2021/04/30

死に筋を外す

 ■ クライミングで、死に筋を外すとは?

平地での安全安心は、足元が崩れない大地に立っていること、です。

高所での安全安心は、壊れない支点にぶら下がっていること、です。

死に筋を外すには、この平地と高所の大きな差を分かっていないとダメですが…そこが一番大きな発想の転換で、クライミングをスタートした初心者の人たちにとって理解するのが一番難しいポイント。

■ クライミングの成功とは?

死に筋を外していることです。

つまり、考え方として、常に高所ではセルフにぶら下がっている、という発想が身についていること。

落ちてもフリークライミングやスポーツクライミングではもちろん、平気で死にませんが、だからといって、バンバン落ちて無駄なリスクを取らなくても良いわけです。


ベテランのリスク、現代クライマーのリスク

私はクライミングをスタートして以来、相手を理解できず、なぜこういう行動をするのだろうか?ということで、苦悩することが増えたので、毎朝、仏教の説話を聞いています。

■ お別れの質

お別れが来たとき、ホッとするか?それとも残念に思うか…

 ホッとする ⇒ 悪い縁だった印

 残念 ⇒ 良い縁だった印

未練がないお別れに、薄情という印象を持つ人もいるのだそうです。しかし、仏教ではそうではなく、人の縁は流れゆくものだ、諸行無常を体得している=未練がない、そういうことだそうです。


■ この法則を当てはめると?

  ホッとする = もはやリスク管理に気を張っていなくて良い

  残念に思う = 楽しく登れていたということ

かなぁ…と思ったりしました。

■ 支点&ロープワークの共有

クライミングインストラクター協会の奥村さんによると、クライミング技術という言葉自体にそもそも、誤解があって、

 ムーブとかの上手に登る技術がクライミング技術なのではなく、支点、ロープワーク、その他をクライミング技術と言う

のだそうです…。みんな、誤解、そこからですもんね…。

私は、リスク管理から考えて、自分で自分のケツが拭けるクライマーになることを最初から目指していたので… まずは技術を確実にしよう、と考えていました…。ので、ベテランの師匠、青ちゃんと登るのは、私にとっては、観察から得るものが多かったです。登攀スキルは低くても、ベテランはリスク管理やロープの処理が大変美しいです。

私が若いクライマーに伝えたかったこと…それは、これです。若いクライマー君たちは、登れる技術を見せてくれて、”どうだ!”とデモンストレーションしてくれますが…、そこじゃないんですよ… 安心して一緒に登れるかどうか?は。なにしろ、まったくクライミング経験ゼロの男性でも、手が届けば、私より登れてしまうのは普通のことなので…。

ロープワークの汚さ、雑さ、そういうものが、核心化してしまうんです。ゲレンデ以外で、時間が核心になるようなマルチピッチでは…。セカンドにロープをまとめさせているようでは…。もちろん、セカンドは、トップを助けようとしているのですが…。

これを伝えたいと思って行ったのが、最後のインスボンでした。

(インスボンは東洋のヨセミテ。下手すると宮崎に行くより快適で安く行けるので、おススメです。最近はボルトも最新のに整備されていますし…。)

私がトップの時にも、ロープの始末が雑で、手間取ったことがありますが、それが核心化しないような時間の配分とか、そういうものを見込んで十分ゆとりがある計画を立てます。

インスボンでは、私が膝の脱臼で動けなかったことから、ベテランと先輩に組んで登ってもらいましたが、結局のところ、師匠の青ちゃんの手際の良さは、若いクライマーには理解できなかったかもしれません… そこが、唯一残念と言うか…。

というのは、私にとって、白亜スラブは、”失敗した登攀”だったのですが…、相方にとっては、自信をつけた登攀だったためです。


    私にとっては、大失敗のヒヤリハット体験
    トップを登ったクライマーにとっては、成功体験

その前に行ったマルチでも、失敗につながるような、雑なロープワークは見ていたのですが、私がうっかりしていて、それに対して反省を促すような流れが作れていなかったのです。

■ベテランと若手では、失敗につながるポイントが違います…

ベテラン ⇒ 情報不足、物忘れ、女性蔑視、古いリーダー観、がリスク
若手   ⇒ 雑なロープワーク、登攀能力への過信、フェールセーフの不在

ということがリスクになります。敗退の想定無しシナリオのロープシステムで行く、なんてことや、ギアが不足する、と言うようなことは、ベテランと行く場合は、考えにくいのです。ギアが不足した場合にも、どうしたらより良いか?というオプションが多いのです。

