2020/02/28

安全軽視の価値観=カットアンカー

■ カットアンカー

カットアンカーではだめだということが、やはり、現代のクライマーには理解しがたいことのようです。

カットアンカーのボルトで落ちた、ということも、考えが浅かった事例にはなっても、武勇伝にはならないので、〇〇で落ちました、と言うときは、気を付けないと、自分の勘違い路線を露呈することになってしまいます。

カットアンカーでいいんじゃないか?と考えてしまう理由は

1)他の若手開拓者も資金の都合でカットアンカーで妥協している人がいる
2)つまり、周囲と同じレベルなら自分もそれでいいんじゃないか=他人軸
3)価値観: 例、ボルトにはお金を掛けれなくても、ウエアには掛けれる

です。

例えば、私たち夫婦は、一人4万円もする労山の雪崩講習に出ていますが、夫と雪の山に行く限り、それは必須だという価値観でした。セルフレスキューは、一緒に行く人と共有しないと意味がないですし、雪の山を独学するには限界が。でも、原資には限りがありますから、そのためにウエアなどは辛抱しなくてはなりません。

どちらを優先するか?というのが価値観となり、現代では、ウエアはお金を出しても、講習会にはお金を出さない、と言う価値観が主流で、そのために、遭難者続出です。

が、それは、まぁ物事の当然の帰結ですよね…。難しい言葉では、原因と結果の法則と言われています。

おしゃれにお金を出しても、安全にはお金を出さないのですから(笑)。高額ウエアに身を包んでお亡くなりになる、が帰結となってしまうのは、想像力の範囲で、予想できてしまいます。

同じことで、ボルトに関しても、ボルトの設置講習や現代の最新の知見を貰うことなく、見よう見まねでカットアンカーを仕込むことは、基本的には時限爆弾を仕込むことと同じですし、それでは、貢献、ではなく、公害、です。

たとえ、それが周囲の皆さんがやっていること、であっても、それに流されるか、流されないで、

自分の良心に従い、知性が教えるところを実践することができるか?できないか?

が人間力ということです。

現在のボルトがあまり信頼できない実情が広がっているのは、設置された当時の知見では、正しいと思われたことをしていたためで、それが覆った現代でも、情報不足のためにそれが正しいと思い込んでいる人に対しては、それも人間だから致し方ないね、と言うことになるわけですが、

現代の最新知見を聞いたうえで、

金銭的にボルト費用や講習費用は妥協して、なぜかウエアだけは立派、


では…。トホホな事例成立と言わざるを得ません。