2015/08/10

キャメロットとフレンズの対照表

現在はカムはキャメロットが主流ですが、ルートガイドはフレンズで書いてあることが多い。

したがってギアを選択するのに、対照表が必要・・・というわけで、

対照表です。こちらのサイトより、引用(http://climberclimber.blog10.fc2.com/blog-entry-108.html


さらに、こちらにも表がありました。(http://www.kawakami.ne.jp/ogawayama/clack/hayamihyou.html より引用)

 キャメロット  
サイズ
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.75
1
2
3
3.5
4
4.5
5
最大幅
2.0
2.6
3.3
4.0
5.0
6.4
8.7
10.4
12.7
14.5
17.7
最小幅
1.4
1.7
2.0
2.5
3.1
3.8
5.5
6.2
7.3
8.7
11.1
 0.1~0.75=マイクロカム
 フレンズ
サイズ
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
5
6
最大幅
1.9
2.4
3.0
3.7
4.4
5.3
6.7
8.2
10.0
最小幅
1.3
1.7
1.9
2.3
2.9
4.0
4.3
5.7
7.1
  単位:cm



・フレンズの最大よりキャメロットの最大が狭くても、入れば問題ない(普通は最大幅で使わない)

・フレンズの最小よりキャメロットの最小が小さくないと入らないと困る(入らないとそもそも使えない)

なので、総合すると

フレンズ1 = キャメロット0.3~0.4

     2 = 0.75 

     2.5 = 1

     3 =  2

     4 =  3.5

ということです。キャメで良く使うのは、0.75~2番までだと聞いています。




     

2015/08/01

確保理論基本


■ 確保理論の重要ポイントだけをまとめました。   

≪ポイント!≫ 

 ・スタティック vs ダイナミック 

 ≪ポイント!≫ 

・シングル vs ダブル(ハーフ)  
・ロープ径 11~10ミリ シングル、9~8ミリ ダブル 7ミリ ツイン











































■ カラビナ

≪ポイント!≫ 
・ゲート、スパイン、ナローエンド、ブロードエンド
・持つときはナローエンドを持つこと。
・ゲートの向きはロープの流れと常に反対方向に。

・HMS型=ムンター用
・0型=3分の1引き上げ用
・変D型=スタンダードな基本形
・ベントゲート=ロープクリップ用
・ワイヤーゲート=軽量
・ツイストロック=セルフビレイ、ビレイ器との連結
・スクリューロック=支点用

・常に最大強度が出るメジャーアクシスで使う 例:ヌンチャク、支点

・命に係わるパワーポイントには、2枚(ダブル)で使う。例:トップロープ支点のパワーポイント。


■ セルフビレイ

≪ポイント!≫ 
・テンションしておく
・デイジーは使わない。 PASはOK。ナイロンスリングもOK。ダイニーマはNG(結び目で強度が半分に)。



■ クライマーのビレイ

≪ポイント!≫ 
・弛ませず、張りすぎず
・真下に立つ

・中間支点が、腰の高さより、上、足元付近に来てからは落下係数が大きいので危険が増す




■ プーリー効果

≪ポイント!≫ 
・約2倍の衝撃がかかる。 支点に強度が倍必要。




■ アンカー構築の例

≪ポイント!≫ 

・流動分散 vs 固定分散
・60度以内

1)強固であること  
2)多重性
3)均等荷重
4)パワーポイントの固定

以上すべて、
(http://www.jpnsport.go.jp/tozanken/Portals/0/kougisiryou/H24kakuhoriron.pdf より抜粋転載。)




リードに進ませる要件

Rock&Snow誌に「プロがすすめるスタンダード技術」という連載があります。

その第六回、「リードに進ませるための条件」という記事です。

■ リードに進ませるための条件

それによると・・・

・登っている最中、自分が落ちるかどうか、または落ちそうかどうかの察知ができていること

だそうです。 なんだ ”絶対、落ちないこと”ではないのか・・・??? 

