、やっぱり、フリークライミング協会、が基本的にフリークライミングの教育機関たるべきなのでは…???

ちなみに、私は実はフリーは、全然フリー(自由)じゃないから、あんまり好きではないのです…

■ 注文の多いフリー と 節操のない岩場 の考察

とは言っても、九州に来て、岩場に人工ホールドが取り付けてあったり、木っ端が取り付けてあったりすると、「これは、フリークライミング協会の人が見たら、悶絶&気絶するなー」くらいのことは分かります。

大体、フリークライミング協会のイメージって、”なんだか色々と注文多そう”というもので(笑)、私が、”フリーは全然フリーじゃないから好きになれない”というのと同じ理由です(笑)。

なんでフリークライミング協会が、そんなイメージを持たれるに至ったのか?

それは、たぶん、卵が先か、ニワトリが先か?みたいな話になると思いますが、結局のところ、岩場に人工ホールドとか、岩場に木っ端みたいな岩場が増えて、結局、外岩が過剰に人工化されてしまった=外岩のインドアジム化 が起こったということみたいなんですよね。

そういうのを見たら、そりゃ~誰だって、えー人工ホールドをつけてまでそこに登りたいなんて、それ、ズルでしょーと思うわけです。 ええ、それは、私みたいな、まだ10台でひいひい言っているクライマーだって、ちょっと変ねーと思うのは道理なのです。

付け足しホールドがないと登れないつー話なら、登れるまでトレーニングして帰ってくるか、登らなきゃいいじゃん、ってハナシで。

■ なぜ岩場が人工壁化したのか?

一方で、岩場の整備者の側の事情も分かる。 昨今のクライマーは、安全管理が未完なまま岩場に来ます。

昔はアルパイン全盛だから、懸垂下降やプルージック登攀ができないで岩場に来るクライマーがいるわけはなかったのですが、あれやこれやが分からないまま、基本的に入門の岩場っていうのは、誰しもを受け入れる岩場、です。

となると、初心者だけで登らせられない訳です。経験者も何か楽しむことがないと、連れてくる気にならない。ので、1本くらいは12台や11後半が欲しいとなります。

その人工ホールドがないと13になってしまうようでは、経験者が来ても登るものがない=初心者も岩登りに来れない=両者Lose Loseの選択肢…

というわけで、これを避けるために、岩場に木っ端、みたいなことになってしまうわけですね。

なので、入門者用の岩場というのは、人工壁みたいなものです。

の割には、ボルト間隔が、成人男性に合わせてあり、あまり万人向けとは言えませんが、それは、今後デビューしていくだろう、フリークライミングの岩場、がそうなので、それはそれでいいのかもしれません。恐怖にも慣れないといけないわけですし。

というので、結局のところ、入門者用の岩場というのは、特殊な立場にある岩場というわけです。大体、都市部から近い近郊の岩場がそうなります。

いわば、クライミングジム代わり、というわけです。余談ですが、クライミングを難しくするのは簡単で、限定を増やせば、同じ課題でもどんどん難しくして行けます。

簡単すぎて登るところがないという人は、靴を悪くし、ザックを重くし、チョークを悪くし、プロテクションをギリギリまで減らして行きましょう。

■ 入門者への教育用岩場

というわけで、インドアジムスタートが主流の昨今の岩場においては、基本的に、入門の岩場では、フリークライミングの掟やイロハは、諸般の事情のために、先輩みずからが目をつむるということにならざるを得ません。

それは段階的な教育が必要ということです。例えば、城ケ崎のスカロップ5.12dに憧れるような男性クライマーは、正しく成長していると思いますが…そのプロセスで死んでもらっても困るわけです。

私は甲府時代に、親しくしていた、あるガイドさんから、「俺、先輩をビレイしていたら、その先輩、カム3つ飛んでさ」という話を聞かされていますが、そういう話を聞いても、それがどういうことか?というのが、基本的には、連想したり、空想したりできないのが、最近の若者のようなのです。

ちなみに上記のセリフを翻訳しますと、”カムのプレースメント技術を磨く前に、限界グレードに挑んではいけないよ”って意味ですよ。

つまり、リスクの取り方、というのを、言葉でストレートに伝えないと多分、分からないのでは?

