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2022/10/09

NINJYA 5.14Aの記録から トポへ反映したらよいラベリング情報を抽出

 https://www.karrimor.jp/ambassador/k-1.html

より、NINJYAを事例に、トポで課題の価値を伝えるときに、何を伝えると良いのか?を考察。

前提: 課題には、ほかよりも意味がある良い課題、と ふつーの課題がある。味噌くそで保存活動するのは、ナンセンス。 

■ 抽出

1)1年間を費やして自分のフリークライミングの限界にチャレンジ

→ 一つのルートを登るだけに、一年間かかる (長時間の法則) 

2)一般フリークライミングの楽しみ方 との差 (こだわり強度の法則)

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これまで1つのルートの為にトレーニングをしたり、何日も通ったりなどはしてきませんでした。簡単なルートでも純粋にクライミングを楽しみたかったし、同じルートをずっとやるよりも色々なルートを沢山登ってみたかったから

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Ninjyaが特殊であるという意味

3)あるルート → 特定のルートへの愛着 (愛着の量=感動の量の法則)

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あるルートに出会い、限界に挑戦することの素晴らしさや登れたときの感動の大きさ

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4)最初に失敗する → 楽でない (簡単な壁ではない法則)

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最初のトライをしました。結果は惨敗。分かってはいたことですが、圧倒的に実力が足りていませんでした。

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5)実力が足りない → 楽でない (自覚の法則)

引用箇所 同上

6)諦めてしまうところを通う → 執着心(不屈の法則)

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いつもならこれで辞めてしまうところですが、どうしてもこのルートを登りたかったので、それからも休みの日は毎回このルートに通いました。

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7)「コスモス」は手段  (ほかのルートは手段の法則) 

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暑くてトライも出来なくなったので、トレーニングとして、夏の間はマルチピッチクライミングをしていました。この写真はお隣の瑞牆山というところにある「コスモス」というルートです。

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8)ほかの活動は手段の法則

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筋力を落とさない為にボルダリング

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9)ちょっと前進 → 自己観察と自己向上の法則

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夏のトレーニングのお陰かちょっとずつ前進し、あと少しで登れそうな惜しいトライを何回もしていました。

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10)このグレードを登るのにかけた日数は → (トライ量の法則)

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今回は、この14というグレードを登るのに費やした日数は12日間、

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■ まとめ

1)長期トライの法則   ★

2)一般フリークライミングの楽しみ方との差(ルートの特殊度) ★

3)特定のルートへの愛着度  ★

4)簡単な取り組み課題ではない法則 ★

5)自分の現在の実力の自覚の法則 

6)不屈の法則 

7)ほかのルートは手段として努力する法則 ★

8)ほかの活動を手段として努力する法則 

9)自己観察による自己向上の実感の法則

10)トライ量によるスタイル向上の自己計測の法則 ★

★がついているものは、開拓者がトポを工夫することで、取り組むクライマーにスタイルへの認知をもたらせそうだと予想できるポイントだ。

■  トポへの反映方法 7法

1)長期トライの法則   

「この課題はじっくり通ってもらいたい課題だ」「〇〇氏が〇日かかった」「季節が夏だった」「夏から秋になってしまった」等

2)一般フリークライミングの課題と楽しみ方との差(ルートの特殊度) 

「○○を登ろうとする人の入門に丁度よい」「中級者の実力試しに丁度よい」「熟達者にこそ味わってみてもらいたい好ルートだ」「雨の日に良い」「これが登れるようになれば一人前」等

いきなりジャック豆に行かず、小川山レイバック、カサブランカの後みたいな。

3)特定のルートへの愛着・思い入れ度  

「開拓中に○○を落としたという思い出のルート」「このルートのために〇〇した」「○○のために何度も登った思い入れのあるルート」「一目ぼれしたルート」等

4)簡単な取り組み課題ではない法則 

「開拓に○○日もかかった難ルート」「コケがひどく○○日」「指皮がなくなり血まみれになって登ったルート」等

5)ほかのルートは手段として努力する法則 ルートの関係性 

「このルートは〇〇へのステップアップに良い」「このルートを登る前にプロテクションを確実にしてほしい」「この課題には正確な立込み技術が必要だ」「○○が終わっていない人には、このルートはまだ早い」「○○が楽勝で登れたら、これを登ってみてもらいたい」等

6)ほかの活動を手段として努力する法則 

「器械体操出身には簡単に感じられる可能性がある」「体幹を鍛えてからトライして欲しい」「指力が非常に必要になる」「特殊なバランス感覚が必要」等

7)トライ量によるスタイル向上の自己計測の法則 

「開拓には〇〇日を要した」「初登には試登を含め、〇〇日を要した」「初登はピンクポイントでリハーサルされ、のちレッドポイントされた」「合計100トライでやっと登れた〇〇な課題」「あまりの難しさに○○が根を上げた」等

■ 感想

これはNinjyaを例にとってみたのですが、ステファン・グロバッツの初登時の記録と比べると、当時のグロバッツと自己の差がより鮮明になって、

 クライミング史に残る偉大な課題を登った

という感動がよりひとしおなのかもしれません。 

■ 余禄

      非常に用心深く登っている事例 これができる前に怠惰でカムを飛ばす人が多い ただの怠惰なのに、勇気があるという正のフィードバックを受けてしまう。ボロが出たときに死に直結することがある。怪我や死亡につながる悪い因果を積み上げてはいけない。



