2023/05/08

クライマーの現実逃避をレイ・ダリオの経済史観から知る

■ 投資の勉強

最近、レイ・ダリオをAIに教えてもらいました。

彼の経済史観を知って、いかに自分が現実逃避をしていたのか?ということを知りました。

こちらです。

レイ・ダリオの経済史観 

Principles for Dealing with the Changing World Order by Ray Dalio

発端は、今が10年に一度の恐慌前夜であることなのですが…いやはや… お仕事していたら、経済を俯瞰的に見てみよう、という時間など取れないですよね。

というので、今は、簡単に言うとアメリカの覇権が終わりつつあり、中国の覇権に切り替わる潮目の始まり、みたいなところにいるということです。

スコーミッシュより、リーファンに行きたいかも(笑)?

■ ” 現実逃避”としてのクライミング

クライミングって、基本、遊び。

だから、37年間も『高みへのステップ』はアップデートされなかったんではないですかね? 

めんどくさいこと、嫌なことを後伸ばしにする、プロクラスティネーションを重ねに重ねて、37年、みたいな。

その間にすっかり、米ソ冷戦時代は終わり、アメリカ一極時代も終わり、もはや、中国パワーすら陰りを見せているような様相。ブリックスの時代の始まりも感じさせますが。

New World Orderができつつある中で、戦後70年、未だに護送船団方式で、まるで江戸時代みたいだった日本の実業界でしたが、さらに輪をかけた封建制度ぶりの日本のクライミング界…の謎が最近解けた…

ずっとエイドクライミングをクライミングだ!!と、指導者のおじいさんたちは思いこんでいたんですねぇ…。

国内のアルパインロックのルートは、もうオールフリーで登られて久しいみたいですよ。

私が理解できなかったのは、錫杖とか、ハーケン抜いている上級クライマーが義務として、そうしたことを行っている一方で、なんで今どきハーケンを回収しないで、残置して登っていくクライマーがいるのか?ってことでした。

山岳総合センターでは、まったくクライミングしたことがない受講者にもハーケンを打たせますが、そのハーケンは、フォローが回収する、というのが基本です。七倉沢でやりました。

■ 時代遅れの日本

大阪での20年のOL時代を終わり、物産OLも終了して山梨に来た時、山梨は30年遅れていると思いました。一般社会のIT弱者度合いがひどいって意味です。

当時私達夫婦は、スマホにGPSを入れて軌跡を取り、読図を勉強していました。

その後、福岡に来て、福岡のクライミングは、山梨の30年遅れだと思いました。しかし、こちらの人がそのことをなかなか自覚できない。

赤信号をみんなが渡っている土地柄のところでは、それが赤信号とは分からない、ということみたいです。

一つの土地にずっと住んでいるだけでは、世の中の流れは、全く見えて来ないということですね…。

皆でクライミング史の歴史の針を先に進める、という合意ができるような世界がいいですね。

ほんと、ただ突っ立っているだけ=現実逃避、という態度が、クライミングだけでなく、ありとあらゆる社会の面にあらわれている日本…。

衰退するのも、まぁ当然ですわな。

沈む船と一緒に沈没する道を君は選ぶのか?


2023/05/07

【ネタ提供】 ミニマムボルトって一言で言っても…

 ■ミニマムボルト論争

エイドのミニマムボルトとフリークライミングのミニマムボルトでは、意味がちがうよなぁ。

A)エイドのミニマムボルト=ただ距離を稼げばいいだけの思考停止ボルト配置

B)フリーのミニマムボルト=岩と対話しつつ、ここだけは外せないというところに打つボルト

ただの思考停止でしかないA)のボルト配置が、B)の栄誉ある配置と同じ厚遇を受けることになっているのが問題なのであって、

ミニマムボルト自体は、自然界を保護し、フリークライミングのスタイルを向上する素晴らしい理念

です。

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ミニマムボルトとは?