一方、若い方は、登攀そのものの、能力は高いのですが… 普段フリークライミングだけをしていたら、どう転んでも、ロープへの慣れは、蓄積していかない訳なのです。いわんや、ボルダー。ボルダラーにロープの知識を求めるわけにはいきません…

結果、こんがらがったロープをほどく時間のほうが、登攀そのものよりも時間がかかる羽目になります。

そうしたことが、伝わらなかったのではないか?と思う、それだけが残念、というか、自分の発信力の限界と言うか、伝えそこなったなぁと思う唯一の点です。



2021/04/29

資材調達×リボルト職人育成

 ■資材調達×リボルト職人育成

何があったのか、分かりませんが…。

「資材の手配をCWでできなければ、JFAのリボルトに協力しない」

か…。リボルト職人だけの日当では、生活や会社を維持するのに、十分なマージンがないんだろうと推測。

リボルト職人制度も大幅に変わるのだそうです…。たしかに現行の制度では、職人育成にかかかるコストが、大赤字でしたでしょう…何回受けても2万円という破格値では…。

リボルト職人と対照的なのは、セッターですね。どちらも高度な職人技なのに、リボルト職人は不人気商売、セッターは人気商売です。



■ ご縁と心理的拘束

私の最も強い資質のうち、責任感という資質はこのような資質です。

ーーーーーーーーーーーー

あなたは責任感という資質により、自分がやると言ったことに対しては何でもやり遂げようという強い気持ちを持ちます。それが大きかろうと小さかろうと、あなたは完了するまでそれをやり遂げることに心理的に拘束されます。(中略)人が新しい責任を誰かに任せる時、まずあなたに目を向けるでしょう。あなたがその責任を必ず果たすことを知っているからです。人々があなたに助けを求めてくるとき――すぐにそうなるでしょうが――あなたは選ぶ目を持たなければなりません。進んで事に当たろうとするあまり、できる範囲以上に仕事を引受けてしまう場合もあるからです。

ーーーーーーーーーーーー

クライミングは、私にとって、バレエの代替えとなるもの、で、健康を維持するために行いうる、安価で自然にやさしい活動、ということです。

当然、趣味の範囲。しかし、日本のクライミング業界が、”群盲、象を評す”状態だということに気が付いてしまいました。

さらに、きちんとしたクライミング教育がない、ということにも気が付いたのです…。

きちんと書かれた教科書的なもので、世界的水準を満たすものがない、というのは、UIAAのアルパインサマーの出版契機を作ったことで、運よく達成できました…。これで、やっとクライミング卒業できる…という気持ちでした。

心理的に拘束されていたんですね。

■ 岩場本来の在り方

日本人の一般的傾向として、対処療法、目先のことに走り勝ち、というのがあると思います。

実際、全国で岩場のリボルトが待たれているのは事実ですが…そもそも論として誰がリボルトすべきか?っていうと?もちろん、初登者たちなわけですよね。

本来の在り方的には、岩場は、その岩場を利用するクライマーにとって愛着を持たれ、メンテナンスされるべき、ものでしょう。利用者負担の原則です。

今の現状では、リボルトが進まないですが… 

本来は、一つの岩場と想定すると、

1)日本インストラクター協会のような、きちんとしたクライミング教育で、クライマーが育って、

2)色々登っている間に開拓したくなり…、課題を作り…

3)そして、年老いて自分の作った課題をリボルトする

というのが、あるべき流れです。

そうなっていないで、ある意味、他人の問題を肩代わりしているともいえるのが現体制。

■今ある問題

今ある問題は、ボルトが古くなって登るにはあぶないということです。ある意味、作品性を主張する人から、依頼を受けて、やったら筋が通るのに…。

人の作ったルートをリボルトするから、初登者の権利の尊重、とか訳の分からないことを言っている人におべっか使わなくてはならなくなるわけです…。もし初登者に、”ほかのやつにはリボルトさせない”と言う権利を認めるのであれば、

・きちんと地元の地権者に許可を取ったり、

・使ったボルトの品質を一般公開したり、

・経年劣化したボルトは打ち換える、

・あるいは、明らかにランナウトのルートで死者も出ているなら、賠償責任だって出てくる

かもしれません…。

そうした”義務”もセット販売だったはずです。権利あるところ義務あり、なのです。

そう枕を高くして、えらぶっている資格が初登者にあるか?というと、資格がある開拓者は、ほんの一部の方なのではないでしょうか。現在の岩場の地権者関係の様子からすると。

