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2024/05/16

【クライミング事情】危険なルートは、そのままでいるべきですか?

https://www.accessfund.org/latest-news/climbings-hottest-topics-we-asked-you-answered より引用

米国アクセスファンドからの情報です。

■ 新標語

冷静に考えたら、だれでも、不必要なリスクを取る必要はないと思うと思うんですが

 しなくてはいけないときに取っておくのがランナウト

っていうのが、新標語にいいのでは?

■ その他の質問

1)クラッシュパッド、フィックスライン、工具などのギアを隠しておくことは可能か?

ダメ56% 

2)他人がLeave No Traceを無視しているのを見たとき、クライマーは声を上げるべきか?

Yes 76%

Leave No Trace は、残置しない、うんこ含め、という意味です。

大体の問題が、条件によりますね。

ただ危険なルートについては、危険なまま保存すると答えた人は、約3割。

そのルートの性格を変えるとしても、多くの人が危険な目に合っていれば、ルートを安全にする、と答えた人が63%。倍です。

クライミングは、わざと危険にしなくても、もう十分に危険なんですよ。

この声が聴かれず、年功序列的、年少者の譲歩によって、危険が放置されているのが、日本国。

それを知らず、のこのこ登りに来る外国人に警鈴を鳴らしているのがワタシ。

■ 過保護な安全の九州クライミング

で、なんと、九州の現代クライマーが志向しているのは、

 どんなルートでも可能な限り安全であるべきだ、の9.8%のほう…

沢にすらボルト打っている…。

どんだけ安全志向なんですか?

しかも、沢にボルト打ったら、それは安全なのではなく、ロシアンルーレット…安全化したつもりで、逆に博打になっている…という本末転倒具合…(汗)。

頭悪いという以外に、どう表現したらいいのかな? 

(ああ~、またディスってしまった(汗)。すいません。)

■ 罪悪感不在

ボルトを打つことに、罪悪感が不在なのも、九州でおかしいな…って思ったことなんですよね…

この感覚が普通ですよね…。九州では平気で岩に穴をあけまくっているんだけど、なんでなのかな?


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2024/05/14

【提言】リボルトはグラント方式で

■リボルトはグラント方式で

アメリカのアクセスファンドでは、

・リボルトしてくれるクライマーを募集して、

・リボルトプランを提出させ、

・それぞれを審査して、

・良いプランにグラント(助成金)を出し

・資材は公費、労働は私費、

としているようです。このやり方が良いのでは?

今のJFAのやり方だと、善意のクライマーのお金を吸い上げるだけで、そのお金が、どこの岩場に、どの資材に使われたのか不明。使途不明ということです。

JFAのメンバーに一任、というブラックボックス化してしまっている。

そうなるとクライマー数の少ない地方の岩場には、永遠に資金が回ってこない。

グラント方式だと、例えば、リボルトではなく、誰かすでに岩場の地権者に許可をもらっています、と言うクライマーがいれば、その人にお金を渡すこともできる。

全国から募集して、審査を通して、良いプランにお金を落とす、ということが大事なことだろうと。

その際は、透明性の保持のために、ボルトの内容などは公表する必要がある。自分の息のかかった人材など、好きな人にお金を流す仕組みにしてはならない。

それに、いくら偉い人でも、カットアンカーを素通りさせるわけにもいかない。

岩場資源は、都道府県で偏っている…。福岡には岩場資源はなく、宮崎には豊富だ。

運よく岩場資源がある地方自治体は、生かさない手はない!と、行政側はなかなか気が付かない。

適性ボルト

ダメボルト


2024/05/12

【クライミング心理学】クライミング界をパーツ化してしゃべらせてみた

■ 岩場のボルトがフリークライミングを安全に行うのに適していないのは、だれの責任か?

<責任のパイ>

 0% 最近になってクライミングをスタートしたクライマー

 50% 歴史的経緯

 30% ランナウトをした課題を作った当人、つまり開拓者本人

 20% それを支持した外野

■ それぞれに名前を付けます。

0% 最近になってクライミングをスタートしたクライマー=現代クライマー Lさん

50% 歴史的経緯 = 菊池さんのようなKさん 声は理性的だが大きくない

30% ランナウトをした課題を作った当人、つまり開拓者本人 = 比叡のMさんのような往年クライマー Mさん 声が一番大きい。過去の栄光から逃れられないでいる。

20% それを支持した外野 =福〇山〇会のような、取り巻きクライマー Yさん

■ それぞれに対話させます

Lさん:「さて、今日はみなさんに、岩場のボルトが40年を過ぎ、更新時期をとっくに過ぎている問題について語り合ってもらいたいのですが…」

Kさん: 「リボルト進まないよね~ 最近の若者はビンボーだからな」(←責任転嫁)

Lさん:「というと、リボルトは若者仕事、と考えておられるということですか?」

Kさん:「そりゃそうじゃないの?クライミングって、そもそも登りたい人がプロテクションを設置するものでしょ」(←古いクライミング倫理)

Mさん&Yさん:「そうだ、そうだ」「俺らの仕事じゃねーよなー?(年金暮らしでふところもさみしーのだし)」(←共通の利益による同調)

Lさん:「じゃ、まぁ、若者の仕事だということでいいですが、既存ルートの変な位置にあるボルトとか抜きますよ?」

Mさん:「いや、それはダメだ」

Lさん:「なぜですか?」

Mさん:「だって、俺があのルートでどれくらい苦労したか、あの敗退のラインが無かったらどうやってわかるんだ?」(←満たされていないインナーチャイルド)

