ぺてらんの人の過去の栄光話って、これなんですかね?
「ナルシストの尊大さは恥を隠すための虚勢である」という従来の説に対し、近年の研究では「単純に自分が大好きで、自分をより良く見せたい」という**自己高揚(Self-enhancement)**が原動力であるという見方が強まっていますね。
心理学における「自己高揚」について、わかりやすく解説します。
自己高揚(Self-enhancement)とは?
自己高揚とは、**「自分の能力や特性を、実際よりもポジティブに捉え、評価しようとする心理的傾向」**のことです。簡単に言えば、自分に関する情報を「盛り」たい、あるいは「自分は価値がある人間だ」と強く感じていたいという欲求です。
自己高揚には、主に以下の3つの側面があります。
1. ポジティブ・イリュージョン
客観的な事実よりも、自分の知能、外見、性格などを高く評価することです。「平均以上効果」とも呼ばれ、「自分は平均的な人よりも優れている」と思い込む心理が含まれます。
2. 肯定的な自己呈示
周囲の人に対しても、「自分がいかに素晴らしいか」をアピールしようとします。ナルシストが自慢話をしたり、華やかな生活を演出したりするのは、この欲求が強いためです。
3. 防衛的メカニズム
自分に対するネガティブなフィードバックを無視したり、失敗を他人のせいにしたりすることで、高い自己評価を維持しようとします。
「恥」と「自己高揚」の違い
ご質問にある通り、従来は「ナルシストは内面に深い『恥』の感情を抱えており、その反動で尊大に振る舞う」と考えられてきました(脆弱なナルシシズム)。
しかし、多くの現代の研究(特に「尊大なナルシシズム」に関するもの)では、彼らの行動原理は以下のように分析されています。
| 特徴 | 恥(脆弱性)ベース | 自己高揚(尊大さ)ベース |
| 動機 | 嫌われることや拒絶への恐怖 | 賞賛されたい、優越感に浸りたい |
| 自己像 | 実は自信がなく、傷つきやすい | 本気で「自分は特別だ」と信じている |
| 他者の目 | 他人の評価に怯えている | 他人を自分を輝かせるための「観客」と見る |
なぜ自己高揚が「尊大さ」につながるのか
自己高揚が極端になると、他者との比較において「自分は特権階級である」という感覚(特権意識)が生まれます。
「自分は特別だから、ルールを守らなくていい」
「自分は素晴らしいから、賞賛されて当然だ」
このように、自己高揚の欲求が「他者への配慮」を上回ったとき、周囲には「傲慢で尊大」と映る振る舞いとして現れます。
まとめ
ナルシストにとっての自己高揚は、欠点を隠すための「盾」ではなく、自分をさらに高く掲げるための「ブースター」のような役割を果たしています。彼らは自分を素晴らしいと信じることで、高い自尊心と活力を維持しているのです。