・この部分の能力が欠落すると、ところかまわず突然落ちたりちょっとしたことですぐ手を離してしまったりする

そうです。 クライミング事故の急増はこの点に寄るのだそうです。

≪クリップの仕方≫
・クリップそのものの練習
・クリップポイントは頭胸の高さ 腰クリップはダメ

≪リード時の危険要因の理解≫
・そもそもリードは墜落係数が大きいのでアブナイ
・手繰りおち
・ロープ跨ぎ
・Zクリップ
・ランナウト
・ラインから外れる
・登り出しでのフォール 3つ目のクリップまでは安心しない
・アンコントロールな墜落

墜ち方というは重要なようです。決して

・何かをつかもうとしてはいけない
・足で着地する
・「落ちる!」など声を出させる


用語

一般的な登山用語集については、既に紹介されているサイトが多くあるので、ここでは、ネットではあまり見ない用語を取り上げました。

ルート: バリエーションルートの略。しばしばスタカットの技術を要する。

バリエーション: バリエーションルートの略。『日本登山大系』に一杯載っている。バレエでバリエーションと言えば、主役が踊る踊り。

本チャン: 本格的なバリエーションルートの俗語。穂高などの安全圏から遠く、急峻な山でロープを使う登山。

深い: 安全圏から遠い、という意味。 「最近トレーニング不足だから、そんな深いところは行けない」

ゲレンデ: 本チャンの反対。クライミング練習用の場所。 スキーのゲレンデのように管理されているとは限らない。

アイス: アイスクライミングのこと。アイスクリームではない。「今度アイス行かない?」

擬似テープ: 道を示すテープではなく、誰が何の目的でつけたのか分からないテープ 
         地形的に根拠がない。

核心: その山行を実行するのに、もっとも難しい点。

核心部: もっともクライミングが難しい箇所。

アプローチ核心: ルートではなく、アプローチが核心であること。

登山口敗退: 地図を忘れた!ギアが不備!山に登る前に登らないで帰ることが決まること。

赤本: 『チャレンジ!アルパイン:』のこと。廣川健太郎さんの本。

ヒロケン: 廣川健太郎さんのこと。

アルパイン: アルパインクライミング、もしくは、アルパインルートの略。

フリー: フリークライミングの略。エイドの反対。「ここはフリーのルートだからね」などと言うように使う。

ハードフリー: フリークライミングのこと。10年くらい昔はそういっていたそうです。

マルチ: マルチピッチの略。農業ではマルチといえばマルチングの略。

イボイノシシ: ワートホグという草付で使うプロテクション

プロテクション: 支点に使うギアのこと。スリング、カム、ボルト、ナッツ、ハーケンなど。

ナチュプロ: カムやナッツなどの山(岩)を痛めないプロテクション。 ⇔ 対: ハーケン

ルーファイ: ルートファインディングの略。地図読みより細かく、現地判断を要する。

パーティ: 登山の一行、グループ、団体のこと。パーティがバラバラに行動しないのが大事。

入山前遭難: 計画段階から、遭難するリスクが予想できる遭難

BKG登山: B=バカ、K=ケチ、G=頑固 行く山のことを知ろうとしないバカな登山計画を、せっかく来たのだからとケチ精神を発揮しつつ無理に敢行し、行けるはずと頑固にあきらめない登山のこと。

ABS遭難: 「あの・バカ野郎・遭難」の隠語。無謀な計画・装備で遭難すること。

地図萌え: 地図を見て萌えること

デイジー : 花のデイジーではなく、エイドクライミングで使うデイジーチェーンの略。

チータースティック: 日本ではチョンボ棒。プリクリップするための棒のこと。これが英語で、チータースティックという名前であることは、プリクリップが、チーティング(ズル)であることを決定的に意味している。

大名登山: お金にモノを言わせた登山。 小屋泊&連泊、ギアは高級輸入ウエア。

良い子の山時間: ゆとりを持った行動時間のこと。夏16時下山。冬15時下山。

山時間: 9時ー5時を基本とする里の時間とは違う、日の出と日の入りを基本にした山の時間割り。

地図読み

2万5千の地図は見出しが左端にある
 ■地図萌え

最近また地図萌えになってきている・・・

なんだかこれで3度目か4度目の地図萌えと思う・・

しばらくは、カシミールで印刷した地図を使っていたのだが、最近は、ヤマレコで印刷するのが一番早くて便利だな~と思っていた。

ところが、沢に持って行くと、自宅で印刷した地図は、インクがにじんでしまう・・・ので、沢にはあんまり向いていない。

一方、2万5千の地図は、A4サイズではなく、A3で非常に大きいので、折りたたんでも、ポケットに入らないし、携帯性がとても悪い

用紙がしっかりしているので、水には強いのだが、どっちもどっちで困ったな~と思っている。

その2万5千の地図だが、最初の頃は、山ヤ折りしていたが、最近は、折ってしまうと山行計画を立てるときに見つけづらいので、A4サイズに普通に折っている。

見出しが左端についているので、それが見えると探しやすい。ところが書いてないのもあるんだな~もう、統一してほしいなー。

■地図を買ってきたら

1)磁北線を引く
2)防水加工する

■ ルートに行くと決まったら

1)尾根線を入れる
2)水線を入れる

■ 沢の場合

1)今から行く沢の二股(=枝沢の流入)を確認する。枝沢が流れ込むところが現在地確認ポイント。

2)トポがある場合はトポを、地図に移す。

※ 屈曲があるところ=滝があるところ
  狭いところ =ゴルジュ
  崖マーク =ゴルジュ?

