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2022/01/30

岩との対話が本質ですよ

  ■ 1月27日のサチさんの投稿より



---引用---

ここ最近は野猿谷でひたすらこのボルダーを開拓している。ラインを自分で見出し、一から一人で開拓するのは人生で初めてのこと。ぱっと見3段くらいかな?と思ったが想像以上に傾斜が強くて難しい。3日通って、細切れではあるが、解決出来ていないパートは残すところあと1手となった。
終始コンプレッションなので、落ちる時は左右に大きく振られて落ちることが予想されるのだが、ランディングがとにかく悪い。コツコツ下地整備もしている。
ひとつひとつの作業が新鮮だ。ラインが完成していく過程がこんなにも楽しいとは思わなかった。自分の気持ちが岩と通い合っていく感覚。良い冬だ。

Recently, I've been exploring this boulder in Yaen Valley. It's the first time in my life that I've found a line by myself and developed it from scratch by myself. At first glance, I thought it would be around V12 but much harder. After three days of climbing, I have only one move left that I have not solved, though it is in small pieces.
It's all compression all the time. When I fall, I am expected to swing left and right a lot, but landing is just not good. I'm working on the groundwork. It is all so fan part of it. 
Each task is new to me. I never thought that the process of completing a line would be so much fun. I felt like my feelings were communicating with the rock. It's a good winter.
@adidas 
@adidasterrex 
@fiveten_official 
@petzl_official 
@newhale_japan 
#アルテリア 
#野猿谷ボルダー 
#開拓 
#気温基本マイナス
ーーーーーーーーーーー太字当方ーーーーーーーー

太字は、私が付けました。別にワールドカップで優勝しなくても、

 普段でも、
 誰でも、
 
 岩と対話しています。

その対話が分からないというのなら、その人、登れないときに、岩に跳ね返された、とか感じないんですかね? 普通に、今の実力じゃ無理だから、出直しておいでと、岩に言われる程度のことは、クライミングに行けば頻繁に起こっていると思いますが。

■ 岩との対話は、ルートファインディングで起こることが多い

分からないという人は、とっかかりとして、ルートファインディング(=ラインを見出す)を突き詰めてみることをお勧めします。

歩くだけでもルートファインディングはできます。宝探しゲームのように、ピンクテープや赤布などの目印を追いかけるのではなく、国土地理院の地図を用意して、尾根を拾って歩く訓練をします。それだけでも、山が語りかけてくることは、これ以上ないくらいにハッキリとすることでしょう。

歩きでもできることですが、岩でやりたかったら、ボルトを追いかけるとか、ビデオトポを見て登るとか、トポに載っているグレード順に登るとかを辞め、自分が登れそう!と思った岩を登ることにします。

それでも、いきなり取り付いては行けません。登れそう!と思ったものは、大体が登れないものですから、じーっとにらんで、オブザベします。ムーブもあらかじめ目見当を付けます。たぶん、違うムーブになると思いますが、とりあえず考えておきます。

自分と岩だけで、トポとかグレードとかの他者の思惑を介在させない、というのがミソです。

必要ならロープを出し、あるいはギアで登ったり、友達に応援に来てもらったり、自分が登るために必要だと思える手段を自分の努力で用意します。

■ 劣等コンプレックス



心理学者ではなくても、誰でも分かることだと思いますが、

グレードを自信の根拠にしたり、あるいはグレードが低い相手を馬鹿にしたり、あるいは、〇〇段が登れるようになったら××しよう!と考えたり、するのは、

 劣等コンプレックスのため

です。

アメリカの雑誌によると、全クライマー人口の4分の1が、5.10代を登っています。

2段を登れなければクライマーじゃねえ!みたいなのは、支配者タイプの人に入れられた暗示です。

実際、有段者や、5.13クライマーなんかは普通にゴロゴロしている山梨で、そんな暗示を入れてくる時代錯誤クライマーはいません。

■ 子どもと大人は違うモノサシの上にありますよ

科学的にも、クライミングは非日常の動作ですから、8歳から18歳のゴールデンエイジでクライミングをスタートしたかどうか?がほとんど核心です。子供だと、一日で5.12が登れたりします。

大人でスタートした人に向かって「子供”ですら”、5.13が登れるんですよ」とこちらを恥じ入らせるような人も、ままいますが、”ですら”は、科学的に正しくなく、”子供だからこそ”が、正しいです。

グレード競争というのは、本来、競争がないと興味や関心が持続できない、アテンションスパンの短い子供をいかにして動機づけるか?ということのために考え出された方策です。

大人こそ、競争がなくても、大人は、”内的動機”で岩に登れますから、そのような競争動機は必要としてないハズです。それでもグレードに拘るなら、岩が好きなんではなくて、単に注目されたいだけでしょう。大人は勝手に

 自分と岩との対話

を深めていきましょう。それがクライミングの、そもそものだいご味なのですから…。

 自然は大いなる師

です。そのためには、自分でプロテクションを打ったり、自分の頭で自分のクライミングには何が必要なのか、考えたり、と、

 自分の課題にきちんと向き合う

という姿勢が必要です。

つまり、人生に対する態度と同じものが必要です。自分で自分のことを愛せないかもしれないですが、自分ですら愛せないような自分を、なぜ他人が愛せるというのでしょうか? 他者の愛を求める前に、自分で自分を十分に愛するべきです。