・自然の保護と調和: 自然環境への配慮や保護を重視し、岩や地形の自然な特徴を活かすことを目指します。
 

・ボルトの最小限の使用: ボルトは必要最低限の場所にのみ設置され、クライマーが自己保護やフォールのリスクを最小限に抑えながら登攀できるようにします。
 

・伝統的な保護具の使用: ナチュラルプロテクション(結びつけたナットやカム)などの伝統的な保護具を活用し、ボルトに頼らずにルートをクライムします。

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そもそも、エイドで打てば、自然地形は全く生かしたことにならない。

日本のクライミングの国内事情的に、A)で打った人が、Bの理念にフリーライド、つまりタダ乗りしている。

フリークライミングで、価値があるのは

1)そもそも前提として、フリークライミングで登られていること (初登がエイドって…汗)

2)ボルトがプロテクションとして機能すること(ランナウトしてはただの飾り)

3)必要最小限(ミニマム)であること 使える場合は、ナチュプロ

4)グランドアップであること

です。

この前提が崩れて自己規律がなく、

・エイドルートなんですー (グランドアップっていう言い方してるけどね!)

→ フリー時代になったので、そのままボルトうちましたー (しかも上からぶら下がって)

=日向神

みたいなことになっているとしたら、かなりイケてないです。上記のシナリオになっているかどうか?は個人の開拓者のポリシーや倫理観によるのかもしれませんが、クライマーって

「ねぇねぇ、最近はラッペルOKなんだってよー」

「ほんと?ぶら下がってボルト打てるの?ラッキー。ラクな時代になったねぇ」

とかって、自分のラクな方向に物事の意味捉えていませんかね??

ラッペルルートができた理由って、そもそもグランドアップでは、かなり易しい課題でないと、ボルトうち資材一式持って登るの無理!みたいなことになったからだと思うんですが…。

随分前にリンヒルが女性クライマーだけで開拓する動画みましたが、彼女が日本の開拓結果を見たら、Oh My God!なんじゃないですかね…もったいなさ過ぎて。

岩の形状を活かす、とか、課題の質…って事を考えず、量産、ってことを考えた結果なんだろうか…。

国内の地域クライマーは、変なコンプレックス持っているから、あんまり思想的な正しい内容を語る人がいても、話を聞かないかもしれないですね…。

都合いい解釈に収まるほうが先になっちゃって…。

だれか、きちんとグランドアップで開拓されたミニマムボルトが、安全の確保に必要最小限で、素晴らしく美しい調和を持っている様子を語ってください。

そういう詳述がないと、言語化能力が足りなくて理解ができないのかもしれない。

今では、どっちが命知らずクライマー化の競争みたいなことになっている。俺だって命かけたんだぞ-、みたいな。確かに抜け落ちそうなピトンに体重預けるのって、勇気がいりますよね。 フリークライミングだからって威張るな!みたいな感じなのかな?

そんなことを思いました。

伝統的クライミングのスラブで、ランナウトしても、落ちる時、体の摩擦で停めたらいいだけですけど、同じ距離のランナウトをオーバーハングでやったら?とか、発想自体ができないのではないかしら?

みかんとりんごを比べるようなことになっているってことです。

日本は儒教の国なので、後発のフリークライミングが割を食って、日本にはアルパインクライミングのエイドクライミングで開かれたルートはいっぱいあるけど、それがそのままボルトになってしまっただけで、岩の形状を活かしたわけでもないし、そんなところにボルトあっても落ちれないから、ただのお飾りだし、スポーツクライミングのルートとも言えないし、というなんともどっちつかずなことになっている、というのが現状の岩場の正しい認識なのかもしれません。 特に九州の岩場。 

世界で名をあげている日本人つよつよクライマーと違って、 日本のクライマーの平均像は、あまり知性は高くないです。しかも、価値基準が、俺がかっこよく見えるかどうか、です。たとえ、誤解による称賛でも、称賛である限りなんでもいいから欲しい!みたいな感じです。たぶん、ちょっと発達障害なんですよね。しかし、悪気はなくて、単に理解力が表面的なだけです。

大体、著名になっている若い強強クライマーって、慶応大卒とか早稲田卒とか、偏差値で言って私と同じような大学出身者ですが、今増えているクライマーってそういうレベルではなく、坊っちゃん大学出とかです。つまり、もともと知性の面でクライミングが気に入ったわけではなく、オールアウトできるから好きってタイプ。地方都市に残っているのは、都会の大学にいかなかった人なので、そういう人が多いのです。ロープを買うときに濡らしては行けないくらい学ぶはずですが、そういう風には、なぜかならない。

つまり、先手を打って、どういう行為が称賛されるか?を教えてあげることが、適切に導くコツです。

たとえば、このように…

台湾では、エクセルシートでボルトの具合が管理されています


アメリカデフォルト?

