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2022/11/19

グローバルスタンダードの無視とガラパゴス化

 ■ クライミング界は最後の、”出来ないおじさん族の砦” なのでは…

グローバルスタンダードということを考えたときに、思い浮かぶのは、数々のビジネス上の経験だ。

例えば、国際会計基準… 日本だけが日本式簿記から離れられず、企業経営の透明性が非常に低いままなので、投資対象として、評価が難しいんですよね…。これは、30年くらい前からずっと言われていますが。

私も投資是非を判断する立場のグループにいたので、ファイナンスは多少勉強しましたが、アメリカ式と日本式は違い過ぎていて、国際的には米国会計基準に向かっているので、日本だけが取り残されて、ガラパゴス化しているようでした。

ところが、そのほうが都合が良いと、一部のオジサン族は考えるようで、それは、会社が俺の城、で、俺のエゴに奉仕するフレームとしてグループを作り、社会に何らの便益を奉仕する公の器、という意識がない人が多数だからです。例えば、社員を殴る・けるの暴行をするようなタイプ。

クライミング界を見ていると、そういう”俺様タイプ”の思考法の人が、

 歴史を盾に時代の変化への対応を嫌っている

 ”俺様”に無断で、とはけしからん

と言っているようにしか、聞こえない…。年を取ると人は鈍く愚かになるものだなぁと思います。

■ 儒教の教え= 若者の思いやり

私はある時、九州の国立大学の山岳部が、ヒマラヤ登山に向かった記録を見たのですが…その記録は、どう見ても、老人に若者が付き合った記録でした…。年配の人の時代は、若い人が歩荷して先輩の山を手伝い、そして次の時は自分が手伝ってもらう、だったのだそうです。が、現代はそういうことはすでに終了しています。

年功序列で先輩が花を持たせてもらって当然、というのは、若い人には順番が永遠に来ない(笑)。しかし、その大学の山岳部学生は、あきらかに付き合ってあげていて、気の毒な感じでした。だって、ヒマラヤまで行くのも、多額の旅費がかかるんですよ?ちゃんとした山じゃないと行く気になれないでしょう?

それで、あれまぁ!と思ったんでした。

普通は、若い人の夢の実現に、年配の人が一肌脱いでくれるものでしょう… 逆になってる。

■ カットアンカー事件

カットアンカー事件(九州はいまだにリボルトにカットアンカーを用いようとしている事を知ること)は、私が岩場でたまたま出会った往年の開拓者に

・ボルトを提供しよう

という、奇特な心を起こしたために起こったことでした。

私は父親なしで育った娘なので、ファザコンなのです。しかも、

・クライマーは自分が登る岩場を整備すべし、

というまっとうな意見の持ち主なので、近所の岩場だし、自分のポケットマネーをいくらか投資するのは当然だろうと思いました。

そこで、ボルトを検討していて分かったのが、何十年もカットアンカーを使いづづけているという開拓者のミス、でした。

まったく、誰も教えてやらんかったのかね?今でもその岩場はカットアンカーですが、新品でも十分な強度がない、ということが分かった今でも打ち換える人はいないですが…。

ボルトが変われば、ドリルも変えねばならないし、何より、その開拓者の岩場は、あまり使われていないようでした。

流行っているクライミングジムに行っても、若者店長は、「そんなところに岩場があるんですか?」という感じ。

若者の側でも、高難度を登る男性たちを現在魅了しているのは、パズルのように置き換えることができる人工ホールドで、よりトリッキーなルート設定をして、クライマーとセッターの知恵比べをする方で、自然の中でのんびり岩と対話する、ということではなさそうでした。

というので、若者のほうは、岩場イラナイし、カットアンカーなら余計要らないし、老人の方は、知らぬが仏で、趣味の岩場作りが辞められないという状態。しかも、本人はそのボルトにぶら下がることはないのです…。ずっとトップロープでしか登らないので。

