2026/01/04

国際グレードについて

 クライミングの国際グレードは、地域や種目(リード・ボルダー)によって複数の体系が並立しており、最初は少し混乱しやすい部分です。

主要なグレード体系の比較と、海外遠征や海外メディアを見る際に役立つアドバイスをまとめました。


1. リードクライミング:主要3システム

リードでは以下の3つが世界標準です。

日本・北米 (YDS)フランス (French)UIAA (欧州)難易度の目安
5.95cVI中級者の入り口。
5.10a6aVI+脱初心者。ここから細分化が始まる。
5.11a6cVII+本格的なトレーニングが必要なレベル。
5.12a7a+VIII+いわゆる「イレブン」を卒業した上級者。
5.13a8aIX+エキスパート。
5.14a8b+X+プロ・競技レベル。
  • YDS (Yosemite Decimal System): 日本で最も馴染みがある「5.10b」などの表記です。

  • French: ヨーロッパやワールドカップで標準。「7a」「8a」など。**数字+a/b/c+「+」**で構成されます。

  • UIAA: ドイツやオーストリアなど中欧の岩場で使われます。ローマ数字(VII- など)が特徴です。


2. ボルダリング:Vグレード vs 段級

ボルダリングは主に2つの体系が使われます。

アメリカ (V-Scale)日本 (段級)フランス (Font)難易度の目安
V06〜5級4初心者
V24級5+慣れてきた頃
V3 / V43級6a / 6b中級者(ジムの壁)
V5 / V61級6c+ / 7a上級者の入り口
V7 / V8初段7a+ / 7b岩での標準的な目標
V10三段7c+国内トップクラス
  • V-Scale (Hueco): アメリカ発祥。「V10」のように表記され、数字が増えるほど難しくなります。

  • Font (Fontainebleau): フランスのフォンテーヌブロー発祥。リードのフレンチグレードと表記が似ていますが、**大文字(7A, 7B+)**で書くのが通例で、リードの7aよりも1〜2ランク難しい設定です。


3. 国際グレードに向き合う際のアドバイス

① 「フレンチグレード」に慣れておく

海外のクライミング動画やSNS(Instagramのプロクライマーの投稿など)では、リードなら「8b」、ボルダーなら「8A」といったフレンチ系表記が世界共通言語として使われます。

  • リード: 小文字(7a, 8b+)

  • ボルダー: 大文字(7A, 8B+)

    この違いを覚えておくと、情報の理解がスムーズになります。

② 海外ジムのグレード感は「辛め」が多い

日本のジムのグレード(○級)は、初心者への配慮から少し甘めに設定されていることがあります。一方、アメリカやヨーロッパのジムでは、V3が日本の2級くらいに感じるなど、グレードが「辛い(厳しい)」と感じることが多々あります。

③ 「アドジェクティブ・グレード」に注意(イギリスなど)

イギリスのトラッドクライミングなどでは、「E1 5b」といった独特の表記(形容グレード+技術グレード)が使われます。これは「難しさ」だけでなく「危険度(プロテクションの取りにくさ)」も含まれるため、数字だけで判断すると危険です。