 金持ち父さんのロバート・キヨサキの動画です。

https://www.youtube.com/watch?v=RryCN3tuUSY

やっぱり逆イールドによる恐慌予測が一番のトピックなんですが…アメリカの債務上限問題って、政治的駆け引きになっており、米国がデフォルトに陥るのは、ぎりちょんで避けられるだろう… というのが大方の見方なんですが… 普通はそう思いますよねぇ…

ところがFEDって、銀行潰して全然ベイルアウトしていませんよねぇ?

もしかして潰したいのかな?FEDは何をしようとしているんでしょう???

レイ・ダリオの動画。https://www.youtube.com/watch?v=lPYmD7CyHlY&t=3545s

アメリカの覇権が終わる=ドル基軸通貨も終わり?

アメリカの覇権の終わり=米中戦争?

基本、米国の覇権の陰りが見えている、ということは言えそうですが… イケイケムードの日本株式相場… こっちのほうがリアルにバブル感あって怖い。

大井幸子さんの動画。https://www.youtube.com/watch?v=OamWIK_5unI

すでに、リーマン・ショック時の規模を超えている。

■世界は超物価高

2月にアイルランドの日本人にあったら、物価高で生きて行くのが大変すぎて、日本への帰国を考えているそうだった。

大井さんの動画でも、世界のインフレは、深刻。https://www.youtube.com/watch?v=5dB_AtWMAVk&t=146s

日本でもインフレ大変ですけど、日本では給料が上がっていないので、価格に転嫁しようにもできない‥ 海外では、さっさと価格転嫁されてしまう。

 ■お金をすりすぎた結果

結局、金融緩和でお金をじゃぶじゃぶに刷りすぎた結果、バブル崩壊で、みんなで苦労するんだが、お金が儲かる人は一部で、バブル崩壊の影響を被るのは全員。つまり、貧乏人には割が合いませんね。

恐慌が起きるのは、逆イールド解消から、数カ月後から、2年後の間くらいです。ので、まだまだ時間的には先ですが、ロバートキヨサキの動画では、資産はとっくにキャッシュで積み上がっているそうです。

米国債権も、デフォルトに陥れば、ただの紙切れ。投資信託も銀行がきちんと機能しなく慣れば、軒並み基準価格を下げるのではないでしょうか?ETFこそ、市場で成り行きで売買されているので同じです。

そもそも、銀行って預かったお金を勝手に運用できるっていう商売なのが、基本的にはすごく預金者に不公平な仕組みのようにも思えます。

ビットコインの映画を見たら、やっぱり良い仕組みだと思いました。銀行からの支配、金融機関からの支配、を終わることができるからです。

今後の世界の仕組みがどうなるにせよ、暴落への備えは必要ですね。

2023/05/06

For those who want to climb in the crags in Japan

 These are six issues of Japanese crags.

1) The lack of Risk management

People often misunderstand that difficult climbs and beginner routes require very different techniques to climb. But in fact, the danger is much the same.

So it is more important to learn how to protect yourself first than how to climb.

But, you know, climbers today don't understand that and don't practice it.

I don't know if this is something that a young person like me should say, but it seems that today's climbers in Japan are less skilled at preventing danger than they used to be.

More than 20 years ago, it might not have been wrong to climb in mountainous areas using left pitons and bolts. 

But while the rest of the world is evolving, Japan is the only country that continues to do the same thing, aid climbing with bolts left by the first ascender.

So as a result, relatively speaking, Japanese climbers have fallen behind.

Older people don't seem to understand this and still teach young people aid climbing, thinking that 40 year old bolts are safe.

2) Do not fall easily! ...About learning the concept of behavioral protection.