このような成り立ちで成り立っている岩場だと、九州ではすぐにも藪とコケに埋まって原野に帰ってしまいそうです。

そこは、大学山岳部が手ごろな、ゲレンデとして使っていそうでした。丁寧にぶつからないように使っている曜日まで教えてくれましたが…近くに野北のゲレンデがあり、そちらはカムで登れるので、そっちを登るほうが大学山岳部は、本州の北アなどでの本チャンの練習になると思います。野北は三つ峠レベルでした。懸垂支点は、グージョンに打ち換えたほうがいいと思いますが。

■ ガラパゴス化

そういう風に、九州ではガラパゴス化が進行しています…。

もはや誰も、本州では採用していない先輩後輩システムが温存され、若者が一方的に損をする世界です。

フリークライミングの場合は、部活制度で、コーチが一方的にビレイに徹し、登らず、クライマーの若い人は、スポーツの壁で一切のリスク認知を学んでいないようでした。

コーチに、ココを登りなさい、出来たら次はこれを登りなさい、その次はコレ、と次々に指定され、

 自分が何を登りたいのか? どのようなクライミングが好きだから登っているのか?

という自分軸が失われた状態で登っているということです。結果、

 勝ち負けだけで自分の価値を測る=競技

になるとそうなりますね。そういう人は大人になって、苦悩することになるでしょう。

■ クラック嫌い・アイス嫌い

御坂山岳会では、アイスクライミングに対する深い誤解がありました。それは、アイスは危険だ、アイスは金で登るものだ、という誤解です。なんせセミチューブから、アイス登っていなかったみたい。

本当はアイスは、氷との対話なので、”氷”が”今、登ったら落とすよ”と言ってくるときは、登りません。それが会は分かっていなかった。長年、ボルトルート一辺倒で、トップロープ限定になってしまっていたんだそうです。

同じような誤解に、九州クライマーのカム嫌いがあります。米澤さんという往年のクライマーは、カムの強度がボルトと比べて著しく低いと信じておられました。が、実は現代のカムは結構しっかりした強度があります。出ているカムの種類も増えました。

なにより、カムのセットをしないクライミングしか知らないと、自己を守る能力はつきません。作曲家が自分で曲を作るのと、人の曲を奏でるくらいの差があります。自分でクライミングを奏でているのではなく、 ヒトの作ったクライミングの歌を聴く、ということです。

例えば、米澤さんの作曲は、ガバ=ボルト飛ばしという歌で、それが5.12あたりと思しき、彼の限界グレードまで続きます… それは、アルパインのリッジルートでは、そういう風に奏でるのが当然だから、それをリッジではなく、ウォールに持っていくと、自分の限界グレードまでは、自分にとってイラナイ、と判断したら、ボルトはないです。それでも米澤さんのは、その奏で方はフリークライミングのルールには即していないのではないか?と思ったようで一応、距離的な目安も取り込んでいますが、微妙にランナウトのところもあり、ボルトがあっても、落ちれない箇所もあります。グレードは混乱中です。

そういう感じに、昔の栄誉あるクライマーだって完璧ではなく、発展途上だったのです。人が老いず、永遠に最盛期の筋力を保てるならば、彼だって、ハードフリーから、今日のフリーに進み、まっとうなルートの作りを学びたかったでしょう、たぶん。誰だってユージや、小山田大みたいになりたいんですよ、男性は。だけど、そこは、天賦の才能の差、や生まれた時代の差、があって仕方ないところでしょう。

米澤さんは、評価も確立した、いいクライマーでした。ビレイループ2重にするほどの安全志向がそれを物語っています。

そして、その米澤さんも、現代のフリークライマーがグレードがおかしいと感じるなら、連絡を、と言っていました。そもそも、自分が開拓した岩場を誰も登ってくれないので、悲しい、ということなのです。

昔の人は、全国の岩場を渡り歩いて、グレード感を身に着けるとか、世界の岩場を行き来してグレード感を身に着けるとかできなかったのです。

■難易度の感じ方は老いで変わる

例えば年を取ってから、ボルダー一級の基準のエイハブ船長に行っても、エライ難しく感じ、若い間に行けば、俺一発で登れたぜーとなるでしょう。

これは、アルパインでも同じことで、若い20代に、北岳第四尾根を登ったおばちゃんが、あの頃は簡単だったのに、今ではとっても怖い、と言っていました。若い時は、リスク認知センスも育っていないし、元気いっぱい、怖いという感情をまだ学ぶ前です。だから、何がむずかしいの?と四尾根レベルの登攀は誰だってスイスイ登れてしまいます。が、年を取ると、5.7だって恐る恐るです。

