自分自身の力でラインを見出し、プロテクションを取ることの重要性と面白さ
なのではないですかね?
■ 参考:ボルトを打つべきでない場所
1)簡単にナチュラルプロテクションが取れる場所
2)頼りない露岩
■ お手本記事
ロクスノも、これくらいは書いてほしいというお手本記事を発見しました。
こちらです。
https://number.bunshun.jp/articles/-/860934
■ 山男のルサンチマンの対象?
ギリギリボーイズは、私は自分が登山デビューしたときにはすでに有名だったので、
現れた
という感覚はなく、どこか遠くの、私のような一般クライマーとは関係のない、一流のクライマーが、地元の山梨で、人知れず世界的なクライミングの賞を受賞しているらしく、そして、
「俺だって佐藤ユースケ」と思っている人が山の世界には一杯いるんだなぁ…
という感想でした。
佐藤さんを個人的に知っている人が、山梨には何人もいて、「俺一高」などと、俺だってほんとはすごいんだぜーな感じで、PRしてくる人が多かったためです。でも、山梨出身ではないので、「俺一高」の意味が分からなかったりして(笑)。
ちょっと前に近所のボクシングジムが見学歓迎!という張り紙があったので、そうか~上半身の強化にはボクシングもいいのかもなぁ…と思って、見学に行ってみたのですが…ジムのお兄さんが、「ご出身はどちらですか?え?熊本?一緒ですね!俺、○○高校なんです!」と言ったのですが…私のほうは、出身高校名は言えなくなりました…。
「クマタカなんです…(汗)」となるよなぁ…。同じ高校だったら言う意味ありますけど、別の学校だったら、上下差が生まれることになるので、言えないです。なんせ熊本高校はトップスクールなので、ほとんどの人より上って話になってしまい、それではお友達になるというより、疎遠になるって効果しか生まれません・・・。
ので、仲良くなる手段として破綻している高校名暴露作戦…そんな破綻した手段を出して、佐藤さんと同じなんだぞー俺だって!と言いたくなるような存在が、ギリギリボーイズなんだなぁ…というわけで、実力の差を理解する能力がない人からすると
んん?ギリギリボーイズの皆さんって、運が良かっただけで、有名になったの人たちなんですか?
と、こちらが聞き返したくなる感じでした。
私自身が、フリークライミングのグレードも分かるようになり、エイドで全国、Ⅳ級A1になってしまった事情も理解し、どこにも冒険がない、5.9よりもむしろ安全な5.12波状攻撃のレッドポインター登りだけの一般クライマーの様子が分かるようになって、ギリギリボーイズの方たちの業績が分かるようになりました。
苦言ですが、一般の大学山岳部男子も、せめて私が到達した程度のところまでは、分かるようになるまで頑張ってみたらどうでしょうか?
高校山岳部は硬派でも冬山は禁止だし、大学山岳部は斜陽、若手の社会人山岳会は、もはや主たる目的は出会いで、お嫁さんを見つけるために参加しているのかもしれませんが、せっかく山をやっているのに、冬の山は知りません、アイゼン何のことですか、クラックは手が痛いから嫌、カムは高いから嫌、アイスは寒いから嫌、沢は臭いから嫌、などでは、ほんとに山が好きなのかなーって思いますし、整備された登山道を歩くだけなら、別に仲間なんていなくても、できる活動なので、山岳会なんか入らずに、好きにキャンプでもしてくればいいのでは…と思ったりします。
せっかく趣味で登山やクライミングをしても、トップクライマーの業績の、何も判断できる力が付かないようでは…。
登山の価値すら、分からないのでは…。
そんなわけで、私は一般クライマーにすぎませんが、
ギリギリボーイズが、登山界で、多くの山男たちの羨望を浴びる存在だ、
ということは、登山歴2年目とかのド素人さん時代から分かったわけです…。
しかし、最近、10年以上登ってきて、
その羨望が、誤解に基づいている
ことが分かるようになりました。
古いクライマーも、若かったら、ギリギリボーイズのみなさんと、同じことをやれるかというと、全然やれないのです。だって、”フリークライミングはアルパインの基礎力です”、の”基礎力のレベル”が、”5.9→5.12”なんですよ。5.11だった時代ですら、とっくの昔。
5.11って御坂山岳会の先輩たちは挫折感を持って迎えているグレードみたいでした。当時の私にはまぶしいグレードで羨ましい、と思っていましたが、自分がその地位に近づいて今は気持ち分かります。
俺だって若けりゃできたと思っていると思いますが、若くても、誰でもできることではありませんよ。何年かはフリークライミングだけの修行にささげて、5.12が、まるで5.9のように登れなくてはならないんですから。
まぁ、今のジム上がりの若い人や大学山岳部は、ロープをまとめるのに、一苦労していますから、もちろん、そんなレベルの人(=新人や女性)と比べたら、昔のアルパインクライマーはすごいのですが。
でも、40年登ってきたら、1年目の人より優れているのは当然ですよね?