昔は責任より、開拓者としては、”作品作り”、”俺の名を後世に残すチャンス”と思っていただろうと思います…。

■ 不毛なリボルト

一方で不毛なのがリボルト… 地権者許可は、取り直しだし、資材は公的なお金を使ったものなので、責任重大。技術も生半可なものでは、許されまじ、と考えてしまいますよね…。

井上さんは、非常に厳しい方でしたが、それも全国から集めた皆のお金でやっている、という責任感ゆえ。許してあげなくては、と思える環境の厳しさと不毛さです。やっていることは、人の尻拭いなのです。

■ 情報の公開で無知の解消を

しかし、一方で、なぜか情報公開がお好きでないようで、それは謎でした。

リボルト職人の職人芸を例えばYouTubeで公開しても、誰も真似して、タダでやり始めるってないように思うんですよね… なぜなら、リボルトだからです、新規開拓ではなく…。

先日、タイの開拓者の友人、タオから、動画でリボルト風景が回ってきましたが…、普通に大変そうでした。あれを見て、簡単!俺もできる!と真似する奴はいないだろうと思いました。資材の公表とかも同じで、もっと情報を出していった方が、議論が盛んになって良いのではないかと思ったりします。

私はHiltiのボルトを購入しようとして、選択肢が多すぎて挫折した経験があるので。むしろ、JFAが販売窓口になってくれたら、楽に買えたかもです。JFA推奨の資材で開拓したい開拓クライマーはたくさんいるのではないでしょうかね?

今後のJFAに臨むことは、そうした核心的情報の公開です。

そうしないと、ローカルの開拓者は、トンデモ支点をホームセンター資材で作り続けることになるでしょう… 

(事例:https://allnevery.blogspot.com/2018/11/bad-anchor.html

それくらいだったら、初めから何もない岩だけのほうがマシ、ですから…

参考記事:

