■急性クモ膜下出血を利用した死
昨日の、鳥山明さんの症例研究は、興味深かった。
社会的な成功は、必ずしも人を幸せにしないという事例だ。
漫画家の鳥山明さんは、ドクタースランプあられちゃんも、自分の本意でない作品で、ドラゴンボールも同じだった。最後には主人公を殺したいくらい、作品に踊らされた人生を送った鳥山さん。
その原因は、お父様との関係がボトルネックだという見立てでした。お父様は、レーシングカーのレーサーだったそうです。父を象徴する内なる声が、常に彼を、”自分以外の誰かほかの人の期待に応える”人生に導いてしまったようでした。経済的な成功をおさめ、あとは何をして暮らしても良いのに、最後まで、プロダクションの意向に沿わざるを得ず、不本意な次回作のスタートがいやでたまらなくて、死んだ、というのが、見立て。先生の見立ては、68歳まで良く持ったな、というものでした。
しかるに、死というのは、ほとんど、苦行からの”救済”なんですよね。いや、マジでそう思いますよ。死は救済であると。ワイルドカードみたいな。
■ 当方の人生経験
私の弟は24歳で急死しましたが、原因不明の心停止で突然死です。
弟は、新品を含む靴300足と、様々なブランドの服を残しました。弟は水泳の選手でしたが、別に洋服を愛していたというわけではありませんでした。普通にグローブやサッカーボールを欲しがる男の子でした。
なので、どう見ても、300足の靴やブランドの服は、彼本人の好みとは思えず、母が彼を有名ブティックに勤めさせたのは、母の身代わりでした。母の代わりに、母がしたかった自己実現を息子である彼が背負ったのでした。
子どものころからこのことが分かっていた姉の私としては、”ごめんよ、こんなことになる前に迎えに行ってやれなくて…”と思ったのです。
弟のお葬式には、300人が参列し、弟は彼女が、なんと3人もいました!が…、そのお葬式では母はついに悲劇のヒロインである、と全員に認めさせることに成功したのでした。母の念願でした。子を亡くした母親を責める人はいません。
しかし…ですよ?
その1年後、私の妹が、今度は自殺未遂を行ったのです。妹によると、母親の使い込みが原因でした。母は妹のカードを使い込んだのです。
■ 社会がSOSを受信してくれない…
私自身は、12歳で母の経済行動のおかしさ、に気が付き、何度も社会にSOSを発信していましたが、社会のほうが「子供が言うことだから…」と受け取らなかったのです(汗)。
しかも、母にその話を持って行ってしまうのです。
「お嬢さんがこんなことを相談してきたのですが、本当ですか?」
それで、親が「はい、本当です。サラ金でその日ぐらしをしています」
って返事すると思います? そりゃ、しないですよね?
それで、その人が高級ブランドを着ていたら、”どこか知らないけど、収入源があるのだろう”とか思ってしまいますよねぇ…。
これと同じことが、クライミングでも起こりました。私が言っていること、つまり九州のクライミングの現状があまりにひどいので、私が正しいのかどうか?いろんなクライマーが確かめに来たくらいです(笑)。
■ 自己解決に向けて頑張りました
さて、私の人生に戻りますが、結局、自己解決したのです。
具体的には、私は16歳から早朝のパン屋などにアルバイトして、一人で身を立てました。
もう本当に、進学校に進学したのは失敗でした…。あれさえなければ、あんな苦労はしなくてよかったのです。高専なら、職業に直結なので。
しかし… 進学校に行ってしまった…。
なので、大学受験は、私にとっては、勉強が核心ではなく、どうやって少ない軍資金(学生アルバイトで時給は472円でした)で、効率的に模試をこなし、リスクフリーで合格するか?みたいな話でした。
■ 作業同盟は友人と結びました
そんな高校生時代から、ミッションインポッシブル!を課された、私を気の毒そうに見てくれていたのが、中学時代の友達たちで、覚君は「僕が働いて君を大学に出してあげる!」とまで言ってくれました。
今でも涙があふれてきます。あの時の覚君の言葉が、私を我に返したのです。覚君が私のために働く…なんて絶対に変だからです。
さて、子供三人の様子をまとめると次のようになります。
当時は、社会がSOSを受け取ってくれないので、一人は早期に親元から逃げ、二人目は死を選び、三人目は自殺未遂して、親から巣立った。
自分が生きたかった人生を子供に歩ませる、という親の愛。これって愛なんですかね???
そこんとこは、かなり謎だが。
まぁ、私の母は、GoodEnoghMotherだったと思います。
クライマーの皆さんも、母と同じ行動、結構やっていますよね?
クライミングを小さいときから叩き込み、その子にクライマー人生を歩ませる。
それって、その歩んでる本人は、人の期待を生き続けている、ということなので、内面的には、かなりの葛藤があると思いますよ?