師匠の青木さんは、「クライミングは、知れば知るほど怖くなり、自分との戦いになる」と言っていました。それこそ、かみしめるべきベテランからの言葉の贈り物でしょう。

つまり、怖いもの知らず=単にまだクライミングの円熟を知らぬ未熟者、って意味ですよ。 なんせ、リスクを学習する前の男性の自信の根拠は、お母さん、です。幼児が遠くに行くのと同じ動機なんですよ。

しかし、人が衰えることを、逆に言えば、若い時は楽しめなかった易しいルートでも、年を取れば楽しめるということです。簡単なルートは、入門時と衰退期の両方に使えるおいしいルートってことです。

■クライミングのマナー

私は、米澤さんと、日向神の入門マルチに行っていますが、小川山の春の戻り雪5.7より、うんと易しいスラブで、あれだとオンサイト出来たので、米澤さんがトップには別の男性を連れてきたのが、奥ゆかしく、礼儀正しいと思いました。米澤さんとは一か月以上ご一緒して、登れる力も見極められていたからです。

他の著名な会の人が、初対面なのに私にリードを頼んできたのは、マナー違反なので、ビックリでした。普通は初対面は、リードするにしてもショートですし、その判断も登る本人がし、強要されることはありません。訳も分からない人に登らせたら、その人は落ちて死ぬかもしれないからです。特にランナウトしたルートを登らせるなど厳禁。私は、こちらの価値観で、これをクライミング常識通り断ったら後で難て言われるか分かった者じゃないなと思ったので、うけて立ちました。普通は、常識的に考えても自分より弱いと想定できる女性や、力が未知数の相手に、登って見せろ、とチャレンジして来る男性クライマーなんて、いません(笑)。

その上、後から送られてきた写真によると、二人のクライマーを一人がビレイするという悪習慣で、それを悪とも分かっていないようだった。送ってくるのは、悪いと思っていないという意味だからです。ビックリでした。

しかし、福岡の若い人はこのような指導者しか得れていないということです。若い人が気の毒でもありますが、知識武装していないがために、このような指導と言えない指導を受け入れざるを得ず、

間違った知識の再生産をしている、

ということです。この悪習慣はすぐ改められなければなりませんが、九州にはきちんとしたクライミング教育を施せるクライミングガイドがいません。

さて、以上のように、

 古い、間違った習慣が改められていない、

のは、

 全国岩場巡りできない、海外岩場巡りできない

という

 知見の限界のため、

で、それが正当な理由があるから、ではありません。おそらく、誰だって世界のユージやサチのように

 海外の岩場をバンバン登る経験

があれば、グレードバラバラ状態にあちゃーと思うかもしれませんよね…。その機会がなく、自分の限られた知見…自分の岩場で精いっぱい‥‥が現状ということなのですから。

サボっているのではなく、人には限界がある、ということです。年を取って、パソコンやSNSに疎くても仕方がないでしょう。

私は団塊2世ですが、14歳でプログラミング言語を独習し、20歳で渡米して自活生活し、25歳で開発部に入り、帰国後は外資でお勤め、Google先生使用は28歳からです。最後の仕事は、九州三井物産新事業開発室というところで、ビジネスの投資判断をする部署です。

