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2024/12/16

【ビレイ】コンペのビレイと外岩のビレイは全く違う

 

コンペビレイと、外岩ビレイは全く違うというだけでなく、


コンペのビレイを外岩でしたら危険


です。

ビレイ講習会に誘ったら、

 オリンピックで習ってきたから

というので、ビレイを教わる必要はないという返事をもらったことがあったんだが…

その返事を聞いて…えー分かっていなーい!と思って青くなったワタクシ…

なんで、みんなが分からないのか?謎。

外岩のビレイはホントに悩ましい問題で、新人さんはもちろんビレイは信頼できないし、かといってベテランは、新人より言うこと聞かない分たちが悪いくらいなレベル感でだらりんで…座ってビレイする人もいるくらいで、

かといって、人工壁なしでは、ビレイの練習はできない…という悩ましい問題なのです。

結論、一人で登ります~になる人もいる。

あの小川山でリードソロをしていて墜落したおじさんは、大丈夫だったんだろうか…

事故を起こしても、普通のクライマーなら報告しないよなぁ…

だから、実際に報告されているより、実態の事故数は多いはずだ。

2022/10/08

パートナー作り@クライミング

 ■ バレエでは、パドドゥに当たるパートナー制度

昨日、バレエで、パドドゥを組む際の注意事項を網羅した動画が流れてきて、

 パートナーを組む際の注意事項がクライミング界には欠如している

ということに気が付きました。

体重差くらいしか言われていない。英語では、Partnering です。

■ クライミングでのパートナリング

1)クライマーはビレイヤーがいい加減だと、登れる場所も登れない。(しっかりした愛着関係、信頼関係が築けていることが大事)

2)クライマーはクライミング中は、ビレイヤーのビレイを確認することができない。第三者が確認することが必要

3)クライマーは無理強いされると、登れる場所も登れない。

4) 大きい人と小さい人が組む場合、小さい人が危険にさらされる

5)大きい人と小さい人が組める最大値は、小さい人の1.5倍の体重まで。

6)リーチ=安全

7)ビレイヤーはビレイ位置が不安定な場合、セルフビレイをとる

8)ビレイヤーは足場がない場所では、ハンギングビレイとなる。

9)クライマーは、ビレイヤーと積極的にコミュニケーションするべし

10)クライミングは、クライマーとビレイヤーが相互協力で作り上げるもの。

11)ハングドッグ中にロープが緩んで下がってくるとクライマーはとても不安になる

12)核心部に入ったのにロープがたるんでいると、クライマーはとても不安になる

■ 信頼関係の作り方

1)ビレイ中にビレイヤーを見たら、必ずこっちを見ている

2)クライミング中にピンチがきたら、必ずレスキューしようとする



2022/02/12

2ピン目でのたぐり落ちをビレイヤーが止めた事例


これで、落とされても、クライマーは文句は言えません。

手繰り落ちがNGなことは自明だからです。ビレイヤー良いビレイヤーで良かったですね!

2022/01/21

新人は年配者の意見を素直に聞く前にTrust But Checkをやりましょう

■ 政治が陳腐化しているのと同じで、昔のアルパインの教え方は陳腐化していますよ!

こちらに、”若者100人と衆院選挙の夜に考える「若者の投票率上げる方法」【選挙ステーション2021】【これで未来は大丈夫?】”

という討論会の動画があるのですが…。 


子どものころから、くびきにつながれた象は、自分が自由な状態になっても、檻から逃げ出すことは最初からあきらめてしまいます。

同じことで、日本の若者も、年配者に、Obey!(従え!)と命令されたことをやっていれば、良いと思考停止していませんか?

ヒドいビレイを見ても、正しいものが何かを知らなかったら、それが間違っているとは分からないかもしれませんが…、

正しいビレイは何か?

くらいのことは、普通にペツルのサイトを見れば出ていますし、海外の動画をたくさん見ればビレイヤーの立ち位置くらい学べます。

あるいは、自分が経験していく中で怖い目に遭って分かっていきます。ギリギリボーイズの伊藤さんは、男性ですが、後ろにビレイを取っていました。

一方、年配者は、岩場で壁から、2m以上離れたビレイとか、座ってビレイするとか、2名を一人がビレイするとか、そんなとても、現代クライミングには通用しないビレイをしています。こちらにきて、ちゃんとビレイできるアルパインの指導者には会ったことがありません。ほぼ全員、NGでしたよ?