The first thing a climber needs to learn is to never fall in a place where they shouldn't.

(Of course, you should never fall in any place...)

First of all, in order to climb in the mountains, you need to be able to recognize where you should not fall.  This is called, recognition of the risk.
 

Please don't brag to your friends that you go to places where you shouldn't fall, without using a rope. That is not a bold act. It is a silly action.

We all sometimes go to the cragging for practice, don't we? I see a lot of people hanging on the first bolt at the crags, but those people need to think a little more.

Hanging from the rope from the first draw is normal for indoor sport climbing, but at an outdoor crag, there is no guarantee that the bolt is strong enough to hang from.

So hanging from just one bolt is potentially dangerous.

Everyone doing so just doesn't realize how dangerous it is.

We need to think more about behavioral protection.

Of course, we also need to improve our climbing ability. There is no better way to protect yourself than not falling.

Some climbers think that they can rope up with any belayer because "I don't fall," but think wisely. We have to be careful, because the belayers who rope with such lead climbers have zero practice in catching a fall. There are belayers who only have experience in belaying like that situation.

If you are a 5.13 climber, you don't fall at 5.9 even by mistake. For alpine rock climbers, 5.11 was only enough 15 years ago.  Today's alpine rock climbers need to be able to carry 40 kilograms pack and climb 5.12 normally without getting slow.

3) Wrong belay

Belaying away from the wall is so widespread in Japan that it is even being taught.

Even on outdoor crags, you should avoid belaying away from the wall unless the ground you stand up are unstable.

Believe it or not, some organizations nowadays are instructing climbers to stay away from the wall because they can't see the climber.

It is wise not to get involved with people who stay away from the wall.

4) Misguided pioneering the wall

In Japan, the evolution of climbing has stopped since the development of routes based on aid climbing.

Climbing around the world is evolving, and if Japan just stand still, like the Red Queen's corridor in "Alice in Wonderland," climbing in Japan will quickly become obsolete.

And yet, by climbing with old, dangerous bolts, are we doing so to deliberately increase the danger and put ourselves in a tight spot?

That kind of climbing is mainstream in Japan.

Besides, the technique of protection (knots and setting a cam...etc) is not considered important at all in Japan.

There used to be a time when people used a lot of bolts because of the fragility of Japanese rock.

Unfortunately, that misunderstood way of using lots of bolts is still the mainstream in Japan.

On the other hand, some people bring the assumption of indoor sport climbing to the outside crags. It is true that you are allowed to fall on artificial walls, but that is not recommended at outside crags.

The current state of climbing in Japan is that there is no proper distinction between the indoor and outdoor.

(5) Knowledge of correct bolting is not widespread.

The original Japanese ring bolts and RCC bolts are not strong enough, so proper climbers do not use them.

All students have been using them for a long time, but they should stop.

The standard now is to use stud anchors (called goujons) that are at least 8mm in diameter. Top climbers even use 10mm stainless steel stud anchors when climbing in the Himalayas.

Reasonable climbers don't recommend using bolts. But if you have to, then you should use something reliable.

6) Continuation of old climbing styles

Even though the modern alpine rock climbing record is climbed in an all-free style, Japanese climbers continue to use the old style.

This is a unique problem only in Japan, where aid climbing of bolted routes was considered standard  alpine rock climbing style.

In other countries, such climbing is outdated way of climbing.

As a result, Japanese crags are experiencing the Galapagosization phenomenon.

The young generation of climbers today is still in the middle of this misunderstanding.

As a result, climbers who fail to change their style of climbing with aged bolts are getting serious accidents,  dying or being seriously injured in crags.

Conversely, for those who have developed advanced free-climbing abilities of today, Japanese crags have become too easy and unattractive.

Japanese alpine rock climbing has, after all, stopped its historical evolution.

And the introduction of sport climbing is the cause of the rapid increase in crag accidents in Japan.