さて、一村さんのことは、そんなに重要人物とは知らず…。この記事で知りました。
以下、良いと思った文章の箇所を抜き出します。太字当方。
■ クライミングネット記事発見
倉上さんの話をしたら、ついで、でこんな記事を発見した。
クライミングネットにも謝罪が出ていた。https://www.climbing-net.com/news/rocksnow105/
ちなみにロクスノが、山の内容を判別するのに際して地に堕ちている、と言ったのは私だけではないです。
https://note.com/tomahawkski/n/nbbe0a1b5f61e
他にも年配の方の嘆きを、何度かネットで拝見したことがあります。
■ もう年2回とかでいいのでは?
ロクスノの前身、岩と雪も、廃刊になったんだし、印刷代の高い紙面を辞めて、フリーファンくらいの同人誌的な安普請の体裁にデグレードし、内容だけをトップクライマーの一流のクライミング報告や、記録、初心者向けのボルト知識、など、真に
実用向き
に変えたらどうですかね? 今のロクスノは、スポーツクライミングの話題ばかりなのに、小さな岩場のトポが載るので、9割紙面がいらないのに、買わないといけない、という”買わされ感”があるし、小川山や瑞牆と言った有力な岩場のトポは、別にトポとして確立しており、一冊4,5千円の高価格。
海外クライマーや、インドアジム出身のクライマーを多く迎え入れたい岩場は、個別トポという時代に入っていくとすると、ロクスノにトポが載るから買う、というのはなくなっていくでしょう…
紙で出す体力がない岩場…例:九州…ローカルクライマーは、みんな知っているインターネットサイトが無料運用されており、無料で十分いいトポが配布できるのだし。
全国版のロクスノで、トポを公開してしまうと、むしろ、地元以外のクライマーが、域外から来てしまい、そのせいで、路駐などのアクセス問題が起きて、地元のクライマーですら登攀禁止にされてしまう懸念があり、公開には躊躇せざるをえません。
追悼記事みたいな高度な文章だけでなく、その人の業績の意味を、文字として称え与える文章は、文章の修行をきちんと行った、それなりの人でないと書けないのに、山好きなら誰でもOKな、感じの採用方針だと、そういう人来ます?来ません。
(ちなみに私はライター教育をすでに受けていますが、一文字1円のネットライティングの仕事など受ける気にすらなれません。プロにタダ働きを依頼するようなもんです。英語や図書館の仕事もそうです。皆がプロにタダ働きを要求してきて困ります。初級の雪山なんて勝手にいってきてから、同じレベルまで登ってきてから、立候補してきてください)
今の紙面の作りは、その紙面を作る人の平均的知性を表現していることに帰結としてなると思いますが… 結局、紙面があおっている記事が、
名誉欲一辺倒
なので、クライミングや先鋭的登山というものがそういうものか、としか読者は思えなくなる。
FBをパラパラしていると、非常に斬新なノットなど、へぇ~というのが出てきますが、ロクスノは、海外の情報などは、クロニクル止まりで、技術情報は入ってこない。
奥村さんやユージさんの記事が出るので良い記事だなぁと思って、それらに関しては買うようにしていますが、残りの記事、見るところないんだよなぁとか思って、クライミングジムで出来れば読みたい…です。一般の書店には、おいていないから立ち読みもできないし。1400円って高すぎて買えない。
だれかが、全号のマイナーな岩場のトポをすべてまとめた冊子でも作ってくれれば、売れそうです(笑)。
岩と雪が廃刊になったのと同じで、ロクスノも広告の泉の中に、役立つ情報は希釈されて、ほんの一滴みたいな感じだし、精鋭クライマーの自己顕示欲発露の場ではあっても、一般クライマーがクライミングライフをエンジョイする目的は、とんと無視されている紙面なので、結局、募金みたいな気分になる。ので、貧乏クライマーが多いので、どんどん誰も買わずにジムで読んで、一応満足、ということになるよなぁ。
読者の声も充実していないしなぁ…。
以前、古い岳人を読み漁ったことがあるが…とっても楽しい紙面だった。読者の山ライフや装備などをいろいろ紹介しており、同人誌的で洗練もされていないが、楽しい紙面だった。
結局、全部の責めを人材不足に帰結しようとする言い訳が昨今の日本では常套句化しているようだが…
ほんとなんかね?