  屈曲が変わるところ 角度を出しておく 南東なのか、北なのかくらいはきちんと理解して行く
 
トポの記号はこちら・・・
トポの書き方
遡行図の書き方

■ 尾根の場合

下山は大抵尾根なので・・・

1)尾根の分岐をチェックする 大抵尾根は3つに分かれる

2)方角が代わる場所(尾根の頭)で、角度を出しておく

3)目の前に見えるものを予想しておく 例: 山麓の建造物、道路、遠くのピーク

■ 歩くとき

尾根の場合・・・

・つねに隣の沢を意識して歩く。尾根の下りはじめはあまり気にしないで良く、降りる尾根が明瞭になってきたら、補正して、その尾根に乗る。

・尾根は登りが易しく、下りが難しい。

・尾根の下端は急なことが多い。降りる場所が核心のことが多い。

谷の場合・・・

・つねに隣の尾根を意識して歩く 二股は尾根が差し込むところでもあるので、なだらかであれば、そこで尾根に乗ることもできる。

・谷は源頭が危険なことが多い

・沢には同じ標高のところは二つとないため、現在地を特定できる

全体・・・
・トラバースはできるだけ避ける
・利用できる道(作業道、けもの道、踏み跡)があれば、それを利用する
・テープは追わない。テープの方が自分を追いかけてくるようになる
・次に出てくるシナリオを予想する
・迷ったら分かっているところまで戻る
・一般道のほうが読図的整合性がなく、読図は難しい









コール

■ コールはシンプルに!

コールは、まずは余計なことを出来るだけ言わない、というのが重要かと思います。

例: リードクライマー: 「ビレイ解除」
   セカンドクライマー: 「了解」
   リードクライマー: 待つ
   セカンドクライマー:「ビレイ解除」

これでは長い。一つ余分。、

   リードクライマー: 「ビレイ解除」
   リードクライマー: 待つ
   セカンドクライマー:「ビレイ解除」

で十分です。

次は、

   セカンドクライマー: 「ロープ一杯」
   リードクライマー:「登っていいよ」
   セカンドクライマー:「登ります」

コールは、実は 二つだけ、で成り立ちます。 英語にしてみると単純なんですよね。

ビレイ解除は英語ではビレイオフです。登っていいよは、ビレイしたよって意味ですから、ビレイオンです。

例: リードクライマー: 「ビレイオフ!」 ビレイオフしてくださいの意
   セカンドクライマー:「ビレイオフ!」 ビレイオフしましたの意


   セカンドクライマー: 「ビレイオン!」 ビレイしてくださいの意
   リードクライマー:「ビレイオン!」   ビレイしましたの意

   セカンドクライマー:「クライミング!」

ということは ONとOFFの2種類しかコールはイラナイんです。

だから、笛だけでも意思疎通が可能です。

 ON = オッケーと言う感じで ピッピー!
 OFF= ノーと言う感じで ピー!

ダメダメ~と言いたい時は、警戒音でピー!とし、そうそう!と言いたい時はピッピーです。

でも、これ、同じ笛でやっているパーティがいると、隣の笛と紛らわしいんですよね・・・



中間支点

■ クイックドローを購入

クライミング場利用の認定試験を受けますが、その時に必要なので、クイックドローのセットを買いました。 ペツルのジンアクセスです。先輩たちが使いやすいと、おすすめの製品。
    クイックドローのことをクライミングの俗語で、”ぬんちゃく”と言います。

 この道具は、中間支点用です。 

クライミングは一般に二人一組で登ります。片方が先に行き、残りは下でビレイする。先に行く人をリードクライマーといいますが、リードクライマーが落ちないように、とりあえずロープを仮止め的に支点に掛けるのに使うのがヌンチャクです。登りながら自分の身長分くらいづつ、ロープを掛けておくと、たくさんは落ちないですよね。そのためです。

なので、ぬんちゃくはリードクライミングをしなければ、基本的には必要ない道具なので、購入順序としては、後回しになります。

クライミングへ憧れが先行する人は、エイトノットも結べないのに、ずらっとヌンチャク持っていたりして・・・。これは恥ずかしいので辞めましょう。リードクライミングするようになったら、買いましょう。

 ■どのヌンチャクを買う?

