■ 経験豊富なクライマーが安全なクライマーであるとは限らない
というのが、私がこちらで経験したことの総括、です。
事例1)リードクライマーを支点ビレイしていた、”経験豊富なクライマー”
事例2)座ってリードクライマーをビレイした、”経験豊富なクライマー”
事例3)2名を一人でビレイした、”経験豊富なクライマー”
事例4)2mも壁から離れたビレイをした、”経験豊富なクライマー”
事例5)いまだにカットアンカーでボルトを打っている、”経験豊富なクライマー”
その”経験豊富なクライマー”に、盲目的に従ってしまった結果が…若い人の行為に現れていました。
事例1)支点ビレイをされていても危険だと分からない…怒ることができない
事例2)終了点はロープを直接かけてくることが、非常識だと知らない
事例3)ATCなのにグリップビレイをして正しいと思ってしまう
事例4)ボルトラダーの単なるうち替え
事例5)40年前の価値観で自慢をしてしまう
事例6)スキル未満で実力以上のルートに出てしまう
事例7)安全意識を持たないで、自己顕示欲の山をしてしまう(昔はそうだったから)が、そのPRが現代ではまったく”成功”の基準から離れているいることに気が付けない
事例8)間違ったビレイを見て、それがそうと気が付かないので真似してしまう
でした。
適切な教育がない、
というのが、原因なので、若い人の原因だとは言えないかもしれません。
現に、佐賀県の樋口先生のところでは、非常に良い教育がなされていました。
対策の第一歩は、
「年配の人には、間違ったことでも指摘してはならない」というメンタルブロック(あるいいは世渡り術か?)を解除することではないかと思います。
経験があるクライマーが神のように何でも知っていることは期待できません。知識というのは、当然、陳腐化していきますし、長年トップを走り続けるというのは無理です。
人は弱いもの、時代は流れていくもの、なので、基本的に、若い人のほうが自分たちの実力とスキルに見合ったルートをどんどん主体的に作っていく、という世界のほうが、生産的です。
歴史の流れを見れば、何が歴史を前に押し出すことができる行為なのか?は見たら分かると思いますが、そのような取り組みをしている人はどこにいるのかな?という感じです。
本州ではギリギリボーイズの方たちは、そういう方たちだったようです。今、ユースケさんが沢でネパールにいるようですが、沢というのは日本だけで行われている登山行為ですので、それを世界に持って行けば、あっという間に一等賞です。
以前、知っている中では、海外遡行同人、が一番、活気ある、山やの集いでした。これも、若いクライマー皆誘いましたが、来なかった…メンタルブロックなのではないでしょうか?
ということなので、メンタルブロックの外し方…
■メンタルブロックの外し方
1)「年配の人の間違いを指摘してはいけない」とどれくらい思っているか?10点満点で評価する。
2)大きな声で3回言う
3)客観的に自分を見て、「そう思っていたんだなぁ」という。
4)主観に戻り、「やっとわかってくれたんだな!」という。
これを、10点満点評価が非常に小さい値になるまで繰り返す。
現代的在り方。若い人のほうが事情をよく分かっており、年配の人が教わる側。