人口減って言っても、まだ1億くらいいるんですけど?
若い奴、肉体労働みたいな苦役はしない、けど、コーヒーロースターになりたい人は、わんさかいる。余っています。
だから、クライミングで注目されることが正当化されると、それがなんら、経済活動を伴わなくても、社会から認められるようなことになってしまい、身を持ち崩す人も出てしまいます。
なんせ、戦後70年、日本の家庭は父親不在なのです。男性たちは、ほとんどママボーイに育ってしまい、帰結としては、注目が気持ち良いからやる、注目されないことはやらない、みたいなことになると、グレード一点豪華主義ならましな方で、何でもいいから注目されたい=チッピングという悪の華すら咲いてしまいます。
つまり、本来ナルシシズムが開花すべきでない山の世界で、ナルナルしただけの人を雑誌が持ち上げてしまう結果になっている。
その間に日本クライミングは劣化の一途をたどって、猫も杓子も5段を何本登ったか、みたいなことになっていても、瞬間芸の話で、終わってしまいます… まぁ5段なら瞬間芸でも許すけど、5.12でそれやっていたら、もう何もやっていないのと変わらない劣化です。
冒険を求めて、海外放浪する若者も減ったけど、冒険じゃなくて、切羽詰まった事情…海外でしか仕事が見つけられなかった氷河期世代の私に言わせれば…、楽で簡単に稼げる、ってのを、若い人みんなが目指しすぎなだけにしか思えなかったりします。
もう、どこにもリスクも冒険もないことを、高難易度でカモフラージュしている。
■ もう、インターネットで記事配信するのがいいのでは?
クライミングも、一枚岩ではない。
インドアクライミングの人の関心と、アウトドアクライマーの関心は全く別だ。
トップクライマーなら、ライバルの動向が気になり、トップクライマーの記事を読むだろうが、一般クライマーには、トップクライマーの動向はあんまり自身に関係はなく、対岸の火事状態というか、結構どうでもいい話題だ。
それより、基本的なクライミング指南、先輩代わりみたいな紙面が全然足りていないので、新人に渡せる技術要素をまとめた冊子がない。せめて、新人が入る春には、正しいマルチピッチの登り方を指南してほしい。
そもそも、自己確保で登る技を身に着けずに、セカンドでお願いしまーす、なんてありえないのは、リスク管理を全く教えていないから、だ。
私はクライミングはへっぽこで登れなかったが、初めてのフリークライミングの時ですら、登れなくなっても、自己確保でフォローはできたぞ?
たぶん、今ではクライミングをどう教えるか?ということが関心になっている人のほうが多いんじゃないか?と思う。
地権者との折衝など、クライミングの肝と言えるような活動はどうしたらいいのか?みたいなところから、謎のベールになっている。
それ開拓だーとやっていたころ(クライミング1.0期)と、今では全然違う事態になっているのである。
その違う時代も過ぎて、今では、2.0ではなく、3.0時代なので、ウェブとYoutubeでロクスノは配信したらいいんじゃないの?と思うけどなぁ…
なら、月刊、とか 季刊、とか、区切りは要らなくなる。ある期間に出た記事の自分の好みのところだけを印刷できるオンデマンド印刷なんかやれば流行るのではないだろうか?
それぞれのクライミングに対しての関心が異なるのであるからにして。
■ アルパインクライミングの話を聞こう!