ヌンチャクを買う必要は、すでにクライミングを始めて2か月後くらいから、感じていましたが、リード中にクリッピングのしやすさを考えられるほど、まだ余裕がなく、借りたぬんちゃくで、問題なかったのですが…

 私の基本方針は

 一回しか買わないのだから、手に入る、もっともよいものを買う

です。

登山用品は非常に高価です。が、そうそう買い換えるものではありません。なので、自分の命を守ってくれる道具ですから、ケチるところではない、というのが私の意見です。

ただ山の価値観の一つに、”プアな道具立てで登る”というものがあるのも知っています。登山はできるだけシンプルな道具で登るべきだという価値観があります。

大事なことは、つたなかろうが、おそかろうが、自分の力で登ることです。

また、昔の山やさんはカラビナ一枚で確保でき、そういう時代は落ちて死ぬ人はいなかったそうですが、確保器や下降器が登場した今は道具のセットミスで墜落して死ぬ人がいるそうです。

 ⇒ こちらのサイトを参照。

しかし、私が考えるのは、

究極のシンプルを追求したら、使い勝手の良い道具を少数精鋭で持つ、

に収れんするのではないか?ということです。質が高く、数が少なく、です。

というわけで、命を守るための登山用品はあまり価格は関係ない、ですが・・・とはいえ、安く買える店と高い店があれば安い店で買いたいですよね。

一般に ペツル製品は高額、ブラックダイヤモンド製品はエコノミーです。

クライミング用品である限り、必要になるスペックはどれも満たしていますから、どれを買ってもいいといえばいいので、分かれ目は、”使い勝手の好み”です。

■ 好み = 自分をよく知る

私は、握力が弱い。一般に男性の平均が50kg、女性の平均が30kgですが、私は左手18kg、右手28kgしかありません。 これは小さいころからで、体力測定で、クラスメートより顕著に低い値を示すのでした。 ジャンプ力とか踏み台昇降とか、平均よりいいのに・・・です。なので、自分の弱点として、長年付き合ってきています。 でもまぁ、一般社会で握力弱いからってあんまり問題になることはなかったのですが、クライミングでは大問題です・・・(><) 生死にかかわります。

ので、私にとって起りそうなアクシデントは、岩をつかめない、という事態です。

その恐ろしいシチュエーションでありそうなのは、ヌンチャクをつかむことです。 

フリークライミングは言うまでもなく、何からフリーか?というと、道具からフリーと言う意味ですので、道具に頼らず登るのが重要ですが、落ちると道具に頼るでは道具に頼るほうがまだましです。

で、フリーなのにヌンチャクをつかんだりと、ちょっとズルすることをA0と言います。エーゼロ・・・、私はクライマーのプライドより、命を取りたいので、頻繁に発生しそうです。

そして保持力がないので、もともと少ない力は大事に使いたいので(省エネ)、クリッピングなどで無駄な力を使いたくない、ので、クリッピングのしやすさを重視。

≪私のヌンチャク選択基準≫
1)スリングが太くて握りやすい (細いスリングは握りにくい)
2)クリッピングしやすい
3)軽さ
4)価格
5)ブランド

あとは軽さがネックでした。 ヌンチャクは1個ではなく、5~10くらい使うもの。1個100gを5個、腰にぶら下げたら、500g。 というわけで、一番軽い68gのペツルアンジェだと、半分まで行かなくてもかなり軽くなります。

軽いヌンチャクは大概、軽量化をワイヤーゲートにすることで計っています。 片方がワイヤーのと両方がワイヤーのがあります。

ワイヤーゲートは、ロープが外れやすいという欠点が。さらにクリッピングもしづらい。

参考サイト

ワイヤーゲートは雪山でいいのですが・・・。

軽量化を考えると、ペツルのアンジェがありますが、これを先輩に行ってみたところ、口をそろえて「使いづらい!」と。現在のところ、もっとも高額なアンジェ・・・使いづらいのならパス決定。

というわけで、ジンアクセスになりました。 

ヌンチャクは、カラビナの形状の他に、スリングがナイロンかダイニーマか、というのもあります。

長さですが、支点の遠さ次第なので、これは各種の長さを持つしかなく、最初のヌンチャクセットとしては市販されている標準的なもので妥協するしかありません。

参考サイト: http://www.yamanakama-sirius.org/oyakudachi/karabiner.pdf



■ ギアを買ったら取説をじとーっと見つめましょう☆

私は思うのですが、技術情報で一番信頼がおける情報というのは・・・ギアの取説ではないか?と。

ギアの取説、言葉はないのに、そのギアの使用で既に知られているリスクや、間違った使用はあらかじめイラストで描いてあります。 

そのイラストを見て、理解するのは難しくない。  見て知った内容を、応用するのが難しいのかな?

