ロクスノ079号に、中根穂高さんのクライミング道場で、ボルトの解説記事がありました。
1)アルパイン系のルート
・リングボルト
・RCC型ボルト
・は、岩にリスがなくて、ハーケンが使えないときに用いられた。
ジャンピングで、
・直径8㎜
・深さ16㎜
ほどの穴をあける。上手な人で15分、通常30分の重労働。
・穴が少しでも深いと拡張できない
・見ただけでは分からない
・どちらも引き抜き方向へは、強度が強くない
・スポーツルートのプロテクションや、マルチのビレイ支点とはしては使えない
・せん断方向には強度がある
・ので、2個以上なら終了点、トップロープ支点、懸垂支点としては使える。
・軸を軽くたたいてみる
・リングをひねってみる
2)自孔式ボルト
・12㎜ × 30mm
・引き抜き強度は高くない
・せん断方向にも強くない
・M8 13mmレンチで回すネジ頭
・プロテクションとしては信頼できない
・ビレイポイント、懸垂支点としてはなんとか
・前傾壁やハングに打たれたものは使ってはいけない
3)電動ドリル時代のボルト
・カットアンカー
・グリップアンカー
・電動ドリルになっただけで、2)と同じ
・ステンレス製のものは幾分まし
・M8ボルト 13mmのレンチで回す
・スポーツルートのプロテクションとしては不合格
・早急に打ち替えが必要
4)コーン中打ち式ボルト
・ヒルテイ社
・M8ではなく、M10で17mmで回すネジ
・スラブや垂直以下のフェイスなら、なんとかプロテクションとしても使える
・施工が面倒で普及しなかった
5)オールアンカー
・悪名高い
・安くて、ホームセンターで手に入る
・施工が簡単
・強度がないので、全くダメ 地雷クラスの危険ボルト
・見分けるのは心棒があるかどうか?
・レンチは19㎜ M12ボルトはナットがカラビナに当たる
6)グージョンタイプ
・安心できる
・ナットからネジが出ている
7)ケミカル
・グージョンでも効かない場合
■まとめ
13mm(M8)→ プロテクションとしてはダメ、ビレイ・懸垂=なんとか
17mm(M10)→ スラブや90度以下のフェイスならなんとか
19mm(M12)→ 地雷クラスの危険ボルト
■ 役立つサイト
Mr.ビーンズの豆まめ日記
http://climber319.blog89.fc2.com/blog-entry-2666.html
http://climber319.blog89.fc2.com/blog-entry-2877.html
オールアンカー
https://climbworks.exblog.jp/11066813/
Mr.ビーンズの気になった一言… タイより遅れている日本。知らないのは日本人だけ?!
赤字は特にお願いしたい点です。
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最後にタイ国チェンマイの岩場を開拓しているクライマーのボルトを打つ場合に標準としている決まり事を紹介します。
※marine-grade stainless steelかtitanium glue in boltsを使用すること(JFAでは検討中)。
※HILTIのRE-500を使用すること(JFAも実行)。
※使用期限の過ぎたグルーの使用はしないこと。又グルーは冷蔵庫で保管されたものであること(JFAも実行)。
※そのグレードを限界とするクライマーの為にボルトを打つこと。
※スリングは使わないこと。
※終了点には下降用のリングを取り付けること(JFAは基本ラッペルステーションを使用)。