■ 故・吉田さんとかと登る機会
私は、運よく、故・吉田さんとか、アイスでも伊藤さんとかとご一緒したことがあるので、トップクライマーの登り方というか岩場での過ごし方?を知っており、それが一般クライマーにはないので、分からないのかもしれない?と思います。
トランスコーチングのセッションと同じで、一般クライマーは、
一流クライマーの登攀を見ても、そこから、盗んで学ぶことができない
のだろう…と思い至りました。そこで解説します。
■ 解説
1)本気トライレベルの選び方
・3回~4回くらい岩場に通うレベルが、適切な本気トライレベル
この動画は、5.14bのデイドリを狙ったものですが、世界的クライマーのユージさんで、20日、です。それ以上、通わなくてはならないようだと、RPで狙うにしても、レベル高すぎなのではないでしょうかね?
まぁ、登りたい課題であれば、何日通ってもいいわけですが。しかし、3級しか登れない人が2段のボルダーに通うのは、さすがに離れすぎ、非合理的ではないですかね?
しかもノーマットって…。無謀です。
2)季節の選び方 2024年2月28日
基本、フリクションクライミングだったら、季節は冬が最適です。ラオスの石灰岩でも暑いと登る気になれないので、日陰が志向されるくらいです。
スラブなら、本気トライは、当然、冬ですよ。日本は湿った国なので、湿度の高い夏は、本気トライは、ほとんどお預けです。
3)アップは丁寧に
ユージさん、大西さんのようなトップクライマーでも、アップは5級や3級。
九州では、5級以下のボルダーは、8級でも9級でも全部5級のじゅっぱひとからげでびっくりした。つまり、基本や易しいルートをおろそかにしています。
たぶん、そんなことしているからいつまでも、リスクをとらえた思考ができないので、結果として、ちゃんとした記録も出せず、クライマーも育たないのでは…。
3級登った後、”1級はないな…”と大西さんがつぶやいていますが、このように、このルートは、自分の体感で何級かな?と考えながら登るのが、普通でした。
グレードが安定しているラオスでもそうでした。
たまに開拓直後でグレードが付いていないのがあり、それを、いろいろな人が登って、グレード談義して、大体落ち着くところがあります。
そもそも、大体、見て、自分が登れそうなのに取り付くんです。
後で何級か見て、合っていたら、自分の感覚があっている、みたいなグレードの使い方ですよ。
あと、当然ですが、ムーブは人それぞれです。 大西さんとユージさん、全然ムーブ違うし。
この動画で、ビデオトポなんて見ていないですよね?
4)マットは持ち寄り リスクコントロールの熟達は薄さと数の少なさで示している?
トップクライマー同士なので、マット薄いけど、細かく移動して落ちるリスクに備えています。
クラッシュパッドの数、薄さ、両方共、たったこれだけで許されるのは、リスクコントロールができる人たちだから。一般クライマーには、もっとたくさん必要です。各自持ち寄ります。
クラッシュパッド含め、ギアを自分で調達しない人とは登ってはいけない。
リスク管理が人任せだからです。リードなら、ロープです。自分のロープで登るのが基本です。
5)登る前にホールドとスタンスを見る
これやらない人が多いですけど…、取り付いてパンプするだけですよね?
6)ルートでも、クラッシュパッド
デイドリのスタートは3級のハイボルなので、その上にクラッシュパッド敷いていますよね。一本目を取る前に落ちたら、ビレイは意味がないからです。
スタートで被っているときは、ルートでも、普通に危険な時は、スポットします。スポットできない配置の時は、マット併用が〇ってことです。
7)緊張するべき箇所
一本目、赤キャメ取るまで、です。見ているほうも緊張しますが、ビレイヤーはできることはありません。早く取って…と祈るばかり。
赤キャメ、効いているか?見極めは、ビレイヤーもクライマーをサポートします。怪しいなと思ったら、「それ、ほんとに効いてる?」と聞きます。効いてなかったら、えらいことです。
あと、カムが上に引かれそうな場合は、一本目のカムは重要なので、下に引かれるように補強したりします。
この写真で分かるでしょうか。これはナッツですが。私はクラック登り初めに教わりました。
昨今、教わらないクライマーが多いのかもしれません。大事なことは一本目が大事だと分かっていることです。
ボルトルートばかり登っていたら覚えられないかもしれません。