2024/05/06

【リスク中心思考を身に着ける】セッション解説:トップクライマーのお手本動画から盗む

【Vlog】平山ユージ&大西良治のデイドリーム part.3

■ 故・吉田さんとかと登る機会

私は、運よく、故・吉田さんとか、アイスでも伊藤さんとかとご一緒したことがあるので、トップクライマーの登り方というか岩場での過ごし方?を知っており、それが一般クライマーにはないので、分からないのかもしれない?と思います。

トランスコーチングのセッションと同じで、一般クライマーは、

 一流クライマーの登攀を見ても、そこから、盗んで学ぶことができない

のだろう…と思い至りました。そこで解説します。

■ 解説

1)本気トライレベルの選び方

・3回~4回くらい岩場に通うレベルが、適切な本気トライレベル

この動画は、5.14bのデイドリを狙ったものですが、世界的クライマーのユージさんで、20日、です。それ以上、通わなくてはならないようだと、RPで狙うにしても、レベル高すぎなのではないでしょうかね? 

まぁ、登りたい課題であれば、何日通ってもいいわけですが。しかし、3級しか登れない人が2段のボルダーに通うのは、さすがに離れすぎ、非合理的ではないですかね?

しかもノーマットって…。無謀です。

2)季節の選び方 2024年2月28日 

基本、フリクションクライミングだったら、季節は冬が最適です。ラオスの石灰岩でも暑いと登る気になれないので、日陰が志向されるくらいです。

スラブなら、本気トライは、当然、冬ですよ。日本は湿った国なので、湿度の高い夏は、本気トライは、ほとんどお預けです。

3)アップは丁寧に

ユージさん、大西さんのようなトップクライマーでも、アップは5級や3級

九州では、5級以下のボルダーは、8級でも9級でも全部5級のじゅっぱひとからげでびっくりした。つまり、基本や易しいルートをおろそかにしています。

たぶん、そんなことしているからいつまでも、リスクをとらえた思考ができないので、結果として、ちゃんとした記録も出せず、クライマーも育たないのでは…。

3級登った後、”1級はないな…”と大西さんがつぶやいていますが、このように、このルートは、自分の体感で何級かな?と考えながら登るのが、普通でした。

グレードが安定しているラオスでもそうでした。

たまに開拓直後でグレードが付いていないのがあり、それを、いろいろな人が登って、グレード談義して、大体落ち着くところがあります。

そもそも、大体、見て、自分が登れそうなのに取り付くんです。

後で何級か見て、合っていたら、自分の感覚があっている、みたいなグレードの使い方ですよ。

あと、当然ですが、ムーブは人それぞれです。 大西さんとユージさん、全然ムーブ違うし。

この動画で、ビデオトポなんて見ていないですよね?

4)マットは持ち寄り リスクコントロールの熟達は薄さと数の少なさで示している?

トップクライマー同士なので、マット薄いけど、細かく移動して落ちるリスクに備えています。

クラッシュパッドの数、薄さ、両方共、たったこれだけで許されるのは、リスクコントロールができる人たちだから。一般クライマーには、もっとたくさん必要です。各自持ち寄ります。

クラッシュパッド含め、ギアを自分で調達しない人とは登ってはいけない。

リスク管理が人任せだからです。リードなら、ロープです。自分のロープで登るのが基本です。

5)登る前にホールドとスタンスを見る

これやらない人が多いですけど…、取り付いてパンプするだけですよね?

6)ルートでも、クラッシュパッド

デイドリのスタートは3級のハイボルなので、その上にクラッシュパッド敷いていますよね。一本目を取る前に落ちたら、ビレイは意味がないからです。

スタートで被っているときは、ルートでも、普通に危険な時は、スポットします。スポットできない配置の時は、マット併用が〇ってことです。

7)緊張するべき箇所

一本目、赤キャメ取るまで、です。見ているほうも緊張しますが、ビレイヤーはできることはありません。早く取って…と祈るばかり。

赤キャメ、効いているか?見極めは、ビレイヤーもクライマーをサポートします。怪しいなと思ったら、「それ、ほんとに効いてる?」と聞きます。効いてなかったら、えらいことです。



あと、カムが上に引かれそうな場合は、一本目のカムは重要なので、下に引かれるように補強したりします。

この写真で分かるでしょうか。これはナッツですが。私はクラック登り初めに教わりました。

昨今、教わらないクライマーが多いのかもしれません。大事なことは一本目が大事だと分かっていることです。


ボルトルートばかり登っていたら覚えられないかもしれません。