提示いただいた動画は、世界的なクライマーであるアレックス・オノルド(Alex Honnold)が来日し、日本の岩場を巡った際の様子をまとめた「Alex Honnold Japan Rock Trip」です。
主な内容は以下の通りです。
日本の岩場の印象
クオリティへの驚き: 日本にはこれほど多様で質の高い壁があるとは思っていなかったと語っています [01:45]。特に石灰岩(ライムストーン)の質の高さは、彼にとって大きな驚きでした [04:02]。
「秘密」のエリア: 言語の壁や文化の違いもあり、日本の素晴らしい岩場は世界(特にアメリカ)にはあまり知られておらず、一種の「隠れた名所」のようになっていると感じています [03:03]。
アクセスの課題: 土地所有者との交渉や、エリアの開放・維持のための組織的なアクセスの仕組みが日本にも必要ではないかと指摘しています [04:25]。
クライミングのスタイルについて
スポーツクライミングの魅力: 彼はトラッド(プロテクションを自分で取るスタイル)よりも、安全に限界まで追い込めるスポーツクライミング(ボルトが打たれたルート)を純粋に楽しむ場面が多いと語っています。「石灰岩のスポーツクライミングがあるのに、なぜわざわざトラッドをやるのか」と冗談交じりに話す場面もあります [07:26]。
インスピレーションの重要性: トラッドクライミングにおいては、そのルートに対して強い情熱や「登りたい」というインスピレーションが必要ですが、スポーツクライミングはどんな壁でもすぐに楽しめる良さがあるとしています [07:46]。
リスク管理: 危険なクライミングは、自分にとって本当に価値がある瞬間のために取っておくべきだと考えています [06:36]。
まとめ
動画全体を通して、日本のクライミングコミュニティの熱量を感じつつ、アレックス・オノルドが日本の自然や岩場のポテンシャルを楽しみ、高く評価している様子が描かれています。
動画はこちらから視聴できます:
グレードが辛すぎると言っている
動画の中で、アレックス・オノルドは日本のトポ(ルート図)とグレード(難易度)について以下のように触れています。
グレード感の不一致: 日本のトポに書かれているグレード(難易度)の数字は理解できるものの、実際に登ってみると「そんなはずはない(No way)」と感じるほど、設定されている数値よりも難しく感じることがあるようです。
国際的な交流による平準化: 世界中から多くのクライマーが日本を訪れるようになれば、海外の基準と比較されることで、日本のグレード設定もよりバランスが取れたものになっていくだろうと述べています。
日本のクライミング界は外に対して少し閉鎖的な部分があり、その土地独自の厳しいグレード感(いわゆる「辛め」の設定)が維持されていることを、彼は言葉の壁や文化的な背景と関連付けて分析しています。
動画内での発言に基づくと、アレックス・オノルドはクライミングを大きく3つのカテゴリーに分類し、それぞれに対して明確なスタンスを持っています。
1. スポーツクライミング (Sport Climbing)
彼がこのトリップで最も楽しんでいたスタイルです。
特徴: あらかじめ壁にボルトが設置されているため、安全性が高い。
アレックスの視点:
「純粋な楽しみ」: 安全が確保されているため、インスピレーション(強い動機付け)がなくても、目の前の壁に対してすぐに「一生懸命トライすること」を楽しめる。
トレーニング的側面: 身体を限界まで追い込むことができ、危険を伴わずに高難度の動きに集中できる。
石灰岩(ライムストーン): 彼にとって石灰岩でのスポーツクライミングは、旅の大きな目的になるほど魅力的なものです。
2. トラッドクライミング (Trad Climbing)
自分でプロテクション(保護具)を岩の隙間にセットしながら登るスタイルです。
特徴: ギアの設置技術やルート読みなど、技術的・心理的要素が強い。
アレックスの視点:
「インスピレーションが必要」: スポーツクライミングと違い、そのルートに対して「どうしても登りたい」という強い情熱や意味を見出せないと、自分を追い込むのが難しい。
選択的実行: 質の高いスポーツクライミングの壁が隣にあるなら、わざわざトラッドを選ぶ理由はあまりない、という合理的な考えを持っています。
3. ビッグウォール / 危険なクライミング (Big Wall / Dangerous Climbing)
彼を世界的に有名にしたフリーソロや、巨大な岩壁でのクライミングです。
特徴: 失敗が許されない、あるいは極めて高いリスクを伴う。
アレックスの視点:
「リザーブ(温存)」: こうしたリスクの高いクライミングは、人生において「本当にそれが重要な時」「どうしても成し遂げたい時」のために取っておくべきだと語っています。
日常との切り離し: 普段の岩場巡り(Rock Trip)では、こうした危険な要素よりも、純粋に動く楽しさや質の高い岩を優先させています。
(補足)ボルダリングについて
動画内で少し触れていますが、彼は「ボルダリングのためだけに旅をしたのは一度(南アフリカのロックランズ)だけ」と言い、ボルダリングもクールだが、ロープを使ったクライミングほど熱中してはいない様子です。