■ 5.12スイスイ × 40kg
昨今のアルパインクライミングは、40年前とは様相が違い、
セカンドでも5.12がスイスイと登れ(RPではないですよ!)、40kgの歩荷が普通に遅くならないでできて、当然
で、そのような超人的な人たちが、
5000~6000mという標高で、マルチピッチを登る、
というのが、現代流のまともなアルパインクライミングです。
…というので、5.12がスイスイレベルのフリークライミング能力は、あって当然の基礎力、にすぎません。
私はといえば、そんなことはアルパインスタートして1年後には理解できる、幸福な環境にいたので、さっさと冬壁は捨て、アイスクライマーになったのでした。
…というのは、冬の山しか、全く興味がわかないので…。
グリーンシーズンは、”トレーニング”、の位置づけでした。なので、海外クライミングに言っても、”三昧してトレーニング”に行くわけで、一般のフリークライマーのように、”○○って課題を落としたい”とか言うのがあるわけではなかったのです。とにかく、登攀をシャキッとトレーニングできていれば文句なかったわけで。
さて、前置きが長くなりましたが、現代のアルパインクライマーに要求されるフリーの基礎力が高くなったことから、フリークライマー君といえば、スキニーなマッチョ君、と相場が決まっています。細マッチョ君ですね。
歩荷に強いタイプ…がっちりしていてでかい人…は、おおよその人たちの経験則だと、歩荷にはいいけど、登攀は下手くそで、両立しないと思われています(ジャンボさんは稀有な例外)。私も思い当たる人たくさんいます。やはり、クライミングの傾斜になると、体重はマイナス。
かといって、スタミナということになれば、体重がある程度ないと…体が弱ってしまいます。
というので、この両立しがたい面を両立させるには…?ですが、体が細くて、食べても食べても太らない人は、
胃がん検診を受けて、胃酸の出を見る (ペプシノーゲン)
と良いです。
胃酸が十分出ていないと、タンパク質を採っても、ぜんぜん消化も、吸収もされておらず、栄養は、スルーして体外に排出されている、ということなのです。
■ 異化
入院などで、床に臥せると、筋肉がごっそり減る、という経験は、みながあると思いますが…、タンパク質の異化が進んだということです。
タンパク質は、タンパク質からしか合成されない…糖質を採っても、エネルギーとして燃焼されるだけで、筋肉を構成するアミノ酸にならないのです。
体重50kgだったら、タンパク質を50g取って、異化と同化が釣り合うと言われていますが、普段の生活でも、そんなに取るのは、ほぼ無理ってくらい多い=困難な量です。
そこで、プロテインで補給でも…となりますが、プロテインも消化力がないと、吸収できない…
ので、そういう人は、吸収しやすい形態である、ボーンブロスでの補給がおススメです。
細マッチョの人は、吸収する力が弱いんですね…だから、細いともいえますが…。
■ 病み上がりに限界に挑戦はない
しかし、病み上がりで、筋力がないのに、限界グレードに挑戦するのは、さらなる怪我を重ねる元です。
しっかり食べて筋肉を戻してから、限界にチャレンジしましょう…
以前、前穂北尾根でグリサードして骨折した先輩がクライミング復帰したら、なんと、私より登れなくなっており、彼のショックを受けている様子が伝わってきました…
いや~、あれは気の毒だった…
どんな強い人でも、ベースになる筋肉がないと、そりゃ登れません。