Lさん:「でも、若者が勝手に打ち直せば?ってのがリボルトの方針なんですよね?」

Mさん:「そりゃそうだけど。俺らはもう登れんからな。金は出さんぞ。」

Lさん:「でも、失敗したルーファイの結果である敗退ラインからボルト抜くなと?」

Mさん:「敗退も含めてクライミングなんだよ。先人の苦労を分かってくれてもいいじゃないか。なぁ、Y。」

Yさん:「ごもっともでございます。Mさんのあの雄姿、眼裏に焼き付いて離れません」

Mさん:「だよなぁ。おい、Kはどう思うんだ?」

Kさん:「そういうことは歴史が結論を出すことなんで、LさんとMさんが話し合って決めれば、それが歴史になる」

会話全体を見ているアダルト自我:「なに、この無責任発言。なるようになるさ路線かい!」

Mさん:「言っとくがな、俺は当時一流クライマーだったんだ。名前を轟かしていたわけよ」

Yさん:「ですです。わたくし一生ついてまいります!」

Lさん:「そうはいっても、今のクライマーには、5.8で40mランナウトとかしても危険なだけなんですよ。しかも韓国のインスボンですら、市民開放され、ボルト整備されているんですよ」

Mさん:「俺はいやだ」(憤怒のチャイルド

Lさん:「今では、5.8はエンジョイクライミングのルートなんですよ。誰でも楽しむことになっている。Mさんだってインスボンの記帳に名前書いていたじゃないですか。見ましたよ。楽しかったでしょう?」

Mさん:「たしかにそうなんだが、それなら、なおさら、ボルトなしで登れば?フリーソロでもすれば?」

Yさん:「ですよね。おれら初登したときは、ボルトなかったんだし」

Lさん:「そんなのは、今時、流行らないんですよ。アレックス・オノルド、5.12のレベルでフリーソロしているのが現代のレベル感なんですよ」

Mさん:「ここに登りに来る奴らは、落ちているじゃないか」

Yさん:「ですよねぇ。ったくもう、今時の若者は…私らの時と違って、気骨がない」

Lさん:「若者の世界は二極化しているんですよ。一般クライマーは、みなジム育ちだからスラブは慣れていないんですよ。一流クライマーは、海外で世界最高難度を登っているんですよ」

Kさん:「今時のクライミングジムは、クライマーがやっていないからなぁ、そもそも。スラブに備えさせる、なんてないよな。今はボルダリング一辺倒で」

Mさん:「なら、お前らボルダーをやればいいのだ」

Lさん:「もう、とっくにやっていますよ。40年。ボルダリングだと日本の岩場は、世界レベルですよ」

Mさん:「ならいいじゃないか。俺らにも俺らの存在価値を認めろよ」

Lさん:「いや認めろって、ボルトが古くて、登れば、危険でしょ」

Mさん:「分かった。じゃ俺らでボルト代は出す。打ち換え要員は、お前ら出せよ」

Lさん:「仕方ないなぁ、分かりましたよ。打ち換え要員は出しますよ」

Mさん:「ほら、これが打ち換え用ボルトだ」

Lさん:「え?!カットアンカー?! これって40年前のスタンダードですよ」

Mさん:「俺らは、こいつで登ったんだ、何か文句あるか?」

Lさん:「文句あるかって・・・Kさーん!」

Kさん:「さすがに現代でカットアンカーは強度不足ですよ。ほら、電話だって誰ももう黒電話使わないでしょう、今スマホでしょ」

Mさん:「通話できれば、どっちでもいいじゃないか」

Kさん:「いや、そーゆー問題では…」

Yさん:「さすがMさん!私は一生Mさんについていきます!」

Kさん:「岩場保存の原則から、その時代で手に入る最も強度が高いボルトを採用するのがいいんじゃないですか?そうそう、打ち換えれないんだから」

Mさん:「なら、ボルト代はださんぞ」

Lさん:「え?! なんで、俺らに一切責任ないことに、全額負担なんですかね?おかしいっすよね、これ」

Yさん:「なら、登らなきゃいいんでは?ひっひっひ」

Lさん:「は?自分たちは、長年楽しんでおいて、次世代には、ボロボルトが嫌なら登るな?しかも、ボルト、ボロで危険なのは明瞭なのに?」

Yさん:「そのとーりです。落ちなきゃ、ボルトはいらないでしょ。」

Kさん:「それならフリーソロと一緒なので、ボルト抜けばいいんじゃ?」

Mさん:「それはダメ!俺の偉業が歴史に消えていくじゃないか!」(憤怒のチャイルド

という具合に、延々と議論は続いて終わりそうにない、っていうクライミング界なのでした。

でも、誰でも冷静に考えたら、承認欲求と人の命では、人命が勝つと思うんですけど…

このメンタル構造に、ドラマを作るには、どうしたらいいのでしょうかね?トランスコーチングの皆さんに、助けていただきたいです。




【提言】”既存ルートボケ”と”人工壁ボケ”を新用語にする

■ 言葉を与えないと概念が理解されない

新しい概念には、名前を与えないと人間は認識できないのです。

■ 既存ルートボケ

今の日本クライミング界を表現するのに、アルパインクライミングでは、

”既存ルートボケ”

が適していると思います。

ボルトはきのこのように岩に生えている、と思っており、何年たっても、そこにあれば使うという発想が、既存ルートボケです。残置を使ってはいけないというのは、現代では岩講習の初日に言われることです。