ボルトの安全性情報が少ない

https://allnevery.blogspot.com/2020/01/blog-post_37.html 

日向神バルコニーエリアリボルトの転載

 経緯が分かる報告書がどこにも上がっていないようで、九州クライマー連絡会にきたものを転載します。

--------転載-------------

日向神バルコニーエリアのリボルト・整備報告とお願い(シェアお願いいたします。)
※長文になりますが、ボルトクライマーは是非読んでください。写真に報告書もございます。よろしくお願いいたします。
2020年11月下旬
日向神バルコニーエリアのワンサイズフィッツオールをトライ中、5ピン目のカットアンカーのハンガーが回転していることに気が付き、日向神クライマーズクラブに連絡、グージョンへの打ち替えにて対応していただきました。
後日、旧ボルトの撤去に当たったところ、鉄製アンカー内部の腐食(追記:ネジ山がつぶれかかっている状態。刺さっている固定ネジは10mmほどでいつぽろっといくか分からない状態、写真があります)を確認し、テラノ・14番目の月・パトリオット・ワンサイズフィッツオールまでは同じようなカットアンカーだったため、リボルト急務を感じ、JFAにリボルト要請を行いました。
(※後日談ですが、少なくとも1年以上前から回転していたらしいです。ちなみに核心部のハンガーも曲がっておりました。あれ?っと思うアンカーがあれば安全の為にも放置せずお声掛けいただけると幸いです。)
2021年3月下旬
JFAよりリボルト職人の方3名を派遣していただき、ローカルクライマーも加わり、3日間かけてバルコニーエリアの全ショートルートの整備を行っていただきました。
・終了点(スプリングスカイ以外の16カ所)をラッペルステーションへ変更。残置ビナ撤去、結び替え要となっております。リングへロープ直掛けでのトップロープはリング摩耗防止の為おやめください。
・カットアンカー・オールアンカーはケミカルアンカーへ
・鉄ハンガー+ステングージョンボルトの組み合わせはステンハンガーへ入れ替え(ハンガーは日向神クライマーズクラブより提供していただきました)
(※14番目の月のボルト追加、ヨン様のボルト撤去の変更もあります。報告書をご覧ください。現地トポにも掲出されておりますので登攀前にご確認お願い致します。)
文章で書くとあっさりとした変更ですが、とても大変な現場作業を実際に拝見していると、職人さんたちへのありがたい気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。遠くからわざわざお越しいただき、日向神で登る人たちの安全のためだけに、重労働かつ特殊な作業に当たってくださいました。
高価な資材費の捻出もそうですが、熟練が必要なリボルト(さらに言うとケミカルアンカーの施工技術)自体なかなかできる方はいません。ましてや皆さま、クライマーの安全のためにと、ほぼボランティアの精神で作業に当たってくださっています。
JFAでは今後もリボルトを積極的に行っていくと伺っております。九州の各地でも今後JFAによるリボルトの予定があるようです。そこで心苦しいお願いではありますが、ボルトルートを登っているクライマーには是非、JFAに加入していただければと思います。全国的に見て九州は会員数がとても少ないようです。(追記:全体の5%とのことです)
日向神では過去に奥壁エリア等も対応していただいております。また、JFAでは岩場整備基金も受け付けておりますので、今後の活動の為にも入会や寄付にてご協力いただければ幸いです。(JFAリンクを後述しております。)
また、日向神でクライミングをされる方はクライマーズクラブへの入会も併せてお願い致します。会費は整備や駐車場利用のために使用されていると聞いております。今回のリボルトでも前述通りクラブより資材を提供いただきました。
最後になりましたが、今回クライマーの為に動いてくださったJFAの皆様と、リボルト事前調査からリボルト作業日までずっと付き添って作業に当たって下さった日向神クライマーズクラブ事務局の山﨑様(ゆきえ様にもフィックスロープ設置作業時にご活躍いただきお世話になりました)にバルコニーエリアで登るいちクライマーを代表して、改めましてこころより御礼申し上げます。また、全国のJFA会員の皆様、日向神クライマーズクラブの皆様の会費から、今回のリボルト・整備の費用を捻出していただき、各会員の皆様にも厚く御礼申し上げます。
秀逸な課題がそろう日向神バルコニーエリアで、引き続き事故なく、長くクライマーが楽しめる岩場として存続できますよう、皆さまで協力して大切に登っていきましょう。
JFA会員加入 例:個人会員3,300円/年間
(※福岡ですと博多区のボルダリングジムHOAHOAさんが団体会員を募集しております)
日向神クライマーズクラブ 1,000円/年
(※後日事務局より次年度分徴収についてアナウンスがあるとのことです。よろしくお願いいたします。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー























カットアンカーの支点(ボルト)に関連する記事 21選

1) 2018年12月9日日曜日

ボルトの目利き ロクスノ079号



2)2020年1月6日月曜日

悲報: 九州で見たボルトはNGボルトでした…


3)2020年1月6日月曜日


JFAリボルト講習会 DAY1


4)2020年1月6日月曜日

JFAリボルト講習会 Day2


5)2020年1月6日月曜日

山岳会代わりにJFAに加入しましょう


6)2020年1月7日火曜日

2021/04/27

クライミングにおける男性性の研究の終了

 クライミングをスタートして、バレエ時代には発生しなかったような、数々の不可解な事件、が起こるので…ドラマと英語では言いますが…心理劇という意味です。そのようなドラマが続くと疲れるので、なんとかそうしたものが起こらない関係性を目指していましたが、男性の行動原理について、なんでそうなるの?疑問だなぁ…と思うことが多く、勝手にテーマが立ってしまっていました。

最近、14歳の中学生の男の子3人に、子どもクライミング体験をしたのですが、彼らを見て、対照として役立ったというか、

なんだ~単なる、お母さんに甘やかされた子供だっただけなんだ~

と分かりました。男の子は、母親に甘やかされると、自分中心に世界が動いてしまうので、集団の中で自分が置かれた立場が客観視できなくなります。

つまり、社会全体を見渡して、あれ、俺って強い一番強い?と言うことに気がつけない。

■ パートナーへの期待は母の愛

男の子は母の愛を疑わない


と、子育て本に書いてあり、クライミングで私に起こった奇妙な出来事はコレだ!と思いました(笑)。


というのは、自分がランチを持ってくるのを忘れたときに、なぜか「頂戴」と言われたり…(え?私のがなくなるんですけど!)、あるいは、クライミングは代わりばんこなのに、変わりばんこではなく、なんか私が登りたいところは登れない。あるいは、人のロープでリードして悪びれていない… はぁ?自立って言葉知ってます?