が、いまだに、年配者のアドバイスを丸のみしようという姿勢、あるいはみんなと同じは安全である、という前提が見える…

アメリカでは、Trust But Checkと言われます。

 信頼せよ、しかし、チェックせよ

です。上司もそうですし、山岳会の先輩もです。もちろん、後輩も…。当然ですが、ここに私が書いていることも私の経験の範囲で分かったことに過ぎないので、丸投げとか全信頼とかされても困ります。

今回も、奥村さんの講習会に来ているような、しっかりとした技術を身に着けたいと考えている若い人が、なんで根子岳とか言い出すのが謎でした…。ただのミーハーでの選択としか思えなかったです。普通に考えたら、どんなにきちんとしたビレイをしても、脆いところは対応しようがないからです。浮石を掴んで落ちた先輩を2度、私は止めています。当事者の方、気分を害したら、ごめんなさい。

■ 年配者は助けるもの 若者が手を貸すもの

カットアンカーの件は、かなりご高齢のクライマー(70代、80代)だったので、情報弱者に陥っていたのでした。

現代の若い人は情報にはさといので、助けてあげる側ですよ。

是非、情報通になって、指導者に新しい情報を渡してあげてください。最近は、もうカットアンカーは使われないそうですよ、とかそういうことです。

きっと喜ばれることと思います。

これはトップは私ですが、下には一人しかビレイヤーはいないのになぜか2名映ってる…こんなのを見せられたら、おかしいと気がつかないといけない。

2022/01/20

クライマーは下のビレイヤーが信頼できないと登れなくなるものです

■ ビレイの稚拙さ、上手さについて

ベテランからのアドバイスが得られるラッキーな人は、もしかして、あまりいないかもしれないので、転載しておきます。

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クライミングが上手いなんてそれほど重要ではないです。重要なのは、クライマーが、どこでも、いつでも、突然にでも、墜落した場合に、そのポイントで怪我をさせないビレーができるかどうか?でしょう。

リードして登って行けば、ルートの状況は、刻々と変わります。ポイントポイントで、ビレーのやり方は変わります。

ビレーは、奥が深いですし、それを詳細に解説した文献は見当たりません。(注:奥村さん辺り、書いてくれないですかね…)

自分のビレー体験と試行錯誤の積み重ねと、常にもっと良いビレーはないか、考え続けるのが自動化してなければいけません。

私は自分が堕ちるのが大嫌いなので、危険な所で安易に墜落を繰り返す人のビレーは精神的に疲れます。

信頼性の高くないビレーヤーだと、リスクを取りたくないので、テンション癖がついちゃいます。確実に登れると思うときでないと突っ込めません。

Aさんだと登れなかったルートが、他の人(初めてビレーしてもらった)だったら、あっさり登れたとか、ビレーヤーとして恥ずかしいとは思わないのかな。

同じ所で墜ちて墜落距離が、かなり違うって、どうなんでしょう?

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■ ランナウトについて

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先週、城ケ崎で5.10Cの20メートル強のルートをカム3ヶで登った人がいました。プロのインストラクターで、毎年10回以上×20年の人でも、その2倍以上のプロテクションをとっています。こんな登り方をしていたら、いつか痛い目に遭いそうです。

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■ ヌン掛けリードについて

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甲府幕岩で、5.11後半を幾つかレッドポイントしている60代の女性は、いつもパートナーの男性がヌンチャクを掛けてくれます。

クライミングで成果はでますが、それ以外は初心者のままでしょう。男性と登りに来ている女性で、ヌンチャクを掛ける人を見ることは稀です。12が登れてもそうです。

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ヌン掛けリードって、日本人だけでしか見ない習慣のような気がします。ラオスで、誰かがヌン掛けしてくれるっていうのは、なかったです。

ラオスでは、傾斜が強いので、回収もトップロープ回収で、セカンドの担当なので、リードよりは、リスクはないとはいえ、回収の手間があるので、完全初心者向けのトップロープ(上の終了点からぶら下がっているだけ)とは違いました。

日本でも、リードした人がかけたヌンチャクは、セカンドで登る人が回収しながら登ったらいいのでは?

これ以外に、日本だけの不思議な習慣っていうのは、壁の途中のセルフです。そんなのしているの、日本人だけでした。

           ラオスでデイビッドのビレイで登っている私 
           普通にビレイ良いですよねぇ…なんでこれが日本で
           そんなに得難いのでしょう????


