2024/02/10
【指導法の探求】誰もが5.12時代&女子の指導
2023/02/23
年齢性別によるクライマーの個性の違い
■ 以下の項目を個人に当てはめ、吟味します。
- 技能レベル
- 体力
- 運動能力
- リスク管理でのレディネス
- パーソナリティ
- 目的
- 興味や関心の度合い
■ 事例 クライミング歴40年
山岳会の重鎮とされるレベルの人は、知識経験は十分だが、体力は減衰しており、スキルにはビレイが下手などの過不足があり、意欲は減退していることが多い。教えるのもたぶん、めんどくさいと思っている。 情報弱者に陥っていることが多い。ボルダーはしない、興味がない。クラックはしない興味がない、アイスはしない、ドライはしない、など関心に偏りがある。
- 技能レベル 5
- 体力 4
- 運動能力 4
- リスク管理でのレディネス 5
- パーソナリティ 2 ← 過去の栄光自慢
- 目的 2 ← 自己承認欲求のため
- 興味や関心の度合い 2 ← クライミングには飽きているし、情報弱者
■ 事例2 成人女性 クライミング歴10年
いくら壮年期女性でも、女性である限り男性並の体力を期待するのは、お門違い。一方、登攀能力だけに限ってみると、ジムクライミングで伸ばすことができる。
- 技能レベル 2 ← 年齢相応の平均
- 体力 2
- 運動能力 2
- リスク管理でのレディネス 4 ← 知性の勝利
- パーソナリティ 3 ← 普通の人 命かけていない
- 目的 3 ← 健康 普通
- 興味や関心の度合い 5 ← 関心は高い
■ 事例3 成人男性 クライミング歴0~3年
成人男性でも、初診の頃はムーブも下手で、登らせられない。20山行くらいはセカンドで登らないと理解力はつかないが、連れて行ってもらうだけで、計画を自分で立てる習慣化がないと、連れて行ってもらった山の意味が理解できるようには成長しない。根拠のない自信がある。
- 技能レベル 2 ← 大体男子はムーブ下手
- 体力 4 ← けど体力はある
- 運動能力 3 ← 年齢相応の普通
- リスク管理でのレディネス 2 ← 低い 俺だって佐藤ユースケ!と思っている
- パーソナリティ 3 ← 普通
- 目的 3 ← 普通
- 興味や関心の度合い 5 ← 高い 目立ちたがる
■ 事例4 成人男性 クライミング歴 10年
リスク管理もおおよそでき、スキルも体力もあるが、根拠のない自信や怠惰により、事実誤認することがあり、命取りに発展することがある。これくらい楽勝、とノーザイルや敗退計画なしなど。 情報は黙っていても与えられる。オールラウンドにクライミングをこなすには良い時期。大体は、仕事で時間が取れず、手軽なボルダーでキープすることになる。
- 技能レベル 4 ← 高い
- 体力 4 ← 高い
- 運動能力 4 ← 高い
- リスク管理でのレディネス 3 ← 新人よりましだが俺だって佐藤ユースケ!と思っている
- パーソナリティ 3
- 目的 3
- 興味や関心の度合い 4 ← 高い 本人が調べなくても周囲がけしかける
■ 事例5 成人初心者 クライミングジム上がり男性
視野が狭い。ムーブだけが上手であるので、自信過剰であることがわからない。
- 技能レベル 5 ← ムーブは上手
- 体力 2 ← 歩けない
- 運動能力 2 ← ムーブ以外は才能ない
- リスク管理でのレディネス 2 ← 新人は何が危険かわかっていない
- パーソナリティ 3 ← 普通
- 目的 3 ← 普通
- 興味や関心の度合い 5 ← 動画で予習する 例:ビデオトポ
■ 事例6 子供初心者 成人女性と近くなる
子供には特別な配慮が必要。関心は高いが、一人では遊ばせられない。リスク認知に穴があることが多いため。ただ、子供の場合、自分の弱さに自覚があるので、うっかり以外のミスは少ない。
- 技能レベル 3 ← 登るのは比較的上手
- 体力 2
- 運動能力 2
- リスク管理でのレディネス 2 ←単なる無知
- パーソナリティ 3
- 目的 3
- 興味や関心の度合い 5 ← クライミング大好き
■ 事例5 ピオレドール受賞者
円熟したクライマーは皆ここへつながっていくはずなんだが、そうなる前に死ぬ人が多いので、今生きている人は、”生き残り”であると考えるべき。
- 技能レベル 5 ← 当然高い
- 体力 5 ← 当然高い
- 運動能力 5 ← 当然高い
- リスク管理でのレディネス 5 ← 当然高い ピンチを耐えれる
- パーソナリティ 5 ← クライミングに磨かれて高くなっている
- 目的 5 ← クライミングが人生
- 興味や関心の度合い 5 ← 当然高い
ということになります。
いくらベテランであっても、この周囲の中を見渡せば、トップクライマーと一番近いとは言っても、当然、限界があります。 例えば、体力や、運動能力は、どんなトップクライマーであっても、減衰していきます。
クライミング歴10年という、常識的に見れば、十分、経験値が溜まったのではないか?と思える人でも同じです。このクラスの人は、クライミングジムのメリットがあるので、5.12くらいは平気で登れますが、リスク管理に関するレディネスは比較的低いです。