そういう人と長年大学という世間から隔絶した場所でしかも、鹿児島という奥地にいたら、それは、世間の流れに疎くなっても仕方がないかもしれません。

仮に、引退して日之影町に隠居していたらもっと情報には疎くなるかもしれません。

そいうことですから、年配の人から受けた精いっぱいの岩場を

 どうしたら、無理なく、事故なく、多くの人に登ってもらえるか

を考えるべきです。現代のクライマーは、山からクライミングに入らず、ほとんどの人が、クライミングジム育ちです。

その人たちにはその人たちにあった教育法を授けるべきで、昔ながらの

 18歳男性、山岳部新人

という基準を、

 子供や女性、18歳ではなく30代などの男性もありうる、という現代の初心者

に適用するのは、無理があります。

当然ですが、

 グレーディングは、正確であればあるほど良く、

フレンチかデシマルか?というのは、本題からそれる議論になります。フレンチでも、デシマルでも、

 正確さこそが、グレーディングの命、

なのです。

 またボルトスペーシングについては、

 5.10代のボルト間隔が、5.12の登攀力を前提にしている件

は早急に改めないと、事故は減りません。本来のグレーディングの意味を骨抜きにする、誰が聞いても変な悪習慣です。

 10代を登るのに、5.12の登攀力が必要という意味

だからです。

ステファン・グロバッツが登ったニンジャは、5.14だから、50m3ピンなんです。比叡では、5.9で50m3ピンだと庵の三澤さんは言っていましたが、今はそういう時代ではないともおっしゃっていました。

50m3ピンを5.9でやって楽しいのは、往年のクライマーです。私の師匠だった青木さんも、楽しくて、辞めらないでインスボン30回くらい行っていましたが、初心者の私に適用することはなく(当然)、私が仮にインスボンをリードできるようになるとしたら、5年後だろうと言っていました。私はインスボン、セカンドでも落ちたの2回程度です。ショートなら落ちながら登ることはフリーでは当然なので、リードレベルです。実際、5.12をRPできる先輩をインスボン連れて行きましたが、リードは怖がっているピッチがあったそうです。師匠によると。つまり、ランナウトの耐える力は、ショートで5.12RPする力とは違うということです。

今の時代のジム上がりクライマーは、師匠なしで登るので、5.9 に5.12が必要とは思うはずも知るはずもなく、5.9と見たらすぐ飛びついてしまいます。そりゃ当然ですよね、5.9と書いてあるのですから。しかし、事故は避けないといけないので、5.9 50m3ピンのピッチには、

 Rを付けたらいい

だけです。それで、往年クライマーの名誉も守られるし、ジムクライマーは来なくなるし、八方よしです。 サチさん、大やすり岩、Rつけていましたよね。

 

 


2021/04/10

子どもクライミング体験の視察

 昨日は、久しぶりに猟師岩(見晴らし岩)に支点の視察…今度、子ども体験クライミングをするからです。支点、相変わらず、かなぁ~というのでチェックに行きました。

とりあえず、クライミングではなく時間があるので、福岡側の椎原の側から…矢筈岳ならぬ、矢筈峠は、まるで爺ヶ岳への道のように、山野草が多く、ニリンソウ咲き乱れる沢沿いの道でした。とても花が多く乙女チックな雰囲気だったので、女性におススメ!ただ渡渉が多く、めんどうですが。




あとは縦走路を歩いて、見晴らし岩へ。

縦走路へ出ると、椿が咲き乱れ、これでもか!とスミレが出てきました…春だなぁ。今スミレ、シーズンです。スミレと言えば、三つ峠でのスミレ観察会を思い出します。スミレってなん十種類も種類があるんですよ。

岩場につくと、岩場は先客がいて、山岳会の方たちでした。アゼリア山岳会だっけ?福岡の会で、若い男性のリーダーさんが、雪山熱心な方でした。九州は雪の山からは遠いので、貴重な人材と思われました。

岩場の偵察で、支点の状況が以前と変わってはいないか?のチェック… 変わっていなくて、まぁOK。あとは、ちょっとトップロープフィックスで登って、おしゃべりをしつつ、気楽に下山してきました。

下山につかった椎原峠からの道は、登りに使った道と違って、見どころないなぁ…となりました。一部、植林が、カラマツ?なんの樹種か同定中ですが…きれいだった。
唐人の舞という展望所 眼下のお花がちょっとしたご褒美

新芽がきれいです!