以下はぜんぶアルテリアの ペツル ジンアクセスの取説から切り抜きです。PDFで資料は配布されているので、PDFから画像を拝借しています。

http://www.alteria.co.jp/download/pdf/ifu/M_ANGE_SPIRIT_DJINN.pdf

私が机上講習が必要だと思うのは、このように画像が必要だからです。山で絵を見て説明できない。

■ カラビナはメジャーアクシスでしか使ってはいけない
メジャーアクシスで使いましょ!

■逆クリップしてはいけない
逆クリップはいけない
 こちらにも詳細があります。

逆クリップしてはいけないへGO!

■固定側を上(ボルト側)にしてはいけない

固定側は下


















■ 凸では、岩角にゲートが当たり開いてしまうことがある
岩角にゲート



■逆クリップは良くない例2
スリングのねじれ

















■ メジャーアクシスで使いましょう、の例 

長いスリングのヌンチャクが必要な事例

長いスリングが必要な時
























というわけで、クイックドロー(ぬんちゃく)については、そんなに覚えることが多いわけではない。

取説は、素晴らしい☆

私のジンアクセスは、スリングの剛性が高いので、捩じれるリスクは低いです。

捩じれるカラビナを持っている人は、クイックドローの向きについて、より注意深く意識的でいる必要がありますね。


← 細いダイニーマのスリングのヌンチャクは

 よじれる

というリスクがある。

でも、アルパインヌンチャクなんて、カラビナとスリングを結束しただけでぐるぐるよじれるのですから、

 使う場所、状況に合わせて使う器具を選択する

のが良いのかもしれません。

立木 ⇒ スリングとビナ

ハンガーボルト ⇒ ヌンチャク

トップロープクライミング

■危険vs正しい

≪危険なビレイ≫

 壁から離れる

≪正しいビレイ≫

 壁から離れない

≪正しいトップロープ掛け替え≫

1)セルフを取る
2)トップロープバーに2重にしたロープを掛ける
3)そのロープにエイトノットオンアバイトを作り自分と連結する
4)テンションを掛けてメインロープでビレイできているか確認する
5)元のアンザイレンしているエイトノットをほどいて、降りれるようにする
6)テンションしてローワーダウン

■ 危険行為

危険その① ぬんちゃくセルフ

ヌンチャクは中間支点用の器具です。正式名称クイックドロー。

室内壁で、終了点(アンカー)が信頼できない、ということはありえないので、多くの人が

・セルフビレイは1か所
・セルフビレイに安全環付ビナを使わない

でやってしまいます。それで良いのは室内壁だけです。大抵、終了点は自然の岩場を模して2点作ってあります。が、自然の岩場では、終了点を自分で作らないといけません。

・アンカーを自分で作る時は2点以上から。
・セルフビレイもメインロープとスリングの2点以上からとり、その際は安全環付ビナで取る

のが常識です。一つが壊れても、一つが生きていれば、助かるからです。

概念、というくくりで言うと

 1)信頼性
 2)冗長性(バックアップがあること)
 3)マスターポイント (流動分散か固定分散か)

の3つです。

■ 上質なトップロープ支点とはなんでしょうか?

では、上質なトップロープ支点とはなんでしょうか?

1)信頼性がおけること

強固で壊れない支点と言うのが、もちろん最重要です。 が、自然の岩場では、絶対はありません。

人が作ったボルトはねじで岩に固定されていますが、せいぜい5cmくらいの深さでねじ締めされているにすぎません。風雨で浸食されたら、岩ごとはがれるそうですよ。

もちろん、これは人工壁ではことなり、トップロープバーに掛ければ、一点に強制的になります。人工壁でなくても、公園の遊具などしっかり動かない支点で支点を作る時は、掛けるだけで十分です。

自然の岩場では、立木が信頼がおける支点になります。

2)冗長性

1つだと壊れたときに困りますから、2点作ります。これを冗長性といいます。

ボルトは壊れないとは言い切れません。だから、2か所以上から取ります。2つが同時に壊れることは、確率論的に考えにくいからです。

スリングも2本がいいし、カラビナも2枚が良いです。

3)マスターポイント

これはもう、壊れてしまってからの話です。

流動分散 → バックアップになっている支点にどーんと衝撃が行く
固定分散 → バックアップになっている支点に衝撃が小さい

です。トップロープはロープの伸びる量が多いので、私は固定分散が適当だと思います。

下に
上質なトップロープの支点とそうでないもの、間違っているものを上げておきます。


■ トップロープクライミングでよくある危険行為

1)ヌンチャクセルフで安全環付でないビナでセルフを取ってしまうこと
2)普通のカラビナ1枚で視点をとってしまうこと。通常は環付ビナを1枚、用心深い人は2枚。
3)ロープ同士が交差してこすれること