つまり、現在2世クライマーで業績が高く祭り上げられている人も、むしろ、被害者である可能性もあるということです。
人は自分の人生を生きないと幸せになれないのです。
クライミングで賞賛を浴びることは、かなり楽しくはあるので、本人すら気が付かず、親の期待を歩んでしまったことに気が付く、つまり、問題が顕在化するのは、かなり後だと思いますが。
弟も水泳選手でメダルをいくつも、もらっているころは、楽しそうでした。
■ 母のイメージと父のイメージ
私の、”母なるイメージ”は、受容ではなく、鬼子母神みたいなのです(笑)。母、と聞くと、まぁ、猜疑心のほうが勝ちますね。なので、内なる母性、自分の母性ですね、は、母親との関係性が問題なのか?と長年思っていたら、人生に全く登場していない父親のほうが核心だということが分かったのが、数年前でした。『父と言う病』と言う本で知った。内なる父性が、未発達かもしれないということです。しかし、この線は、違うと後で分かりました。
私は人格として見たとき、母性も、父性も、そして、アダルト自我も非常に良く発達しており、成熟度はかなり高めでした。
父性の声はどちらかというと強すぎるというか、厳しすぎるほうが問題かもしれません。
それは、初期に父性を、通学路にある、一本の木に求め、それをなぞらえていたからです。
長いこと、その木のように、逆境に強くありたい、と思っている子供でした。
もうすでに危機をだっしているので、そうした強さは要らない。
■ 日本はカウンセラー業界が混乱中
しかし、最近、参加している安心安全の起業家育成講座で、分かったことは、”あー、これだから、一般の人がちゃんとしたカウンセラーを見つける、発見することが難しいんだな”、ってことです。
心理士の勉強をしたとしても、自分の人生経験が浅ければ、人生相談には向かないですよね? また性格的に人に共感しやすいエンパス体質の人と、そうでない共感力が低い人もいます。
ただ、資格を取りました、というだけで、人の人生に共感できるはずもなく…
今はカウンセリング業は、むしろ、カウンセラーになりたい当人の人生の救済策、になっています。時間と言うサービスを売る仕事みたいな感じですかね?
人を救済するという尊い仕事は、あらかじめ、”大変すぎてできませんので、生活保護世帯は来ないでください”、ということになっています。
もちろん、きちんとした仕事をされている人もいますが、私が登山ガイドの方に作ってやった公式ウェブサイトみたいなのをそこで作ろうと思ったら、100万円くらいお金を払っても個別の対応はしてもらえず、相手に費やしてもらえる時間はほんの少しです。一度も対面もせず、動画だけでやり取りです。そんなので、今、一人ガラケーの人をスマホデビューさせてあげようと日々頑張っていますが、自分でほんとに尊い仕事をしたなぁと思います。
あれ、ほんとに良いことを私はした、ということです。でも、延々とタダ働きを求められても困ります。
一般的には、99%の人の人生の問題は、ただ幼稚で未熟な愚痴を聞いてほしい、で占められているのも事実です。そんな人は、飲み屋に行くべしなんですけど、実際は、飲み屋でも迷惑がられていますよね?
だから、クライミングと言うか、岩場にいるんだろうか(笑)?
それはある意味、岩との対話が進んでいいことと思いますが、鳥山明さんによると、世間は、戦闘、を好むらしく、一般的な男性は、ひたすら、岩と戦っている、のかもしれませんね?
■ 弟と妹を守りたかった
しかし、母のメンタルトイレとなることを受け入れた(幼児決断)のは、弟や妹の防波堤となることが姉としての私の使命だと、その当時は感じたからです。
これは間違っていました。
ただ、子供時代、私は、ひとえに、弟と妹を守りたかったのです。
私が十分な年収を得れたのは弟が亡くなってその後。どんなに頑張っても弟を救うのには間に合わなかったんです。妹はかろうじて救えたことは、私の誇りです。
その思いが、クライミングで、クライミングIQが低く、クラッグリテラシーが低いクライマーの後輩たちを守ろうとする、という自動行動につながりました。
そうするのが、当然のことのように思われたのです。
しかし、いくら私が優秀で、強い、ねえちゃんでも、25+35が60だということが分からないヤツのフォロー(ケツ拭き)はできないよ?
そんなん、登る前から遭難やん?
クライミング以前の問題ってやつやん?
そんな僕を許して☆とかそんな僕を愛して☆って、
どんだけ~
と思わへんの?
2名のクライマーを一人でビレイとか…
支点ビレイとか、
12登れますとか言うくせにたったの10cに2時間半とか
いくらなんでもかかりすぎやと思うで?
そいでもって、
君なら、誰からなら殺されても文句言わへんって思えるの?
その辺のおばちゃんクライマーの私に、ケツ拭きを頼んで、それで、どこがかっこいい男なんか?その辺を胸に問うてみてほしいねんけど…
私は雪の山が好きなのです… クライミングではなく。岩でもなく。雪が好き。
前から主張していますが…。