■これまでのあゆみ
前史:2009~2017年 山梨時代
ヨガのインストラクターをしつつ、雪山からアイスクライミング&トラッドクライミングへ。 クライマーとしての詳細はこちら。
夫の仕事の転勤により、福岡へ3度目の転居。同じタイミングでUIAA『登山総合ハンドブック』の出版依頼を出し、出版される契機をつくる。翻訳依頼を受けるが、固辞。
以後、クライミング教育の不在により、僻地と言える九州でのクライミング環境の悪さに、クライミング自体をあきらめ、クライミングによる地域おこし活動へ、活動内容をシフトする。
■ ここから
2017年 クライミングによる地域おこしに取り組みを開始する
・積雪期登山ガイドステージ2を取得 筆記試験・実技試験 合格
2018年 岩根山荘でアルバイトし、川上村について知識を得る
カウチサーフホストを実践し、外国人(クライマー含む)のゲスト対応。
同時に、福岡市公認・観光ガイドを個人事業主として行う
スタートアップ福岡(市主催の起業家塾)に参加し、クライミングの普及を今行うと事故がただ増えるだけであることを強く自覚する
2019年 ゲストハウス天空の茶屋敷でゲストハウスキーパーを行う
TheCrag.comからの依頼で、日本で唯一の翻訳者となる
3月 岸良クラックで肉離れし、クライミングできなくなる。
9月12日 膝を亜脱臼し、登れなくなる(3年)。
2020年 九州で普及しているカットアンカーが、現代では不適切なボルトであることが判明し、JFAが協力に来てくれる。日向神でリボルトが行われる。
https://allnevery.blogspot.com/2021/04/21.html
・岩とお友達になる会を発足し、子供たちに体験クライミングを行う無償活動を行う
・大分八面にクライミングによる地域おこしを提案する
・熊本五木村にクライミングによる地域おこしを提案する
・農業を覚えるため、マキイ農園で農業のアルバイトをスタート
2021年 農業研修に参加し長崎県大村市で、クライミングによる地域おこし提案を行う
林業就業者支援講習に参加し、自伐型林業×クライミングの可能性を打診する
日本フリークライミング協会の奥村さんが佐賀県にてビレイ講習をしてくれる
2022年 2月、うつ病発症し、一年あしぶみ。栄養療法に取り組む。
・和歌山県色川地区に農業研修に出かけ、南裏健康さんの幼馴染の方から、ニワトリのトサツを経験させてもらう
・天草に牛・豚の放牧の勉強に出かける。だるま放牧豚さん。
・悪性貧血によるうつ病を発症
・11月 熊本水上村にてログハウスビルド講習会に参加する (国産材を用途開発)
・1月 奥村講習2度目 たぐり落ちのキャッチ
2023年 うつ病治療のため、分子栄養学を学び、ONE(Orthomoleculer Nutrition Expert)を取得する。以後、栄養相談窓口開設。
2月 北海道・旭川および下川町へクライマーがやっているゲストハウスを視察に行く
3月1日 アキレス腱断裂。一年のリハビリ期間を余儀なくされる。
水泳を習い、フラッシュバック(トラウマ)を克服する
2024年 立山で夏山小屋バイトを行う。9月、瑞牆に空き屋を見つける。
■ 当方の共同生活経験&宿泊スタイル
・学生寮にて7名の女性同士での共同生活経験(自炊、トイレ、バス共同)
・アメリカサンフランシスコ郊外での住み込みバイト経験
・アメリカサンフランシスコ市内でのシェアハウス経験(6か所、含むゲイ・レズビアンとの共同生活。高齢者・子供)
・オーストラリア・メルボルンでのシェアハウス経験(水彩画アーティストの家など3か所)
・東京・中野でのシェアハウス経験 個室&女性
・Wwoofにて共同生活経験
・夏山小屋バイト(五竜山荘・大日小屋 個室なし)
・ゲストハウス運営(天空の茶屋敷)
・ラオスグリーンクライマーズホーム ドミトリー
・台湾 The Bivy ドミトリー
・その他:車中泊、無人小屋、雪中テント泊など…女子にしては大概のところで泊まれます
■ 空き家再生系の勉強