■ ビレイでよくある危険行為

1)壁から離れてビレイすること
2)1~3本目までのビレイで、ロープを弛ませすぎること
3)ロープを引っ張りすぎること

■ 関連記事

ブロッケン山の会による、トップロープとビレイの説明

■ 上質なトップロープ支点 



 1)信頼できる支点

びくともしない太い立木で2本にまたがっている

2)冗長性
・スリングは2重使い
・カラビナは2枚
・それも安全環付































■ 危険なトップロープ支点

1)支点の木より、バックアップの木の方が太く丈夫

2)冗長化されていない

懸垂下降

■ 懸垂下降

懸垂下降は、言うまでもなく大事な登山技術です。で、知っておくべきことはいろいろありますが、最大のことは

懸垂下降は失敗が許されない

です。クライミングで落ちても登った分だけしか落ちませんが、懸垂で落ちると地面に着くまで落ちます。落下距離最大。

敗退に使う技術 = 守りの技術

であることも重要なポイントです。普通のクライミングは登ったら尾根を歩いて帰ります(笑)。懸垂が必要なのは、敗退の時です。逆に言うと、敗退できないのに登りに行ってはいけません。

■バックアップのこと

バックアップはトップで降りる人以外要りません。で、バックアップ以外にも、途中停止の方法はいろいろあります。

私が最初に教わった懸垂下降は、カラビナ+太ももがらみ でした(笑)。

大事なことは、懸垂下降している途中で止まりたくなったとき、両手を離せることです。

仮固定の結び目なども講習会では学びます。山岳総合センターでは、懸垂下降は、

 エクステンションつき+バックアップつき

で教えています。基本的に、フリークライミングではなく、前穂北尾根をリーダーで登れること、というアルパインクライミングのリーダーを養成することを目的にしているからです。

ですから、セカンドで登る普段は、シンプルにATCだけで降りていいです。が、それだけ知って、十分というわけではありません。それしか知る気がないと言うことは万年セカンドのつもりって意味です。

■ケブラーコード

これはアラミドという繊維みたいです。
これは懸垂下降で使っているプルージックコードです。エーデルリッドのもの。アラミドコードスリングです。 アラミドはケブラーのことです。ケプラーはデュポンの登録商標。

ケブラーコードは今まで切り売りしかなかったのですが、カラファテでソウン(というか圧着?)のものを見つけ、おススメされていたので買いました。1000円くらいでした☆ これは今見たらケブラーではなくアラミドと言う繊維ですが、用途は同じです。

他所でも見かけるようになったので、おススメ品だと思います。ケブラーは強度が強いので、ロープ径が細くできます。

すると何が良いのか?

巻きつけ系のノットは、巻きつけるコードと巻きつけられるロープとの径の差で巻きついている

ので細いほうが有利です。ケブラーのことは講習会の講師に教わりました☆

 ■ 懸垂セット例

 自宅には支点になるようなものがないので・・・
スイマセン・・・(^^;)

通常は

懸垂支点と
セルフビレイの支点は別

です。ここでは一緒になっています。

ランヤードは、私はPASにしています。

が、それ以前は、

120cmのナイロンスリングに、結び目

を作って使っていました。

PASがいいのはバックアップを付けた懸垂下降では、かならずエクステンションが必要ですが、距離の調節がしやすいことです。
 さらに、PASだと何が良いか?

というと、

荷重テストが楽

です。

←つまりこのように、体重を少しずらせば、荷重の方向が楽にずれます。

下のPASには、今荷重がかかっていないので、だらりん、としています。

荷重テスト

は、初心者は軽視しがち、です。

でも、いきなり体重を懸垂支点に掛けず、
信頼できる支点かどうか、確認してから、体重をかけるようにしないといけません。

これはノーマルな懸垂のセットで、

バックアップがついていません。

トップで降りる以外の人はバックアップ要りません。

ロープの流れはもうできているから、途中停止などしないですし、スピードが速すぎるなどの時は、先に降りた人がロープを引けば、停止するからです。


 バックアップを付けたところ。

この位置関係が重要

下降器の下です。

握るとロープが出て、
降りれます。
 位置関係を分かりやすくしたところ。
 師匠からは、以前より、このようなセットも教わっています。

あまり使っていません(笑)