ーーーーーーー
海外の山で活躍するアルパインクライマーたちの活動を紹介する「第2回アルパインクライミング懇談会」が2024年11月26日(火)に東京・錦糸町およびウェブ配信で開催
ーーーーーーーー
というお知らせが来ました☆ 現地にいなくても、ネット参加可能。
https://www.climbing-net.com/news/jmsca_alpine_2024_20241030/
みなさん、出ましょう☆
■ 伊藤さんの思い出
伊藤さんとお会いしたのは、荒船のアイスにドはまりしていたころでした…。
基本的にクライミングの習得って、
1)テクニカル要素を習得してしまったら、
2)次は長くしていく
のですが、湯川のアイスはみな短いので、習得後、私は4級で長くしていく必要がありました。
それで出てきたのが、4級の荒船山相沢大滝。長くて大きな滝、大滝です。4級なので、基本的に、技術的には初心者でも登れますが、まぁ、安全にリードするとなると別ですね。
4級の技術課題は、ムーブではありません。
・もろそうなアイスをたたかない(含、登らない判断)
・叩き壊して進路を破壊しない
・スクリューを打ちこむべき氷を適切に判断できる
・気温の上昇、壁面、太陽光など気象条件を見極められる (含、登らない判断)
・適切なビレイができる
などです。細かく言えば、もっと他にたくさんあります。
別にムーブは、誰でもできるような簡単なものです。4級と言うグレードがそのように定義されています。なので、登れたこと自体が自慢になる、という世界ではありません。
■ 現代の主流はウィル様登り
ただ、アイスのムーブに関して言えば、古い登りは、正対×ひきつけ 登り。可能なら、この段階、つまり4級で、ウィル様登りを習得したほうがいいです。ダイアゴナル、つまり、体を斜めに使えたほうが5級になった時、楽ですし、6級になれば、それしかないです。
余談になりますが、フリークライミングから入ったアイスクライマーは、4級が登れず、6級が得意です。これは、岩でスラブが登れず、オーバーハングが得意なのと同じです。
私は4級は、スタートした元年にすら、リードしていましたし、登れていましたが、チャレンジな課題を登る予定が先々あるなら、バラエティがあるアイスに接したほうが良いです。一か所に詳しくなること(ホームグランドを持つこと)も大事だが、様々な条件の氷に接することも大事、ということですね。”氷の見極め”が大事だから、です。そこが、安全か、安全でないかを決める要素です。
成長方法を簡単にまとめると、
人工氷壁→三つ峠→醤油樽→小滝→大滝→湯川→荒船 みたいな順番かな?途中に初級のルートを挟みましょう。
私は初級ルートとしては、広河原沢左俣に連れて行ってもらった後、同レベルの仲間で硫黄岳を詰めるジョーゴ沢に行き(自分がリーダー)、その次は、自分のリードで後輩を連れて、峰の松目沢に行っています(オールリード)。
私を羨ましがる人のやっかみが心配なので、念のため言っておきますが、アイスの師匠に出会ったのは、自分で小滝まで自力完結でき、峰の松目沢リードくらいは、自分で終わってからです。どうも、全部おんぶにだっこで連れて行ってもらってイイなと思うらしいんですよねぇ‥ そんなこと、起るはずないでしょ。
■ズルしないのが大事
その際ですが、GPSで入渓点を探るような”ズル”をするようでは、沢登りに差し戻しです。
ちゃんと、紙の地図を見て、〇〇から数えて2本目の沢…などと読図ができるような状態になり、地形を見る目も、寒さで時間的余裕が緊迫している冬ではなく、ちゃんとゆとりがある夏に、沢に行ってから行きました。
つまり、アイスのルートというのは、沢登りが済ませた人の、ご褒美、ということです。
その前に沢登りで、ひと夏をささげ、その夏は20本以上の沢山行を毎週のように、行っています。1本、2本、誰かに連れられて、沢に行っても、読図のあれやこれやは、身につかないと思います。(これは言葉の端に現れます。赤布を追っているような山をしてはいけません。)
当方のアイスクライミングの成長記録はこちらです。
https://iceclmb.blogspot.com/
さて、そのような何段階をものステップを経て、晴れて迎えた荒船時代…。
■ 華やかになった
その最後を彩ってくれたのが、伊藤仰二さんというトップクライマーでした。
伊藤さんは、師匠の飲み会に来てくれたので、私は大慌てで、知り合いの5.13男性クライマー全員に声をかけたのですが… みんな、ビビってきませんでした…(汗)。
私みたいな成人から山をスタートした人、しかも女性が、伊藤さんにあっても何を質問したらいいんだか…想像もつかない、と思っていました。(実際、その通りだった)
で、アイスクライミングにも来てくれたのですが…えー、荒船の大滝ですいません、というか…4級のアイスなんて、伊藤さんにとっては退屈なんではないか?と思い、もっと難しいラインを、と水を向けると?
「〇〇さん、私に何をさせようとしているんですか?」と…。
やっぱりちゃんとしている人は、変に粋がって難しいライン…=強点を行こうとかしない、確実堅実な登りでした。
その後、お隣のマルチに行ったのですが、伊藤さんペアはなかなか降りてこない…なんかトラブった?