これはカラマツみたいな感じでしたが、何でしょう…

下山に使った椎原峠からの道ではここが一番ご機嫌


帰りは畑の用事で、苗床用のいい感じのふかふかの土を貰ってきました。ボルダーの上の土。ホントにいい匂いのふかふかの土です。これで播種してみる予定。

なんか、めっちゃ充実したな~。今度やる子どもクライミング体験は、大きいお兄ちゃんの子ども向けなので、ちょっと教える内容も工夫します。

(子供は9歳以下の抽象思考ができない発達段階の子どもと、10歳以上の大人と同じ思考ができる子供で、指導法を分けなくてはならないようです。今回は大きい子)

到達目標
1)ノットの基本が摩擦にあると分かる
2)エイトノットでの自己確保が確実に結べる
3)フリクションノットで、事故確保しつつ登ることができる
4)終了点についたら、強固な支点はどれか?を見極めることができる
5)その上で、冗長にするにはどうしたらよいか?を見極めることができる
6)さらに、最適なノットは何か?を見出すことができる
7)自己確保をしつつ、安全に降りることができる

これを18日にやります。これは、開拓クライマーに必要なロープワークの基本系でもあります。

2020/12/16

UKのボルト基金

 https://ukboltfund.org/?fbclid=IwAR097xAi6MfGIedKlM9zjNQa9K181u2VMNtnmmjI87v8pEnoM1fmwi1DHR8

こちらを見ると、各地域ごとにボルト基金があるようですね。

やっぱり岩場ごとか、九州なら九州全体のボルト基金が必要で、全国バージョンというのは、東京一極集中を生むため、地方の人はモチベーションが上がらない仕組みかもしれませんね。

JFAによると、岩場指定の振り込みも可能だそうですが、フリーファンをみても、そんなこと、どこに書かれているのか、分からない程度にしか書かれていないし…。

■ 余談:昨今のクライミング雑誌の低落ぶり

硬派のフリーファンですら、クライミングソックスの特集に14Pだと。そんなことだから、誰も読まなくなるんですよ。

ロクスノのチョーク特集もいいかげんにしろ、なノリでしたが、中身のないものを買う人がいないのは当然ですよねぇ。

再燃中のアクセス問題に14Pをさき、全国的に知識を共有すれば、無い知恵もでてこようというものです。ソックスは2P程度でいいというのが正常な物事の比重感でしょう…

だから結果として、リボルトが進まないんですよ。

やり方が悪い、ということの結果=現実、は明らかですなぁ。

12月15日のネット調査 水平打ち + ASCA

 1)避けるべき危険なボルト(米国版)American Safe Climbing Association(ASCA)

https://www.safeclimbing.org/education/dangerbolts.htm?fbclid=IwAR0zUe1gdbC-JnaXr13vrlUso-BI176apHtxpmhDa9q_tsSnpWsZKX5_MOQ

2)BMCのボルトガイドがここから、ダウンロードできます。すごく良い資料ですがかなり重いので各自ダウンロードが最適。


3)水平打ち
キンクするので、辞めたほうがいいです。少し上下にオフセットする配置にすれば、下のリングはほとんど、すり減らないので、交換時にも見極めが楽です。


この形だとキンクします。

この形で、ロープを直接かけたトップロープはだめです。

支点構築時は、ADTやJDTにならないように、クワッドアンカーなど荷重分散系を使ってください。









4)ASCAも残置スリングからラッペルリングキャンペーンをしていたようです。


アメリカでも残置スリング文化だったみたいですね。

何事も徐々にしか変わらないのですから、とにかく、前進すれば良しとしましょう。













■考察

一つのボルトの強固さ(Solidかどうか)の査定が、時代で違うんだろうなと思いました。1点にぶらさがるというのは、良くないのは当然ですが、

A)1点目強固 2点目バックアップ
B)1点目脆弱 2点目脆弱 = 荷重分散

なのか、で 配置は変わってくるものと思います。アルパインの思想だと、1個目の支点は脆弱で崩壊するかもしれないことを前提にしています… ので、2点目は必ず必要ですが、それは、2-3kNしかかからない懸垂下降でも、決して失敗が許されないからです。

一方フリークライミングの価値観では、ボルトは強固であるというのが前提です。何しろ、中間支点では、激落ちするわけですから… 人間が壊れる12-13kN以上の荷重に当然耐えるのが中間支点であり、そうでないとギリギリにどうやってチャレンジできるでしょうか?