のは、カラビナが1枚余分に必要だからですが、

このセットで何も問題はありません。

下のビナにハーネスが付きます。
 ■ ムンターヒッチ(イタリアンヒッチ、半マスト)

ムンターはどんな作り方でもいいです。

重要なのは

HMS式のカラビナを使うこと

ゲートの向きに注意すること

です。

私の作り方は指です。
 できた!
 こうなります。
 ゲートにロープがかからないのが重要です。

クローブヒッチ(マスト結び、固定)
は、セルフビレイ用なので、片手で作れないといけません。

しかし、、ムンターは安定しているところで、基本的に使うノットなので、両手でもOKです。
 確保器に適合するロープの径はだいぶ違います。

左は、スポーツクライミング用の確保器なので、セカンドの確保用の穴がありません。ノーマルATCです。
シングルロープを前提にしているので、穴が太いです。

右は、本チャン用の確保器なので、セカンドの確保機能があります。

ATCガイドです。 ダブルロープを前提にしているので、穴が狭いです。

これは、一般に普及しているプルージックコードです。

結び目はダブルフィッシャーマンが決まりです。

このプルージックコードは太いので、

巻回数
相手になるロープの直径

で、何回巻くとプルージックが効くか?

が違ってきます。それはやってみないと分からないことです。
足りないと思ったら、巻きつけ回数を増やします。

巻きつけ系の結びには何種類もあり、プルージックやブリッジプルージックは両方向に動きます。
私はバックアップは、下にしか動かないクレイムハイストでやっています。結びは自分が良く利く、と思ったモノを選びます。


■まとめ

  • 懸垂下降は失敗が許されない
  • 懸垂下降は自分の身を守るための技
  • ケブラー
  • ランヤードはPAS(スリングで代用可) 
  • PASは荷重テストが楽
  • PASは長さ調整が楽
  • バックアップをつけるときはエクステンションが必要
  • セルフの支点と懸垂の支点は別に取る
  • ムンターでも降りれるとなおよい(カラビナ懸垂)
  • スポーツクライミング=シングルロープ前提=穴の大きい確保器
  • アルパインクライミング=ダブルロープ前提=穴の小さい確保器
  • プルージックは効きをその都度確かめる
■おすすめの書籍

『教科書になかった・・・』には、指で作るムンターが載っています。

『ロープレスキュー』は、この方面の権威、堤信夫さんの本で結びが網羅されています。めざしとかも載っています!


   

初めてのゲレンデ

■ 先輩と初めてのゲレンデへ

今日は、マルチピッチの初心者講習的なことをしてくれるのだろう・・・と思っていました。

7時金川の森集合。

8時スタート。西湖の岩場(十二ヶ岳の岩場)

気持ち良く、トップロープで5.7のルートを一本。そんなに苦しまず登れたので、うれしくなり、5.8のルートへ。

5.8は下部で少し苦戦。

私は2本、相方は3本、トップロープでのぼりました。
マルチのほうの岩場へ移動。

終了点の作り方、クリッピングの注意点の説明。

はい、では、やりましょー!というところで・・・

はい?初心者同士?

・・・。

というわけで・・・、十二ヶ岳の岩場でのアイゼントレ一回、三つ峠マルチ一回、岩経験合計2回、のワタクシが、パートナーに教えるました~(><)。

いや・・・教える羽目になったというのは、正直な気持ちではありますが、

 1)教えてもらえるものだ、と考えていたことが甘い

 2)もう人に教えることができる、と考えてもらっていたことが、意外

のどちらなのでしょう(笑)?

私は、人に教えるほどの技術はない、と思っているのです。

人に教えるなんて100年早いと・・・。ついでに言うならリードするのも100年早いと・・・。

ワタクシなんてまだまだ・・・というのは、しかし、この際通用しません(^^;) 何しろ、パートナーは目の前で、目を白黒させている! 彼には私のビレイをしてもらうことになる(セカンドとは言え・・・)。

とりあえずは私がリード。

■ こういう項目を教えました

というわけで・・

 1)流動分散での支点作成
 2)セルフビレイ (セルフとメインロープのセルフビレイ)
 3)セカンドの確保

を至急教えました。 アタシでいいのかっ?と自問自答しつつ・・・ 今日分かったこと。

≪今日の復習≫
1)何はなくともセルフビレイ
2)支点作成
3)リードのビレイ
4)セカンドのビレイ
5)懸垂下降
6)クライミング

■ セルフビレイ

そこで解説します・・・

私はセルフビレイ用のスリングは、ナイロンのスリングにしています。というのも、ダイニーマは強いですが、結び目があると強度が半分に落ちるので。ナイロンだと結び目がショックアブゾーバーになる。

