2024/06/09

【クライミング心理学】自己愛性パーソナリティ障害

パワハラ上司? 自己愛性パーソナリティ障害について解説しました【精神科医が一般の方向けに病気や治療を解説するCh】
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<診断基準>

DSM-5から診断基準を取ってきました。下記の9つのうち、5つ以上当てはまると自己愛性パーソナリティ障害と診断されます。

1.誇大的感覚
自分は素晴らしい、すごい人間なのだという感覚です。

2.空想にとらわれている
理想的な空想にとらわれていて、ナルシスティックな世界にいます。ブランド物に「こんなに素晴らしいものはない!」などと言いますが、所詮ただの服、時計でしかありません。高級車もただの車だと思いますが、「これは限りない人類の叡智なのだ」と言ったりします。

3.自分が特別で、凡人には理解不能
「特別な人にしか自分のことは理解できない」と言ったりします。

4.過剰な賛美を期待
もっと褒めてくれと過剰な賛美を期待します。「○○さん、すごいな」というと「そうでしょ、他には?」と続きます。

5.特権意識を期待
自分は特別なのだから特別扱いしてくれということです。

6.相手を不当に利用
タダ働きさせる、部下の手柄を独り占めするなど相手を不当に利用します。

7.共感の欠如
相手の痛みがわかりません。

8.嫉妬
妬んだり、あるいは妬まれているという妄想に駆られています。「○○は僕のことを妬んでいるんだ」と言いますが、妬んでいるのではなく、ただ普通に怒っているだけだったりします。

9.尊大な行動・態度
踏ん反り返るなど偉そうな行動、態度を取ったりします。

自己愛性パーソナリティ障害の人は、喋っていて何か嘘くさい、薄っぺらい感じがあります。

<人格障害の基準等>

・人格障害の基準
医者同士で喋っていても、これは神経症だよね、ここまで行くと人格障害だよねなどと、目に見えない何かがあります。人格障害特有の固さ、話の通りにくさみたいなものがあり、年を取ったから丸くなったということは起きません。

・本人が通院する?
人格障害の人はなかなか通院しません。通院する人はそもそも診断基準に当てはまらないというか、人格障害なのか?という気はします。医者が患者さんを持ち上げるようないびつな治療構造になっているか、精神科医の腕が非常に良くうまく扱っているかだと思います。

・パワハラ上司として登場
本人は通院しなくても、臨床的には実は珍しくありません。どのような場面でそのような人に接するかというと、パワハラ上司としてよく登場します。自己愛性パーソナリティ障害の被害者として患者さんが来るので、間接的に「ああ、あのパターンか」となりますし、時々上司や父親、母親として現れます。

また、自己愛性パーソナリティ障害の人もうつ病や統合失調症を発症することもありますし、アルコール依存症を合併することもあります。ですので直接自己愛性パーソナリティ障害を診療の対象にすることはなくても、自己愛性パーソナリティ障害を体感することはあります。

・犯罪心理、司法精神医学
自己愛性パーソナリティ障害は犯罪心理や司法精神医学でメインに扱われているのかなと思います。

<自己愛性パーソナリティ障害を持っているパワハラ上司の特徴>

・ほめない
まずほめませんが、ほめるとしてもすごく意図的というか見え見えの作戦通りのほめ方をします。

・人の痛みがわからない
これは本当にわからないのです。

・自分の出世のみ関心
他人の成功を喜びません。

・周りも止めない、利用する
周りもこういう人を止める力がなかったり、利用する人もいます。組織の中で使いやすかったりするのです。

最近では、某国のトップが自己愛性パーソナリティ障害ではないかと言われたりもしました。自分の名誉を守るために犯罪を侵したりすることが本当にあります。これが100年後医学的にどのように評価されるか、診断基準が見直されるか、理解されるかはわかりませんが、よくわからない、でも臨床的には存在しているものとして自己愛性パーソナリティ障害というものはあります。

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■ クライマー界に適用したら?

