男尊女卑の起源 男性のためのフェミニズム入門① Progressive! Channel 中野晃一
■ フェミニズムの一歩目 身体的優位性にモノを言わせてはいけない
九州に来て、男性の、女性蔑視思想は、深刻な被害だなぁと、身近に実感するようになりました。
クライミング界全体で言えば、
ボルト間隔
&
グレーディング
に、女性蔑視に思想が、ありありと現れています。
フェミニズムの歴史通りに、順繰りに是正していくなら、遠いボルティングを改める、というのが第一歩ですね。
■ そこに立って、手が届かなければガバは意味がない。
5級のガバがあるとします。同じスタンスに立って
170cmの人、手が届く。
150cmの人、手が届かない。
ここまで明らかですね?
で、他のスタンスがあり、小さなジプスに乗ったとします。
170cmの人、ジプスに乗らなくて手が届く。
150cmの人、ジプスに乗ったら手が届く。
そのジプスが、偶然 2級レベルのジプスだったら?
その5級のガバ一手課題は、
170cmの人にとっては、5級ガバ一手課題。
150cmの人にとっては、2級ジプスに5級ガバ一手をプラスした、バランシーな課題。
170cmの人=5級
150cmの人=2級
どうですか? 納得しましたか?
クリッピングチャンスも同じことです。背が低い方は、手繰り落ちリスクが高くなります。
■ 背の高い人が背の低い人を馬鹿にしている場合の倒錯
で、このようなケース全体で、分かっていない男性クライマーに多いのが、
えー、こんなのも、登れねぇのかよ、とバカにする
です。そりゃ、自分にとっては、楽勝だったからですね。
しっかし…
その見方が…そもそもありとあらゆる競争が、競争の土台が同じでないと競争になりませんよね?
競争したかったら、自分と同じ能力の人を見つけてきて戦わないと戦いにならない…。
女性とフィジカルで戦って優位に立つって、それ、男性だったら、当然すぎますよねぇ?
私の夫はクライマーでも山やでもありませんが、それでも私より強いですよ?
なので、本当に起きていることは、優位に立つために、あえて俺と比べても、俺の絶対優位性が担保されている相手だけと自分を比較する癖がついている、ってことです。
大体そういう人を見ていると、比べる相手が、そりゃ勝つに決まっているでしょう、という相手。
私は、今、バタフライ上手なんですが… 一緒に泳いでいる80代の女性たちと自分のバタフライを比べようとは思わないです。
60代でも、50代とは比べられないですよ?
比べるなら、50代女性同士を比べないと…。
■ グレードはともかく、ボルト間隔は是正が必要
現代は、中学生くらいから、クライマーは外岩に登っています。
グレードが辛くて、5.9と書いてあって、実際は10cであっても、ボルト間隔が適切なら、落ちても死に至ることはないです。
特に核心ムーブ部で、落ちれないランナウトがあるのはダメです。
5.9と書いてあるルートで、5.9のムーブ(つまりムーブ不要という意味ですが)でランナウトがあったらダメです。 つまり、5.9というグレードでは、5.8だったり、5.7の箇所でのみ、ランナウトが許されるという意味です。
4級40mランナウトなんて、はぁ?じゃあ、ノーザイルで行けば?みたいな矛盾です。落ちれないんだったら、ロープを使うだけハンデになる。
グレードがてんでバラバラなことより、
ボルト間隔の適正配置
のほうが先に必要な理由です。
■ 140cmの人を最低基準にするのが良いのでは?
以前、小学生・中学生の平均身長を調べたことがあるのですが、150cmの私は、大体小学校6年生の男子レベルの身長でした。中学1年生では、私の身長を大体超えるようです。
クライミングを教えて分かりましたが、ロープクライミングができるのは、6年生もしくは中学生になってからです。
それ以前は大人並みの判断力がないので、ロープを教えるにしても、ビレイはさせられない感じでした。
ので、140cmまで下げておけば、ロープクライミング人口の9割をカバーできるのではないか、と思います。
それで怖いって言われたら、ジムで、もっと登りこんでから来てね、ということでしょう。