そして、長さ調節ができると良いのですが、PAS(パーソナルアンカーシステム)というのが売っていますが、長くて邪魔になるのはその通りなので、私は普通に120cmのナイロンスリングに結び目&HMS型の環付ビナにしています。 

ビレイループではなく、タイインループに。 ビレイループはリードのビレイ用にあけておきます。

タイインループのタイインというのは、ドイツ語のアンザイレンと同じ意味です。ロープを結びあうってこと。

普通にスリングでセルフビレイも取りますが、これは冗長用です。メインロープでセルフビレイを取ります。これ重要ポイント。メインロープを終了点のビナに掛け、クローブヒッチします。これでロープが流れなくなります。

ロープが固定されれば、ビレイはイラナイ。

ここで「ビレイ解除」とコールします。

セルフビレイを架け替えたいときは、何でも良いので必ず別にセルフを取ってから、架け替えます。
もちろん、メインロープでセルフを取っていたら、2個目なのでいいですが。つまりセルフは念のため2個ってことです。

■ アンザイレン

ゲレンデの時は、ビレイヤーとクライマーはアンザイレンしていませんが、本来はアンザイレンするのが普通です。 習慣にした方がいいですね。

リードが登り終わってから、セカンドの確保の体制に入ると「登っていいよ」と言われます。が、その時点でエイトノットを結んでいたら遅い。

■ セカンドのビレイ



ATC-XPガイドを使う以外に、カラビナとムンターヒッチでやるやり方もあります。


■ スタカット

スタカットのなかで、リードクライマーとフォローが交互に入れ替わるのがつるべです。

つるべだと、最初リードした人が次はセカンドになり、セカンドだった人が次はリードします。

■ 終了点に来たら

何はなくともセルフビレイ。そして、メインロープでクローブヒッチしてセルフビレイ。

地上に帰るには? 懸垂下降で帰ります。 ローワーダウンはないです。

ので、各自セルフを取ったら、アンザイレンをほどき、懸垂の準備をします。

カンタンに・・・

≪懸垂下降≫
・ロープの末端を支点に通す
・ 末端をすっぽ抜け防止加工する
・ロープを手繰り、中心の寄せる。余りのロープは束ねて投げる。
・下降器セット
・下降器が効いていることを確かめて、セルフ解除
・下降。

セットは、最初に降りる人と残りの人では違います。懸垂のセットはトップで降りる人はバックアップつきで降ります。

今回はバックアップつきの懸垂下降は教えられなかったので、次回教えたいです。

ついでに宙吊りからの脱出や、プルージックを覚えるべきと思います。

ここまでで必要な道具をまとめておきます。

≪マルチピッチ初心者セット≫
・ATCガイド
・セルフビレイ用の120cmナイロンスリング 1
・セルフビレイ用の大きめの環付ビナ 1
・終了点作成用のストレートゲートの変D型カラビナ2枚
・終了点作成用のダイニーマスリング 120cm1本
・終了点作成用の環付ビナ 1
・メインロープでのセルフビレイ用の大きめのHMS型環付のカラビナ1 (クローブヒッチとムンターはHMS型が必要)

というわけで、

スリングは、ナイロンの120cm1、ダイニーマの120cm1、カラビナは環付3(内HMS型2)、変Dストレートゲート2が要りますね。

≪バックアップ月懸垂に必要なギア≫
・懸垂下降でバックアップに使うプルージックコード1本、またはスリング
・バックアップ用のカラビナ1枚 環付
・6mmとかの捨て縄 (オプション)

≪中間支点用≫
支点用のガチャ (支点による。立木ならスリング+カラビナ、ハンガーボルトならぬんちゃく)
支店の数分

≪セカンドの確保&解除に必要なギア≫
・環付ビナ3
・60cmのダイニーマスリング
・バックアップのムンター用のHMS型環付ビナ1

これは岩初心者セットはすでに持っている前提です。

≪岩初心者セット≫
・クライミングシューズ
・ヘルメット
・ハーネス 

■ リード

というわけで、初めて、自然の岩場でリードしたんですが・・・そっちのほうはついででした(汗)

フリーは、5.7でリードデビューです。

最後、フリーをそれぞれリードして終了。 ランニングがないと、登る勇気が出ないことが分かった(^^;)。


岩の上から、こんな眺めが見えた。





■ おまけ

 


今回のヤマレコ。超そっけない。スミマセン。いっぱいいっぱいな感じ(^^;)