日本クライミング 6つの論点

日本の岩場の6つの論点です。

1)自分を守る技術が先に必要

みんなよく勘違いしちゃうけど、難しいクライミングと初心者向けのルートでは、登るために必要な技術はめちゃくちゃ違うんだよ。でも、実は、危険はあんまり変わらないんだ。

だから、登る技術よりも、自分を守る技術を先に学ぶことが大切なんだよ。

でもね、今のクライマーたちは、それを理解して実践していないんだ。

でも、僕みたいな未熟者が言うことじゃないかもしれないけど、今日本の山で活動しているクライマーたちは、危険を予防する技術が昔に比べて下がってしまっているようなんだ。

20年以上前なら、山岳地帯で、残置を使って登ることは間違ってはいなかったかもしれない。けど、20年たてば、金属は朽ちるし、日本以外の外国は進化しているのに、日本だけが同じことを続けている。

相対的に見ると、日本のクライマーたちは後ろに下がってしまっているんだ。

年輩の人たちは、それが理解できていないみたいで、未だに40年前のボルトが安全だと思って、エイドクライミングを若い人に教えているんだ。

2)落ちない。行動プロテクションという考え方の習得。

クライマーが、外岩のクライミングで死なないためには、まず、落ちてはいけない場所では、絶対に落ちないことが大切なんだよ。

(もちろん、基本的にどんな場所でも、落ちてはいけないんだけど…。)

まずは、山でクライミングをするためには、落ちてはいけない場所を見極める力が、必要なんだよ。

それに、落ちては行けない場所に、ロープを使わずに行くことを友達に自慢してはだめだよ。

練習用の外岩に、みんなも行くことがあるよね。練習用の岩場では、最初のボルトでぶら下がっている人をよく見かけるけど、そんな人は、もう少し考える必要があるんだよ。

1ピン目から、ロープにぶら下がることは、インドアで行うスポーツクライミングでは、普通のことだけど、外の岩場では、ボルトは確実にぶら下がれる強度があるっていう保証はないんだ。

だから、1本のボルトだけにぶら下がるのは、危険なんだ。

ぶら下がっているみんなは、それが危険だとは分かっていないだけなんだよ。

行動的なプロテクション(外の岩場で身を守る行動法)をもっと考えないといけないんだ。

もちろん、クライミングの能力自体を上げる必要もある。落ちないこと以上に身を守る方法は存在しないからね。

”俺は落ちないから”といって、ビレイヤーは、誰でもいいと思っているクライマーがいるけど、注意しないといけない。なぜなら、そんなクライマーと組んだビレイヤーは、落ちた時にキャッチする練習がゼロなんだ。だから、そんなビレイ経験しかないビレイヤーが増えているんだよ。

5.13を登る人なら、間違っても5.9では落ちないんだよ。アルパインクライマーにとって、5.11だけで十分だったのは、もう15年前のことなんだ。

現代のアルパインクライマーには、40キログラムの荷物が持てて、5.12が普通に登れる能力が必要なんだよ。

3)間違ったビレイ

壁から離れたビレイが指導すらされているほど、日本では広がっている。

外の岩場でも、足場がひどくない限り、壁から離れることは避けるべきだよ。

信じられないけど、最近では、クライマーが見えないからといって、壁から離れることを指導している組織もあるみたいだよ。

壁から離れるように指導されている人とは、あまり関わらない方が賢明だよ。

4)勘違いした開拓

日本では、エイドクライミングを前提にしたルート開拓から進化が止まってしまっているんだ。

世界のクライミングは進化していて、『不思議の国のアリス』の赤の女王の廊下みたいに、ただ立ち止まっているだけだと、国内のクライミングは、すぐに古くなってしまうんだ。

それなのに、古いボルトを使って登るなんて、わざと危険を増やして、自分を窮地に追い込むことを楽しんでいるのかな?