というので、今というか、ここ30年くらい?求められているのは、たぶん、基本的なフリークライミングの掟を語った話です。

私は、今のところ、山岸尚将さんが書かれた『教科書になかった登山術』という本が一番いいかなと思っています。

https://amzn.to/2IypH7E

■ 入門者向けルートガイド

杉野さんのOldButGoldは、いぶし銀のような渋くて古いルートが、実はとても楽しいルートだということを紹介している良きルート紹介だと思いましたが、それは5.12代のクライマー向けであって、あまり万人向けであるとはいえません…

5.12にたどり着く人は、クライマー人口のうち数割だと思いますが、5.9を通過する人は、クライマー人口のほぼ100%です。

ですので、世の中に必要なのは、”5.9 But Gold”と言うようなルート紹介の記事であり、それがないから、まぁクライマーらは、ボルダーで糞詰まりを起こしているってことです。

ボルダーで初段を落とした後に、リードに来ても、5.8で登れない人はたくさんいます。

私の後輩だったO君は、元気よく「エイハブ船長登れました~」と言ってくれた(
エイハブ船長は1級の基準課題です)ので、じゃあ、そろそろ外でもリードしないといけないなと思い、私がオンサイト出来た5.10aを勧めましたが、登れず。若いクライマーにとってボルダー1級のほうが、リードより易しいのです。

”5.9ButGold”なルートは、実は、ガイドさんと開拓者、あるいは、山岳会のリーダーが握っています(笑)。 たぶん、その知識をできるだけ高く売りたいというのが、ガイドさんと山岳会のリーダーたちで、自分は無料で得た知識を、恩売りに使いたいみたいです。

そういう姿勢ではなく、この岩場の”5.9ButGold”なルートはこれだよ!という知識がもっと多くシェアされるようになれば、おそらく、日本のクライミング界は花開くに違いありません…

2019/08/21

日本のガイド資格の問題点

■身売り感

しばらく前に米澤さんと登っていた時に、登山やクライミングにおいて、ガイドになることについて、「私にとってはガイドすることは身売りなんですよね」「私もです」という会話を交わしました…。

私は何度も登山ガイドになることを勧められています。山梨になったときも山小屋の主から勧められ、「?」。私みたいな素人になんでだろう?と、超まともなツッコミを持っていました。

それは、中高年登山が現代の登山の主体だからだということが分かったのですが、そののち、九州に転勤になった時点で、登山ガイドの取得を勧められました。

現在、積雪期ガイドステージⅡの筆記と実技では、積雪期ガイド実技まで合格しており、あと1実技で取得ですが、身売り感拭えず、取得は取りやめにしました。これは、日山協で出している夏山リーダーという資格についても、同じ感触を感じています。

取得して何のメリットがあるのか?メリットが分かりません。

それより、九州に来て一発目に知った田上ガイドの訴訟の件が怖いです。

■ 好きなことを仕事に、が難しい

好きなことを仕事にするというのは、人生のゴールデンルールです。

が、身売り感というのは、自己犠牲感のことでしょう。

自己犠牲だったら、それは喜びがお金になる、という好きなことをお金にする、仕事にする、ということに反しているでしょう。

登山ガイドにしても、クライミングガイドにしても、いつも不思議なことは、サブガイドが必須ではないことです。

登山でも、クライミングでも、きちんとした山をしようとすれば、サブガイドが必要です。

とくにクライミングガイドでは、サブガイドがいなくては、ガイドさんはお客さんのあやふやなビレイでリードしてトップロープを張る羽目になるでしょう。

■ 厳しすぎる要件はサブガイドがいないため?

もちろん、日本のクライミングガイドの要件は厳しく、5.12がオンサイト5本です。登攀力と守りの力であるロープワークなどは違うので、登攀力のみ高度な能力をもとめるガイド資格には疑問をもっていましたが、それは、サブガイドがいないため、命を守るには、それくらいの安全マージンが必要だということのようです。

5.12オンサイト5本の人が5.9や5.10Aで落ちることは考えにくいです。そのため、そこまでの安全マージン(5.12で5.10Aをフリーソロ状態)なら、十分安全だろうとも言えるということで、このような厳しい要件になっている、とみるのが、合理的推測でしょう。

一方、人の能力は衰えます。

私が5.10Aで落ちて頭を縫ったのは兜岩という岩場ですが、同じ日に南裏さんという超有名ガイドが、講習生のためにロープを上げるために5.10bをアップで登攀中、テンションしていました…。

思うに岩のコンディションが悪かったのでしょう。そんな超ベテランが落ちるほどなら。

そんな日に5.10Aでギリギリの私が、まったく初めて組む人と登るなら、アップを5.10Aにしないで5.8にしておくべきでしたが、当時は経験値が低くて思いつかず。

南裏さんの登攀を見て、猿も木から落ちる程度の認識でした。そのため、私は5.10Aで落ちて、頭を7針縫うことになりました(><)。1ピン目を掛けていたので、本来ビレイヤーの責任ですが、ビレイヤーを選ぶということから、クライマーの自己責任であるため、自分のせいです。

