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2026/01/02

【教育的動画】デシマルグレードの基準ルート


この動画は、アメリカのロッククライミング史において伝説的なルートである**「オープンブック(Open Book)」**と、その初登攀にまつわる物語をまとめたものです。

主なポイントは以下の通りです:

1. ヨセミテ・デシマル・システム(YDS)の誕生 [01:42]

現在世界中で使われているクライミングの難易度体系「ヨセミテ・デシマル・システム」は、実はヨセミテではなく、南カリフォルニアの**タキッツ・ロック(Tahquitz Rock)**で誕生しました。1950年代初頭、より詳細なグレード分けが必要となり、ロイヤル・ロビンスたちが考案しました。当時の最高難易度が「5.9」と設定されました。

2. 「オープンブック」の歴史と難易度 [04:17]

  • 1947年: ジョン・メンデンホールとハリー・サザーランドが初登。当時はフリーで登れない箇所を道具に頼る「エイド・クライミング」の手法が取られ、4インチ幅のクラックには2x4の木材で作った特製の「木製ピトン」が打ち込まれました [04:30]。

  • 初の5.9: このルートの1ピッチ目が、アメリカで最初の「5.9」というグレードの基準となりました。

3. ロイヤル・ロビンスの伝説的なフリー初登 [05:36]

1952年、当時17歳だったロイヤル・ロビンスが、このルートを初めて完全にフリー(道具に頼らず自分の手足のみ)で登りきりました。

  • 驚異的な状況: 現代のようなカムやチョーク、高性能なシューズはなく、ヨット用のロープや安物のテニスシューズを使用。

  • 命がけのプロテクション: 唯一の保護手段は、数年前に残された腐りかけの「木製ピトン」のみ。落ちれば命に関わるような状況で、実質的にフリーソロ(命綱なし)に近い精神状態で登りきったと言われています [07:12]。

結論

この動画は、現代の優れた装備がある中でも恐怖を感じる「5.9」というグレードが、かつてはどれほど命がけで、勇気ある先駆者たち(特にロイヤル・ロビンス)によって切り拓かれたものであるかを伝えています。

動画はこちらから視聴できます:Open Book the FIRST 5.9 - A Rock Climbing Story




【教育的動画】トッド・スキナーのビレイループ破断

フリークライミングを永遠に変えたヨセミテ・ラペル

伝説的なクライマー、**トッド・スキナー(Todd Skinner)**が2006年にヨセミテで命を落とした悲劇的な事故と、その背景にある教訓についての解説動画です。

以下に内容をまとめます。

1. トッド・スキナーという人物

  • フリークライミングの先駆者: 1980年代、道具に頼らず自分の手足だけで登る「フリークライミング」の限界を押し広げました [01:00]。

  • 歴史的偉業: 1988年にエル・キャピタンの「サラーテ・ウォール」を世界で初めてフリーで完登し、ビッグウォール・クライミングの常識を覆しました [04:08]。また、パキスタンのトランゴ・タワーでも過酷な条件下で歴史的な初登頂を成し遂げています [05:27]。

2. 事故の経緯 (2006年10月23日)

  • ヨセミテの「リーニング・タワー」で、新しいルートの開拓中に事故は起こりました [06:04]。

  • 作業を終え、500フィート(約150m)の高さから懸垂下降(ラペル)を開始した直後、ハーネスのビレイループ(生命線となる輪)が破断し、彼は地上へ転落して亡くなりました [11:43]。

3. 事故の原因と「見過ごされた予兆」

  • 摩耗の指摘: 事故の数日前、パートナーがトッドのビレイループがひどく摩耗している(15〜20%ほど擦り切れている)ことに気づき、警告していました [08:16]。

  • 楽観的な判断: トッドもそれを認め「新しいハーネスを注文中だ」と答えましたが、「あと数日なら大丈夫だろう」と考え、使用を続けてしまいました [13:32]。

  • 隠れたダメージ: 昇降器(アッセンダー)を常に同じ位置に固定して使っていたため、特定の箇所に摩擦が集中し、目に見えない内部まで致命的なダメージが蓄積していました [10:26]。

4. クライミング界に与えた影響と教訓

  • 「経験は免罪符にならない」: 世界最高の技術を持つレジェンドであっても、基本的な用具の不備で命を落とすという事実は、世界中のクライマーに衝撃を与えました [17:00]。

  • 安全基準の刷新: 事故後、メーカー各社は用具の寿命や点検基準を厳格化しました。

    • **「迷ったら廃棄しろ(When in doubt, retire it)」**というルールが定着しました [16:07]。

    • プロの使用なら1年、レクリエーションでも最大7〜10年でハーネスを交換すべきという明確な指針が作られました [16:24]。

トッド・スキナーの名は、彼の輝かしい功績とともに、**「慣れや自信が安全への注意を鈍らせてしまう危険性」**を後世に伝える教訓として、今もクライミング講習で語り継がれています。