あるいは、貸したもの…返してもらおうとしたら、返事がない、あるいは、私の方の解釈では、貸すときに念を入れて「これは貸すのであって上げるのではないと釘を刺したハズ」なのに、相手は「あのいい方だったら貰っていいって意味でしょう」。

しかも、返事をしないので、仕方なく、共通の知り合いに間に入ってもらったら、逆ギレ…。なんでこういう受け取りになるのかなぁ…と純粋に疑問でした…。

ごく普通の人に同じことをしたら、「ありがとうございました」というお礼と粗品がセットになって返送されてきました。

そうだよなぁ…これが普通の返礼の仕方だよなぁ…。

なんでそうなるの?!って思っていたところに回答がきた!みたいな、14歳男子とのクライミングデーだった。


息子君は、14歳でも、まだ8歳の私の自覚力以下で、母親がくたびれ果てているのに全く気が付かない…息子君は母の愛を信じて何も疑っていないのです…母親が全能の神であるかのように…ので、なるほどなぁ、と。


私に起こっていたのはこれなのでした…。

私は長女で頼りがいがあるように見えるので、いつでも俺のためにスタンバってくれる人と思っていたんだろうなぁ…。まぁ、暇だったので大体はそうでしたが…けっこう無理して付き合ってあげていたので、それは理解されていなかったんだということが分かったのでした(笑)。怪我につながる、がむしゃらに頑張る系のクライミングには興味がありません。

…というので、

 子育て中の母親みたいな立場のクライミング

は辞めようと思います(笑)。師匠とも、海外では子育て中の母親型クライミング、でしたしね。

私と組もうと言ってやってきたクライマーをその人に奪われたこと2回目、その上、何も罪悪感がない…。まぁ、パートナーと言うのは、水物で、いるときはいるし、いないときはいない、というただの水の流れみたいなものですので、別にいいですけど…。(余談ですが、お金も同じで、ある時はあるけど、ないときはないってものです。)

クライミングは、命がかかる危険な遊びですが、それはアルパインクライミング、の場合で、フリークライミングで命がけっていうのは、


 単にパートナーが愚鈍、


って意味です。

ということなので、基本、愚鈍な人を避ける、が基本戦略…なので、収まるべきところに収まっているだけなのかも…。


男性のメタ認知ですが、男性の場合、女性が信じられないようなレベルでメタ認知力が低いです…。

65歳以上の男性でも、かっこつけたいという見栄のほうが、安全を上回る場合が結構あります。

なので、男性と登る場合に見極めるべきは、その人が何のために登っているか?

俺が強い男だということを証明しようと登っている場合は、一緒に登らない方がいいかもです…

一般市民クライマーの99%は趣味のクライマー。趣味のクライミングで競争するのは、ティーンネイジャーの原理であり、大人でそれをやっているってことは、そもそも精神の年齢が低いって意味なのかもしれません。

俺は教わっていない(だからお前にも教えない)は間違っている

 教わったことしか、次の人に教えなかったら、教える内容はずっと固定化され、進化しないままです。教わっていなくても、自分が分かっていることで相手が分かっていないことは教えるべきです。その理由は、教そわった以上に教えないと、何も進化しないから、それだけです。

教わっていないから教えないはエゴの声。エゴの声で登る人たちに真のクライミングはありません。


2021/04/26

グージョンからケミカルへの更新

 グージョンからケミカルへの更新

になったボルトの写真です。これはタイの開拓者である友人から回ってきたものです。ご参考までに。実際の投稿ではリボルト中の動画まで回ってきています。一見正常に見えるボルトでも外してみるとこのような状態です。またタイでは、カットアンカーからグージョンへの打ち替えではなく、グージョンからケミカルへの打ち替えの時代です。ご参考まで。




2021/04/25

説明力=リーダーシップ

■ 説明力=リーダーシップ

今日は、外国人の友人2名と見晴らし岩でクライミング。

”説明力”

こそがリーダーシップの源泉だということをしみじみと感じました。

■ 説明する手法

クライミングの掟: 

登ったら、降りないといけない

=ビレイヤーがコントロールするローワーダウンを平地で教える

=同じ手法でグリグリで自分でコントロールするローワーダウンを教える(つまりラッペル)