しかも、残置することが当然、と考えている。

道があるところしか歩かないから、道しか歩けなくなっている状態…。

未踏の山には、残置は当然ありません。

■ 人工壁ボケ

で、フリークライミングの世界で起きていることは、

 人工壁ボケ

ボルトは、人工壁のように強固で、落ちても安全だという錯覚=ボケです。

40年前の外岩のボルトを人工壁と同じように信頼して登る人がありますか。

ダメです。

信頼できないボルトで登るなら、登り方自体を工夫しないといけません。

もちろん、無防備な墜落は不可です。

ついでに言えば、”人工壁ボケ”は、

 グレードが客観的指標であり、ある5.10cが登れたら、俺は10cが登れるんだと思ってしまうこと

です。

5.12が人工壁で登れても、外岩の5.10cで2時間半かかっています。

それは、

  人工壁のグレードは、客観指標

  外岩のグレードは、主観指標

だからです。登った人の好きにグレードをつけてよく、本当は5.12なのに、5.10cとつけてもいいし、逆に5.10cなのに、5.12つけてもいい、ということです。

■ リーチ

人工壁でも明らかですが、手が届かなければ、グレードは全く意味がありません。

クリッピングポイントで、ボルトに手が届かなければ、そのクリップは安全ではなく、当然リスク…たぐり落ちという最も危険な落ち方…は、大きくなります。

グレードを決定しているホールドの位置関係だけでなく、ボルト配置、ボルトとボルトの距離が遠いということは、背の低いクライマーにとってより危険という意味です。

なんで何年も登っていて、それが分からないのかなぁ。

小川山でトムと一緒…を触った初日で私には分かりましたけど…。

男性はなぜか分からないようですが、ヘイゼルがちゃんと語っていますよ?世界のトップクライマーです。

2023/09/07

【ボルト】ボルト打ち十戒 汝カットアンカーを使ってはならぬ

10年に一回打ち換えていたら、100年たてば、10回。

あっという間に、スイスチーズみたいになってしまいますよね!


2023/07/31

【Climbing policy】Better to have no bolt at all if you can not afford to fall 落ちれないボルトならないほうがまし

■ A comment that made me feel that I am not a fool 

Now I know I am not the only one who thinks so... so this made me feel very good, I am wise as someone who said this.

---------

if bolts are spaced far apart there is no excuse for not making them reliable at the very least. Otherwise it’s like Russian roulette if you fall off, better to have no bolt, at least than you know that falling is not an option. 

ーーーーーー

If you are a foreigner, go to read this page also. 

https://allnevery.blogspot.com/2023/04/on-miyazaki-climbing-hinokage.html

■ こんなコメントをもらいました

心の癒しになりました。 Chat GPTで上記コメントを翻訳してもらったらどうでしょうか?

要約すると、落ちれないボルトなら、最初からないほうがマシ。なぜなら、落ちることが最初から選択肢にないと分かっているから。

こちらにもそのように記述しています。

4年の総括 九州クライミングの状況 

https://allnevery.blogspot.com/2021/12/blog-post_16.html

です。日本中の岩場でカットアンカーが使われていますので、日本中の岩場がロシアンルーレット状態です。




そのことにそもそも自覚がないから、いいルートだよ!とか素晴らしいルートでしょう!と無自覚にルートを礼賛してしまっています。そして、人に登りに行くように勧めてしまいます。

九州では、このような人が指導者である、という現実があります。つまり指導者もクライミングを理解していない。

落ちれないルートはフリークライミングでは良いルートでは全くないです。特にスポートを志向する現代クライマーからすると、基本、最悪のルートって意味です。

クライミングを肝試し大会だと思っている人が、このようなことをいうわけです。クライミングは肝試しではありません。



2022/09/17

終活・遺産寄付でリボルト資金へ?

■ アメリカはオピオイド系で人がバタバタ死んでいる

巨大製薬会社の陰謀…というドキュメンタリーを見て、

アメリカで登るリスクはこれだな~と。

銃社会、ということ以外には、麻薬社会ってのがあります。自己責任の比率が日本より大きい。

要注意の名前は、オキシコンシンとフェンタニルです。よゐこは近づかないように。

 

しかし、米国企業はこんな感じだよな~と見ていて思いました。誰も悪い者がいない間に巨悪が積みあがる様子が、デジャブー感でした。

■ 遺産を岩場に寄付キャンペーン

 これから、大量の団塊世代のこの世からの引退がスタートするはずですが…みんな家を二つも3つも持っていて、家余でイラナイ、という人が多いです。

そういう人は、相続税で子孫に負担をかけるより、遺産をクライミング界に残すというのはどうでしょうか?

リボルトの基金になれば、この世に素晴らしい業績を残したことと同じになるでしょう。

http://jelf-justice.net/wp/wp-content/uploads/2016/07/%E6%8E%A8%E8%96%A6%E5%9B%A3%E4%BD%93%E8%B3%87%E6%96%9920200825%E6%9B%B4%E6%96%B0.pdfより引用

JFAやその他協会が受け取り手になれば、良い具合に図らわれるのではないでしょうか?

2021/11/13

朗報・どんどん更新が進んでいる40年前のカットアンカー

■ 北海道ではクラファンでリボルト資金調達


https://readyfor.jp/projects/tamaru?fbclid=IwAR1fXA4raFA3Jerqig8ymfwzhdEEHbZVrqUKAGJ49DjX3AtsxuBKm7oDyU8

■ 九州では個人口座




■ 劣化ボルトの様子

以下のものは北海道のものですが…九州も大して変わらないレベル感…。カットアンカーです…。

こんなものを うかつに信頼して、バンバン落ちながら登っていたとは…(汗)

本当に無知とは恐ろしいものです…。

■ 25kN

新規設置ボルトでなら、カットアンカーを使って良い、という誤解が根強くある
ようですが、新規設置のボルトでも、カットアンカーは時代の要請にこたえる強度があるボルトではありません…。 25kNが世界的に岩場のスポートルートに必要とされる強度であり、カットアンカーは、施工に成功しても、最大15kNでカムノーマルサイズ並みしか出ません。

