2022/04/06

グレーディング考 段級システムはガラパゴス化なのか?

■今日の仏教説話

「つながりは、コントロールできない」、というおかもん語録が、秀逸でした…。

子どもとの死別など、大変な目に合っている人は、なぜこんなことが起きたのだろう…と考えてしまって、大変だなぁ、気の毒だなぁと傍目に思ったりします。

そういう”喪失”も、人間の意思の力ではコントロールできない大きな力が働いている、ということ…を意味する言葉です。

クライミングにおける喪失…死や、パートナーとの別れなどもそうかもしれませんね。

クライミングでは、自己破滅的選択肢を採っている、と私の目には思える人には、ハラハラさせられてきたのですが… そういう場合も

”繋がりはコントロールできない” 

と 唱えると心が落ち着きそうです。

死への傾倒…DeathWishingというのは、クライミングの伝統でもありますしね。クライミングの、というかヨセミテの、かもしれませんが。

■ 生かされる自分

クライミングのお話では、ジャンボさんのトークでご縁に生かされてきた、というお話が思い出されます… 

私自身も自分の登攀は、たぐいまれなるご縁に導かれてここまで繋がった…と思っているのですが…

良い縁をつないできたなぁ…と思うのですが、UIAAとのご縁などは、どう捉えたらいいのか分からなかった。

私などの末端クライマーがつながっても仕方なく、影響力のある人に…というので、ずいぶん多くの人に声を掛けましたが…なかなか共感のベースに載るだけの大きな視点がある上級クライマーとは繋がれず、もどかしさというか、無念な感じを受けました。

あるいは、若い人につなげないと…と思って、だいぶ声を掛けました。若いクライマーは登れるし、記録を提供すること(自利)には興味があるけど、それ以上の広い視野は持てない人が多いです…というか、それこそが若さ、な感じです。

自利利他というのは、自利、が満たされたのちに発生しがちなもの、なので…。まだ自分を満たすことにいっぱいいっぱいの段階では、みんな、のことに目がいかないのは普通のことだし…。

どっちを向いても、八方ふさがりというか… 自分自身の力不足、というより、立場により見える物事は違うので、UIAAから見えていることを見える立場に立つことが可能である、日本人の上級クライマーになかなか出会えない、という感じでした。

■ 日本のガラパゴス化

日本のクライミングの世界は、今の時点で、国際的に見てもかなり極端な形というか、ガラパゴス化しているというか…

これは、別にクライミングに限らず、けっこう日本は、国際社会で異質なのは、事実です。

日本はグローバル化の時代と言っても、ものすごく国際的に見れば、独自カラーが強かったりします。市場が閉じているというか。例えば冷蔵庫洗濯機って、日本だけかなりユニークです。お隣韓国では、西洋スタンダードが普及していて、私はそっちが好きなので羨ましいくらいです。

クライミングに戻ると、海外から見たら、日本はデスパレート…追い込まれた状況に見える…ということなのでしたが…そういう状況である、という認識自体が、国内でしか登らないと分からないわけです。

海外で登っていたような人でも、オールドクライマーは問題意識を持つ個人的ニーズ自体がない。…かといって若い人の海外離れは著しく、若いだけに広い視野というのは、今だ必要せずな人も多いわけですから、なかなか時間がかかった任務だった。

身に余る任務で、かなり疲れたのでした…。

■ 繋がり…縁

縁というのは、不思議なもので、コントロールできないものだ…と思っていると、

なにがしかの意味を与えなければ!という能動性を伴った成果に対するこだわりが、手放せそうな気がします。

無意味にしてしまわないためにどうしたらよいか…

この4年の長い間悩んでいたのでした… もう相当、鬱症状でした…(笑)。

■ 段級システムからのコンバージョンは正確か?

昨日も、海外から、8c+の課題について問い合わせが入っていましたが、グレードって再登者が出てくれないと確定できないですよね… 

なので、岩の場所を知らせないと、なにか意図が背後にあるのかな?と勘繰られても仕方がないかもしれません… 非公開の岩場とか、アクセス問題があり難しい場合は、その旨書いておくなどの配慮もいるかもしれません。

日本国内の段級システム、これだけ普及してしまうと改めにくいですが、海外の人が再登すれば、段級からの国際グレードへの、コンバージョンも確実だけど…そうでない場合は、発表するときに、(仮)とかつけておかないと、本当にそうなのか?と記録をつけているような人は、思うものなのかもしれません…

グレード偏重は嫌いですが…記録となると、繊細な心遣いが必要かも??? 

その場合に、日本は国際的配慮に欠けているかも???

一般クライマーは、プロセスを大事に、楽しく登ったほうがいいと思います。向上しても向上しても、まだまだ自分を褒めてあげられない世界に、自ら好き好んで入る必要もないかと…。特に私のように高齢になってからスタートした人に同じ価値観を求められても…(笑)。



■ 備忘

愛で繋ぐ山

https://allnevery.blogspot.com/2019/01/good-by-2018.html