2024/04/28

【瑞牆】REEL ROCK 18 TEASER 40年前のクライマーのかっこいいと現代のかっこいいは違うよ?


ReelRock18は、瑞牆 大やすり岩ですよ☆

サチさんが出ていますが…

大やすり岩って、エイドのルートがあって、そのエイドルートって、初心者にもお誘いがかかるようなのでした…

今検索すると、初心者の記録が出てきます。

https://yamap.com/activities/14128589

最終ピッチは、リングボルトでエイドラダーでした…みたいな感想。ルート名が書いていないのも初心者らしい…
多分、ハイピークルートでしょう… 40m全部ラダーっていうのに萌え萌えしている様子が伝わってきます。それって、40年前のクライマーの”かっこいい”なんですよ…(汗)

何度も出てくる「すごーい、あんなところに人がいる~」のセリフ…(汗)

いや、リングボルトだったら登らない、って選択肢を取れないといけないんですよ。現代では。そのリングボルト、抜けますからね。


やっぱり初心者だと、40年前の常識のまま、時限爆弾状態になっている古い支点を無条件に信頼して(まるで人工壁の支点のように)全信頼を置いて登り、たまたまうまく登れた記録が、楽しかった、の一言で終わってるようでした。知らぬが仏とは、まさにこのこと。

■ トップクライマー

サチさんと言えば、スポーツクライミングでも実績を出し…IFSC ワールドカップで二度の総合優勝…トップクライマー中のトップクライマーです。

5.14R に注目
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最後の者
The Last One
4P 5.14b R  FA 
大ヤスリプロジェクトのルート名やグレードが決まったので、発表させて頂きます。(遅くなりました🙇‍♂️)
I have pleased to announce the name of the route and grade for the O-Yasuri project. (Sorry for the delay 🙇)
まずはこのチャレンジを、怪我なく、無事に終えられたことを本当に嬉しく思います。そして、このプロジェクトを共にチャレンジし続けてきた @crazy.ryoma にはこの場を借りて感謝の気持ちを伝えさせてください。今回の撮影に協力してくれたクルー、何度も無理を受け入れてくれた五郎舎様、陰で支えてくれた妻やリョーマのパートナーの @arare.rei 本当に感謝しています。そして最初のきっかけをくれた内藤直也さんや、沢山のアドバイスしてくれたアルテリアの方々、本当にありがとうございました。
First of all, I am really happy to have completed this challenge without any injuries. And let me take this opportunity to express my gratitude to Ryoma, who has continued to challenge this project with me. I am truly grateful to the crew who helped us with this shoot, to Goroya for accepting the impossible many times, and to my wife and Ryoma's partner who supported us behind the scenes. I would also like to thank Naoya Naito for giving me the initial impetus and the people at Alteria who gave me a lot of advice.
このプロジェクトは、僕の人生で最も大きく、強い気持ちが必要なものでした。トラッドの世界に飛び込んで、いきなり大物に立ち向かってしまったのです。でも、大いなる自然は、無垢な想いに答え、そして完璧な形で包み込んでくれました。僕はただただ、感動し歓喜し、この奇跡に平伏すばかりです。
This project was the biggest thing in my life. I jumped into the trad world and suddenly I was up against the big boy. But nature responded to my innocent thoughts and wrapped me up in a perfect way. I am simply moved, delighted, and bow down by this miracle.
1P 5.11b PD
2P 5.10a
3P 5.14b R
4P 5.6
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現代のスポーツクライミングで”安全に”、スキルをアップしたクライマーは、5.14でRが取れるってことですからね??

エイドルートのハイピークも、本当はリングボルトを抜けば、フリークライミングルートとして再生できるのかもしれません。

もう、私みたいな、おばちゃんクライマーにでも、エイドであれば「大やすり岩、行きませんか?」とパートナー募集の声がかかりますからね… 

あー行かなくてよかった。マジで。

リングボルトが抜けて落ちたら、レスキューです。まともな皆様はそういうルートは避けて登らないんですよ。

ちなみに、山梨アルパインクラブでは、伝統的に成長させるため、岩講習の次は伝統のエイドルートらしかったです。私が所属した御坂山岳会では、エイド時代はとっくに過ぎたということで、エイドルートをあえて登る暴挙をお勧めされたことはありません。現代で打ち換えられていないエイドルートなんて手を出して、支点が抜けても誰も責任とってくれませんよ?

