2022/04/17

年配者に間違いを指摘してはいけないというメンタルブロックを外す

 ■ 経験豊富なクライマーが安全なクライマーであるとは限らない

というのが、私がこちらで経験したことの総括、です。

 事例1)リードクライマーを支点ビレイしていた、”経験豊富なクライマー”

 事例2)座ってリードクライマーをビレイした、”経験豊富なクライマー”

 事例3)2名を一人でビレイした、”経験豊富なクライマー”

 事例4)2mも壁から離れたビレイをした、”経験豊富なクライマー”

 事例5)いまだにカットアンカーでボルトを打っている、”経験豊富なクライマー”

その”経験豊富なクライマー”に、盲目的に従ってしまった結果が…若い人の行為に現れていました。

 事例1)支点ビレイをされていても危険だと分からない…怒ることができない

 事例2)終了点はロープを直接かけてくることが、非常識だと知らない

 事例3)ATCなのにグリップビレイをして正しいと思ってしまう

 事例4)ボルトラダーの単なるうち替え

 事例5)40年前の価値観で自慢をしてしまう

 事例6)スキル未満で実力以上のルートに出てしまう

 事例7)安全意識を持たないで、自己顕示欲の山をしてしまう(昔はそうだったから)が、そのPRが現代ではまったく”成功”の基準から離れているいることに気が付けない

 事例8)間違ったビレイを見て、それがそうと気が付かないので真似してしまう

でした。

   適切な教育がない、

というのが、原因なので、若い人の原因だとは言えないかもしれません。

現に、佐賀県の樋口先生のところでは、非常に良い教育がなされていました。

対策の第一歩は、

「年配の人には、間違ったことでも指摘してはならない」というメンタルブロック(あるいいは世渡り術か?)を解除することではないかと思います。

経験があるクライマーが神のように何でも知っていることは期待できません。知識というのは、当然、陳腐化していきますし、長年トップを走り続けるというのは無理です。

人は弱いもの、時代は流れていくもの、なので、基本的に、若い人のほうが自分たちの実力とスキルに見合ったルートをどんどん主体的に作っていく、という世界のほうが、生産的です。

歴史の流れを見れば、何が歴史を前に押し出すことができる行為なのか?は見たら分かると思いますが、そのような取り組みをしている人はどこにいるのかな?という感じです。

本州ではギリギリボーイズの方たちは、そういう方たちだったようです。今、ユースケさんが沢でネパールにいるようですが、沢というのは日本だけで行われている登山行為ですので、それを世界に持って行けば、あっという間に一等賞です。

以前、知っている中では、海外遡行同人、が一番、活気ある、山やの集いでした。これも、若いクライマー皆誘いましたが、来なかった…メンタルブロックなのではないでしょうか?

ということなので、メンタルブロックの外し方…

■メンタルブロックの外し方

1)「年配の人の間違いを指摘してはいけない」とどれくらい思っているか?10点満点で評価する。

2)大きな声で3回言う

3)客観的に自分を見て、「そう思っていたんだなぁ」という。

4)主観に戻り、「やっとわかってくれたんだな!」という。

これを、10点満点評価が非常に小さい値になるまで繰り返す。

  現代的在り方。若い人のほうが事情をよく分かっており、年配の人が教わる側。