さて、これは私のアイスクライミングの記録ですが
https://iceclmb.blogspot.com/2017/03/blog-post_85.html
ホントにまっとうな記録というかですね…
九州で経験したトンデモクライミングとの差がほんとに顕著というか…
火曜は恒例の日帰りクライミングへ。南沢小滝・大滝リード練習の予定。
朝、家を出ると、この日は、上空の雲が落ち着かない様子で、空が騒々しかった。空気は温かいが、上空に500ヘクトパスカルでー33度の寒気が入っているハズだったので、氷は良いだろうと思われた。寒い日用のビレイパーカにする。
7時樅の湯で待ち合わせると相方はもう到着していたので、さっさと出る。八ヶ岳は久しぶり感があった。美濃戸口でチェーン装着。美濃戸まで、林道は凍結していてカチンコチン。今日の核心は林道。
慣れた南沢コースは凍結でところどころよく滑る。がアイゼンなしで歩く。チェーンアイゼンも持っていたが、わざとつけなかった。
山は悪くもなく良くもない、アイス日和り。今日は稜線は風が強く良くなさそうだ。下で山下ガイドに会う。お客さんを連れて中山尾根だそうだった。
すぐにあったかくなり、ウエアを脱ぐ。
■ 易しくなっている

2017年3月14日の南沢小滝

私のリードライン まずまず

となりのラインを擬似リード
小滝に着くと、デカくなってる。発達したなぁ。小滝は結構寒かった。まだ、3月だしなぁ。山は山だよなぁ。山は、寒いのが当然。
近づいてみると、4級で易しそう。というので、早速リードで取り付いて、まぁ、何と言うこともなく、完登。
リードしたラインを写真に収めたいため、スクリューは回収を相方にしてもらって、回収。
リードするときに、どこに打とうかあらかじめ考えてから、取り付くので、その通りに打てるとうれしい。
ところどころ、スカスカでスクリューから氷の削りかすが出てこない(汗)。
「まぁいっか」と進んだら、「ダメでしょ」とダメ出し。そうだけど、登るほうが簡単(汗)
■ リードは時間がかかる=ビレイが長い
しかし、リードは時間がかかる。登っている方も退屈だし、ビレイしている方も体が冷えた退屈。
私は手の力が弱いので、スクリュー設置も、時間がかかる、食い込みがねぇ。それで、ちっとも楽しくないわけだねぇ…と理解。
ルートでのリードは、この先へ行きたい!という気持ちが先行しているが、ゲレンデのリードは、なんというか、ノルマ(笑)。
”ビレイが長いこと”には、アイス1年目で気が付いた。縦走ではスカルパの冬靴で凍傷にならなかったのに、アイスのビレイ中に指が黒くなり、慌ててダブルのブーツを買ったんだった。
■ 大滝
とりあえず、他のラインでも擬似リードでスクリューうちの練習をして、大滝へ移動。11時。

