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2022/07/28

マイナス×マイナス=プラス

 ■ 反省をしないという悪習慣

山やは、山に行った後、山行報告書を書かされるのが、山岳会の習わしなんですが…。

昨今それをしない山岳会が多い。

白亜スラブでロープが上がらなかった先輩もブログも書かず、山行報告書の義務付けがない会の出身で、行ったら行きっぱなし…つまり、一つの失敗が次の成功へつながっていない人でした…。今思うと、だから、10年以上のキャリアがあっても、ロープが上がらないとか、終了点を見落として、1点に二人がぶら下がる羽目になるとか、そういう失敗したクライミングを成功体験にして自己肯定感が上がりまくってしまうのだろうと。

つまり、

マイナス × プラス = マイナス

です。  

マイナスの経験 × ポジティブ思考 = 次も失敗

です。

ま、正直に言うと、反省するのがめんどくさい、が本音だと思います。

リード”してやっている” のに、”そんなにごちゃごちゃ言われるのなら、お前とは行かない” というのが正直な気持ちだろうと思いますが…

リード”してやっている” も間違いだし… ”ごちゃごちゃ言われる”のは、命を預かる責任上当然で、嫌なら一生セカンドやって、って意味だし… ”お前とはいかない”も、こんな人と行きたい人いるの?みたいなことになるわなー 

普通の感性のクライマーから見ると…。普通はスイマセンと謝っている姿、反省している姿で、普通…。

でも、そうならないで、すごく自己肯定感が上がるというのは、そして、もし、これが若い男性クライマーたちが山を楽しむ理由ならば… まぁ、事故は減らんでしょうなぁ。

だって、反省するどころか、むしろ、このような意味合いでの

ギリギリ

のほうが楽しいって意味でしょう…(汗)。

■ ギリギリボーイズ の ギリギリ

ギリギリボーイズという言葉が、一昔前には、アルパインの強い人たちの代名詞みたいな感じでしたが…今では立派な地位に就かれていると思いますが…

言葉のギリギリの内容をしっかり世間に伝え損ねていたのかなぁ…

世界に認められたギリギリ…Girigiri…

全く違う意味で日本に定着、ってなっていないかね?

それは、元をただせば、山行報告書を書かない習慣から…

 ■ マイナス要因は集客上書けない

しかも、昨今は、山行報告書はブログ上。となると、仲間以外の不特定多数も見る。

つまり、入会候補者も見る。と、マイナスなこと、ヒヤリハットなこと、とか書けないです。

入会候補者来なくなりますから(笑)。

危ない会と思ったら、誰も入らない。

でも、会で危ないのは、約1名とか、だったりします…特定の人がアブナイことが多く、みんなでその特定の人を阻止したり、守ったりしていることが多いです。

大抵はそのような人は、みんなのサポートなんか要らん!と思っていることが多いのですが、そう思っているのは見えていない本人だけで…ものすごく助けられていることにあまり気が付ける人間的器がない場合が多いのです。

ので、会のブログを見ても、アブナイ会か危なくない会かはわからない。

行ってみて、生を体験してみないと分からないです。

講習会が頻繁でない会は、スキルレベルがバラバラで、リスク感性不在の人が大きな顔をしている場合も多いような気がします。

大事なことは、

 ヒヤリハットから よく反省して、次の山につなげる、

ということです。これが、マイナス × マイナス = プラス ということの中身です。

2021/11/22

山岳同人フランベのススメ

注:この記事が余りに人気なので、心配になってきましたが、女性で普通の体力能力の人には不向きの可能性があります。女性でもリスク自慢のイケイケタイプの方は大丈夫と思います。

参考: https://allnevery.blogspot.com/2021/08/blog-post_21.html

■ 山岳会が機能していない

一般に、テクニカルなルートを登りたいアルパインのクライマーは、パートナーが必要なので、引っ越して来たら、まず最初に山岳会をチェックするものと思います。

私も同様でしたが、現代は、中高年登山全盛期で、ロープを出す登山をする山岳会は少なく、またロープを出す登山には知識だけではなく、体力がいるので、高齢化で、”今の力で行ける山に行く”という方針にすると、”初級ルート止まり”というのが、大体の現状です。

私も、福岡山の会、ムーブ、想山会、など色々な会を試しましたが、どこの会も高齢化でダメでした。しかも、教え方が40年前のものなので、山岳会ではなく、大学山岳部を前提にしており、その大学山岳部における新人像は、18歳男子、です。これが、現代の新人とは、いかにかけ離れた新人像であるか、なかなか、教える側は分からず、教え方が悪いというよりは、新人が能力低下していると考える傾向にあるようです。

その上、過去40年の間に起きた山の世界での技術進化は目覚ましいのにも関わらず、その進化をフォローしていた指導者クラスの人は皆無なようで、いまだに支点ビレイ、座ったままのビレイ、壁から離れたビレイ、ATCなのにグリップビレイ、などが当然視されています。