文登研の黒田さんの論文にもその旨記載してあります。

2021/06/21

本当にクライミング界のためを考えれば、という選択肢を取りましょう

 

■ 事実として間違っていることを熱心に解説して私を非難して来る人

もたまにいるんですが…。

そんな人の ”思い込み” を解除するには、何時間もの突っ込んだ議論が必要になると思われ、それをそういう人は要求してきますが…。それこそ、どんだけ…って感じで…。私はそこまで暇人でないというかですね…。さらに言えば、その方にそんな時間を突っ込むほど、その人と親しくない。

昨日は、ワクチンを打つか打たざるべきかで議論になりましたが、打つという人が私を見下した態度をとったのですが… その人に対して、むっとは来たけど、その人が人体実験にあえて参加したいのだったらいいんですしね…彼女の体は彼女の体。私は親でも何でもないので、自分で考えて正解と思う道をとったらいいと思います。

クライミングでは、

 カットアンカーが安全だと私を説得しようとしてきた人

には、驚きました。若い人です。

■ 5-15kNという数字の意味

そりゃ、トラッドでは、カムでバンバン落ちているんだから、適切に設置されたカットアンカーで、打たれてまだ間もない状態であれば、今すぐボルト脱落事故が起きることは考えにくいでしょう…

しかし、だからと言って、UIAAが世界的に基準として定めている25kNを大幅に下回る5kNー15kNで、新規に支点を整備することが正しいことだとは言えない。

つまり、今すぐ死ぬわけじゃないという1点において、白だからと言って、グージョンとカットアンカーを比較して、残りの9点はグージョン採用に現代では正解があるわけですから、カットアンカーでもいいよね、ってことにはならないのです。

■ なんでそういう発想になるのか?

なんで、そういう発想になるのか?ちっともわからなかったなぁ。

おととい山に友人と登りに行った。友人はアメリカ人なんですが、単純に彼女は山登りそんなに好きでも、自然が大好きというわけでもない… 日本のことですら、そんなに知らない、ごく普通のアメリカ人なんですよね…

じゃあ、なんで日本に来たの?と言えば、単純で、日本に住んだことがある、というエキゾチックな経験が彼女は欲しかっただけみたいなんですよね。同じようにエキゾチックな経験を積んだ男性との出会いも出会いやすくなるし…。

短い言葉で言えば、箔って感じですかね。だから、ほんと日本社会に不満だらけで、なんだかなぁ…と思いました。日本はアメリカとは違うから意味があるわけで。

■ 箔

この経験で、そうか、あの文句を言ってきた若い女性クライマーも、そう言うことだったのか…と分かりました。

その人の目的は、岩場を良くするってことではなく、自分を素敵に見せるためのクライミング、ってことだったんですね。

開拓も整備も手伝って、かっこよくステキな、できるクライマー、っていうことだったんですね… 開拓手伝いしたり、その情報を広めることは、彼女を素敵に見せるのに役立つ… 

■ 公共の善を考えるクライマーはごく少数

しかし、経験から言わせてもらえば、大体、クライマー連中っていう人種は自己顕示欲ばっかりで、クライマー連絡向けFBを運用していますけど、参加するクライマー連中の中に、役立つ情報を広めようという考えがある人、全然いません。

男性クライマーが積極的に出す情報って、どこを登って、どこをRPできたとか、自分がカッコよく見える話ばかりで、そういうのを見ると、私などは微笑ましいなって思うだけですけど

…とどのつまり、自己顕示欲、ってことですよね。

まぁ、私は記録として、こんな料理を作ったというFBをアップしていたら、女子力アピールしていると男子は思っていたらしいから…その人の本当の意図っていうのは、いつでも本人に直接聞いてみないことには、何か?と言うことは、分かりませんけれども。

それにしても、私の海外の友人が日本に来て日本文化に興味がありますっていうのに、一向に日本についての本も読まず…。なので、そうか、彼女にとっては日本に住んだことがあるというその経験、で自分がエキゾチックでステキに見えることが来日の目的なんだなって分かる…それと似ています。

■ ビレイヤー資源の取り合い

私は、故・吉田和正さんのビレイヤーになったのは、ただの状況的に仕方なく…です。色々なツヨツヨクライマーに声を掛けたけど、”そんなすごい人とは登れません”とか言って、誰も来なかった。

米澤さんと登っていたのは、米澤さんが開拓者だから、ではなく、初めから存在をHPを通じて知っており、歩きつくした痕跡も知っていたので、とても尊敬していたから。こんなに正しい山やはいないなと思っていました。ついでに、家がかなり近く、一緒に岩場に行くのに、交通費を折半で来て、互いに都合がよかったからです。別に泊を付けよう、と思っていたわけではない。

もし私が賢い選択、を取るなら、今でも米澤さんとは登っていたかもしれません…。ただ相方が怪我をしたときに保険にならないどころか、悪化させるような選択を取る人と登るのはいくら何でもできない…と泣く泣く断念、が正しい状況です。


九州ではクライミングをしていると、ホントに自信のない、自己顕示欲でいっぱいの男性像しか見えてこない…。やればやるほど、幻滅するばかりなので…、やっぱり自然農をするのが、感謝へ直通する道だなぁと思っています。

感謝できることをする、それが正しい選択肢。

しかし、それにしても、なんで山梨では次から次へと感謝しか湧かないような恩寵がクライミングで私にもたらされたのかなぁ… あ、そっか、九州で、この”ボルトは危険ですよ”活動を正しく展開するためだったですね…