2022/01/07

【リスク管理】小さいビレイヤーが危険にさらされ、ヘルメットが必要なケース

 ■ 誰が危険か?

この写真を見てください。 ここでリスクにさらされているのは誰でしょうか?


答え)下のビレイヤー

このビレイヤーは、自分の命を危険にさらしても、上のクライマーを守ろうとしています。

体重とロープの柔軟性にも寄りますが、この状態で上のクライマーが大きな墜落をすると、下のクライマーは必ず浮き上がります。

その際に下部のハングの岩に頭をぶつけてしまうリスクがあります。

この場合、下のビレイヤーは上のクライマーより、極端に軽くない人が良いです。通常、軽いクライマーは衝撃を浮くことで吸収できるので、ベストマッチと言えますが、このように浮くことでビレイヤー事態にリスクがある場合は、

・下にセルフビレイを取る

・ヘルメットをかぶる

という2重の安全が必要です。

いつも、私はこのような状態でビレイしているのですが…誰も私が背負っているリスクを分かってくれないので、非常に寂しい思いをしています(笑)。

クライマーは、だいたいの人が、墜落を当然の権利だと思っている節がありますが、この状況でバンバン落ちるクライマーは、ビレイしてくれる相手のリスクを正確に評価できていないので、お互いに、ビレイヤーの方が、大きなリスクにさらされていることを共通理解にしておく必要があります。

なぜなら、一般的なビレイヤーとクライマーの関係は、ギブアンドテイクの関係なのですが、これだと、体格によっては、ビレイヤーのギブが大きすぎるからです。

小さいビレイヤーにとっては、このビレイは、ほとんど自己犠牲的ビレイです。ギブアンドテイクの量を誤って計ってしまいます。

このような場合は、比較的重たいクライマーを起用するべきです。そうすれば、ビレイヤーが怪我をするリスクは軽減されます。

このような、

・落ちる位置が地面に近くて、

・下にハングが出ている場合

は、正しくビレイしても、危険があり、その危険はビレイヤーの方が大きいです。

・グリグリを使用する

というのも、安全対策になりえます。ガツンと止めてほしいケースだからです。

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このルートは、ものすごく気を使います。 出だしから厳しいムーブが続き、なおかつ出だし部分より3D形状なので、ロープがクライマーの動きを妨げないように位置取りを考えないといけないこと、そして1ピン目から普通にフォールする可能性があるのでこまめにビレイヤーは動く必要があります。やっと2本目、かけ終わった時点で1本目の真下に移動してビレイということになります。 ちなみにビレイはグリグリを使ってます。

ーーーーーーーーーーーーーーービレイしていた人からのコメント

■ ビレイできます、というのはどういうことか?

こういうのが、ビレイできます、という中身で、ただロープの端っこをもっているだけってのは、ビレイできるに入らないんですよ。

ちなみに次の写真は、ダメ事例です。

グリーンのジャケットの先輩が登っている様子ですが、ビレイが非常に危険だったので、指摘しましたが、ビレイヤーは涼しい顔をして治そうとしませんでした… 私以外にも二人も別の人が同じ危険を指摘したにも関わらず、です。

直さなかった人は33歳の背の高い男性でしたが、会の新人ということで大事にされていました…平均的な人ときちんと考えている人ではこれだけビレイのスキルに差があるということです。ちなみに私は最初からビレイは良かったです。ですので、最初が肝心と思います。最初に離れているビレイを当然と目視してしまうと、人は

  言われた通り

ではなく

  周りと同じように

やってしまう生き物なのです。周囲に、下手くそビレイヤーばかりでは、本人も下手くそになります。


お上りさん時代の記録 https://iceclmb.blogspot.com/2014/12/blog-post.html

2021/03/23

北山さんと杉野さんも言ってるよ!

