こんにちは。海外クライミング文化を伝えるアンバサダーKinnyです。
日本のクライミングって、地方に行ってわかったんですが…いまだにエイドクライミングをアルパインクライミングと呼んでいる時代の人に若い人がクライミングを教わっているんですよ。だから、”進化”じゃなくて、”懐古趣味”になっているんです。
私が九州で目撃したのは、『日本全国AIⅣ級』って時代から技術的進化を止め、それを若い人が教わってこれがアルパインかぁと言っている現状でした。行くのは阿蘇の根子岳で、そこで亡くなった人の記録は長い行列です。そもそも地震でもろくなり行くべきでないような場所で、もろさに迫ることがアルパインの本質みたいな、価値観の転倒現象が起きていました。そんなゲームルールでやれば、ただのロシアンルーレットではないか。
一方でスポーツクライミングの台頭でムーブの洗練だけが突出して優れている若い人ってことになっているみたいです。
そんなこと、新人は知らないで、山に登りたい!ステップアップしたい!希望にあふれてやってきますから、開けてびっくり!ってことになります。
そしてまだびっくりしている間に命を落とす人もいます。
さて、SNSでこのような案内が回ってきました。
How to Cry on a mountain 直訳すると、山で泣く方法。

日本でもこのような活動がスタートすればいいなぁと長い間、思っています。やりたい上級クライマーがいたら、連絡を。事務局をやります。
山で仲間を亡くしたクライマーの語りを聞く会なのではないか?と勝手に思っているのですが…。
これ無料イベントですが…日本から参加すると夜中の2時です。
ヤマレコややマップあたりが協賛してくれて無料動画を日本語字幕付きでYouTubeにアップしてくれたら、上層部を動かす力になるかも。
日本の山岳業界は政治と同じで、トップが長年移動しないので文化的に行き詰まっている状況です。
この活動の案内は、こちらの方から回ってきましたが、マークスさんは現代アメリカのトップクライマーの一人です。

「マーカス・ガルシアは、あなたがまだ知らないかもしれない最高のクライマーかもしれない。」
— Rock and Ice Magazine 第238号より
マーカス・ガルシア(42歳/コロラド州デュランゴ出身)は、あらゆるスタイルをこなすオールラウンドなクライマーで、トラッド、アルパイン、スポート、ミックスクライミングからビッグウォールや砂漠のタワーまで、200本以上の新ルートを開拓してきました。
しかし、彼の最大の功績であり、真のレガシーは、限界をどれだけ押し上げたかではなく、コーチやメンターとして、次世代のクライマーに何を伝えているかにあります。
彼はユース・チームUSAアイスクライミングのリードコーチとして、オリンピックレベルの次世代アスリートの育成に力を注いでいます。また、ウィンタースポーツとしてのクライミングをオリンピック競技に導くため、UIAAユース委員会のボードメンバーも務めています。
競技者としての情熱も健在で、スポート、ミックスアイス、ボルダリングの大会にも現役で出場しています。そして彼が最も愛してやまないのは、「クライミングを教えること」。
自身が経営するクライミングジムでは、クライミングへの情熱を共有し、ユースチームをコーチしながら、「クライマーであるとはどういうことか」を伝えるメンタリングを行っています。
彼が主宰するクリニック(講習会)は、各地のクライミングフェスティバルで開催され、多くの参加者から高い評価を受けています。
クライミングをしていないときは、カメラのレンズ越しに他のクライマーの姿を記録していることも。
マーカス・ガルシアが大切にしている言葉:
「永遠に生きるかのように夢を見よ。明日死ぬかのように生きよ。」
より、引用翻訳。
日本にもクライミングのメンタリングを
私は何もかも日本が外国に遅れているとする、自己卑下につながる外国礼賛は嫌いなんですが…というのも、実際にアメリカには住んだ経験があり、必ずしもあちらのシステムが優れているわけではないと体感で知っているからですが、でも、クライミングの在り方、哲学、クライミングにおける精神性という意味では、日本でそのリーダーシップをとっているクライマーは、たぶん誰もいませんね。
結果的に、ただの体力自慢の世界観で終わってしまって、その優れた体力をどう社会に還元して使うか?って話になると、自慢、だけで終わっているかもしれません。社会への還元まで回っていっていない。
私は次世代のクライマーに期待しています。
クライマーが自分に厳しいのは或る意味当然ですが、それを他人に押し付けると虐待になります。
もしかして、日本で今起こっているのは、これなんではないですかね?