というわけで私のクライミングにおけるお役目、は、しっかりと末尾まで全うさせていただきましたので、そろそろ引き上げさせていただきたいと思っています。

付録:揚げ足取りの人に対する対策 https://smartlog.jp/146311

2021/06/16

登山研修VOL.36

 クライミングをこれからも楽しむために…と題された黒田誠さんの寄稿です。

https://www.jpnsport.go.jp/tozanken/Portals/0/images/contents/syusai/2021/tozankensyu36/2-7.pdf

やっぱり、カットアンカーは終コンです。

2021/04/30

リボルトの報われなさとグリーフケア

 ■ 開拓vsリボルトの比較

開拓   vs リボルト

自分が登るため ⇔ 他人が登るため

プライベート  ⇔ パブリック

白いキャンバス ⇔ すでに描かれたキャンバス

自由度あり ⇔ 自由度無し

名誉  ⇔ 名誉なし

命名権あり ⇔ 命名権無し

ボルト代100円時代 ⇔ ボルト代1000円時代


ということです。

先日、著名なボルダー開拓者から、「開拓者はつくづく損だ、誰かがやってくれるとみんな考えている!」という苦情が上がっていました。

ボルトを打たない、ボルダラーの開拓者からすら、そうなのです。

であれば、一番くたびれ損なのは、リボルトしてくれる人だと思います。

私が考える、もっともあるべき道は、自分が開拓して、その開拓したルートのボルトが、経年劣化したために、責任を取って、自分でリボルトする、ということです。

■ グリーフケア

クライマー向けグリーフケア

としてリボルト職人があるというのは、可能性があるかもしれません。

私は弟を24歳の若さで亡くしていますが…、クライミング活動は、なんとなく、弟に付き合っている感覚でした。ある意味、弟の死に対するグリーフケア。

アルパインでは、新井さん、講習生仲間、など、初期に亡くしています。リードで人を落としてしまった人にも会ったし、自分が落とされて頭を縫ったし、ソロで登っている墜落を見たり、九州では一発目のクライミングでグランドフォールを見たし…、もちろん、吉田さんの死もありました… というので、

 クライミングのリスク喚起=死者への弔い

です。リボルト職人と言うのは報いがない仕事ではありますが、グリーフケアとして、無心でボルトを交換する、というのは、ありうるかもしれないなぁと思いました。

2020/02/29

ボルト基金のためのクラウドファウンディング情報収集

■ 寄付型クラウドファウンディング

ボルト基金に適したクライウドファンディングの調査です。

とりあえず、リストアップ

まとめサイト
https://cf-hikaku.net/kifugata/

https://readyfor.jp/

https://readyfor.jp/projects/hatukaichi_2014-8-20

https://readyfor.jp/projects/aladdin

■ クライミング系&実績

ガマスラブ
https://otsucle.jp/cf/project/2156.html

岸良ロックフェス
https://camp-fire.jp/projects/view/206765?fbclid=IwAR2UdXFoEDF_30FIoSO1O-PIyNUIlqxsfzoFkgEgZhYJ15clcQou0rEa-yc

笠間
https://camp-fire.jp/projects/view/220818?list=search_result

パラクライミング
https://camp-fire.jp/projects/view/78239?list=search_result

スピード壁
https://camp-fire.jp/projects/view/91900?list=search_result

■ キャンプファイアは 実績多数

ガマスラブで使ったOtsukleさんより、Campfireのほうがなんとなく、クライミングを再度説明する手間が省けそうな気がしますが…。

両方に、相談を持ち掛けてみると、色々はっきりはするか。


2020/02/27

25kN

■25kN

現代のボルト強度は25kNと確保理論で教わり、ペツルハンガーがついているボルトは、みな25kNの強度があるものだと思っていた、あの頃…。

うぶでした。九州に来て、あんな支点やこんな支点を見かけるようになり、見慣れない支点で微妙に自己評価に自信が持てず、師匠に写真を送っては、「これってどう思います?」と聞きました…。きっと、今までそんなことをしていたクライマーがいなかったんだろうと。

開拓者に会ったときは、素晴らしい出会いだと思い「ボルトを提供させていただきます」と言いました。ボルト提供案は、なんという妙案だったことか…。

さて、ボルトですが、25kN出ているのは、M10グージョンとケミカルアンカーだけです。

M10カットアンカーは、正しく施工され100%強度が出ても、15kN。プアな施工だと5kN出るかしら?

でも、カムってレギュラーサイズ、14kNですよねぇ?スモールカムで4kN。

懸垂用途には、基本的に静荷重しかかからないことになっているので、中間支点よりも強度が落ちることは問題がないらしく、それでどうも、九州の支点は、立木でとることになっているらしいですが… 立木で支点を取るのはいいけど、その場合、木の上に生えた立木の強度は…?何kNなのか、評価不可能。

そして、懸垂は失敗が許されない。
中根穂高さんが、立木は抜けて落ちた事故報告があるけど、ボルト2個もろとも、抜けた記録はないと言っていました。ただし、そもそも、事故報告自体が上がらないので、報告にないと言われても、信用ならないですが…。何事も100%はない。

ちなみに70代で、まだ生き残っているクライマーは、トップロープソロ時は、ダブルストランド。ビレイループすらダブル。

現代の若者は、JFAですら、シングルストランドでぶら下がっていますが、1本だと1本が切れた時終わりですよねぇ?

オールドクライマーは、冗長の法則をかたくなに守っていました。それが生き残りの秘訣なんではないですかね??