大滝 まだまだ行けそう
大滝は、デコボコだらけで易しそうだった。ビレイ支点を左に取る。

大滝 右は短い凹角
私は右のラインならリードできると考えていたが、そのビレイ視点から見ると、真ん中のラインも易しそうだった。
ただ大滝は場合によっては6級になることもあるので、パートナーにリードしてもらう…。パートナーは意外なラインを行く。そこは悪く、途中でプロテクションが悪く、2か所打ち。
うーん…。とりあえず、回収は私にしてもらう。登ってみたら登攀は易しかった。
隣の右のラインを擬似リード。やはり、プロテクションを打つ場所を想定しながら登る、という登りがまだ出来ていないようだ。
しかし、登攀は易しく、二人とも、飽きが来てしまっていた。スクリュー打つ=時間がかかるだけで、あまり楽しくない(笑)。退屈モードが場を支配する。
最初に登れそうと思ったラインをパートナーの青ちゃんがリードしたので、ロープを引きぬいてもらう。
ピンクでリード。要するに、私がスクリュー打つと、単純にまどろっこしいのです。ピンクだったら、何の問題もないので、ピンクでリード。
でもピンクでリードしても、勉強にはならない。
■スクリュー打ちが課題
クラックと同じで、スクリュー打ちが課題(汗) スクリューをスムーズに速やかに打つ。
■ 早く一ピン目取って~
アイスは落ちないので、別に一ピン目が遠くてもいいのですが、ビレイするほうの気持ちとしては、できるだけ早く、保険が欲しいものです。
その気持ちをパートナーにも味わってもらえてよかった(笑)日ごろのお返しです(笑)。
私がビレイする側なので、いつも冷や冷や。今回は、早めに1ピン目を入れる習慣を放棄して、上でしかロープを掛けなかったので、「どうせ落ちないんだから、どうせなら、もうスクリュー打とうよ~」などと、弱音?を吐いているパートナーでした。クライマーのことがビレイヤーは心配なんです。大体、私は、1ピン目を入れてもらう前は、大滝の場合は、ゼロピン目を取っています。ゼロピンがなければどうなるか?クライマーが落ちるとビレイヤーは直接クライマーに引かれて大変になります。ゼロピン目があれば、上に引かれるのです。上に引かれれば体重で下に引けます。ゼロピンがないと自己脱出もできなくなります。ゼロピン目は、ビレイヤーのため。
ゼロピン目は、2ピン入れたら外します。なぜなら、屈曲が大きいとロープが流れなくなるから。2ピンあれば、クライマーを墜落から守るでしょう。まぁ、アイスでは落ちては決してダメですが。
途中、吹雪いてきましたが、下の茅野が寒気に襲われている様子が山の上から見えました。
ピンクをしたら、もう15時で、おうちに帰る時間。ここは登攀自体は、階段で易しくなりすぎており、二人とも退屈だということを確認しました。
退屈な割に、私の左手の腕力は、7~8本程度のスクリューうちが楽勝というほどには腕力発達していないようで、スクリューうちの体制作りと慣れの問題と確認して、帰路につきました。
大滝は登攀にはもう問題がないので、12月の難しい氷の時期に、スクリュー設置の練習を済ませ、パワーをつけてから再訪することに。それが一番良い。
むち打ち症が復活してしまい、またビレイが困難になってしまった相方。帰りに首の後ろのツボを押したら、「ゴッドハンド」なんていう褒め言葉をもらいました。
まぁ、救急救命法の講習で、自分が止血は得意なのは知っていましたが、ツボ押しもヨガで慣れてしまったんでしょうか(笑)。
理想とするクライミングの特徴(抜粋まとめ)
1. 落ち着いた計画性と状況判断
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天気図(500hPaの寒気)や気温を読み、氷の状態を予測して行動。
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山の状況を見て装備を調整(ビレイパーカの選択など)。
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林道の凍結・風の強さなど、その日のコンディションを冷静に評価。
→ 無理をせず、状況を受け入れて淡々と対応していく姿勢。
2. 落ち着いたルーティンと安定した技術練習
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南沢小滝・大滝という定番のゲレンデで、予定通りにリード練習。
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プロテクションの位置を事前に想定し、計画的にリードする。
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擬似リードで安全にスクリュー打ちの技術を磨く。
→ 技術を積み上げるための 「正攻法の練習」 が中心。
3. 無理に難易度を追わず、段階的に成長する姿勢
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小滝も大滝も「易しく見えても侮らず、でも過剰に怖がらない」バランス。
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安全を優先しつつ、今の自分にできる範囲で確実にスクリューを打つ練習。
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12月の硬い氷の季節に改めてスクリュー練習しようという、長期的な視点。
→ 競争ではなく、自分の技術を丁寧に育てるクライミング。
4. パートナーとの健全な信頼関係とコミュニケーション
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スクリュー打ちの「まどろっこしさ」も笑い合える余裕。
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ビレイヤーの心理(早く1ピン入れてほしい)を理解し合う関係。
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ゼロピン目の役割など、互いの安全性を考える丁寧さ。
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帰りにツボ押しで感謝されるような温かいやり取り。
→ クライミングが「競争」ではなく 協働作業 になっている。
5. 過度なスリルではなく“安定感”のある登攀
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登攀自体は「階段のようで易しい」・「退屈なくらい」。
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九州で経験した“トンデモ”とは対照的に、すべてがまっとう。
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危険はしっかり管理しつつ、刺激ではなく質を求める。
→ 平穏で安定したクライミングこそ理想 という価値観が明確。
6. 客観的で淡々としていながら、内容は的確
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氷の状態、登攀の難度、技術的課題(スクリューの食い込みなど)、ビレイの冷えのことまで分析的。
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楽しさだけでなく、課題や改善点を冷静に把握。
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無駄に盛らず、誇張せず、誠実な記録。
→ 安全性 × 技術 × 冷静な観察 という理想的な三要素。
◎まとめ:あなたが“理想”とするクライミングとは
無茶をせず、冷静に状況を判断しながら、
パートナーとの信頼関係の中で、
技術を一つずつ積み上げていく、
落ち着いて穏やかなクライミング。
危険な賭けや無謀な挑戦ではなく、
“まっとうで、誠実で、丁寧なクライミング”。
確かにそういう価値観が強く感じられます。