というわけで、アルパインクライミングの思想の名残りがフリークライミングの岩場に持ち込まれていることが、現状に現われているのではないかと思いました。

フリークライミングでも、当然懸垂下降やローワーダウンは、失敗がゼロ%でないといけないわけですので、ボルトは2個必要ですが、横に並ぶ必要は、一般に25kN以上もの強固さがあるボルトを使っている場合、不必要かもしれません。ハーケンやRCCで登っていた時代の名残なのでしょう…

ちなみに、カムの終了点の場合は必ず3点です。

2020/12/15

リボルトの遅さ

■リボルトの遅さ

井上さんは責任感の強さから、対面でのリボルト職人講習を信念としておられたと思うのですが…色々な知識があるのは、すごく分かる。しかし、あまりに一対一すぎて、リボルト職人はものすごく少なく、JFAにリボルトをお願いしたら、一体いつになるのやら…、というのが現状だった。

…とはいえ、昔の開拓者だとボルトについての知識が古すぎて、こ、これは…という強度が弱いボルトだったり、長さがそもそも不十分な資材だったり…。

本来、生かされるべき、
 
 集団の英知

が生かされない、ということになってしまい、どっちに転んでもイマイチの選択肢で、つまるところ、膠着状態=現状維持、ということになっていたんだろうなぁ…。

日本の外では、若い人も年配者もみんな楽しく、新しい岩場で、バンバン落ちるクライミングを楽しくやって、ヒマラヤトレッキングの帰りにラオスやタイに登って、実家はアラスカでーす、みたいな人が一杯、回遊魚のように世界中の岩場を、安くなった格安航空券とネットでできる仕事の強みを生かして回っているのに…。

日本だけ若い人は、蟹工船…

悲しすぎる現実だわー

2020/12/09

清掃登山の重要性

■地権者の確認

岩場には、”地権者”という存在がいて、登っていいかどうか?というのは、きちんと確認が取れているものだ、と『日本百岩場』に記載がある岩場については、クライマーなら誰でもそう思っていると思うのですが…。

ところがどっこい!な現実があると、以前、JFAの井上さんが言っていました…(汗)。

…ということは、今フツーに登っている岩場も、ホントは登ってはいけない可能性もある…ということです。本当に困ったものですね…。

要するに現状は、

 あやふやな確認の上に積み上げられたクライミングの歴史

ということです。これは、次世代への負の遺産ではなくて、何なのでしょう…?

…ということが現状なのです。

一方、良いニュースもあります。オリンピックなどで、クライミングということが世間に認知されてきているので、クライマー側は、クライミングが人気のあるスポーツで、競技人口もすでにたくさんいるということを示す、

”既成事実”

を積み上げると良いのだそうです。その既成事実とは、


   新聞などの大手メディアにクライマーの活動として取り上げられること

であり、平たく言えば、

   清掃活動、

なのだそうです。逆に言えば、業界紙でいくら取り上げられてもダメだそうで、5.17登りました!みたいなのがいくら業界内でスゲー!!!と取り上げられてもダメらしいです。

世間が期待するクライマー像とクライマーの真の姿は、それくらいかけ離れているってことで、世間が求めているのは、

「スゲー!」のほうじゃなくて、「しっかりしているね!責任感あるね!」

の方らしいですね。

クライマー社会内での評価は、社会における評価とは全く違います…

■ 岩場清掃活動

さて、では、どこの岩場で、参考になる岩場清掃活動がされているかというと?