残念だけど、そんなクライミングが、日本では主流なんだ。

それに、プロテクション(支点を作る方法)の技術は、日本では、全然、重要視されていないんだ。

昔は、日本の岩が脆いという理由で、たくさんのボルトを使っていた時代があった。

残念なことに、日本では、今でも、その勘違いしたボルトをたくさん使うやり方が主流なんだ。

それに、逆に クライミングは安全なスポーツだという、インドアでのスポーツクライミングの前提を外の岩場に持ち込む人もいる。たしかに人工壁では落ちてもいいことになっているんだけど、外の岩場では、それはおすすめできない。

そこが、きちんと区別できていないのが、日本のクライミングの現状なんだ。

5)正しいボルトの知識が広まっていないこと。

日本オリジナルのリングボルトやRCCボルトは、強くないので、ちゃんとした登山者は、使わないんだよ。

学生のみんなも、昔から使っているけど、それをやめるべきなんだ。

今は、少なくとも8ミリ以上のスタッドアンカー(グージョンっていうんだよ)を使うのがスタンダードなんだよ。

僕たちはヒマラヤ登山でも、10ミリのステンレス製のスタッドアンカーを使っているんだよ。

ボルトを打つことはおすすめしません。でも、打つなら信頼できるものを使うべきなんだよ。

6)古いクライミングスタイルの継続

現代のアルパインロックの記録は、オールフリーで登られているのにも関わらず、日本のクライマーたちは、古いスタイルを継続している。

これは、ボルトルートのエイドクライミングがアルパインロックだった日本だけの独自の問題なんだよ。

海外ではそんなクライミングは特殊な登り方なんだ。

結果、ガラパゴス化現象を日本の岩場は起こしている。

現代の若いクライマー世代も、未だにその誤解のさなかにいる、ということが、起きているんだよ。

そのため、残置で登るスタイルを改められないクライマーは、岩場の事故で死んだり、大怪我をしているんだ。

逆に現代の高度なフリークライミング能力を身につけた人にとっては、日本の岩場は、簡単すぎて魅力がないことになってしまっているんだ。

日本のアルパインロッククラミングは、結局のところ、エイドクライミング時代から、進化を止めてしまった。そこにすぐ落ちることが前提のスポーツクライミングが持ち込まれたことが、日本での岩場の事故急増の原因なんだ。



【黒田論文シリーズ】現代のアルパインロックはオールフリーで登られている

 ■ 文字起こししました

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日本国内の殆どの壁がオールフリーで登られている現実を、学生諸君は直視し、 自分た
ちの進むべき方向を判断すべきである。 

ーーーーーーーーーーー

学生でなくても、直視しますけどね!

昔の学生は、エイドクライミング=アルパインロックだから、2,3年で難関ルートに行っただけでは?

いくら若くても、3年で、5.12を登りつつ、プロテクション技術にも通じるというのは、年間50日くらいの投入では無理でしょう。

私は最も多い年で、128日登っていました。あと3年やれば、5.12も夢でないかもしれないですが、普通の登山者で、登山に費やす時間が年間50日レベルであれば、

ガイド

に連れて行ってもらうのが無難でしょう。



【黒田論文シリーズ】 壁から離れたビレイ

■文字起こしました

黒田論文引用シリーズ。自分の行動の正当性を黒田さんの論文で追認中。

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日本のクラッグのエリアでもよほど足場が悪いときを除き, 壁からはなれる事は避けるべきである。 

全く信じられない事だが、 近頃は, 壁から離れないと,クライマーが見えないからといって、離れる事を指導している一部の組織があるようだ。

 壁から離れるように指導されている方との御付き合いは遠慮しておくのが賢明というものである。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

離れている事例はこのようなものです。

離れていない事例はこのようなものです。この事例では一歩足を前に出すと更にベター


【黒田論文シリーズ】 勘違いした開拓

■ 文字起こししました

黒田論文からの引用。文字起こししないとロボット検索に引っかからないので、まるでわざと情報を隠しているかのような事態に陥ります。赤字当方。

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 不思議の国のアリスにでてくる赤の女王の廊下ではないが立ち止まっているだけですぐに過去の物とされるのだ。その様な信じがたい技術が一般的なものとなっており、 あえて危険性を高める事で自らを窮地に追い込む事を楽しんでいるのでは? という疑念すら見る者に抱かせている。 

また,プロテクション技術は日本において、 全く不遇な技術である。 過去においては, 日本の岩が脆いという言い訳を乱用し、無数のボルトを使った時代, そして現在は勘違いしたフリークライミングの開拓手法に迫害されている。 

また, フリークライミングは安全だという信仰に迫害されている。 信仰は大切だが,盲信は危険である。 このような現状を踏まえた上で, 私のつたない経験から得た知見を述べたいと思う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

勘違いした開拓をしている人を静止することができない現代の開拓システム(やったもん勝ちシステム)。

要するに岩と対話しないで、人間に自然を合わせようとしているんでは?

