■ 曲がった松は曲がった松とみる
今日の仏教説話は、正見でした。
現代のクライマーは、かっこつけたい気持ちと、クライミングそのものに対する理解の不足の2点で、正見、が出来ていない人が多いというのが、私の観察結果です。
そこで、きちんと見れていない事例をまとめておきます。
■ 偏見、悪見、邪見のリスト
1)ボルトルートは安全 → 40年前のボルトは、カムより危険
2)山岳会のベテランの意見を聞いていれば安心 → 人は年を取る 誰でも間違いはある
3)人工壁のビレイと外岩のビレイは同じ → 外岩はより難しい ミニマムスラック&ソフトキャッチ
4)自分はスゴイクライマーだと自己主張したいので、〇〇に登らなくてはならない
→ 趣味なので、そんなことをしなくてもいい
5)クライマーは常に上を目指すべきだ → 趣味なので、自分の好きに楽しめばよい
6)生死を掛けるのがクライミングだ → フリークライミングの時代になってからは、誰も生死を掛けることが正義だとは思っていない
7)初登こそが価値がある → 初登に価値があったのは事実だが、価値ある初登とそうでないものがあると歴史が証明している。現代に残されたのは、落穂ひろい、であると歴史が語っている
8)現代には価値ある初登はもう残されていない → スタイルを勉強することで、まだ埋められていないスタイルによる登り方はいっぱいある
9)この岩場には俺のレベルの人間が登るルートはもはやない → 課題を難しくするのは簡単。裸足で登ってみましょう
10)叫んでいる俺ってかっこいい → かどうかは価値観によります。怖がっている人に私からは見えます。
11)フリーソロしたい → 自動化が起こるまでの大量の登りこみが必要です。公共の岩場ではなく、自分で開拓した岩場でやらないと、業界中の迷惑になる可能性が絶大。
12)トップロープは安全 → トップロープは下部で落ちる量が大きいので、スタート時をタイトにしないと、下部で落ちたらグランドフォールになります
13)トップロープは安全 → かぶっている課題では振られて危険
14)リードは危険 → かぶっている課題ではリードのほうが安全
15)アイスは危険 → アイスではテスティングをしてからしか登らないので、そこまで危険なことはない。アイスで危険なのは、気温上昇 です。雪山と同じで気温が上がる日中は避けて登る。早朝と午後の遅い時間が安全時間帯です。
16)落は運 → 落があるところを見極めることができる目を養うのが本来はスキル
17)雪崩は運 → 雪崩があるところを見極めることができる目を養うのが本来はスキル
18)ビレイヤーは奴隷だ → ビレイヤーは、リードクライマーと対等 無いと登れない
19)セカンドはリードより劣る → 劣らない ジャンボさんの話を聞きましょう
20)マルチでは、事故が起こっても仕方ない → レスキューの訓練をしても使わず帰って来れるのが成功
21)ヘッデン下山はかっこいい → それは、上級クライマーがギリギリに迫った場合のことで、無計画な山で、不作為にヘッデン下山になったのは、ただの実力不足です。
22)ゆとりがないほどかっこいい → 上級クライマーへの憧れは理解できるが、そのレベルにない人がやれば、ただのアホです
23)より高いグレードが登れる方が上だ → なら猿が一番立派なクライマー