さて、私が言いたいのは、この事例が、見事に

 初心者とトップクライマーの事案の差を描き出している

ということです。しろうとさんには、

 大やすり岩登った

しか、伝わりません。したがって、エイドで登った大ボケ者と、ReelRock18でトップ画像に選ばれるサチさんの差が分からない。

大やすり岩なんて、私でも登れるようなところなんですよ(登りたくないので登りませんけど!!)

従って、そんなところで、自己肯定感アップしている、そこのあなたが、いや情けない…ってレベルです。まぁほほえましいっていうのが正しい評価でしょう。

現代のクライマーなら、今のレベル感を分かっていて然り、なので、大やすり岩をエイドで登って、その辺の素人さんに褒められて承認欲求を高めているなんて、しょぼいことをしているのは、よっぽど承認欲求に飢えている人みたいなのかな?って私は感じます。

もちろん、どんなレベルでもその人にとって達成感があればいいわけですが、だからと言ってその人が世界的クライマーと同等の内容があるか?ないです。

なんで、みんな、そこが切り分けられないのかな? そして、しがみつくのかな?

■ どのルートを保存するか?価値観問題

一方でルートの意味あいですが、大やすり岩がどのように初登されたのか?を示す歴史的ルートって意味で、エイドルートを残すのはあり、だと思います。しかし、それは、エイドルートで、いわば、

 レガシー(遺産)

として意味があるということを周知されている必要があります。

なんで、フリーの一桁代もまともに登れていない人が登るルート…なんせエイドなんで。

リングボルトはちゃんとしたグージョンに打ち換えたらどうですかね?抜ける前に。

賞賛を受けるのはいいですが、正しい評価で受けたほうがいい。なんか、命知らずのすごいことしているみたいな誤解が生まれていて、それに便乗している。

もちろん、日本の一般の人が無知だから…です。

が、もっと悪い精神性は、それに便乗している

  ちゃっかり精神

で、本来受けるべき賞賛ではなくても、ちゃっかりもらっちゃお!って方なのでは…人間性の低下というか。モラルの低下というか…。日本人って謙譲の美徳なのではなかったでしたっけ?

結局、何が残すべきルートで、何が駄作なのかの切り分け…価値観が育っていないので、

  ちゃっかりした人が賞賛欲しさにたかる場所

になっているかもしれない旧アルパイン業界。比叡でも同じことを感じました。

アルパインの人には本来の未知への冒険精神を取り戻してほしいです。壊れそうなボルトに命を預けるのがアルパインの精神に成り下がってしまっている。

■ リスクリワードレシオ悪すぎ

5.8で40mランナウトって現代で、3年もやれば誰でも、10代が登れるようになった時代に、リスクリワードレシオが悪すぎます。そんなところで命がけしても得るものがない。

なんせ、5.14でRの時代なんですよ? 命知らず自慢をするなら、5.13以上でやらないと…本質的に命知らず自慢にならない、と私は思います。

私もランナウトを登っていますが、しびれるのは、それが自分の能力ギリギリだからで、別に5.4でランナウトしても、はぁ?ってなりますよね。そんなところで、落ちないし。しかし、落ちなくても、プロテクション取れたら取りますよ?それとこれとは別でしょう。

自分のギリギリでプロテクションも取れないけど、あえて行くから、冒険なのであって、別に落ちないし、ってところでプロテクションを飛ばすのは、タダの怠惰。

怠惰をしびれる~って、それよほど、現代的には意味のない低グレードしか登れないクライマーのセリフなのではないかと…。それは、ほほえましいね、って感じのレベル感ですよ。

その一部の人のしびれる喜びのために、大多数のジム出身初心者が命の危機にさらされているように私には思えます。

だって昔から、ランナウトしたルートは先輩に連れられて行くから安全だったんですよ。

今の時代では連れていく先輩がいない。

今の現代クライマーは、岩場への入門は、その辺の友達と連れ立っていくものです。結局リスク管理ゼロ、いきなりジムで練習もできないスラブで入門ってことになるよなぁ…。

スラブが初心者向けっていう発想自体を変えたほうがいいのかもしれませんが…。

その辺は指導者クラスの人たちがベストな解を知っていそうです。

私は現代初心者はラオスから岩場デビューしたらいいと思います。

クライミングの評価システムの適切化が必要だなぁとサチさんの記録の理解のされなさ、日本をすっ飛ばしてReelRock18で評価されていることを思って、また、ため息が出ました。