 

初めて教わる人はこれが間違った行為だとは、もちろん、分からないので、間違った技術が再生産されることになっているかもしれません。

が、それとなく書籍を読んで、あやまりを正しているのが、賢いクライマー連中のやり方だと思います。年配者に言っても、「俺はそうしてきた、そして死んでいない」(つまり、成功しているから、変える気はない)と言われてしまいますし…。

昨今の日本社会が行き詰まりを見せているにもかかわらず、経済の構造を変える気がない政治家と同じ論理に陥っています。最後は余談でしたが…。

■ フランベ

そのような中では、同人ではありますが、フランベ、はおススメできる会です。

会の山本君は、ムーブの高田さんに初期指導を受けたクライマーだそうですが、初めての人工壁の時、1ピン目ではしゃがんでロープを短く出してくれ、好感が持てるビレイでした。

ロクスノに雌鉾の大滝の登攀が出ているので、気後れして、”おれなんかが行っても”とかいう男子が多数ですが、別に雌鉾岳は、世紀の大記録でもなんでもありません。ルートグレードなどを昨今の人は理解できないから、すごいと思うだけです。アイスでは90度以下の寝ている傾斜は初心者でも登れる難易度です。

 これは55m相沢を登っている私です。初心者でも登れるというのが信じられるでしょう?

同じ時に二口渓谷の歴史に残るアイスクライミングの登攀がロクスノに出ましたが、こちらは女性のアイスクライマーでワールドカップにも出た石原さんの記録で、ホントにすごい記録です。”6級”つまり、傾斜が90度以上あるアイスピラーです。ピラー(氷柱)になってからが、いわゆるフリークライミング的な技術困難度になるレベルです。しかも、寝ている氷より、圧倒的に壊れやすいです…。しかし、石原さんの記録、2行。

つまり、ロクスノがどれくらい、クライミングに疎くなってしまっているか?という現れでしかありません。残念な現象です。

ちゃんとクライミングが分かる人、編集室にいないんですね…

■ 同人

話がそれましたが、普通にフリークライミングを平素はやりながら、季節季節の折り目には、マルチのルートで頂上を目指したい、チャレンジを積み上げていきたい、と考える、一般的な年齢の人に残されている山岳会は、九州では、フランベ一択ではないかと思います。

他は、高齢化してしまい、ハイキングしかしない会になっています。樋口先生のところ以外は、ぜんぶ、技術内容がセピア色です。

技術がないと、外ボルダーからステップアップ不可能。まずはスポーツクライミングをマスターするのが次なるステップなので、廣瀬さんのやっている教室も悪くないと思います。

他はいきなり、トップクラスのエリートクライマーを育成している樋口先生のところしか行くところがありません。

同人というのは、技術をすでに分かっていて、仲間が欲しい人が行くところ、であり、技術講習が必要な人が行くところではないです。

なので、「教えてくれない」などの 〇〇してくれない系の人が行くと、待っていても何も起こりません。

知っていて当然、というのが前提。

ですが、昨今、クライマー向けの技術書は充実してきており、笹倉さんの本や、新しくなった北山真さんの本など、普通に読んで来れば、ある程度の話は通じる状態になっているハズで、その程度の自己責任も負えない…カタカナが多くて覚えられないとか、ロープワークが難しいとか文句を言うようでは、その人はそもそもクライミングに適性がない。クライミングは海外から来たものなので、カタカナが多いのは当然ですし、ロープを使うのは安全のためです。生半可な知識でいいという甘えがあるようでは…屍を増やすことになります…。

とは言っても、昨今、ロープが出る山をする人の人数は少なく、どんな人でも歓迎される傾向にあるので、チャンスと言えばチャンスです。

山本君たちも心が広いな~と、後輩の誰くんだっけ?忘れちゃったけど、辛抱強くビレイしてやっている様子を見て思いました。

私の山梨アルパイン時代(つまり、初心者)からの先輩(と言っても年下男子だけど)の荒木さんも、65歳以降でボルダラーからリードクライマーに転身を希望しているクライマーのビレイを辛抱強くしてやっていました。

男性同士は、ある程度分かっていない奴、と思っても、”俺も分かっていなかったからなぁ”と自分を顧みることで、相手の分からなさ、を許せるのではないかと思います。

たとえば、自分のロープを持ってこないで人のロープを当てにしてくるとか。(通常、自分のロープをリード用に用意します。そういうプロセスで道具の使い方を覚えます)

一般に、年を取って歩けなくなり、怪我に弱い体になってきたら、フリークライミングへ進む、というのがアルパインのクライマーの順当な成長路線と言われています。

若い間はアルパインで遊びましょう… 

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