 ■ヤマケイ登山学校『フリークライミング』

の冒頭に

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トップロープと違い、リードのビレイには様々なテクニックが必要となる。最初に声を大にして言いたいのは、確保器は絶対に体に取り付けるということ。

どんな頑強なビレイポイントがあろうとも、これに直接確保器をセットしてはならない。

確保者の体はフォールの衝撃を軽減する重要なショックアブゾーバーなのだ。

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です。

私は、初めてビレイを教わったのは雪上でしたが、その雪上ですら、支点ビレイはダメ、というのが山岳総合センターの先生が最初の一言で言ったことでした… 

ただ実際にみたことがないので、それをされている様子が全く想像つかなかったです…。

ので、これがダイナソーレベルと言われている、あれ?かどうか、調べるのに一苦労…。だいぶかかって、そうらしいと分かりましたが、男子は一生分からないみたいでした…。

自分がどんなビレイをされているか?なんて知らないで、登っている人ばかり…それが依存的クライミングと気が付いていない…みたいですね。

この文章が一番最初に出てくる文章で、ホント、まるで大御所から援軍をもらったような… 大村純忠が7人で籠城して1500人に囲まれているときに、時間稼ぎをしていたら、援軍がきた、みたいな… そんな気持ちです。

2020/08/20

体重別ビレイ法

■ 体重別ビレイ法

Slack=出す、です。出さなくていいって書いてあります。
小さい人=ミニマムスラック 引かれるままに動く
6.8 kg以上重たい人=ミニマムスラック+小さいジャンプ
9.1Kg以上重たい人=少々出してもいい+絶対ジャンプ

私が人工壁で落ちるの怖いのは当然で、重たいビレイヤーにぱっつんビレイされると、壁にぶつかることになるから。
大体クライミングの大会でビレイヤーとして抜擢されることが多いのは体の小さい男性です…。 クライマーより軽いほうがビレイは確実に安全です。

やっぱりパートナーは、大体プラマイ5キロ以内の体重差の人が安心です…
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A common misconception is that more slack equals a softer catch. Yet in that scenario the climber usually free falls until the rope comes tight, then abruptly stops at the end of the rope.
Here are some guidelines to giving a softer catch: If you are lighter than your climber, focus on having minimal slack, and be prepared to be pulled up into the wall. Don’t resist! Even being 50 pounds lighter is not enough to pull against the catch. If you are a comparable weight to your climber (+/- 15 pounds) be prepared with minimal slack and “go with” or give a slight jump when the rope comes taut. This will help decelerate your climber slowly, instead of abruptly stopping the person. If you are heavier than your climber (>20 pounds) you should introduce slightly more slack and you MUST jump when the rope comes taut. Slightly more slack gives you the time necessary to react and jump at the appropriate moment when you feel the tug on your belay loop from your rope tightening. If the timing of your jump is off, the catch will not be as soft as it could be.
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2018/08/18

ビレイを教える

昨日は、クライミングを始めて1か月という人に、人工壁でビレイを教えました。

《内容》
・各種の確保器とスリットの幅の違い
・ロープ径と確保器を合わせないといけないこと
・確保器への通し方
・メインアクシス
・シングルストラッド、ダブルストラッド
・一ピン目で落ちてはいけないこと
・逆に一ピン目まではスポットし、ピンを取ったら、ダラリンビレイはダメなこと
・ビレイヤーが立つべき位置
・だらりんビレイはいけない
・引っ張りすぎてはいけない
・ランナウトについて 
・墜落係数について
・トラバースで振られること
・確保器の操作の仕方 正しいたぐりかた 制動する手を離してはいけないこと
・トップロープでの確保
・トップロープで登り始めはタイトでいないといけない理由
・同じ位置で落ちるならリードのほうが伸びが少ないこと
・終了点 プーリー現象
・終了点でテンションと言って、テンションがかかるのが遅いビレイヤーは、だらりんビレイだということ
・体重差について 自分が確保できるクライマーの重さ 1.5倍
・お互いに初心者同士で行く場合、怪しいビレイで登らざるを得ないため、初心の時期にもっとも事故が多いこと
・その場合、ワングレード下げて登ること
・クライマーとしてビレイヤーを上から見て、立ち位置を修正してもらうこと
・ぱっつんビレイは どっかぶりでは危険なこと
・軽いビレイヤーは浮いて、落ちてきたクライマーとぶつかる危険にさらされること
・後ろにビレイを取ること
・ビレイグローブ
・”流して止める”は、スラブにはないこと
・足場が悪い場所でのビレイ
・クライマーが落ちたら、後ろに走るなどしないといけない場合があること
・クイックドローの回収の仕方
・コール :「落ちるかも」「頼むよ」
・回収時のヌンチャクでのセルフ ロープに振られる場合
・素早く出すには? 座って立ち上がる&一歩前に出る の併用
・ローワーダウンは両手
・上の手は意味がないこと
・繰り出しの幅
・ハングドッグ時に楽にロープを保持する方法
・確保器が、屈曲で墜落を止めている原理
・オイラーの法則 後ろに大きく下がってビレイすると、屈曲が大きすぎて中間支点にかかる力が大きいこと 許容できる屈曲角度
・その場合、ビレイヤーは前に引かれてアブナイこと
・グリグリでのビレイ vs ATCでのビレイ
・待っているときの保持の仕方