2020/02/17

レッドポインターという生き方の限界

■レッドポインターという生き方の限界

結局のところ、カットアンカーは、オールアンカー同様、落ちれないわけなので、レッドポインターと言うスタイル自体が、不可能ということでしょう…(汗)。

フリーのルートであっても、アルパインと同じく、

基本、落ちれない

ってことです。前の師匠の青ちゃんは、「おれ、すぐ落ちるクライマーは嫌い!!」と公言していましたが、私は、なかなか落ちないクライマーでしたので、互いに上手く行きました。

上手になるには、あまり粘らず、体力腕力をセーブして、回数を多くして、レッドポイント狙いのほうがいいよ、と大阪で別のクライマーのおじさんに言われましたが、それも課題の質に寄りけり、です。下部核心のルートでは落ちるのはリスクです…

結局、一度目に、オンサイトで登れないと判明したら、宿題として、ジムに持ち帰り、ジムでうんと実力をあげて、次回は一撃狙い、がいいのではないでしょうか?

オンサイトは、2度目は、もうないので、一撃と言いましたが、やっているほうは気分はオンサイトと同じくらいなもんだと思います。

クイズ カットアンカーの安全性はどう判断したらよいでしょうか?

■ クイズ

このボルトの安全性は、どう判断したらよいでしょうか?

答え
1)引っ張ってみる
2)体重をかけてみる
3)落ちてみる
4)叩いてみる

正解

 ボルトを開けて、中身を開いてみる

■ 開けてみないと分からない

これはカットアンカーです。それがステンレスか鉄かや、メーカーなども外してみないとわかりません。効き具合いも、抜いてみないとわかりません。

アンカーの状態はハンガーを外してみないとなんともいえない。


参考情報
写真は昨年末に伊豆の海金剛の下降点にあったハンガーボルトです。 外からの見た目は同じですね。 しかし、中のアンカーは鉄だったので、電解腐食でネジ山はほとんど無くなってしまっています。 抜けるのは時間の問題という状況ですね。

■ 非現実的

一回一回、全部のカットアンカーのボルトを外して、内部を確認して登るというのは、非現実的です。

■ ブランクセクション以外はカム

ということで、ブランクセクション以外はカムを用いて登るのが、もっとも

  自己責任論 & 安全性

ともに、満たしたプロテクションの解、ということになります。

■ ブランクセクションをどうするか?

1) スキルを上げる

落ちるリスクを受け入れ、100%落ちないスキル(つまりフリーソロ可能なレベル)になってから、取りつく

2)一か八か

落ちるリスクを受け入れ、一か八かの賭けに出て、掛けに勝つ。

3)TRによる試登

トップロープリハーサルを繰り返せば、自動化で、落ちるリスクは、かぎりなく0%にちかく下げることができます。

トップロープリハーサルを10回やって10回落ちなければ、確率論的に、次に落ちる可能性は、かなり低いです。

その上、トップロープリハーサルの数は、本人が好きに増やせる。

試登は、アレックス・オノルド君が、エル・キャップフリーソロに成功した手法です。

4)TR限定

とは言っても、何十回も試登してまで、その課題にこだわってフリーで登りたい!って人も、かなり少ないハズです…先に飽きちゃう…

ので、現実的には、

一般人       → 4)の解。TR限定で登る
エリートクライマー → 1)の解。ゆとり(安全マージン)を増やす。

自分のRP限界グレードが5.14なら、5.12では落ちないだろう、ということです。

5.12が登れる人だと5.8で落ちるということは、考えにくいので、ソロイストなどのソロシステムで登ることも可能になります。

5.8がギリギリの人が、ソロイストで5.8を登ると、ソロイストの信頼性は低いので、非常にリスキーな行為になります。

(5.12)- (5.8) = 4 

で、4グレードの開き。 

一般にアルパインルートでは、2グレード下が適した安全マージンと言われています。

しかし、ランナウトやブランクセクション、では、4グレード開きが要るかもしれませんね。

■ 日本の岩場のボルトの現状について

カットアンカー=外してみないと安全かどうか?が確認できないボルト、です。

つまり、以下の見識では、クライマーは自分を守ることができません。

ーーーーー
日本の岩場の今の現状では、リボルトも、なかなか進まないだろうし、クライマー自身が知識を持って、自分の安全を守ることが大切だと思う
ーーーーーー

この”思想”は、現在、一般クライマーが共有している、マジョリティが持つ思想だと思いますが、この思想では、安全性を確認した、とクライマー本人が思ったところで、まったく確認は取れないということです。

つまり、もはや、この思想が通用する時代ではない、ということです。残念ながら。

何度もいうようですが、

カットアンカー=開けてみないと外から分からない

です。私はレンチを持って行きましたが、今回、六角レンチを持ってきたクライマーは何人いたのでしょうか?

つまり、カットアンカー= 時限爆弾と同じ、です。

この、クライマー自己責任思想、”思う”のは個人の思想なので、思いたけければ思えば、それは自由であるのですが、それがあるべきクライマー像だと人に強要するのは、無理がある、ということです。

現実は、カットアンカーのルートが9割、JFAが認定したグージョンのルートは1割もあるかないかでしょう。

つまり、JFA認定のグージョンでない限り、そのボルト自体の安全性をクライマーが自己責任で受け入れるためには、ボルトを外してみて、中身を見ないことには分からないということです。グージョンですら、レンチで回して、効きを確かめる必要があります。

自分自身が知識を持って、自分自身を守る

というのは理想論ですが、それはハッキリ言って、実現されていないどころか、その理想論の裏を掻くような、ボルト事情です。つまり、その理想論を地で行けば、

カットアンカー引っ張ったり、いろいろしてみて、まぁ、大丈夫そうだから登ろう!