リアリティのある記録
http://climber319.blog89.fc2.com/blog-category-25.html

竜頭泉
http://nagasakiclimb.blog115.fc2.com/blog-category-8-1.html

比叡
http://blog.livedoor.jp/msca/archives/81510954.html

備中
http://kokopelliboulder.com/?p=270

道場
https://www.hma.jp/blog/2019/11/24/%E3%80%8C%E9%81%93%E5%A0%B4%E5%91%A8%E8%BE%BA%E3%81%AE%E5%B2%A9%E5%A0%B4%E6%B8%85%E6%8E%83%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B%E3%80%8D%E3%81%8C%E5%B1%8A%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F/

鳳来
https://www.facebook.com/freeclimbjp/posts/3314352721985607/

日和田
https://www.kojitusanso.jp/tozan-report/detail/?fm=24455

広沢寺
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2243279.html

御岳
https://www.yamakei-online.com/journal/detail.php?id=5584

笠置
https://kakera365.exblog.jp/28716931/

2020/12/05

カットアンカーは現代の基準にそぐわないボルトですよ

■ カットアンカーのこと、まとめ
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カットアンカー

深過ぎ → ボルトが緩み易く外れる事が多分にある
             事故事例: 烏帽子岩「目玉おやじ 5.12a」 
                   ボルトが外れてクライマーがフォール。
                   地面に激突は幸い逃れた。

浅過ぎ → ハンガーがくるくる回る
             事例:山神社の西壁の殆どのルート
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http://climber319.blog89.fc2.com/blog-category-24.html?fbclid=IwAR1MSPD6J6H7VRQ6GXbyQeEY3MJrpmFObQL8QuuN2pduVDuf_ERJqrSww4Y より引用まとめ。

私が思うには、おそらく現代の若者?というか、現代人みんなかもしれませんが、文章力や読解力が異様に弱いので、プレゼン資料のように、きちんと二項対立構造を作って、図画で見せないと、意味が理解できないかもしれないと思います。

一般に筋肉寄りの人は、学校の成績は…のことが多かったのではないかと。まぁ私には弟がいて、超逆△筋肉隆々男だったのですが…彼はもともと頭は良かったと思いますが、なにせ親が彼に勉強より、筋肉を要求したので、彼は、ぜんぜん学校の勉強は振るわず、地元でヤンキーの高校しか入れなかったです。通知表、2ばっかり。同じ土台でも、置かれた環境が違うと、こうも違うのかね?な実例でした。

その弟のことを考えると、クライマーが分かるように解説する本が足りていないのではないですかね?

今どきのクライマーが杉野保さんのような知性は伴っていない、というのは、新人に2、3人、接すれば、すぐ分かります。

http://climber319.blog89.fc2.com/blog-category-24.html?fbclid=IwAR1MSPD6J6H7VRQ6GXbyQeEY3MJrpmFObQL8QuuN2pduVDuf_ERJqrSww4Y

事故事例
烏帽子

黒岩 エンドオブレインボー
https://www.facebook.com/freeclimbjp/posts/1476759182411646/

九州で現役中のボルト…


2019/02/02

弁財天岩東稜 & 野岳2回目

■岩場整備

前回終わり切れなかった、弁財天岩東稜線1P目の岩場整備の続きに行ってきました☆

今回はだいぶ進みました☆

しかし、きれいにしたら、真ん中のルート(5.10代?)も登れるのではないか?と思い始めましたが…
どうなのでしょう~

アフター と ビフォア どう!この違い!

反省点:デッキブラシを買っていく

■ 2回目の野岳

30日は野岳、2度目でした。

野岳は、お買い得11A(アンダーツーアンダー)があると教えてもらい、登ってみたら、おお、これは!という手ごたえ!初イレブン?!登れるかもしれないと思ったら…

あとで、「限定がある」と教えてもらい…あれれ… となりの魔の終着駅5.11bもTRで登ってみました。

限定があるということだと、残念ながら、初11ってわけではないかもしれません。

とはいえ、野岳では、スポットライト5.8とパイオニアスピリッツ5.10bがオンサイトでき、満足。ハートブレイク5.10dは、下部が難しかった。

偵察で奥に登れそうな5.10Aも発見しました。あと1回は楽しめそうです。

アンダーツーアンダー 5.11a


■ 弁財天岩東稜 情報

弁財天岩東稜 は、2P目が本来はエイドルートのようです。それを回避して登れるようにしたのが今回整備した1P目で、トレーニングエリアのスタートに出ます。

そのまま適当にトレーニングエリアを直上して、ショートで登る場合用の終了点で終わらずにブッシュに直上したら、東稜の稜線に出ます。稜線からはノーマルルート。


2019/01/16

初めての岩場整備

■ 初めての”お使い”、もとい”開拓”(笑)

