2018/12/09

ボルトの目利き ロクスノ079号

ロクスノ079号に、中根穂高さんのクライミング道場で、ボルトの解説記事がありました。

1)アルパイン系のルート

・リングボルト
・RCC型ボルト
・は、岩にリスがなくて、ハーケンが使えないときに用いられた。

ジャンピングで、
 ・直径8㎜
 ・深さ16㎜
ほどの穴をあける。上手な人で15分、通常30分の重労働。

 ・穴が少しでも深いと拡張できない
 ・見ただけでは分からない
 ・どちらも引き抜き方向へは、強度が強くない
 ・スポーツルートのプロテクションや、マルチのビレイ支点とはしては使えない
 ・せん断方向には強度がある
 ・ので、2個以上なら終了点、トップロープ支点、懸垂支点としては使える。
 ・軸を軽くたたいてみる
 ・リングをひねってみる

2)自孔式ボルト

 ・12㎜ × 30mm
 ・引き抜き強度は高くない
 ・せん断方向にも強くない
 ・M8 13mmレンチで回すネジ頭
 ・プロテクションとしては信頼できない
 ・ビレイポイント、懸垂支点としてはなんとか
 ・前傾壁やハングに打たれたものは使ってはいけない

3)電動ドリル時代のボルト

 ・カットアンカー
 ・グリップアンカー
 ・電動ドリルになっただけで、2)と同じ
 ・ステンレス製のものは幾分まし
 ・M8ボルト 13mmのレンチで回す
 ・スポーツルートのプロテクションとしては不合格
 ・早急に打ち替えが必要

4)コーン中打ち式ボルト

 ・ヒルテイ社
 ・M8ではなく、M10で17mmで回すネジ
 ・スラブや垂直以下のフェイスなら、なんとかプロテクションとしても使える
 ・施工が面倒で普及しなかった

5)オールアンカー
  ・悪名高い
  ・安くて、ホームセンターで手に入る
  ・施工が簡単
  ・強度がないので、全くダメ 地雷クラスの危険ボルト
  ・見分けるのは心棒があるかどうか?
  ・レンチは19㎜ M12ボルトはナットがカラビナに当たる

6)グージョンタイプ 
  ・安心できる
  ・ナットからネジが出ている
  
7)ケミカル
  ・グージョンでも効かない場合

■まとめ

13mm(M8)→ プロテクションとしてはダメ、ビレイ・懸垂=なんとか
17mm(M10)→ スラブや90度以下のフェイスならなんとか
19mm(M12)→ 地雷クラスの危険ボルト

■ 役立つサイト
Mr.ビーンズの豆まめ日記
http://climber319.blog89.fc2.com/blog-entry-2666.html
http://climber319.blog89.fc2.com/blog-entry-2877.html

オールアンカー
https://climbworks.exblog.jp/11066813/

Mr.ビーンズの気になった一言… タイより遅れている日本。知らないのは日本人だけ?!

赤字は特にお願いしたい点です。

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最後にタイ国チェンマイの岩場を開拓しているクライマーのボルトを打つ場合に標準としている決まり事を紹介します。

※marine-grade stainless steelかtitanium glue in boltsを使用すること(JFAでは検討中)。

※HILTIのRE-500を使用すること(JFAも実行)。

※使用期限の過ぎたグルーの使用はしないこと。又グルーは冷蔵庫で保管されたものであること(JFAも実行)。

そのグレードを限界とするクライマーの為にボルトを打つこと。
※スリングは使わないこと。
※終了点には下降用のリングを取り付けること(JFAは基本ラッペルステーションを使用)。
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