2022/04/19

魔王 吉田海岸での事故 …反省の仕方が間違っているのでは

■ 魔王 吉田海岸での事故について

問い合わせが入り、その後の事故原因の究明はどうなったのかな?と思ったのだが、どこにもまだ出ていないのだろうか?

■ 米国では…

海外のクライマーからの問い合わせで、やはり、アメリカでは、事故原因についてAACが一年に一度本を出しているほどなので、事故の報道があれば、原因についての解説がクライマー団体から出ているのが普通だと、海外クライマーは考えるようです。

日本に足りていないのは原因究明。 

原因については、あいつもやっちまったか…というのが一般的で、巻き込まれの死亡や事故も、自己責任だからの一言で片づけられ、その後、ほかのクライマーに対して事故経験を生かす、ということには、全くつながっていない…。

ので、この岩場のケースだと緩い岩が原因のようだが、それが共有されない…

…ので、緩い岩の岩場に行きたがる初心者クライマーが後を絶たない…

(こういう人はアルパイン系の人が多く、ガイドさんもアルパイン出身の人が多い。フリーのクライマーは脆い岩を好まない)

クライマーにとっての”緩い岩”の基準と、現地住民にとっての基準が大いにかけ離れすぎていて、そこは突き詰められていない。

本来は、クライマーの中で権威ある団体が事故原因の究明をきちんと書面で出すべきだろう…誰かの意見程度の取材に回答を頼るようでは、クライマーの自立、はなされていない。

つまり、マスコミの取材頼み、ということだからだ。


■ 人間は年齢には勝てない

私は年配のクライマーと登ってきた…年齢が上がると、どうしても、物忘れが激しくなる。

青ちゃんもそうだったし、米澤さんも同じだった。経験豊かな年配のクライマーは、頼りにするべき相手というより、こちらが温かく見守ってやるべき相手である。もちろん、経験値に基づいた意見は聞くべきだが、体力やリードなどは依頼できるはずもない。(もちろん、プライドがあるので、本人は認めがたい)

その辺の現実的な、バランス感覚が日本人には欠如している。

40~50代、壮年期、つまり、脂がのっている年齢のクライマー… リードもそれなりに任せられ、判断力も信頼でき、体力も相応、予備体力も豊か…という年齢は、社会でも求められている年齢で、仕事も忙しい訳なので、趣味のクライマーの中には、そうそういない。

男性クライマーで、事故死がもっとも多いのは、20代、30代なので、リードは出来ても、危険を顧みず、無理に突っ込むリスクが大きく、やはり安心人材とは言えず、見守り人材であるし…。

…というので結論的には、どこにも、

”まかせっきり、こっきりで、安心人材” 

は、

いない

のだから、相互に見守り合い、相互にチェックしあって安全安心を作っていくしかない。

そういう関係性が、日本では大変得難い。

会に入っていたらそれは免除されると、会員になった人は信じているし、コーチの下で登るだけのクライマーも同じだ。

誰かが200%の責任をおうことになっていて、誰かが50%…つまり、親と子の関係、コーチと生徒の関係ばかりになってしまう。

つまり、日本人の苦手は、権限移譲であり、相互助け合いの精神で登る、というフラットな関係性だ。

海外クライミングでは、100%と100%の関係で登れるので、ホントに楽だった。

事故を経験に生かすということもなければ、相互助け合いでも登れないとなると、どこに安全の根拠を求めていけばいいのだろうか?

これでは、若い人が、当面ボルダーから出れなくても、それは仕方ないのではないだろうか?





ぶなの記録

動画
https://www.youtube.com/watch?v=CyD9fcj5r_8