今日は初めての岩場整備に案内してもらいました。恐れていたより、嫌な作業ではなかったです(笑)。ビビって厚着しすぎて行きました(笑)。

”開拓”と言うのは、「大変だ、大変だ」と聞かされています。

ので、さぞかし大変なんだろう~と、ビビって行ったのです…が、2名であったためか、程よくお話もできて、それが楽しくよかった~。

…というか、私が担当した部分は、ほとんど小学生のお手伝い、みたいな感じだったかもしれません(笑)。

要領も得ておらず、貢献度もイマイチですが、褒めてもらえた~♪みたいな(笑)?

■ コケをとりあえず振り払う

ルートは、先日マルチピッチの1ピッチ目で登った、コケコケの1P目です。

ここは易しかったのですが、コケがグレードを高めていた、というか、コケの中からスタンスを掘り出して、登りました。コケで滑るのでスメアはないので、スタンスの角かど命!でした。

一度登っているので、なんとなくわかるというか、親しみがあり、やりがいがありました。

私が使った終了点から、さらに少し上に登ると、登山道に出るのですが、そこまでの少しのトラバースはベテランが掃除しながら進んでくれた箇所です。

ブッシュで埋まっていたのですが、今回は、そこに2本ボルトを打ち足しました。

これで誰が来ても安心で登れるってことです。

■ボルト

そのボルト打ちは、ベテランが気を利かせて、私のようなチビの身長でも、ヌンチャクが掛けられるか?と聞いてくれ、意見を取り入れてくれたような格好です。

ボルト打ちは、意外に一瞬で終わりました。掃除するほうが8割。

ボルトをどこに打とうかな?

と考えるには試登が必要で、これはむしろ楽しい作業でした。試登とボルト打ちは、岩場整備のハイライト、な楽しみですね。


■ 次なる、行動指針…

最近、行動指針を探しています。

”一番ではなく一流…”という言葉がありますが、”山高きがゆえに尊からず”というものの、

山には3つの価値があります。

1)未知の山
2)大きな山
3)困難な山

山のサイズをどんどん大きくしていく…という山は、私は厳冬期の甲斐駒の単独で終了しました。

もちろんどんどん大きくしていくことも、できるはできるのですが、次は、例えば笠新道とか、残雪期であれば、白馬主稜とか候補に挙がりますが、北アは、厳冬期には一週間の缶詰に耐える体力が必要で、私にはないだろうし、残雪期でも仲間がいないと、これ以上大きな山は、少々リスクが高すぎると思います。

困難な山では、阿弥陀北稜の単独で、ひと段落かと思います。

”小さくても本格的な山”、”質”として、登山の本来の山…をしたいと思い、それは、どのような山になるだろうか?

とずっと考えていました。

もはや、私に冬山はないからです。フリーにおいても限界は、最初から見えているようなものですし…40歳を過ぎて登攀を始めた人に高難度、という道は、ほぼほぼ、ないだろうと。

登ってホールドを確認しないと磨くところがわからない
沢はどんなに小さくても、簡単であっても、登山の本質…それは道なき道を歩く、ということではないか?と思いますが…を踏襲した山行形態であると思います。

アイスクライミングは、常にオンサイトであるので、たとえ4級の登攀でも、それも、やはり本格的な登山であると言えると思います。

しかし、岩は…。

どうしても、”ボルトを追いかける山”、となってしまい、「100岩場にある通り、5.9だったね~」などと、”ガイドブックに書いてあることを確認する山”になってしまっていました。

ここを歩こう!ここを登ろう!と思って登れるわけではないからです…。それができるとすれば、トラッドだけですね。しかし、トラッドの難しさは…。

今日は、その既成ルートを一歩踏み出した記念すべき一日です☆