最初は、私がクライマー役をしましたが、案の定、壁から2mくらいのところに、ぼけーっと立っているだけで、まったく警戒心なしで、ダメビレイヤー典型でした。

1ピン目を掛ける前はスポットでしょう、と指摘。

私も初心者のころは、ただ立って確保器を持っているだけで確保している気分だったかもしれないのですが、それでも、

  ビレイヤーを信頼できないと、クライマーは登れるところも登れなくなるもの

だってことは知っていました。それから、半年は、週2で人工壁に通い、良いビレイとは何か?を考えて過ごしました。その時期は、

 意識的にビレイ習得をテーマにしていた

のです。

■人工壁&マットありで

今回は、当然、人工壁でしたが、この選択にも意味がありました。

人工壁でも下がコンクリートの場所とボルダリング用のマットがある場所があり、マットがある場所をあえて選びました。人工壁にした理由は、外岩に、多分大丈夫だろうと初めて組む人と一緒に行って、怖い目に遭ったことがあるためです。登れるグレードや経験値の長さとは関係なく、初めて組む人とは人工壁がベターです。

登山歴20年とかいう山岳会の長老みたいな、ベテランでも、若い時期に人工壁に接していなかったり、自分の体格が良くてビレイに不安を感じる機会が少なかったりして、壁から10mも離れたビレイをしているベテランもいます。そういうビレイを見て、これでいいんだ、と思ってしまうのは、間違いです。私も、間違いを指摘されて分かりました。

今回は、下にマットがある場所を選び、1ピン目から早速、落ちてみせて、彼に止めてもらいましたが、やっぱり駄目ね~な感じでした。ビックリしている様子からすると、墜落を止めた経験はなかったようです。でも、若い男子なので握るだけで止まりました。

が、私が軽いので、彼にビレイの怖さを教えるには、体重不足でした…残念。

上のほうでもどんどん落ちて、ちゃんと止まりましたが、だらりんが多いので予告して落ちました。なかなか、勇気が必要な役でした。

なにしろ、初心者、立ち位置からしてダメ。落ちてあげて、”あれ?”という体験をしてもらいました。今日はとにかく落ち役で、ガンガン落ちてあげましたが、彼がどれくらい習得してくれたかは、未知数…。

私は落ちるのが苦手ということで知られているので、これがどれくらい私の精神的な負担なのか?(実は相当負担です…涙)は、彼には知る由もないでしょう…。ほんとにギリギリまで頑張って、全然落ちないので、頼れるビレイヤーの師匠たちも「いい加減、落ち慣れしろよ~」って、思っているのです…私のことに関して言えば。

落ちるのが嫌なのは、衝撃が苦手で…何しろ、クライミングを始めて1か月の初心者のころ、登りたくないって、言っているのに、5.10cを登らされ、人工壁の終了点で、腕のパンプにより、たぐり落ちして、床から50cmくらいで止まったのです…。人工壁の終了点って、とっても固いので…開けられなかった…あれは、かなり怖かったです。そこにいた全員が、息を止めて、私の墜落を見ていました…(汗)。それは、無理強いされたリードだったので、それで落ちたので嫌だったのです…。

それ以来、リードも怖くなったし、落ちるのも嫌いになったし、何もいいことがない経験でした。

■ 分かっていないことが分からないのが新人

クライミングは、誰でもそうですが、初心者のころは、分かっていないことが分かっていない。

ということで、きっと教えてもらっても、そのありがたみ自体も分からない。結果、ほとんど徒労に終わる可能性が高い。余談ですが、実際、アルパインが廃れたのは、この徒労感のため、と思われます。

正直言って、私はあまり教えたくなかったのです…。というのは、私には、怪我するリスクだけがあって、何もメリットがないからです…。この人と気が合うわけでもないので、自分のパートナーになるわけでもないし…。やっぱり、肘をすりむく怪我をしていました。