私はその隣では、垂直の5級を初リードして、満足でした。短い5級です。氷が硬かったので、プロテクション面では、安心なんだけど、フィジカル面ではパワーが必要で、それが私は欠点であるので、ビレイしていた師匠の青ちゃんは寿命が短くなったみたいでした。すいません。
女性はやっぱり上半身が弱いです。最近、筋トレでラットプルダウンしているんですが、広背筋使う前に首が疲れてしまい、全然ダメ。ダンベルを持ち上げるやつも、たったの3㎏でふらついているという、よわよわ具合です。なので、私に6級のリードはないな…と自覚中ですが…まぁ5級までは体を戻さねば!とがんばっています。
さて、話がそれましたが…
伊藤さんはこのような、とても気さくなアルパイントップクライマーです。
アニキにいろいろ質問して、若いクライマーは、世界の山を目指しましょう☆
■ アックスで登るクラック
伊藤さんがプレゼントしてくれたもの、としては、私にとっては
1)伊藤さんはセルフを取る=軽いクライマーにはビレイ時にセルフは必至
2)アックスで登るクラック
3)荒船昇天
の3つがありました。
私はそれまで、自分が軽くて小さいことに負い目を感じており、ビレイは、積極的に出来ませんでした。なんせ自分がぶっ飛んで、アイスに激突した、っていうのが、自立したアイスクライミング1本目の経験で、相手は80kgくらいありそうな男性でした。
その男性も初心者だったと思うので、その様子は、石田さんというガイドさんが、”それとなく” 危険予知してくれ、守ってくれたような恰好でした…。
その後、私はアイスクライミングのビレイが自分の核心だと心得、しばらくビレイのことばかりを考えて過ごしました。それで保科ガイドのクライミングに行き、リードのビレイを初体験させてもらったほどです。(しかし、何も教えてはくれなかった)
というのは、アイスクライミングでは、フリークライミングの外岩の時のように、
直下には立てない
からです。そこには打ち砕かれた氷のかけらが落ちてきます。したがって、離れなくてはなりませんが、離れすぎてもリスク…。ロープが出ないとクライマーは登れませんし。
というので、立ち位置の研究。
そして、ビレイとビレイ器、ロープの相性、ロープのメンテナンスなどのワンセットで安全は成り立つものです。
■リスク管理は危険予知
リスク管理に無関心な人は、ビレイがいい加減なだけでなく、ビレイ器とロープの相性など考えたこともなく、ロープもアイス専用ではなかったりします。
専用にしないと毛羽立ちで凍り付いて、すべり、握っても、滑ってロープが出てしまいますよ?そして、登った後はコーティング剤を再度塗布して、ロープをメンテします。
こうしたことは師匠を見て、盗んで学びました。すぐにコーティング剤を買いにホームセンターに行きました。
こうしたことは言葉に出して、「こうしなさい」と言われたことはないです。たぶん、近年男子ができないのはここです。見て盗むということです。
というような様々な要素がすべてクリアされて、安全というものは積み上げられています。
■ なぜアックスでクラックなのか?
荒船のアイスでは、アックスで登るクラックを経験し、アイスと岩のミックスへ片足を突っ込みました。
私は6級にTRしに行くのは、すでにほかの人の手を借りずに、自分で行ける場所があり、6級も直上の氷柱は上手に登っており、誰かが動画を取ってくれたほどでした。
しかし、これを長くしていくというのが私のアイスクライミングにあるか?というとないでしょうし…長い6級(=パワー)より、岩とアイスのミックスと言うような悪さに対応できる力をつけるほうが、ルート志向の私のようなクライマーにとっては有益です。
自分の山で、穴が開いた氷瀑で下で水がジャンジャン流れているようなのに、もうすでに遭遇していましたし、そういうのを楽しい、と思うタイプなのです…
というわけで、易しいけれど危険な要素があるルート に行くためには、難しい&危険な要素があるというルートをゲレンデでは経験してギリギリに迫って、自分の限界はどこかを知る必要があり、それがアックスで登るクラックでした。これ、めっちゃ落ちましたけど、楽しいクライミングでした。
その結実で出かけたのが、荒船昇天。4Pのマルチです。セカンド。青ちゃんの復習山行のお手伝いガールです。2P目とかはただのアイスだったので、私でもリードできるかもしれませんでした。未知のルートはリードしていいかどうか?自己判断が付かない感じでした。2度目なら、まぁいいでしょう。
ここは、4P目の落ち口が悪かったそうです。私が行ったときは悪くなかったので、そこまで大変に感じず。アイスにせよ、アルパインのロックにせよ、その日のコンディションで難易度というのは大きく揺らぎます。ので、私が行ったから簡単だ、と思うのは早計です。
男性クライマーってどうしても、その発想から逃れられないみたいなんですよねぇ…。
でも、ロープ屈曲して、流れなくなり、自分で自分が登れないようにしているような段階の人って、フィジカル的に難しいのや、テクニカル的に難しいのに挑戦するのではなく、易しいルートで、ロープの流れをしっかり作れるようになる、っていうのが、その人に妥当な技術課題だと思います。
技術課題を克服せず、フィジカルの強度だけをあげて行って、
身体エネルギーを発散したい人に向いているのは、ボルダリング
です。技術不要なので。今のクライミング界は、フィジカルの難易度を上げることだけがクライミングのすべてだ、という短視眼に陥っています。
高難度アルパインは、フィジカルの強さは、ただの基礎力。体力は、
・40㎏担げて歩きが遅くならず、
・5.12が、レッドポイントではなく、すいすいと5.9みたいに登れる力
が、
前提
です。そのフィジカルのさらに前提に
・確実なロープワーク
があります。誰ですか?ロープの計算もできない人は?
