■ GW中の祝子川の事故
最近、祝子川で事故があったそうです。
祝子川でATCガイドによるセカンド確保で、窒息死させてしまう事故が起きました。
原因は?
水量の多い沢
で
ATCガイドのガイドモードによるセカンドの確保を使っていたこと
です。
だから、言ったでしょ!って奴でした…。
滝や滝壺、渡渉など、ATCガイドによるセカンドのビレイで、セカンドを確保すると墜落や流されたりしたときに、水流の圧力がかかり、予想以上の負荷がかかり、ATCガイドの解除が困難になります。
アホな事故だと思っています。
水流の中で途中停止するような状態を起こさない確保をするのが、沢登り講習会初日に習うことだからです。
が、そんなこと、沢登り初日に教わりますけど・・・
教えていないんですかね?
ロープに引かれるのと、水流で押される力で、そのまま水の中から脱出できず、溺れてしまうというわけです。
このブログでも何回も書いていますが… 沢ではエイト環ですよ?
これがエイト環以外でも良いシーンもあるという指摘が来ましたが、沢の確保法を紹介する記事でもないのに揚げ足取りの指摘だと思いました。正確に書けっていいますが、どこにその正確な記事ありますか?見たことない。
沢やになるための最初の講習で、普通に双方向の確保器を使うように教わりますけど?
それに祝子川のようなゴルジュを楽しみに行くのに、片方しか流せないビレイ器で行きますかね?
適切と考えられる確保の方法について、多くのクライマーの間で、私を”スケープゴート”とすることで、議論が沸騰することを希望します。
■ 岩場オンリークライマー
ショートの岩場しか教わっていないクライマーは、ゴルジュでは流さないと溺れ死ぬということとも知らない。
大事なことは、初期に沢に特化した講習会に参加することです。岩のリスクと沢のリスクではリスクは何倍も違います。
岩場では、車が横付けでき、携帯電話も入ることが多いです。
沢では、車まで、何時間か歩かねばならず、携帯電話も入りません。
隔絶された場所であるというリスクが、岩場の何倍も沢ではあります。
その上、2名で行けば、たとえ故意でなくても、事故が起これば、密室殺人と結局同じことになります。
■ 受動的な対策
ロープをいつでも切れるようにナイフを携帯し切る練習をしておくことなどです。
確かに、ロープは切ろうと思ったときは、意外に切れないもの、です。
■ ほら貝のゴルジュ
私のほら貝のゴルジュの記録はこちらですが…https://lovelysawa.blogspot.com/2015/07/blog-post_81.html
https://lovelysawa.blogspot.com/2015/07/blog-post_28.html
沢では8環なんてあまりに当然すぎるので、書いていなかった(汗)。
このほら貝のゴルジュで、高齢の女性メンバーが急な流れのトイで流されて(女性は体重が軽いので、浮力の関係で流されやすい)、その時は、下の滝つぼまで、ロープは手放して、流しました。
そうしないと、溺れちゃいますよね。
流せば、流されてドボンとなるだけのことで、あとで同じところをみんなでウォータースライダーして遊ぶのですから、彼女だけ2回ウォータースライダーしたことになりました。
同じところを彼女が登ってもまた流されると判断したリーダーは、彼女をおぶって樋を突破しました。重たいほうが急流には、有利です。
いやホント、相方が、私と二人だけで祝子川行きたがっていましたが、
ほんとに行かなくてよかった☆
■ まずは、相手の知性レベルを判定すべし!
私の相方の場合ですが…25+35が計算できない人だったり、他の人が支点ビレイされていてもそのこと自体に気が付かないとかなので、当然のようにATCでしかビレイも知らないでしょうし、樋で流されたら、どうしたらいいか?も、おそらく知らないでしょう。
相手が岩場の講習だけしか受けていない場合は、沢のリスクについて無知である可能性が大です。そのような相手と沢に行くのは、断りましょう。
基本、無知な人って無知であること自体に無知なんです。
■ 相手の性格を判定する
相手はどういう奴か? まず、女性と二人だけで山に行くのに、初見で自分で事故やけががあった場合にどうするべきか?調べるだけの興味もなく、責任感もない相手だとしたら?
そういう性格だとすると、事故っても、下手したら
流されるお前が悪い
という逆ギレを起こされて終わりでしょう…
全部を体力や本人の責任に還元するのが、登山界の習わしです。
体力があれば(登攀力があれば)防げる、という論調のことです。
■ 第三者に意見を求める
判断に迷う場合、第三者に判断を求めるのが、一応、オーソドックスですが、気を付けないと、、熊本の指導者、祝子川を「ボルトが整備されてスポーツルートみたいな沢」とか言って、二人で行くように言ってきたんですよねぇ…
第三者に意見を求める、というのは、山岳会の慣行ですが、意見を求める相手には、くれぐれも注意しましょう。
意見はできれば、合い見積もりと同じで、3件以上からもらったほうが確実です。
■ 沢には、スポーツルートみたいな沢、なんてありません。
沢にあるボルトは、いつ崩れるか分からないロシアンルーレット状態ですよ、当然。
なんせ、365日、水にさらされているんだから。
サルでもわかる。
私は、他の人の愚かさのために自分の生命を犠牲にするのはごめんだ。
参考:祝子川は水難事故多発 として挙げられている
https://www.kasen.or.jp/Portals/0/pdf_mizube/2014suinan.pdf
■ 報道でも全く反省されていない… 頓珍漢な解説しかない
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240505/k10014440961000.html
熊本県から登山で訪れた40代の男性は「注意していても事故は起きる時は起きてしまいますが、事前の準備や体力など自分のことをよく知ったうえで登山に臨むことが、事故を防ぐために大切だと思います」と話していました。
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この事故は、注意していて起きた事故ではなく、山を舐め、必要な技術を身につけないで行ったために犠牲者が出た、という事故です。
この女性を殺した人、一生、自分の愚かさを反省してください。
後悔に生きる、というのが人としてあるべき姿と思いますよ…?
だれでも相手のチョンボで殺されれば、死なせた相手にそう思うだろう、当然の感想だと思います。
無知がゆえに人が人を殺してしまう…そうした自己省察がないから、これまで、このような事故が起こる、ずさんな登山者教育しか、施されていない訳です。
反省するべき人が反省することは悪いことだとは思いません。
日本の登山界は、女性レイプ事件が、レイプされる女性の側が悪いと判決されてきたのと同様に、被害者の心情に寄り添わず、加害者保護が行き過ぎている、というのが私の意見です。
https://www.mskj.or.jp/thesis/8764.html
ーーーーー他クライマーから指摘をもらいましたーーーーー