=同じことをATCで教える

全部平地で。まずは、ギアに対する信頼とロープに対する信頼を覚える。

(ギアの信頼の量)>(見せかけの恐怖) ということを納得するのが大事です。

今日は、登る前にローワーダウンを覚えてもらいました。平地で。それで、上に行っても十分上手にローワーダウンできました。

その後少し登って、さらに最後に、見晴らしの良い場所で高度感がある程度あるところから、ラッペルをしたのですが…すでに道具への信頼やロープへの信頼が出来ているので、ラッペル大丈夫だった。ここで、セルフを2か所取る、というのも教えました。

リアリティがある設定でないとセルフの大事さは、なんとなくしか、分かりません。

今日の達成:ローワーダウン、ラッペル、セルフ

まずは、自分が岩場で、快適に怖がらずに過ごせないと、ビレイなど人の分の命の責任を持つことなど、不可能でしょう。

■登るほう

登るほうは、5.6とか5.7の段々の多いところの方が初めてのクライマーには難しく、5.9の難しいところの方がホールドが限られているので、易しいようでした。

だいぶエイドしましたけど…。

私は初心者には、技術的な習得を求めさせるべきで、登攀の出来はどうでもいいと思っているので、どんどんしたがるままに、エイドしてもらいました。どんどんエイドを少なくするように訓練したらいいだけですし…。

初心者には見晴らし岩は、やっぱり登攀自体がとても難しいエリアだということが分かりました…

全国的な標準グレードで言ったら、どうなるのかなぁ…。

易しいところは別の技術が必要な気がしますし、傾斜がないので落ちれないですし…。なんだか、色々ニッキーが説明してくれたことに納得。

ルートは個別の特性があって、グレードできれいに並んでいる者ではないですね。彼女も平面の5.9のほうが登りやすく、段々が一杯の易しいエリアは苦手なようでした。

■説明しすぎ の苦情について

私はあまり丁寧な説明を受けたことがないと思うので、色々と自学自習したため、自分の後の人には、色々こまかく言うほうですが…アップアップになるか、ならないか?は、相手の側の問題かもなぁと思ったりしました。

今日は楽しく登れました。

とりあえず、5.9がまだノーテンで登れてよかった。

季節の花は藤。スミレは終わっていました。風が強い日だったけど、佐賀県側は、ぽかぽかでした~


■ニッキーの感想

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Today was my first time rock climbing out in actual nature (aka not in a climbing gym)! It was easier than I expected, and a lot of fun. Kinny was a great instructor.  

We drove to Mt. Sefuri in Saga, and came across a few monkeys along the way (a VERY rare sight - I honestly didnt even know we had monkeys down here!!)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ラッキーアイテムは、おさるとの遭遇!


資料

https://docs.google.com/presentation/d/183awD4b2puYIKpJjs0B8aBHS3YgoareXnLVViGUpSqk/edit?usp=sharing




2021/04/23

フリークライミングは余禄の山

■ 余禄、オマケの扱い = フリー

私は自分だけで登れる雪山、雪稜として、リーダー講習の到達目標である

 阿弥陀北稜の厳冬期の単独登攀

は終わってから、九州に来たので、九州での登攀は、まぁ基本的には、蛇足の山、というか、

 ・フリーでグレードを追いかけても仕方ないし、
 ・ただごく普通に楽しく登れたらいいだけ

なのです…。もはやフリークライミングというのは、クライミング人生全体での位置づけとしては、後世、何かを達成した後の、余禄、なので…

■ 安全に楽しく

この簡単そうに見える、”安全” も ”楽しく” も実現されないのが、偶然にも既存の九州クライミングの在り方でした…そこで齟齬を生んでいますが…まぁ、どうしてか?という因果律を考えると、
 
・グレードが上の者の言うことを聞くのが正しい
・年配者の言うことを聞くのが正しい

という発言権の序列のためではないかと思います。でも、普通に考えて、クライミング技術(ビレイや支点、ロープワーク)を登攀グレードが上の人が知っているか?というと、グレードと関係ないですし…、年配の人が知っているか?というと、長年やっていれば知っている可能性は濃厚でも、情報不足である可能性もあるわけです…。特に、ネットで情報を入手するように切り替わってから、つまり2000年以降の情報というのは、入手されていない可能性も濃厚です。

この2つの行動規範が、九州のアキレス腱…あべこべの価値観を生む元凶、になっています。

物事はフラクタルなので、クライミングに限らず、すべての面で同じではないかなと思います。

別に九州に限らず、どんな場合でも、先生は神ではなく、先生や親であっても、あなたにとっての正解…が分かるとは限りません。お母さんはいつも子供がやってほしいと思うようなことをやってくれる、という信念が出来上がっていると、裏切られた気分になるかもしれませんが、もともと別の人間なのですから、どんなにお母さんが考えてくれても、本人しか最善の道は分からない…

そこで母子分離が出来ていない子供みたいに、

 ”なんで、俺の(あるいは私の)ニーズが分かってくれないのか?”

