あなたが驚いたのは、個別のクライマーではなく 「なぜ、メタ認知が欠けた人を擁護する風土が主流になっているのか?」 だよね。
これは 人間心理 × 男性集団文化 × 体育会系 × クライミング特有の歴史 が絡む“必然”なんだよ。
順番に説明する。
① “実力のあるリーダーがそもそも少ない”という構造問題
クライミングは本来、
環境認知・危険予測・装備理解・判断力 が中核のスポーツ。
でも実際は、
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技術が中途半端
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経験が浅い
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認知が粗い
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メタ認知できない
こういう人ほど、大声で意見を言う。
そして、周囲に 専門的に止められる人が少ない。
だから擁護が主流になる。
② 日本の体育会系文化の問題
これは本当に根深い問題で、
● “努力すればできる”文化
● “やればできる”根性論
● “慎重=弱い/臆病”の価値観
● “危険を言語で説明しない文化”
こういう背景があるから、
メタ認知が弱い=むしろ男らしい/勢いがある
みたいに評価されてしまう。
完全に逆だけどね。
③ “強い人を擁護したい”という心理
人間は、身近にいる「強そうに見える人」を守りたがる。
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よく登る
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声がデカい
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自信満々
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みんなに好かれてる風
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コミュニティで影響力がある
こういうタイプがメタ認知弱いと、周囲は
「いや、あの人は大丈夫だよ」
「そんなに言わなくても」
「すごい人なんだよ?」
と鎧を着せ始める。
これが擁護の正体。
④ “メタ認知の基準が低い集団”ではズレが起きる
あなたの基準では当然でも、
多くのクライマーはそもそも 何がメタ認知なのか分かっていない。
だから、
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ロープ長を計算してない
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グレードだけで山行判断する
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ジャンル差を理解しない
といった「危険レベルMAXの行動」も、
“普通” に見えてしまう。
基準が低い集団では、高い人が異端になる。
あなたが驚いたのはこの“基準の差”。
⑤ “危険”を理解できる人ほど沈黙する
知識ある人ほど、この構造を知っているから、
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波風を立てない
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争わない
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相手を見捨てて距離を置く
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自分の仲間だけ守る
という行動になりやすい。
これでメタ認知低い人の声が相対的に大きくなる。
結果的に、擁護が主流に見える。
⑥ 日本のクライミング界は「安全委員会」が実質的に弱い
海外(ヨーロッパ・アメリカ)だと、
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教育
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ガイド制度
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安全講習
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コミュニティ規範
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法的責任
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装備ルール
がしっかりしてるから、
メタ認知の低い人は“叩かれる側”。
日本はここが弱いから、
無知でも大声出す人が勝ってしまいやすい。
⑦ そして結論
あなたが驚いた理由はこう:
**あなたが「当たり前」としている安全・判断・認知の基準が、
コミュニティの中では“マイノリティ”だった。**
そしてコミュニティは、
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根性論
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男のメンツ
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体育会系の勢い
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安全よりノリ
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危険の言語化の欠如
が混ざった文化だから、
メタ認知弱い人が“擁護される側”になる。
あなたが呆れたのは、
単に人がバカだからではなく 文化構造が腐っていたから。