このほか、以下の空き家再生系の勉強も行っています。
1)5年にわたる不動産の監視と勉強(含、山梨時代)
2)空き家プロジェクトIn福岡でのセミナー参加
3)建築不可物件再生セミナーへの参加
4)地域おこし協力隊 募集要項を規定するコンサルタント集団の勉強会参加
5)グロービスインパクト投資担当の山中さんへ相談
6)いくつか不動産関係のHPのウォッチ
7)不登校の子どもの支援をしている大村のまさみさんとの出会い(地方移住経験11回)と大村への定住のアシスト(人と人のマッチング)
8)エンジョイワークスでの空き家再生プロデューサー講座への参加
9)空き家レンジャーへの参加
10)当方の空堀の転勤留守宅の活用の試み
■ 提案リスト
https://allnevery.blogspot.com/2023/06/blog-post_34.html
ずいぶん長い道のりを来ました。
ここまで、無給&無休で働いてきた気がします。途中、怪我により、クライミングそのものができなくなり、栄養療法や水泳によるリハビリ期間などを経て、心理療法のカウンセリングを受けることになりました。これまで、活動にトータルで約300万円ほど出費しているのではないかと思います。
■ クライミングによる地域おこしは前途は有望だが、日本側の用意ができていない
クライミングによる地域おこしは、前途は大変有望で、世界のアウトドアアドベンチャーツーリズム市場は75兆円市場です。特に、サーフィンやスキーでは、すでにサーフィンの町○○、やスキーの町〇〇ができており、定住者が出ています。町に必要なのは、町に所得をもたらしてくれる定住者で、観光客ではありません。定住者の所得は町のGDPになります。もちろん、観光で来てくれてお金を落としてくれるお客は大事ですが、そのお客だった人が定住してくれ、地域にビジネスをもたらしてくれることが何より大事なのです。
しかし、日本の登山界は、後発国にすら後れを取るくらいで、近年、遭難者数がうなぎ上りで、私が登山をスタートした2009年以前から、ずっと毎年最高を更新中です。特に安易な市場開放による事故数の多発は、警察や消防のマンパワーの浪費につながり、富士山はすでにオーバーツーリズムの弊害が出ており、それは、北アも同じでした。今年、立山に小屋バイトに出て、小屋バイトメンバーすら日本人では集められず、中国人などの他国の人に頼らざるを得ない実態を見ました。一方、登山教育は後ろ手なので、すれ違いの仕方程度の一般的な登山マナーも周知徹底されず、トレラン流行による登山道の荒廃は深刻でした。
安易に山を開いてしまうと、どういうことが起こりそうか…ということは簡単に想像がつきます。
クライミングで第二のニセコを作ってしまうようなことは避けねばなりません。
一方、日本人クライマーへの新人教育不足も深刻で、国内クライマー自体がまとまりがありません。一致団結していないので足を引っ張り合っているので、岩場の整備も進まず、危険なまま放置され、事情を分かっている古いクライマーが、細々と登り続けるということがつづいているのが、日本の外岩クライミングの現状です。
アウトドアの岩場の安全性はボルトによって担保されていますが、アルパインのルートの持つべき倫理観と、フリークライミングの倫理観は全く異なるので、この両者の違いが明確につけられないクライマーによる相互の領域侵害が顕著で、業界内のリーダーシップによるアルパインとフリーの区別が求められています。
行政担当者は知らない、分からなくて当然ですので、クライマー界が自ら取り組まねばなりませんが、いかんせん、活動の原資になる収入がないとなかなか取り組みが進まない、という悪循環にあります。
日本のアウトドアアドベンチャーツーリズム、そして、その中でアウトドアのロッククライミングということを見た場合、国内トップクラスの、アウトドア資源県は山梨県であり、北杜市である、ということは、議論の余地がありません。山梨・北杜市は、全国から前途有望な若いクライマーがこの地に移り住み、クライミングのトレーニングにいそしみたいと願うような土地柄です。このことを北杜市が知らず、一般的な観光のほうが優先されているのは、ひとえにクライマーが貧乏で、お客として見た場合、魅力がないからです(笑)。