そして、この2点が揃った後で、その上に、
・悪いところに対応する力(テクニカル)
・度胸
が来ます。度胸だけで、賞賛されると思ったら、大間違いです。それは九州だけの出来事ですよ。
■ 山岳会に所属していても、新人教育をきちんと受けているかどうか?は、相手の人格次第
これまでの経験を総合してみると、
リスクをきちんと見れるようになっているかどうか?
は、山岳会に入っていない人のほうがきちんとしており、山岳会に入っている人は、全くダメ、ってケースの方が多かった。
特に山梨〇パインクラブの所属の人は、特にそうだった…
1)5.11がジムで登れるからバットレス4尾根
2)白亜スラブ
福岡〇の会も、もう新人教育がこなせなくなっている会のようだったし、ピ〇クルはもともとが助け合い前提なので、間違った知識が間違ったまま伝播していそうだったし、雪訓なしの冬山合宿なんてやっているからには、素人雪山から脱するのは無理だと思えた。
私はピッケルが必要な山にステップアップするニーズが出てきたとき、ピッケルを使いこなす目的で、各所を訪ね歩いたら、雪訓に至ったが、彼らはそうならない…。どこで思考回路がずれているのだろうか?世の中の人たちがみな、ピッケルを実際には使えもしないで、雪の山に登っているとでも思っているのだろうか?道具って持っているだけでは意味がなく、使いこなせないといけないんですよ?
山岳会の所属、非所属の問題は、
山岳会所属が抜け道化
することである。
なんせ、会に入っているから大丈夫なんじゃないの?と誰しもが思うわけなのです。
大丈夫という前提で仮免許が渡される。
ところが、試験を受けずにずっと仮免で路上に出ているわけで、他の人が行った座学がないので、とんでもない誤解をしたまま、10年も登り続けることになる…という事例が
白亜スラブ
の登攀でした。
私も、以上のことが勉強になりました。
相手がきちんとリスクを管理できているか?は、観察力で分かります。
・周囲で起きている危険行為にそもそも気が付いていない
= 危険予知お留守
= リスク管理お留守
です。
■ 回避すべきクライマーもようさん来てる
このブログのおかげか、外国人クライマーからは、問い合わせを良くもらいます。
しかし、一般クライマーには紹介できないレベル…。
はっきり言って、クライミングガイドに紹介するのが、適切なレベルの人がほとんどです。
したがって、その見分け方。
■ 見分け方1) 何を登りたいの?と聞く
一般的に、クライマー同士だと、
登りたい課題
があります。何を登りたいの?と互いに聞いて、答えが出て、それを交渉で、大体は交代バンコ、かわりバンコで、登る。
のですが、この問いをしても、
「みんなが登っているのを僕も登ります」
みたいな人もいます。つまり、大勢のクライミングに混ぜてもらって、おこぼれを登ってきたクライマーって言うのは、順番待ちの列に並んでいれば自分も登れるという、おかしな成長の仕方をしてきた人です。
クライミングは、何を登るべきか?というところからリスク管理の一環です。男性同士であれば、後ろをついて行けばOKかもしれませんが、そのようなクライマーのことを
金魚の糞クライマー
と一般的には呼びます。金魚の糞をされてもお荷物と感じない人はいいかもしれませんが、一般的にはお荷物かな。
■ 2)低身長の女性はパートナー選びに特に注意が必要
一般的な男性が安全なところと、一般的な女性が安全なところは全く違います。
低身長であることが多い女性は、相対的に非常に不利に課題そのものが作られていますので、自分で課題を選んで登るという視点がない男性クライマーと、女性が登ると、ひどい目に遭います。
クライミングにおけるひどい目というのは、一発で死ぬかもしれないリスクがありますので、分かっていない男性クライマーと登ることは、死活問題、です。
■ 3)低グレードクライマー
低グレードクライマーは経験値が浅いことが多く、上記の質問をしてみるべきです。
低グレードを登るクライマーでも、責任感がしっかりしており、自分でリードできるところを責任もって登るクライマーもいます。
私は、小川山は全部トップロープしか登れないナインアンダー時代は、西湖の岩場でリードしていました。ここも大変なランナウトです。しかし、ランナウトに対する対処法は、落ちない以外ありませんので、自分で落ちないレベルを向上するしかありません。またスラブは登るための練習がインドアジムではできませんから、外岩でトップロープを張ってもらう以外は練習する場所がないです。
危険が伴うスラブやクラックで、トップロープでスタートするのは、世界的標準です。