話をもとに戻しますと、自己犠牲というのは、良くないということです。

私にとっては登山ガイドになることは、ほぼほぼ自分にとって、やってもつまらないことをやる、ということで自己犠牲です。

一般に山岳会のリーダーたちにとっても、ギブアンドテイクの伝統から、ほとんどの場合、新人教育をすることは自己犠牲です。

余談ですが、自己犠牲だけならまだしも、ある種、特攻隊員と同じような、俺がやらねば誰がやる的な、ヒロイズムを伴っている場合、それは、かなり時代遅れの感性である可能性があります。今のフリークライミングの水準では、命はかける必要がないです。

■ フリーとアルパイン

フリークライミングに進んで思うことは、フリーの人はアルパインの価値観を理解するのに難しそう(レスキューの軽視)で、アルパインの人はフリーの人を理解するのに難しそう(なんでそうストイックなの?)です。

フリークライミングの力は、アルパインの基礎ですが、それは、サブリーダーレベルで5.11、リーダーレベルで5.12までフリーでRPでもいいので、登る実力があるということです。

そのレベルに達することなく、フリークライミングのゲレンデで、たかだか5.9や5.10bで精いっぱいの人が、アルパインの本チャンルートに行くと、本チャンではアプローチも長く、天候や生活などほかに神経を張り巡らさなくてはならないことも多く、ゆとりが足りない、ということに陥る可能性が濃厚です。

現代の若い人には、フリーとアルパインの価値観の両方の、良いとこどりが必要です。

それは、フリークライミングを日常として、節制と肉体の鍛錬に励み、本番へ行くという厳しい道で、山で酒盛り、という世界とは別世界ということです。

2018/08/29

後輩君の指導のこと

今回は、2日目は、雨でロープワークをこなしました。

■初日








1)後輩君のための初めてのマルチで、春の戻り雪4Pへ
良かった点。後輩君、セカンドの確保のセット自信なく、登る前に確認したこと。1P、3Pを後輩君。偶数を私。

ロープは、50mシングル2本。1本はセカンドがバックロープで引いていくことに。私自身はロープ、カムワンセット。

理由:1P目は、みじかくて、終了点がペツルで簡単だから。登攀力は、すでに十分な人なので、どのピッチも余裕で登れるはずだが、ショートしか知らないと、支点を作る経験値は足りていないのではないかと思われたため、安全を見越して、立って終了点を作れるから。2P目は立木終了点なので、初めての人は、応用力がない人だと、目が点になることがある(そういう人を見たことがある)。

良かったのは、後輩君、最後3P目、スリングを伸ばして屈曲を減らそうとしたものの、屈曲がきつすぎて3P目を切ったこと。こういう失敗?が役立つ経験と思う。失敗は、回収。私のスリングを回収してくれなかった~(涙)

私自身は、4P目クラックを伝って、カムをかませて満足。自分のピッチで、2P目、薄いフレークにカムをかませたが、ここのピッチで使う予定で持ってきたカムではなかったため、またフレークが浅かったため、気休め。落ちたら、マズいランナウトでした。炎天下で暑かったので、強点を行かず、弱点を行くことにして解決。ギアが重いと5.7でも大変。

2)トムと一緒とその隣 後輩君 自分はビレイのみ

3)ブラック&ホワイト 後輩君RPならず、TR
ブラックアンドホワイトはフリクションを信じる一歩が、岩の状態が前2日間悪かったので出せなかったが、今回出せた。リードは、もっと条件の良い日でないと厳しそう。

3)WIFI&避難小屋
夜間雨予報だったので、後輩君はシュラフがないため、テント泊辞めて、避難小屋へ。快適。Wifiを求めて、滝見の湯へ。後輩君に小川山エリア図を見せるため。小川山は研究しないと登るところがない。何を登りたいか、自分で研究してくれないと連れて行くにも連れて行きようがないんだよなぁ。

■2日目
1)雨上がりで岩はあきらめる。無料駐車場で、ロープワーク。ギア紹介から。
・登りたいルートにどんなロープが最適かの考案
・ロープクランプによる自己確保での登攀(ロープアップされないときなど)
・タイブロック
・ホーリング
・カラビナ懸垂
・ガイドモードでのセカンドの確保時のローワーダウン 
・1/3ライジングシステム
・プルージック系のノット
・ギア携帯の仕方 
・流動分散 固定分散(オーバーハンドノット、エイトノット、クローブヒッチ)
・SWAMPによる支点
・バックアップつきの懸垂下降 
・ビレイヤーの自己脱出