■ 目撃 落ちれないビレイで登るコンペクライマー

気持ちを切り替えた訳は、ドライの練習を見たからです。

前日、ドライの練習で、落ちれないビレイ…すごく怖いだらりん…で、リードしている選手を見ました。そのクライマーは、シーズン初ドライというのに、決死の覚悟でリードしないといけない。お気の毒でした。彼が選んだ課題は初心者課題でした。マグロにも行きましたが、プロテクションが悪くなったあたりで、課題の質が悪いと言って、降りてきました。

これを見て、”ビレイを教えうる機会にある人が、その時期にある新人に教えないことは、クライミング界全体の公害である”、と思い、今回は、クライミングの神様に、この時間をささげるつもりで、時間を取りました…。

■ ビレイは教わるものではない

私自身、この様に詳細にビレイを教わったことはないと思います。

教わったのではなく、盗んだり、どうするべきなのか?を自ら求め、探して、YouTubeを見たり、確保器の取り扱い説明書を、目を皿にして読んだりしました。

自分で危険な目に合い、ロープが流れてヒヤッとしたり、先輩が落石を掴んで落ちるの、を止めたり、墜落されてぶつかったり、だらりんビレイを見て怖くなり、敗退したり、など、経験を通じて学びました。死ななかったのは、単なる幸い。

■ ランナウト

ランナウトについて、口うるさくなったのは、たぶん、アイスでスタートしたからだ、と思います。アイスは自分でプロテクションを打ちながら登りますが、そうすることが初心者でも普通なので、自然に

 プロテクションの間隔はどうしたらいいのか?

を、考えるようになります。

しかし、岩の場合は、あらかじめ中間支点が打たれているので、クライミングだけで、アップアップの初心者の時期は、ランナウトについて登りながら思考するような、精神的ゆとりはなく、支点をただ追っかけるだけの登りになりやすいです。

そうなると、その課題を安全に登るのに必要な登攀力が不足し、自分で自分を決死の状態に陥れてしまっている状態になっても、それに気が付けなくなります。

特に、日本の岩の課題は、中間支点の間隔が、十分にクライマーの安全に配慮したものとはなっておらず、ランナウトが頻繁に起こっているため、5.7でも、5.9がリードできるくらいの登攀力がないと取りつけません。

これは、初心者で、春のもどり雪 5.7 3Pをやった時に、「核心はどこですか?」と尋ねた答えが、「あそこの核心は大ランナウトだけでしょう」と言われたことで、理解しました。思案し、結論を導くのに、4年ほど、かかりました。

 ”核心がランナウト”ということは、決して落ちられない、という意味

です。 決して落ちられないと言う場合、

  何が保険か?というと、自らの登攀力以外ない

わけです。つまり、実際の登攀力よりグレード下げて登る必要がある、ということです。

■安全マージンをどれくらい取るか?

次に問題なのは、どれくらいの幅で、グレードを下げたらよいか?ということです。

これはクライミングを始めて初期のころ、ソロイストで登っている人(つまり、ランナウト同様、決して落ちられない)が、5.12を通常、登る実力なのに、ソロイストを使う場合5.7しか登らないと教えてくれたことを参考にしました。

5.12→5.7は、グレード下げすぎのようですが、私の感覚では、5.7がゆとりになるには、5.9で普段、落ちないで登っているくらいは、必要です。5.7と言えども、濡れていたり、ホールドが脆かったりなどがあるからです。

インドアジムグレードだと、一通りのムーブが身についているようなグレード、5級程度?は、登れていないと、と私の基準では思います。ボルダーグレード5級で、デシマルだと、5.10aがコンスタントに登れるくらいではないか?と思います。

5.7を登るのに、5.7の登攀力しかなかったら、核心部で落ちる可能性があり、ランナウトに耐えられない。ランナウトしているということは、落ちたらグランド(地面に激突)ってことです。死は免れるにしても、怪我は必至です。

■ 仲間づくり

この人は自分で仲間を作って登っていこうという意思が見えた…仲間を呼んで練習会をしていた…ので、教えてあげようという気持ちに切り替えました。

自分でクライミングに行かない人は、いくら教えても無駄骨になる、と師匠から、よく言われました。つまり、金魚の糞クライミングです。ただ登れるリーダーについていくだけの人は、主体性をもってクライミングしているわけではないため、いくら、必要な情報や技術を教えても、その重みが分からないから、知識が駄々洩れ、スルーしてしまうのです。

