2024/06/02

【クライミング心理学】私は、女性を武器化する男性の道具にはなりたくありません


中高年男性はどう退場する? 男性のためのフェミニズム入門④ Progressive! Channel 中野晃一

■ 女性を武器化(広告宣伝に使う)

というのが、男性社会が

 女性を武器化

する、その道具にされる、ということです。

いや~、私もされそうになった…。

ちょうど大蛇山を登っていたころです。私は九州クライミング界から、

 広告塔、武器 

扱いされそうになったと感じました。

広告塔になるなら仲間に入れてやるが、ならないなら入れない。それが起こったことです。

■ ジム上がりクライマーに必要なのは、安全にクライミングデビューできる定番ルートですよ

私自身は、夢中歩行も、初夢も、楽勝でした。山梨育ちで、しかもフリークライミングではなく、三つ峠のアルパイン育ちなので、前穂北尾根も、終わってから来たし、別にボルトは遠くなく、どっちもオンサイト可能でした。

従って、私は、自分のために、ボルトを打ちなおせ!とは主張していません。

一貫して、主張しているのは、

 初心者が安全に外岩にデビューできるだけの信頼に足るボルト強度とボルト間隔の課題がない、

と言っていることです。日向神の定番入門者ルートである、夢中歩行も、そのようなルートではありません。

マルチに至ってはもっとひどく、ジム上がりクライマーは当然ジムで練習はしてこないスラブ登攀が、入門ルート。そして、その入門ルートは…巨大ランナウトでは落ちることができません。

その程度もひどく、10mランナウトでもひどいですが、40mランナウトです。自分だって古い開拓者の米澤さんも、ひどすぎると言っていたほどです。

■ スラブは入門とするのに不適切

スラブ登攀は、現代のクライマーには、まったく対応力が育つ環境がない入門ルートであり、入門に適している、と言えません。

落ちないで登るということを覚える機会が、ジムクライマーや入門したてのクライマーには欠如しており、そのような中で、落ちれないスラブを登るのは、基本、ステップアップの課題として、つまり、カリキュラムの構成として破綻しています。

したがって、入門クライマーは、

 ・ボルトの間隔が近く、
 ・支点強度も、整備も管理が行き届いている

ラオスに行って登るのが、私の経験上は、お勧めです。

適切なボルト間隔を覚えたい人は、アイス易しいトラッドをやれば、覚えられます。

支点が整備されていれば、とくにビレイヤーの優秀さにこだわりを感じることなく、楽しく登って帰ってくることができます。

一部のクライマーからは、私が、

 すべての外岩ルートを人工壁並みの安全性にしろ

と言っているような濡れ衣を着せられ、その濡れ衣が都合が良い人達からは、

 女性を保護する

を口実に、実際は出来の悪いジムクライマーを保護する結果にしかならないプロジェクトの音頭取りをさせられそうになったと思います。

女性を口実にあるいは武器に、あるいは広告に、自分の願いをかなえようというのは、
 
 責任転嫁

ですので、私はそのような責任を転嫁される立場になるのは、ごめんです。

自分のケツは自分で拭きましょう。

クライマー界は、一般社会より古臭く、女性を蔑視したり、女性ではなくても、誰もが楽しく登れる岩場を目指すという点からは、非常に立ち遅れています。