2)ストリームサイド、リバーバンク偵察
3)瑞牆 モツランドへ
岩場の紹介。次回へつなげてもらうため。

理解したこと
今回は、登攀力はすでに相当あり、ショートの経験値は、私より上のはずの後輩君とでしたが、フリーしか知らない状態の場合に欠ける知識が何なのか?が浮き彫りに。

・帰りは懸垂下降だと登りの半分の長さしか降りれないよ~ → 1本だと帰れない。これは、ショートだとローワーダウンしかしないためと思われる。
・ぬんちゃく 十分以上もっていない(と怖いと知らない)
・スリング類 必要となる支点タイプを想定して持ってきていない 

ショートだとギアが不足してもテンションしてもらって降りればいいのですが、マルチピッチだとギア不足していたから、おります、ってなかなかやりづらいです。

今回は、色々勉強してもらったように思いますが、ショートですでに高い登攀力を培ってきた若い人だけに、技術面の理解をぜひとも、と思った一件でした。

私は技術面は、初めてのマルチに行く前から、カラビナで懸垂して降りれるくらいだったので、そう守りは心配ない人でしたが、逆に攻めの技術の登攀力がないので、本人が怖くて大変、でした。

今はショートでも怖がっていますけど、ほんとにマルチで怖いのと、ショートで怖いのの混乱が、解消するのは、いつなのかなぁ。

しばらくはスポーツクライミングに特化して、登攀力を上げるのが、私の場合は得策かもしれません。

後輩君の場合は、知識面での守りの技術がマルチピッチに行くとしては核心なので、ほとんど障害があるとは言えない。

都岳連の岩場のレスキュー講習に出れば、一発で、解決です(笑)。

※ちなみに私が所属していた山岳会では、そういう知識伝達は一切なかったですよー (師匠から教わった)

2018/04/27

先輩の役目

ラオスでは脳内ホルモンが出て、クライミングが楽しくなった。

ラオスでは、パートナーに”ひどい目”にあわされている私を、トニーがレスキューに来てくれた。

”ひどい目”というのは、したくないことを強いられている、と、周囲のクライマーの目には映っていたようだ。

それは、私が、したいと言っていないのに、リードを無理強いされていたり、登れないほうが下、という風な関係性で登る羽目に陥っていたからだ。

そもそも、私自身も、なんでビレイヤーで呼ばれて行って、その人のビレイのために、来てあげているのに、いちいちリードを強いられるのか分からなかった。つまり、一緒に行っていた人は、

山岳会の伝統

と同じことをしていた。

しかし、私はその人の会の後輩ではないし、来てくださいとお願いされたから行っており、なんで嫌だと思っていることをしないといけないのか?と感じた。

たぶん、私は苦虫をかみつぶしたような顔をしていたと思う…楽しい海外クライミング♪ではなく、忍の一字。

そこで現れたのがトニーで、彼は日本語がペラペラだったので、グループで登るようになり、リードを強いられなくなり、最終的には、トニーのビレイで、6A(5.10A)をリードで登って、レッドポイントできた。

その後、クライミングの楽しさは一気に向上した。

最初に山を教わった先輩は、したくない人にリードさせてはいけないと教えてくれた。

初心者時代は、自分がリードできる課題が、どれなのかよく分からない。

ので、先輩が「これ、リードできると思うよ」と言ってくれた。瑞牆のツルカメで、初めてクラックをオンサイト出来たのは、このアドバイスのおかげ。

そういうアドバイスは感謝している。が、これをリードしなさいと強いるのは、クライマーを育てるのにあたって、逆効果だと思う。

この逆効果が、山岳会に蔓延していて、それで、万年フォローが出来上がってしまうのではないだろうか?

私はクライミングは楽しくあるべきと思うので、自分の後輩がリードを怖がっている場合は、楽しいと感じられていない、という意味なので、グレードをどんどん下げることにしている。

コニーの場合は、5cをトップロープさせて、できなかったので、5b、5Aと下げて行き、4まで行ってリードになった。それでいいと思う。十分、4をすれば、じきに4には飽きて、5Aに行くんじゃないだろうか?

飽きて、というところが重要なのかなぁ…???

全くの初心者時代の、三ツ峠などは、私がリードしたところをフォローでついてきた先輩が「よくこれリードしたね」と驚いていたくらいで、私の安全マージンは、当時は先輩が、そうあるべきと感じたマージンより狭かったようだ。(たぶん今は広すぎ。もちっとギリギリへ行くべき)

これはこれで、安全マージンが狭いと、先輩としては、「この人、こわいなー」と思うはずだが、それを受け止めてくれるのが、先輩の仕事、っていう気がする。

私は、その仕事はやれる自信がある。