1.誇大的感覚
自分は素晴らしい、すごい人間なのだという感覚です。

→ 40年前の ”日本全国Ⅳ級A1” から、進化していないことに気が付いておらず、そのままで素晴らしいと思っているので、現代のトップクライマーの成果や業績について、

 俺だって佐藤ユースケ

だと思っている。金がない、チャンスが巡ってこなかっただけだ、と思っている。

これ、マジです。

2.空想にとらわれている
理想的な空想にとらわれていて、ナルシスティックな世界にいます。ブランド物に「こんなに素晴らしいものはない!」などと言いますが、所詮ただの服、時計でしかありません。高級車もただの車だと思いますが、「これは限りない人類の叡智なのだ」と言ったりします。

→ クライミングについて、神聖視している。 クライマーがこの世で一番立派だと思っている。アルパインクライミングが頂点で、フリークライミングが下で、ボルダリングについては、蔑視している。

うーん? 特にアルパインの人に根強いと思います。嵩じて、トレランの人やMTBの人とトラブったりしている。

アイスをやる人は、アイスクライミングが登山界の頂点だと思っていたりする。

一方、高所遠足のエベレストについては、複雑な思いを持っていたりする。お金さえあれば、俺も登りたい、のではないだろうか?

クライミング仲間に尊敬されなくても、一般人からでもいいから、尊敬と注目が得たいと思っていると思う。

3.自分が特別で、凡人には理解不能

「特別な人にしか自分のことは理解できない」と言ったりします。

クライミングについては、一般の人がグレードなどを理解できないので、ある意味事実なので、妄想的発言とは言えなくなり、クライミングができることで、家族には自分のすごさが理解できないのだ、と思っていたりします。


4.過剰な賛美を期待

もっと褒めてくれと過剰な賛美を期待します。「○○さん、すごいな」というと「そうでしょ、他には?」と続きます。

これは、賛美を与えると図に乗るということです。山梨では、箸にも棒にもかからない普通のクライマーだった人が、九州に来たら、突然

 特待生

となり、グーンと自信をつけた事例を見ました。九州から山梨に来た人は逆で、誰とも登ってもらえなくなっていました… ロープつけずに本間沢の滝を登ろうとした人。

5.特権意識を期待

自分は特別なのだから特別扱いしてくれということです。

他の人からいかに特別扱いされたか?を私にとくとくと話続けます…。それなら、大阪の人と登ればいいんじゃないかと思ったりしたんですが…。

その大阪の人が登ってくれたのは、彼だから、ではなく、山梨に住んでいるから、なんでは?

6.相手を不当に利用

タダ働きさせる、部下の手柄を独り占めするなど相手を不当に利用します。

白亜スラブ、あれ、山頂に抜けれたのは、フォローのがしりぬぐいしたおかげだと思います。

あの登りで、自慢話になるのかな?? 

疑問ですが、実績に数えていると思う。

7.共感の欠如

相手の痛みがわかりません。

俺はそうは思わない、で終わりでした。手が届かないってのは現実。

8.嫉妬

妬んだり、あるいは妬まれているという妄想に駆られています。「○○は僕のことを妬んでいるんだ」と言いますが、妬んでいるのではなく、ただ普通に怒っているだけだったりします。

韓国アイスで起きた。私はトップロープで登っただけだが、とても登りを気に入ってくれたのが韓国の人で、注目が自分ではなく私に注がれたことが気に入らなかったらしく、ブイブイモードになった。

9.尊大な行動・態度

踏ん反り返るなど偉そうな行動、態度を取ったりします。

→ めっちゃブイブイモードの登り。大堂海岸でもなんか偉そうだったが、根拠が不明だったんだが…。

自己愛性パーソナリティ障害の人は、喋っていて何か嘘くさい、薄っぺらい感じがあります。

→ あると思う。世間体話が多いというか真実の言葉がないというか… 師匠は嘘っぽさはあまり感じなかったが、前の相方はかなり感じた。

普通であるということに、何か特別な意味を込めていそうだった。

今の時代、普通って、良い意味ではないと思いますよ?