ということになり、

落ちてボルトが外れても自己責任、

となります。外からでも分からないし、引っ張っても分からないのに。

つまり、現在通用している、流布している、クライマー自己責任論をあまりに強く言いすぎることはクライマーの間に事故死を増やします。

現実的に、クライマーが自己責任を取ることが不可能な現状が広がっているからです。

開拓者の人たちには、いつ、だれが、どういう材質のボルトをどのような技術で設置したのか?を明らかにしてもらわないといけません。

それだけ開拓者は責任が重い、ということです。いったん設置したら外目には分からないのですから。

さらに言えば、自分で打ったボルトを開拓者は登っていないことすらあります。開拓者はオンサイトと言うことは一切ない人たちです。開拓をするということは、すべての登攀が、トップロープリハーサル、ということです。

なぜ、開拓者たちがそうしているのか? 誰にも指摘されないですが、それがもっとも安全だから、なのではないでしょうか? ボルトを打った本人ですら、信用しないボルトをほかの人が信用する必要はないのでは?

■ 法的見地

法的見地からは、日本のボルトの実情は、自己責任を取ろうとしても取れない状況です。

なぜなら、国際的に最低基準とされる25kNが出ているボルトはほとんどなく、材質も明らかにされず、トポにも誰が、何年に打ったボルトか記載もされず、判断の根拠が全くない、からです。

このような状況下で死亡事故が遭った場合、”自己責任で登ります”というクライミングジムでよくある一筆があったとしても訴訟では負けること確実だそうです。

つまり、

カットアンカーのボルトを量産しつづけること=クライミング界に単なる登れない負の遺産を量産し、リボルト負担を増やし続けること、

にほかなりません。
単純に開拓者の人は、情報弱者に陥り、このことを知らないだけだと思います。

ぜひ、この知識が開拓者も含め、多くの人に広まることを願っています。

そういえば、リボルト職人の検定を受けた、トシゾーさんも、感想で、よくこんなボルトでバンバン落ちていて死ななかったものだ、運がよかった…と言っていました。

祐介さんらと登る強いクライマーです。


2020/02/15

応力腐食割れ(SCC)

応力腐食割れ(SCC)

ステンレスボルトは安心か?というと、それも違うよ~という情報です。

それはSCC応力腐食割れのためです。目で見えませんし、外側から確認することも不可能です。クライマーは3点でアンカーを作るくらいしか自衛手段がありません。

316、304(ステンレスの材質です)でも、SCC(応力腐食割れ)に事故報告が出ています。

フランスペツルによると、テストしたボルトのうち20%で、1~5kNしか強度がなかったそうです。5kNでは体重を支えられません。

岩質ではカルストが最悪だそうです。平尾台の方には連絡したいです。

気温は関係なく、20度でも、それ以上温かくても起こるそうです。

また雨に濡れないところはむしろ危険だそうです。

UIAAでは、SCCが確認されたボルトは、チタン製ボルトへの転換を推奨しているそうです。

資料必要な方は、差し上げますのでご一報ください。シェアしたいのですが、資料しか送られていないです。

2020/01/07

2020 JFAリボルト講習会のまとめ

注:全15記事、ですので、15記事全部読んでいただくようお願いします。

■時間的経緯

現代では、1985年から数年間のラッシュ時に打たれたボルトが更新期(30~35年)を迎えている。

逆に言えば、新しい岩場であれば、ボルトはまだ新しいため比較的安心 と言える。

 ・2000年以前の岩場 落ちない登り
 ・2000年以降の岩場 フリークライミングの岩場

■ UIAA 基準の強度

 25kN 

■ 現時点での強度を満たすボルト

25kN
・M10グージョン 
・ケミカル
・ケミカル強化された全ネジボルト

5~15kN
・カットアンカー
・M8以下のもの

できれば使いたくないもの
・オールアンカー
・リングボルト
・ハーケン

■ ボルトの安全性の見極め原則

1)材質 
2)種類
3)サイズ
4)施工者

■ 材質

 ・異種金属の組み合わせ=コロージョンによりNG
 ・コロージョンがない場合は、応力腐食による破断がありうる
 ・鉄=酸性雨によりNG
 ・消去法により、ステンレス、もしくはチタン等上位金属

■ 種類
 
 ・カットアンカー = 異種金属のためNG 施工後、効きが確認できない
 ・グージョン =OK  ほぼ360度方向の拡張、効きが確認可能
 ・ケミカル  =OK

■ サイズ

 ・M8 = 細すぎて強度不足
 ・M10 = OK
 ・M12 = OK

■ 施工者

ヒューマンエラーの可能性。施工ミス。多くは下穴が大きすぎるミス。粉塵の除去。

■ 現在危険視されているボルト 

ペツルの刻印があるケービング用ボルト

 ・マニュアル値 15kNしかない
 ・3cmしか穿孔されていない
 ・異種金属 3つのコンビネーションでできている

■ 現在推奨のボルト

 新規 = グージョン、もしくはケミカル
 リボルト = ケミカル

景観等の配慮のため。

■ ケミカルボルトの特徴

 ・景観等になじみ目立たない (アクセス問題再燃中)
 ・ドローに優しい
 ・敗退可能
 ・コスト高
 ・施工が難しい
 ・逆クリップが許されない

■ 1ルート当たりのコストの変化 

高価格化ということです。

 昔 支点一つ数百円 5中間支点として、ボルト数7 数百円×7=7000円~
           長いルートでも、1ルート1万円程度

 今 支点一つ最低1600円 1600×7=11200円 + 日当(人件費) 
           1ルート 3万円程度~

日当:特A級 時給2000円 施工スケジューリングができるレベル。かなり敷居が高い。すでに開拓慣れしている人ですら、B級で精いっぱい。日当が出るため、いい加減なレベルの人は雇用できない。そのためリボルト職人の講習会がある。