 

【黒田論文シリーズ】 ”行動プロテクション” を専門用語に

■ 文字起こししました

黒田論文からの引用です。赤字は当方追加。

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まず, 落ちてはいけないところでは絶対に, 落ちないのが基本である。 (もちろん、どんな所でも落ちてはいけないのだが・・・。) 

まず、その落ちてはいけない場所を見抜けないと,山岳地域でクライミングをする事は出来
ない。 ←落ちていけないところでロープを出さないことが武勇伝になっている

クラッグクライミングのエリアで、一本目のボルトで平気にハングドックしているような方
を良く見かけるが, その様な方はもう少し考えることが必要である。 ← 1本目からハングドッグは、インドア・クライミング出身クライマーには、かなり普通のことです。だれもそれが危険な行為とは思っていない。30年登った人でもフリーしかしない人はそうです。

行動的プロテクションをもっと考えなければいけない。 

もちろん, クライミング能力をあげる必要もある。 落ちない事以上のプロテクションは存在しない。 ← 落ちないから、ビレイヤーは誰でもいいというクライマーが、NGビレイのビレイヤー(先輩は落ちないからロープはもっているだけでいい&墜落をキャッチした経験のない往年クライマー)を激増させる結果にもなっている

5.13 を登る者なら、間違ってもVIでは落ちない。 アルパインクライマーは, 5.11で十分だったのはもう15年前の話だ。← 現代のアルパインクライマーに必要な力は、40kgの歩荷力と5.12がRPレベルではなく、普通にスイスイと登れるレベルの登攀力です。

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■ 核心はランナウト

会の先輩に「このルートの核心はランナウト」と言われたら、

 落ちてはいけない

=行動プロテクションしか身を守るすべはない、という意味ですよ。 

https://stps2snwmt.blogspot.com/2014/05/blog-post_27.html


【黒田論文シリーズ】現代に通用するボルトはなにか?

■ 文字起こししました

 黒田論文からの引用です。スタッドアンカーは、カットアンカーではありません。

カットアンカー8ミリは、論外です。

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また、日本オリジナルのリングボルトやRCCボルトは、 全く強度的に不足しているの
で、もはや、まともな登山者は使用しない物である。 

学生諸君も、以前からの惰性で使っているようだが、ここで、その流れは断ち切るべき
である。

最低でも8ミリ以上のスタッドアンカ(akaグージョン) を使うのが、現在のスタ
ンダードでしょう。 

私達は, ヒマラヤ登山でも、10ミリのステンレス製のスタッドアンカーを用いていました。 ボルトを打つ事を推奨するわけではないですが、打つなら信用できる物を使う

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《参考》

https://stps2snwmt.blogspot.com/2019/06/blog-post_24.html


【黒田論文シリーズ】難度と危険度 についての誤解 現代クライマー&往年クライマー

■ 文字起こししました。

これは、登山時報の黒田さんの論文からの引用です。赤字が当方コメント。

ーーーーーーーーーー引用ーーーーーーーーーーー

よく勘違いされる事ではあるのだが,難度と危険度の相関は小さい。 高難度のクライミングと初心者向きのルートでは、その登るために必要な技量は天と地ほどの差異があるだろうが、潜在する危険性にはほとんど差がない。 

ということは,登るための技量より, 身を守るための技量を優先して、習得せねばならないのだ。 ← ここが現代クライマーは、理解も実践もできていない

しかし、私のような若輩者が言うべき事ではないかもしれないが, 現在日本の山岳地域で活動しているクライマーの危険に備える技術は過去に較べ地に落ちた物となっている。

20年以上前なら、間違ってはいなかったかもしれないが, 世界が前に進んでいる分、 相対的に後に下がっているのだ。← 年配の人はココが理解できていない。40年前のボルトを信頼できるボルトと判定してエイドクライミングで登っている。