と口を尖らせたところで… そんなの、自分でニーズは満たすことになっているのですから…。

大事なことは、どんなときにも、トラストButチェック、です。

2021/04/21

健全な市民クライミング

 ■今日の引用

「成長」だけを見ていては、成長が止まった時に新しい発想が出てこない。そこで衰退の中で、もがきながら新しい何かを生み出そうとする動きに着目するわけです。」

成長を終わった成人クライマーの”成功”の答えが判で押したように、

 次世代育成
 人生100年ずっと現役

では…。結局、成長期の価値観を引きづっているな~と思います。

■生き生きバレエライフしていました

ずっと以前、仲の良かったバレエ友と、なぜか行動パターンが似ていて、行く先々でばったり会うので、お互いに不思議に思い、スケジュール帳を見せあったら…なんとジムのバレエのクラスだけを縮小コピーして、張ってあって…あー、同じことしている!でした。

同じことがクライミングでも起きて、大体、世界中で、クライマーのスケジュール管理は似ているのではないでしょうか(笑)。今、名張に登っているクライマー友達がいますが…大体、岩場って適期が決まっているので…

そのバレエ友とは、こんなことを言い合いました…

「私達って週5回レッスンしてるってことよね…それってプロと同じじゃない?」
「あはは~、舞台のプレッシャーないけどね!」
「あはは~、出る側じゃなくて見る側だけどね!」

長くバレエを続けていると、親しい先生や友人が出る、お付き合いのバレエ公演を見るだけでも忙しくって、一年があっという間です…。かといって、シルビィ・ギエムが来日したら、100年に一度のダンサーなのですから、行かない訳にはいかないし…ああ!忙しい!そんな日々でした…

「これってけっこう成功パターンじゃないのかしら…???」そんなことを言い合った友人と私…。

それでは、失敗のパターンと言うのは?? 

バレエの先生たちの固定観念…上手になったら舞台に出るもの、舞台に出ないとバレエの神髄は分からない、という説得に負けて、舞台に立った大人の初心者組…です。なぜなら、軒並み、肉離れやら骨折やら、負傷で、普段のレッスンも出れなくなるんです…。 

いや~、クライミングで同じ穴に陥ろうとしていたような気がするなー。

大人のクライマーは、別に、岩場にいるだけで幸せなんですから。現に、アイスの湯川など、氷柱にグレードはありません。登った後で、これ10bやな~とか、勝手に自分の中で納得するものです。

■ 成長期の男の子に最適化された仕組み

グレードを追いかけるクライミングは、成長期の男の子が楽しく登るための工夫でしかないんですよ。

というのは、男性は子供のうち、競争することで伸びるもの、だからです。

競争が嫌いな男の子はめったにいません。あるいは、かっこいい、と言われるのが嫌いな子はめったにいません。

かっこいいと言われるために観客としての女子を必要としている男子がいるほどです。

クライミングでは、9割が男性なので、男性の論理で、男性の成長に都合が良いように、評価システムが組まれています。一般社会も同じで、給料の額が人間の価値、みたいになっているのは、そうすることで、男性が奮発して頑張るという習性を利用したものです。

女性は最初から、そんな価値観で生きていませんから、気にせず、

 自分の楽しい山登り、自分の楽しいクライミング

を続けていきましょう★

2021/04/19

CTのプーリー付きアッセンダー クイックロールの穴のこと

 ■8㎜マイロン(クイックリンク)

が入らない… なんで~! おかしいでしょ!これ!!

というか、CTに教えたほうがいいのかなぁ? なんでこんなミスが発生しているのか?日本に欠陥商品を売ったのか?なんなん~ 

というか、この穴は何のための穴なのか?トリセツにも書いてありませんでした…。単なる肉抜きなのかなぁ・・・

https://amzn.to/3duofmT


システム
トリセツ
https://www.climbingtechnology.com/wp-content/uploads/2017/09/IST12-ROCLACTS0-S1-S2_rev-2_11-20.pdf