危険認知は一通りできているはずですが、それでも、まだ心の何処かで、俺だって、運さえ良ければ、佐藤ユースケ(他に、平山ユージ、小山田大、倉上慶太、横山ジャンボ、…あこがれの人を入れてください)と思っていたりします。
男性の40代は、パワーと知力がその人の人生でもっとも高い時期ですので、そこがその人の頂点です。
俺だって…の根拠ない自信は、50代に入って本格的な老いがスタートするまで治らないみたいです。運の問題ではなく、どれだけ真剣に取り組んだか?の差なんですけど…。フルタイムでやっている人と週2回の人が同じであるはずがないでしょう。
男性は基本的に、皆の注目の的になってチヤホヤされたい!(=モテたい)という思いがなかなか克服できないようです。しかし、冷静になって現実を見れば、トップクライマーだって、そんなモテ人生を送っている人はいませんよね。むしろ、頼まれごとで自分の好きなことができないことも起こっているようです。
一般市民レベルのクライミングの円熟は、日本は今からですが、全員一律の基準を全員に適用すると、弱い人…子供、女性、高齢者が淘汰されるはずです。登攀スキルレベルだけを上げて、リスク管理がおろそかになっていると、危険です。
リスクは、体力一点豪華主義、登攀力一点豪華主義(グレード主義)、などではヘッジできず、総合的な力が必要です。
2023/01/31
クラックの習得の仕方でコンフリクトがあったこと
湯川
トップロープクリーンで登れました → 誰が考えても疑似リードの段階
なのに、青ちゃんが疑似リードが嫌いっていう理由だけで、なぜ、俺がセットしたカムでピンクポイントしろ?って思った。ので説得するために、背が低い人には、その人にマッチした位置にピンが必要であるというブログをわざわざ書くはめになった。
納得ができないことは、テニスならやってるけど、クライミングではやってはいけない。クライミングの場合は命がかかるので。クライミングで自分軸を外すと命取り。
2021/09/06
親の夢の押し付け(もしくは委託)
■ ワールドカップ優勝
昨日は樋口先生の息子さんがWCで優勝というニュースを聞いて、
先生の偉業
ああ、そうか。最後に師匠青ちゃんで起こったことは、ママが私にしたことか…。
子どもが自分のやりたいように生き始めると怒るってやつ。青ちゃんがまだ未熟な私を韓国に連れて行ってくれたのは本当の事だが、韓国で韓国人クライマーに誘われるようになるとモーレツに妨害行為をするようになった。最後は私を外国に置き去りにして、一人出て行ったんだが…
母も同じで私が15歳で高校交換留学の話を持っていったが私は海外に出してもらうことができなかった。
当然、私は本当に愛されているのか?という問いがグルグル回ることで、活動に集中できなくなる。
自然農の仲間は素晴らしい。椎葉村に行くのだから、もう仲間じゃない、という態度をとる人はいない。もうみんな、行ったら何を植えたらいいか?ということを一緒に考えてくれる感じだ…。
翻って樋口先生だが…教師をしているから子供の育て方がよく分かっているという優位性はあると思うが、どう考えても明らかに他の親と違う。
■ 天才は作れる
クライミングは、非日常の動作なので、幼少期からの習得でレバレッジが効く。つまり、天才、は作れる。木村さんの本にもそう書いてある。
それでも、2世ともなると天才を作ることに成功する人より、失敗する人の方が多い。元祖天才は、室井登喜男さん。ノーマットスタイルのハイボルダーという桁違いのリスクのスタイルで有名な方だ。室井さんは例外的なくらいで、大体の親は、子供を天才にするのは失敗している。
樋口さんは、子供のクライミングは高校であってもされているので、その秘訣というのをいつか聞いてみたい。
2021/04/12
グレードを見ずに登る
■アイスにはグレードがないのがアイスの良さ
アイスにはデシマルのグレードがないです。ので、基本的に登る最初から、グレードは分からない状態で、
自分が登れそうか登れなさそうか?の判断
になります。それがアイスの良さ。 基本的に難易度は傾斜で決まっていますが、傾斜がきつくなると当然ですが難しくなり、桁違いの難しさが始まるのが90度。60度なんて初日で誰でも登れます。(登れてもノーザイルでは下れないです、アイスは明白にそのことが分かるのが良さです)
90度以上のアイスが6級ですが、6級になるとムーブの習得が必要で、具体的には、フリ、とかツイスト、とか側体、と言われるムーブで、後はフラッギングです。国際大会ではヒールフック禁止。理由は簡単になりすぎるから。
6級を登ろう、というのの中身が、到達目標として
1)垂壁を登れる
2)側体を覚える
3)フラッギングを覚える
4)振られ止めを覚える
5)登るラインを見極められる(シャンデリアを避けることを覚える)
6)適切にプロテクションを打て、レスト出来る
ということになっており、ここにはどこにも、数値目標、は入っていません。
それが大事なことかも?
習得した技術が、身に付いたかどうか?は、自動化、で計っていました。
自動化には、反復練習が必要です。自動化が起きる反復練習の量、というのは、個人によって違うと思います。
そこを待てないというせっかちが最も指導者が陥りがちな、悪習慣、だと思います。
■ まとめ
グレードを見ずに自分が登れるか登れないかの判断で登る
数値目標は入れない
習得したかどうか?は自動化で計る
自動化が起こる速さは個人で異なる