ーーーーーーーーーーーーーーーー 

右を見ても、左を見ても、危険な誤解をしたままのクライマーしかいないので、誰とも登れません(笑)。

《参考サイト》

https://stps2snwmt.blogspot.com/2020/03/blog-post.html

【高みへのステップ 4】出題 と 回答  現代的問題点

これは高みへのステップ4より、クライマー向けの演習問題を読みやすいようリライトしたものです。

どうも、公的機関で教わっていないクライマーは、ロープの配分がまともにできないみたいだからです。

■  演習問題

(1) 問題
図のルートの登攀について計画を立てよ。 

2名のチームで、 山頂上からは、登山道を歩いて下る予定とする。 初登後間もない既成ルートであり、以下の情報がある。

・全ピッチのビレイポイントは安定したテラスである。

・1~3ピッチ終了点の各ビレイポイントには強固に打たれたハンガーボルトが2本ずつ
ある。

・2ピッチ目のクラックの幅は、フィンガーサイズからフィストサイズの間で変化する。
・4ピッチ目には灌木やブッシュがある。


【問1】
持参すべき登攀装備と数量を示し、その理由を述べよ。
【問2】
1ピッチ目の登攀で予測されるトラブルと対策を述べよ。
【問3】
2ピッチ目の登攀で予測されるトラブルと対策を述べよ。

【問4】
3ピッチ目でリーダーが中間支点について注意すべきことを述べよ。
【問5】
全体を通して、退却の際、問題となる事柄と解決方法を述べよ。
 

1P:50m 5.7 スラブ
2P:20m 5.8 クラック
3P:30m 5.9 スラブ
4P:40m 5.10 クラック

5P:リッジ

■ 当方の経験による修正案

高みへのステップに記載された問い方は、昔の賢いクライマー向けで、現代クライマーは、もう少しかみ砕かないと、答えられる人が少ないのではないか?と、実経験上、思いましたので、 現代クライマー向けに平易に問いを立て直してみました。

現代で核心になっているのは、問いを作る能力も下がっていることです。

【問1】

ロープは、シングル・ダブル・ツインのいずれにすべきか?何メートルにすべきか、考えを述べよ。

(※ 現代クライマーはそもそも、ダブルやツインがある事自体を知らない)

【問2】
 

1ピッチ目のスラブ登攀で予測されるトラブルと対策を述べよ。

(※ 現代クライマーはスラブの登攀自体の経験が著しく低い)


【問3】
 

2ピッチ目のクラックの登攀で予測されるトラブルと対策を述べよ。

(※ 現代クライマーはクラックの登攀自体が経験値が著しく低い)

【問4】
 

3ピッチ目でリーダーが中間支点を用いるにあたって、どのように強度をチェックし、どのように不足した強度を補う方法が考えれれるか、具体的にを述べよ。

(※ 現代クライマーは、岩とではなく、ボルトと対話しているのがクライミングになってしまい、無意識の前提は、ボルトを追うことであり、クラックが合っても、中間支点を補足するとか、長ぬんで伸ばす必要がある、ことを理解していない) 

【問5】

全体を通して、コールが届かない場合、問題となる事柄と解決法を述べよ。

全体を通して、トップが登れなくなった場合、問題となる事柄と解決法を述べよ

全体を通して、どのような場合に退却になる可能性があるか、思いつく限り、事例をあげよ。

全体を通して、退却の際、問題となりうる事柄とその対処方法を述べよ。

■ ポイント

全般的に、問いの中にヒントを散りばめないと、答えをするヒントもない場合、まったくわからないままになります。

また、シミュレーション能力、

 ○○だったらどうなるか?

というシナリオ立案能力が落ちているようで、

 残置が崩壊した場合

 コールが届かない場合

 ロープがアップされない場合

 トップが墜落した場合

 セカンドが上がれない場合

などの誰でも普通に思いつけるピンチ事例についての対応力をつける前にルートに出てしまう(そのピンチをかっこいいという武勇伝にしてしまう。例:カム3つ飛んだ)などが、いつまで立っても、

 高度なリスクに対応するクライミング能力が上げられない理由

になっています。

ちなみに、命がけで上記を学習しました(一言、言わせて)