さて、山本君たちには悪いのですが…矢筈岳に一緒に行ったときの登攀は、誰が見ても失敗作というか…一緒に行った新人君などは呆れて、俺は登らん、とクライミングを拒否っているくらいの、要するにど素人さんでもわかるトンデモクライミングでした。
で、後から見たら、普通に「楽しく登れた記録」になっていたんですよね。
まぁ、私もど素人のころは、トンデモクライミングを楽しい記録として書いていたかもしれないので、それは、誰もが通る道だったのかもですが。
思ったより新人さんである、という印象になりました。
ムーブの高田さんの指導が功を奏して山本君を作ったという理解が皆のベースにあったようですが、チャレンジしている雪の山がえらく高度で、現在登っている姿、矢筈で目撃した姿と乖離があった。
高田さんの指導が、その高度な雪山を登れるだけの指導内容とはとても思えず、謎だった…。
そのあとエイドクライミングの記録が出たので、え?!となった。
2020年ですよね!!みたいな…。
という以上の目撃で、推論により、九州ではアルパインクライミングと言えばエイドクライミングのことを指すようだという結論になった。時代錯誤感はここにある。
その推論をバックアップしたのは、九州から転勤で山梨に来た自衛隊員で、エイドのことをクライミングだと信じていた人。
フリークライミングの岩場で全部ヌンチャクをつかんで登り、トップロープをかけ、さぁどうぞ。と彼は言ったのである。
当然だが、そのロープを抜いて登りましたが。
山本君たちはここまで悪くはなかったが。チャレンジしているレベルと実際の実力が解離しているようではあった。
その自衛隊員はビレイもできておらず、会では最終的に誰も登ってくれなくなったと言って九州にいる私に泣きついてきたので、仕方ないなぁと思って、混ぜてやったのですが…
ジャーマンスープレックスを私が登ったのを見て驚いていました。彼は登れませんでした。
しかし、一般的に自衛隊と私ではどちらが体力があるとふつう、人は思うでしょうか?
当然体力では彼が上です。
しかし、真にクライマーとして登ったのは私のほうであることは明白です。
なので、非常に、不服な感じがします。自衛隊、もっと感謝しろよ、って。
ただ、要するにこの自衛隊員の人が教わったクライミングスタイルが超古いということで、彼は大損していたのです。
同じことが九州で起こっていたんじゃないですかね。類推ですが。
それが、記録も観ても分からない。
記録を書くときに、本人はエイドとフリークライミングを区別して書かないからです。というのは区別を教わらないからです。エイドが恥だと思っていない。
ただ、クライミング、登った、と書く。
たぶん、現代ではアイスクライミングですら、エイドはしない。アックステンションは緊急時の技で、座ってスクリューを打つってありえない。
トップロープでもロープにぶら下がったことなんて数えるほどしかないです。
一回は角木場のつららで。あれは落ちましたが上の方です。隣の氷柱に移ろうと思ってトラバースしたら落ちました。
その時は初対面のクライマーにビレイされていましたが、当然ですけど普通に止まりました。
そういえば、同じ時期、南面のアイスを登った男子、氷が壊れて、落ちて骨折していましたっけね。
一度相沢によんだら、青ちゃんと大喧嘩になって謎だったのでした…。
見込みがある男性クライマーを呼んでも、教える能力のあるクライマーが教えることを拒否っている感じでした。
それは、リスクを避ける行為を教えても、それをビビりと教わる方が受け取り、知恵と受け取らないからなのかもしれません。
その南面のアイスの話したら、「俺はいかねえ」と即答でした。
で、そういう態度を見て、人は学んでいくわけです。そうか、この時期の南面アイスはいかねえが正解なのかって。
クライミング歴40年の人から盗むべきで、1年の人のまねしても仕方がない。