2022/09/30

トポに初登スタイルの情報を

■ 赤チョーク

ある投稿…

ーーーーーーーーーーーFBより引用ーーーーーーーーーーーー
Ninjya 5.14a
二子山の美しき流れ5.14dを登って、少しクライミングは休もうと思っていたら 二枚目の写真が送られて来て
もう一目惚れしたルート、まだ写真だから分からなかったけど、いざ会いに行ったら本当に綺麗なラインで僕を虜にした。
大きな25mの一枚岩の真ん中にボルトが4本打ってある、1番簡単な弱点を突いて登って5.14a
めちゃ良いじゃん
初登の @glowaczstefan はグランドアップで落ちる度にロープを抜いてムーブの確認もしてないらしい
僕は2年トライして登れず、やはり週末、しかも1日しか行けないとコンディションに悩まされてストレスにも感じてしまった
なので、天気に左右されない二子山の乾杯5.14cでトレーニングしてから戻ろうと考えた乾杯は予想通りストレス無く毎週トライ出来た
乾杯も2年かかったけど、その後また2年のトライを経てニンジャを完登する事ができた
僕のクライミング人生で登ったルートの中で間違い無く1番綺麗なルート。
チョークは使うし、マークもつけるけどさ、少し考えたらわかるだろーよ
赤で印つけたら目立つしダセー事くらいさー
もうやめてね
せっかくかっこいいラインなんだからさ
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■ スタイル無視… = 無知

何年もクラックを登っていても、スタイルって言うことには、目が向いていないのが、男性新人クライマー。

登れたか?登れなかったか?の白黒思考なので、スタイル、っていう発想は、きちんとフリークライミングの歴史を追求している人しか、分からない発想なのかもしれません…

なんせボルダーは、スタイルはゼロで、何やっても登れればOKみたいな世界になっています…

こうしたクライミング文化の劣化を防ぐには?

  トポに初登スタイルを追加していくプロジェクト


をしたらいいんじゃないですかね? 

■ 失われつつある文化

昨今はジムに岩雪が置いてあること自体が稀です。

https://tamasaka.typepad.jp/tama/2007/05/%E9%9B%91%E8%AA%8C%E5%B2%A9%E3%81%A8%E9%9B%AA-%EF%BC%91%EF%BC%91%EF%BC%96%EF%BC%99.html

福岡に来て岩雪があるジム自体を見たことが一回もありません。福岡のジムで置いているところはないんじゃないでしょうか?置いてあっても、かろうじて、ロクスノ、です。現代のロクスノは、全然ロマンもスタイル情報もないし…。

情報がないので、初登時のスタイルを重視しろ、と言われたところで、初登のスタイルを知らない、分からない、のかもしれません。昨今のクライマー君たちは…、現代の若い人どころか、年配で地元で尊敬されている人ですら、動くようなものに道標付けてそれを自慢にしてしまうレベルです…。

しかも、外ボルダーの影響で、どんな汚い手を使っても…例えば、粘着性のあるチョークとか…登れさえすれば、成功と思っているのは、ごく普通のクライマーです。

アルパインを長い間(例:10年とか)やったようなクライマーでも、ロープがスタックして登れなくなったりしても、登れた!と結果オーライの判断になって、反省するどころか、自己肯定感、高くなっちゃう(汗)。

だれかちゃんとした指導者が必要そうです。

結局のところ、

 ニンジャって言って分かる人

が、クライミングを教えていないで、全然そんなのは知らない人が、教えているわけです。

トポに初登の時の、スタイルがどうだったのか?エピソードを書き込んでいく、というようなことをしないと、登れさえすればどんなスタイルでもいい、というボルダーのルールをリードに持ち込むため、本気チョーク、どころか、赤チョークでも、悪気なくやってしまう人が後を絶つことはないだろうと思います。

 

 

画像(ステファン・グロヴィッツの最近の投稿https://www.facebook.com/stefanglowacz から…)

トポがアートで驚いた…

■ ムーブの解説を書いてしまう開拓者達…

開拓者は、のぼってもらいたいという気持が強いので、例えば

 ”核心部は、3ピン目と4ピン目の間”

とか書いてしまいます…。 

核心が1ピン目以下にあるのであれば、ビレイが困難になるので、5.10代などの入門者向けグレードでは、注意事項として書いたほうが良いかもしれませんが…

一般に3ピン目以降は落ちても安全なのが、フリークライミングなので、よほど、3ピン目でランナウトしていて、そこで落ちてグランドフォールの危険があるのではない限り、核心がどこか?を書くことにそんなに意味があるとは思えません。

ムーブを細かく解説しているトポを見ると…過保護系な母親を連想したりします。

そう言う内容ではなく、トポには、

  初登時のスタイル 

ラッペルか?グランドアップか? チョークはつけたのか、ノーチョークなのか?どのような苦労をして登ったのか? 何日かかったのか?

そういうことを書いたほうが良いと思います。

男子は、突破力の1点豪華主義で、5.12が登れると自己申告してきても、その内容は?特定の自分のお買い得5.12だけが登れるという意味だったり、その登った5.12は〇〇日間もうんうんうなって登ってものだったりで、結局、山にある10cで2時間半とか、かかるかもしれません… オールラウンドな自分の実力を正直に申告したいという人は少ないかもしれません。

そういう事情の中では、

 トポにムーブの解説があると、得意で登れそうなムーブのルートだけに行きたい、

というニーズが出てきてしまうかもしれず…ますます、一点豪華主義加速。

 トポにムーブは書かない

というルールはクライミングを提供する側が徹底したほうが良いかもしれません。