そこから、疑似リード、リードと進みます。疑似リードを飛ばしてリードさせようとする人とは登らない判断をしなくてはなりません。
疑似リードを飛ばして、リードに行くのは、時限爆弾を抱えたまま、グレードを上げるつまり引き金を引き続けることです。落ちて、カムが3つ飛んだ人を知っていますが、そのような人は、そこで反省をせず、自慢話にしてしまいます。
本来自慢になるのは、カムが一回も外れたことがない、という高い技術力のほうです。
■ ギアに不足がある人
ギアに不足があることについては、アルパイン出身の人は寛容です。私も寛容で、ギアどころか、ウエア一式を全部貸して、初心者をアイスクライミングに連れて行ってあげたことがあります。これは、ガイドがする以上のサービスです。
しかし、この伝統に胡坐をかき、最初から、ギア期待の人もいます。
おんぶにだっこで連れて行ってもらえるのを期待している外国人クライマーは多いです。これは、ホストする側が、相手へのサービス精神が過剰であることに寄ります。
一つはロープを所持しているか?があります。ロープは文字通り命綱ですので、他人のロープを期待すべきではありません。
また、確保器を持ってきていない人は、ロープと確保器の相性などの機微を理解していない可能性が濃厚です。ロープは現地の登山用品店で借りるという選択肢があっても、確保器は持ってくることが可能なものです。
確保器を借りるという選択肢は一般にクライマーにはありません。
■ トポだけで情報収集力がない人
トポだけが頼りで、そのほかの情報収集をしようという意識そのものがない人。
私は日本のトポの情報が頼りにならないことを、海外のトポを見ることで知りました。
ボルトの本数、
の情報が日本のトポには抜けています。ですので、トポだけを見るクライマーは日本では、ランナウトしたルートに容易に誘導されてしまいます。
ボルト本数が書いてあれば、たとえ、自分に適したグレードでも、避けて登らないでしょう。
ですので、日本を訪れるクライマーが低グレードを登りたいと発言する場合は、要注意です。
■ 高グレードでもインドアオンリークライマーのケースもある
オーバーハングが普通である石灰岩も、日本のクライマーとは理解が異なる場合が多いです。
特に人工壁上がりの人。人工壁では墜落は見せ場です。
外岩では、そうはなっておらず、特に日本の石灰岩は、ランナウト前提の花崗岩と同じポリシーで作られている歴史的経緯があるので、どこでも落ちるクライミングは許されていません。
岩場の個性ということを理解できるだけの基礎教育がないクライマー、特定の国、特定の岩場しか知らないクライマーは要注意です。
私のクライミング界の観察をまとめる。
結論:無免許運転で路上に出れば、事故るのは当然
という状態が、
放置されて40年
みたいな感じだったんだろうなぁ…。
■ 1)何年登っても新人状態
という状態が、ショートの岩場(クラッギング)しか知らないで、何年、レッドポインター登り=5.12波状攻撃登り、を積み上げても、
何年登っても新人状態
という状態を抜け出すことはできなかったんだろうなぁ…とアラーキーとのクライミングを通じて結論しました。
彼は私の”先輩”、つまり、山梨〇ルパインクラブでの入会は、私より先でした。
しかし、一緒に2年登った結果、彼は、ほとんど何も知らない人と同じだった、という結論だった。
ただ、腕力や体力が私より優れるだけでした。でも、それって男性なら当然ですよね、しかも年下の男性だし。
なので、最初に先輩だという意識が入った結果、私のガードが甘くなるので、初対面の人より悪い。
ここから学んだことは、男性クライマーは、最初にロープワークやリスク管理、危急時にどうしたらいいか?ということを”顕示的”に叩き込まないと、現場ではピンチが訪れるタイミングが、どんどん後ろ倒しになってしまい、一般的には、”こんだけ長い間登っていたら、大丈夫だろう…”と思われる期間…、例えば10年とか、でも、え?!なんでこんな初歩的なミスをするの?という状態になってしまうということです。例:白亜スラブ
私も逆クリップをうっかりしたり、ポッケにモノが入ったまま登ったりと、うっかり、というのはありますが、うっかりレベルではない、肝心かなめの肝…
例えば
ロープ長
など、死に直結するような、必ず外してはいけない点、というのがあり、それを外してしまう。その結果、
一発であの世行き
の可能性が、ぐんと高まります。その可能性を下げる努力がゼロだからです。
ゼロというより、形骸化している、って感じですかね?