■ 個人の時代から、組織の時代へ

ルートへのコストが倍増したため、

 「個人のポケットマネーで施工できる時代は終わった」

という井上さんのセリフが印象的でした。まさしく、そうですね。

しかし、クライミング界への周知は、まだまだなようです。高額なボルトを打ち換えてまで、そのルートを登りたいという魅力があるルートは今後打ち替えが進むでしょう。

高額なため、受益者負担の原則を貫くとしても、ローカルな岩場のメンバーが情報網を持つ必要があります。

■ 記事まとめ

以下の記事が私の今回の、リボルト講習会で学んだことのまとめ、です。

1トピック、1記事の原則になっています。全部読んでくださいね!読まないと、このページの、まとめだけでは分かりませんよ!

17ミリのスパナを持ち歩きましょう
ケミカルアンカーでは逆クリップが許されない
ケミカルアンカーの理由
ボルト=負の遺産となっていないか?
ペツルだからと言って信用できない事例
山岳会代わりにJFA加入しましょう
JFAリボルト講習会 Day2
JFAリボルト講習会 DAY1
悲報: JFAのリボルト講習会に見学で参加してきました
ボルトの見極め まとめ マインドマップ
カットアンカーは、時代遅れ
ボルトの安全性 情報量少ない

■ 当方のボルト吟味の歴史

スタートは油山川で開拓者に会い、ボルトを見せてもらったこの山行(2018年11月)


から、正確な知識を得るまで(2020年1月)、約1年2か月かかっています。

この開拓者の方とは4か月程度でご一緒しなくなり、現在はボルダーをメインに頑張っていますが、ボルトに意識を高めようとして、研究したのが以下の記事です。

ボルトの質や配置については、疑問に思えることが多く、この山行で最初の気づきを得ています。

その後、日向神の支点、比叡のマルチに行くことで、かなり疑問を感じ、比叡では、打ち替えに検討されているボルトが、規格に見合ったものなのかどうか?という疑問を持ちました。結論的に言えば、検討されていたボルトでは、現代の要求するレベルには達していないようです。

こちらの図が、ボルトを見決める際のマインドマップです。大事なことは 

・M10グージョンが良く効いている
・もしくは、ケミカル

の2つ以外では衝撃荷重ではなく、静荷重にしておくなど、用心が必要ということです。

「バンバン落ちるクライマーは、俺、嫌い」と言った青ちゃんの言葉は、現代の岩場事情をよく理解し、反映したものであった、と言わざるを得ません。さすが長く岩やっているだけのことはあります。

小川山のように気軽な墜落は遠慮しましょう。 やはり、国際基準でのボルト整備が、着々と進んでいる岩場は、安心の上、安全です。安普請のツケは命で払うことがないようにしたいものです。後世に負の遺産を残さない、これを目指しましょう。

何度も同じことを話す苦労と間違って伝わるリスク

■一人で同じことを何度も何度も大勢の人に話して回る

一人で同じことを何度も何度も大勢の人に話して回る

というのは、セールスマンならいざ知らず、そりゃ~嫌にもなるだろーなーという感想だった、今回のJFAリボルト講習。

一日しゃべって時給800円(かどうかは知らないが、例えば)だったら、そりゃ、もうやる気減退でしょうね。

講習の様子を動画にとったり、リアルタイムでZoomで配信とか、フェイスブックでリアルタイム配信とかしたら、いんじゃないの?とも思う。

動画や注意喚起の文章があるだけでも、注意喚起されて、出たくなる人、ちょっときっかけになって、より深く知りたくなる人、はたくさんいると思う。

ほとんどの人が日和見菌である現代…特に若者。

若い人ほど、経験値が少ないので、良しあしの判断が、ただのフィーリング、つまり、なんとなくだったりして、行動から人柄を察したり、論理の裏付けがない。なんとなくかっこいい方とか、なんとなく多数派につく、というのが安全策の大半である現代。

きちんとした情報を出す=先手必勝、かもしれません。

17ミリのスパナを持ち歩きましょう

現在のところ信頼できる支点の標準サイズは、10ミリグージョンです。これは六角レンチで言うと、17ミリのスパナということになります。

ネジ頭 スパナサイズ
M8  13ミリ
M10 17ミリ
M12 19ミリ


グージョンの良さは、増締めすることで、効きが確認できることだそうです。

グージョンボルトを選び、サイズ的にも強度が十分であっても、施工ミスはありえます。

最後のチェックは、クライマー自身で。

それには、17ミリスパナが必要です。


ケミカルでは逆クリップが許されない

現在、動画は用意中です。

動画で見たほうが分かりやすいと思いますので動画を用意します。YouTubeを見ましたが、掲載ありませんでした。なんでないんだろう???

以下が、ケミカルの支点を使う際の注意点です。

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・しなやかさに欠けるドッグボーンのクイックドローでは、ロープにドローが引っ張られたときに、支点の反対側にドローが反転しやすい

・ドッグボーンが短いドローでも同じ

・ドローの支点側のカラビナを固定している場合も同じ

・ワイヤーゲートは、マイナーアクシスで安定しやすい
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以上のため、ケミカルアンカーでは

 ・長めのしなやかさのあるドローを使う 26cm
 ・支点側のカラビナは固定しない
 ・ワイヤーゲートを支点側に使わない
 ・ゲートを互い違いにして使用しない (人的ミス)

等の配慮が必要です。

ちなみに井上さんは、ペツルアンジェ でした。