■ 自分の幸福を満たしてから人のことを満たす

また、ごく最近、自分が登りたいところに経験豊富な人と言って、リード3本、で満たされた気持ちになったため、ほかの人にペイフォアードできる気持ちに切り替えられました…。それまで、こんなやつに教えるのは時間の無駄だと思っていました。

自分の心が満たされるクライミングで、感謝の気持ちが沸くようなクライミング、をやったおかげで、人の幸福まで考えられるように。自分をまず満たしておかないと、ほかの人に差し上げうる、親切な心も枯渇してしまいます。

特にクライミングは、そのような精神的ゆとりの枯渇が激しいです…。それは、

 命がかかるため

ですね。

小さな親切大きなお世話、という常套句がありますが、まさに逆で、親切を受け取る側にとっては、ほんの小さな親切程度に感じられることが、親切にする側にとっては、かなり大きな負担です、何しろ命がけなので…。怪我しないで済んだら御の字。わたしもこの日は、すりむき傷を作りました。

すりむき傷を作った程度ならいいですが、以前グランドして、頭7針も縫った。そのビレイヤーは、以前からマズいビレイを指摘されていて、誰が指摘しても、なかなか治らない人だったそうですが、その事故後、かなりビレイが信頼できるようになり、落ちて怪我した甲斐があったというものです。

そういう人は落ちないクライマーと登る限定です。「僕はもう100%落ちないから、彼と組めるけど、普通のクライマーはダメだよ」です。

■ クライマーに必要な性格

今回の新人さんは、まだ目を白黒させていたので、まだ理解&消化するのに、時間は必要そうですが、考え方や性格な部分で、あわてんぼだったりということはないので、将来的には大丈夫だと思います。

そもそも、性格的にクライミングに向いていない人もいます。危険認知力がないというのは当然そうですが、あたふたと慌てるタイプの人、慌てると雑になるタイプの人です。

誰でも、急ぐと雑になるので、急いでも雑にならない練習は、誰にでも必要ですが。雑になると、モノを落としたりします。特に最悪なのはロープを落とすことです。しかし、練習しても、理解しても、ダメな性格の人もいます。

■認識の浅い業界

クライミング業界では、

 ビレイが確立した技術だという意識が低く、

 クライミングの教科書にも、ほとんどビレイについては述べられていない

ことが多いです。

安全で落ちられるビレイは、高いクライミング力の基礎となるもの、

 落ちれる安全なビレイ習慣

が広まることを願っています。

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1) Belay device should match with a rope diameter

2) (there are) single slot type and double slot type

3) how to put rope into the slot without falling the device

4) a climber should not fall until the first clip

5) spot is needed till 1st clip

6) where a belayed should stand (close to the wall no slack)

7) too much slack is Nono

8) too tight is Nono. Don't pull too much or a climber will be pull down

9)about runout

10) impact force, 0,1,2

11) traverse

12) how to slack the rope without letting the control hand off

13) how to belay on TOPROPE

14) why it toprope belay has to be tight in the beginning

15) if you fall at the same place, the lead has less fall distance, and why(rope stretch)

16) top rope ancher (it should be double strength)

17) a bad delayer will take a time when you say "Take!" at the anchor. A good one give you tension really quickly.

18) how heavy you can belay. Best weight that matches your weight. 1.5 time as much as your weight, is maximum.

19) most accidents occur when climbers are beginners.

20) Till you are very sure about belay, you should not try your utmost grade.

21)a climber should check belayer's belay always.

22) too tight catch is nono on hang over

23) too much slack catch is no no on slab

24) a belayer should sometime jump to decrease the force given in a running point

25) a light belayer need a self arrest behind so he won't bang into a wall or a climber

26) belay globe

27) bad belay area = self arrest

28) hanging belay

29) how to clean up the quick draws when overhang

30) how to call, "Off belay" and "On belay"

31) you should try to rise a belayer's attention by saying "I might fall "or something, when it is crux

32)how to slack quickly

33) lower down safely

34) control hand is the most important

35) slack lengths can be controlled by stepping forward

36) you should always keep watching a climber

37) you should not sit down when belay

38)no answering phone

39)how to wait for a climber when hang dog, easy way

40) why you should stay close to wall, rope angle and friction

41) too far away means you are pulled forward not upward.

42) ATC guide and Griguri; difference.

43) back roping” can be very useful for protecting tricky traverses if you have 2 ropes and some in situ gear is available to leave one rope clipped too, thus limiting the potential for a pendulum.

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