しかし、今はやりのSDGsという意味で見た場合、クライマーは、貧乏であることから、清貧をいとわない人種ということは言えると思います。
そのため、パーマカルチャーなどのエコロジーな取り組みとクライマーの価値観は相性がよいのではないか?と思っています。
■ トラウマ、脱臼、アキレス腱、鬱病…数々の試練を乗り越えて
言語獲得以前の幼少期に父親に水に突き落とされ溺死しかけたことがクライミングによってフラッシュバックで蘇るようになり、考えの浅さにより、他者を命の危険に陥れるという、”未熟な男性性”を持った男性に対して、”強烈な怒り”を未解決の感情として、持っていたのが原因で、逆にそのような人を投影、シャドーとして引きよせることになり、クライミングをきちんと教えていないクライミング界全体に対して、非常に強い憤りを感じ、そのことが、夢の実現の障害、となっていたことが判明しました。
カットアンカーは、もはや古く、グージョンが今では主流だということについて教えに来てくれた井上大助さんを始め、現代のボルトについて論文を書いてくれた黒田ガイド、ビレイ講習を開催しに来てくれた奥村さん、また、屋久島にてクライミングによる地域おこしに取り組んでくれたジャンボさんや倉上さん、そして、リボルトしてくれた新田さん、また、最後にアルパインクライミング協会を立ち上げてくれた菊地さん…などなど、私個人のためではなく、ましてや私心のためではなく、クライミング界全体の福祉や公益のために立ち上がってくれた皆さまに感謝申し上げたいと思います。
現在も続々クライミング教育の不足を補う企画がたくさん出ているような気がします。
現在、当方のところには、見知らぬ外国人クライマーが、時折、クライミングすべきルートはどこか?とか、〇〇の岩場に行くが宿泊はどうしたらよいか?などの問い合わせが来ている状態です。”クライミングスチュアード”としての役割を初期の形態で担いつつあります。
当方ブログのいくつかある、英語記事は、そうした海外クライマー向けに書いたものです。
外国人クライマーたちは、確実に日本にクライミングに来たいと考えているでしょう。
ただ、日本の現状の岩場の状況ですと、スポートルートは、ボルトが40年前のままの岩場と新しいボルトの岩場の見分けが、外国人でなくても、日本人の新人クライマーでも、つきづらく、案内人なしのゲレンデクライミングは考えにくく、ジム上がりクライマーにとっても、ラオスの岩場のように普通にリードで取りつくことがお勧めできる岩場は、小豆島、程度でしょう。(まだ行ったことがないですが)
また、日本のグレーディングが海外と比べて格段にばらついている、という事情が、ボルトが、たとえよくても、気楽にとりつけない事情となっています。5.9ではじかれるのは、ランナウトが普通に起こっているためです。少なくとも日向神では5.9、ヨセミテ仕込みとかいう普通の外国人クライマーは登れませんでした。
ボルダーは万人に薦められるものの、岩そのものが見つけにくいという問題があります。こちらも案内人(スチュワード)を職業として確立するほうが、事故を防ぐには良いかもしれません。
スポートルートの岩場のボルトの現状は一朝一夕には変わる見込みはありません。
以上のような理由から、外国人が仮に登りに来る、という場合は、まずは上級のクライマーからというのが、事故を防ぎつつ外国人に日本の岩場の良さを知ってもらうには、良い、最初のステップだと思います。
上級者のトラッドクライマーであれば、ボルトは不要で、事故も少ないのではないでしょうか?
というので、日本を代表するトラッドの岩場として、また、トラッドの登攀に関する厳しいクライミング倫理観を持つ岩場として、瑞牆は、良い取り組み先ではないかと思っています。
瑞牆からのスタートを計画しています。