やったふり、ってことです。
■ 2)言語化能力が低い
結局、山やクライミングに行っても、そのプロセスで学んだことを言語化はできていないので、その能力の低さのために、
自ら学ぶ
とか
1を学んで10を知る
ことができないのだと思います。
それは、おそらく言語化能力の低さによるものです。
そのため、皆が、阿吽の呼吸でやっていることが、習得できないことになります。
■ 3)共感力が低い
クライミング界では、相手を危機に追い込む人がいます。
1)ビレイで
これは分かりやすく、へたくそビレイヤーですが…。体重差があるクライマーで重いほうが下の場合のびったんこビレイが、登っているクライマーに負担であることは知られていないです。
2)中間支点への意識が低い(ランナウト)
これは、人工壁でのクライミング慣れの弊害です。
ボルトの間隔が外の岩場では大きく異なることを最初に明示的、顕示的、言語的に教える必要があります。
3)グレードの無意味さ=様々な体力レベルへの理解の無さ(共感力不足)
一般的な身長のある男性同士でしか登ってこなかった歴史上の経緯から、一般的な身長でない人にとってグレードは意味がない、ということが分かっていない人が多数です。
グレードは、男性を基準に儲けられているので、女性の体力では意味がないです。
10cは女性の体感では11cです。これは歩荷が女性にとって25㎏と男性にとっての35kgがほぼ同じ重さに感じられるのと同じです。
そもそも、筋肉量が違うように、届く場所も違うのです。
同じことで子供に対しても、標準男性を基準にしたグレード意味がないです。
4)リーチに対する理解の無さ
子どもには子供向け課題があるように、リーチの無さは、実力とは全く関係がない、白黒タイプのリスクです。
男性でも、子ども並み身長、女性並み身長の人に登らせれば、同じことが起きます。
■ 4)低いボルト強度の岩場の量産
カットアンカーの支点を再度カットアンカーでリボルトしてしまうというミスのことです。
情報弱者に陥っている開拓者が全国レベルで存在すると思われます。
特に70代、60代の年配のクライマーは人生の集大成として、開拓に取り組む人が多く、その中の一定数は開拓未経験者ですが、従来の山岳会の上位下達システムが壊れた結果、正しい情報はSNS経由でしか伝播しませんので、結局IT弱者が開拓するということになると正しい情報が伝達されないため、です。
ただ、事故については、ボルトの脱落事故というよりは、外のボルトを人工壁並みに信頼して、どこでも落ちてしまう悪習慣が事故を作っています。
そして、カットアンカーの使用によって時限爆弾を仕込んでいるという状態になっています。
これは結局リボルトになるので、次世代へのつけを回しているだけになります。
■ 5)ボルト追っかけクライミング
ボルトを追いかけるために、なんだか自然の造形である岩との対話を軽視する人、多数な現在。
その結果、作り出しているのが、
グレードおっかけの大量のナルシスト集団
という結末に陥っているのがクライミング界の悲しいところです。
これは情状酌量の余地もあり、初期のマーケティングでは、男性たちの勧誘に、カッコよさ、が強調されたためだと思いますが、行き過ぎて、もはやカッコ悪い羽目に陥っている。
現在ボルダラーの世界では有段者はゴロゴロしています。しかし、どの人もパッとしない。
花開いていない感があります。
クライミンググレードだけではマネタイズしません、という明らかな事実を見落としている。
クライマーとしての開花方向が、有名になる、という一点に凝縮しており、有名になっても、それだけで食える世界はクライミング界にはありません。
トップクライマーである、世界のユージがクライミングジムを経営していることからも明らかでしょう。室井さん、小山田さん、みなジム経営者です。
アルパインのクライマーなら、皆がガイドです。
能力をマネタイズするという視点が欠けると、誰かに自分が登るためのお金を出してもらおう、みたいなことになります。
それがかっこいいことか?というと? 疑問ですね。
キング… お茶畑で鶏を飼う生活は楽しかったです♪